アクエリオンEVOL 百獣の王と空を舞う少年   作:ザルバ

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 呪縛から解放されたアマタは二人の肩を借りて休める場所に移動していた。

「大丈夫、アマタ?」

「どこかおかしなところはない?」

「ああ・・・・・・・・・・大・・・・・・・丈夫。」

 アマタはそう言うが肩で息をしていた。

「カグラ・・・・・・・・・・・・ありがとな・・・・・・・・・・・二人に協力してくれて。」

「ふん!別に・・・・・ただテメェとはきちんとした形でケリをつけたかっただけだ。」

 カグラはそっぽを向いてそう言った。そんなカグラを見てアマタは微笑んだ。

「自分でちゃんとケリをつけるところは・・・・・・・・・・・・・・俺と同じだな。」

『え・・・・・・』

 アマタの言葉に二人は驚いた。

「アマタ・・・・・・・今・・・・・・・」

「なんて・・・・・・・・・・言ったの?」

 二人の問いにアマタは答えた。

「だから、“俺と同じ”って言ったんだ。そうだろ、もう一人の俺。」

「なんだ、気づいていたのか。」

「まぁね。」

 アマタは立ち上がりカグラを向かい合う。

「ガオライオンたちが言っていたんだ。“俺には人間の黒い面が全く見られない”って。一見したら純情な子って考えられるけどそうじゃない。どんな純情な子でも例外を除いて表と裏がある。なのに・・・なんで俺にはそれが無いか?一緒に考えて出た答えがあの日、母さんがこの世界に行くと決めた日に二つに分かれたってことだ。」

 衝撃の真実に二人は耳を疑った。今まで他戦ってきた相手がアマタの分身であることに。

「でもここで一つ疑問がある。誰が、何のために俺たちを分けたかだ。」

「どういうこと?」

 ミコノはアマタの言葉が理解できなかった。

「そのまんまだ。俺たち二人は元々一つ。次元ゲートが原因で二つに分かれることってのはまずありえない。何故か?それは簡単だ。ミコノさんとゼシカが証拠。

 仮に次元ゲートが原因で俺たちがなったと仮定したとしても俺たちは次元ゲートから少し離れていた。てことは次元ゲートの生み出すエネルギーによって俺たちは二人に分かれた。だがミコノさんとゼシカはなっていない。当時の技術のせいであるとしても次元ゲートの本質自体には変わりないのだからゲートに近づけば近づくほどその影響はあるはず。なのに何故ないのか?普通に考えればその時の運と片が付く。けどそれが正しいのか?いや、違う。

 絶対的確証がない。それにここに来る過程で二人になってもおかしくないのになっていないとなるとこれは運でも次元ゲートの影響でもなく、第三者によることってことが過程かれる。そうなるとつじつまが合うってわけだ。」

『な、なるほど・・・・・・・・・』

 二人はアマタが言いたいことを大雑把に理解した。つまりこういうことだ。

 

 仮にアマタが二人に分かれたことをAとする。

 次に人が次元ゲートを通ると二つに分かれることをBとする。

 アマタの例を参考にするとB→Aと言う式が成り立つ。

 次に女性がゲートを通ると死ぬ、又は性転換をCとする。

 するとB→Cとなる。

 ここで一つ矛盾が生まれる。Bには“人が通ると”とある。アマタもミコノもゼシカも性別は違えど“人”。つまり同じである。しかし実際はB→A(男性)、B→C(女性)だ。

 同じになるはずがならない。一貫して筋が通らない形。逆の式が成り立ったとしてもこちらの式が成り立たなければこの法則自体に問題があるということだ。

 

「でもだれが・・・・・」

「・・・・・・・・・・・・あいつだ。」

 ミコノが考えているとカグラが口を開いた。

「カグラ、あいつってまさか・・・・・・」

「ああ、ミカゲだ。」

 ミコノたちはその言葉に驚きを隠せなかった。

「な、なんであいつがアマタを!てかそもそもアイツは何なのよ!」

「そ、そうだよ!」

「それはわかんねぇ。俺もアイツについては全く知らない。ただアイツの髪が羽になる。」

『羽?まさか・・・・・・・』

 パワーアニマルたちはカグラの言葉に心当たりがあった。

「ガオライオン、何か心当たりがあるのか?」

「ああ。頭に羽が生えているとなると・・・・・・・堕天使の可能性がある。」

『堕天使?』

 カグラ、ミコノ、ゼシカの三人はガオライオンの言葉に耳を疑った。

「ガオライオン、その言葉が正しかったらおかしくないか?確か堕天使は・・・・・・」

「ああ、一万二千年前に消滅した。ちょうどいい、お前たちに話しておこう。アクエリオンの真実を。」

『アクエリオンの真実?』

「そうだ。元々アクエリオンは今から約二万四千年前に堕天使に対抗するために作られた兵器だ。アクエリオン開発に加担したのは堕天使であるアポロニアスだ。何故堕天使が加担したのかは至って単純だ。人間の女性、セリアンを愛した。アポロニアスは堕天使でありながら人間を愛し、そして人間に味方した。アポロニアスとセリアンは互いに愛したが、その愛が実ること無かった。

 そして一万二千年前、堕天使は蘇り、人間に再び牙を向けた。その運命の悪戯に踊らされるようにセリアンの生まれ変わり、シルヴィアとアポロニアスのペットのポロンの生まれ変わり、アポロが出会った。」

「ちょっと待って!そこは普通アポロニアスじゃないの?」

「実はセリアンを最も愛していたのはポロンだったんだ。そしてシルヴィアはアポロをアポロニアスの生まれ変わりと思い込み、共に戦った。そして堕天使の幹部であるトーマとの最終局面での戦いの最中、世界の中心である世界樹が枯れた。アクエリオンは堕天使が乗ることで完成する機体だ。アクエリオンにアポロ、トーマ、そしてシルヴィアの兄シリウスが搭乗し世界の中心で二度と日の光を浴びることができないことを代わりに世界を救った。それがあの場所だったんだ。」

「そ、そんな話が・・・・でもなんでアポロンとシルフィーって名前に?」

「過去逸話に登場する英雄の話と同じだ。人から人へ伝わる度にその話は形を変えていく。」

「そ、そっか。」

 ミコノとゼシカは納得した。

「あれ?でもアポロニアスとトーマの関係は?」

「許嫁だ。」

『ええ!?』

「まあ無理もないがな。だがもしあいつの思念が残っているのならミカゲはトーマと言うことになる。それなら筋が通る。」

「っ!?待てよ・・・・・・・・・・今も昔もアクエリオンの操縦には三人・・・・・・・・・まさか!」

 アマタはあることに気づいた。

 

 一方その頃ミカゲはアマタを縛っていた仮面と鎧の粉の下にいた。

《ふふふ、この時をどれだけ待ったことか。》

 ミカゲは手に持っている羽二枚を近づける。一枚の羽には鎧の粉が纏わり付き、もう一枚には仮面が付いた。

 羽から生み出されるエネルギーが鎧の粉を角の無い狼鬼に、仮面を角のある狼鬼へと姿を変えた。

《はっはっは、これでようやく私の復讐が実現できる!待っていろセリアン!今お前の大事な星をこの手で滅ぼしてやる!》

 

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