突然合体をした状況にミコノは戸惑いを隠せなかった。
「アマタ君・・・・・・・・アクエリオンてなに?EVOLってなに?」
ミコノが戸惑う状況にアマタは冷静に分析をしていた。
(何でコレの名を・・・・・・・・・・いや、アクエリオンの話しは彼らから聞いていたから知っていたけどこんなのは一度も・・・・・・・・・・もしやアクエリアはこれが本来の姿じゃないのか?操作方法はあれとは違えど原理は一緒。なら・・・・)
「ミコノ!」
突然カイエンの声に現実に戻されるアマタ。コックピットにはカイエンがモニターに映し出されていた。
「カイエン!」
ミコノはカイエンの姿を見て驚く。
「知り合い?」
「うん・・・・私のお兄さん。」
「その男から離れろ、ミコノ!」
アマタはカイエンに怒鳴られる。
「貴様は何者だ。異次元からのテロリストか!?」
「勝手に言うな!」
「アマタ君はそんな人じゃ・・・・」
「無駄にさえずるな!」
カイエンの一方的な発言にミコノはうつむいてしまう。
「(こんな状況でな―――っ!)コイツ、空気読め!」
アブダクターの機体が体当りをしてくるがアクエリオンは上にジャンプし回避する。
「機動性はいいほうか・・・・・・・・おいアンタ!この機体に武器は!」
「何を言って―――」
「いいから!」
「っ!し、知らん!第一この合体になったのは今日が初めてだ!」
「そうかい・・・・・・・・・・状況は最悪だな。」
アマタは冷静に分析する。
「(この機体、アクエリオンは搭乗者のエレメント能力の組み合わせによって戦力が大きく変わる・・・・・・・・聞いてみるか。)アンタら、エレメント能力はなんだ?」
「何を言っている貴様は!」
「アクエリオンはエレメント能力で戦闘における戦術が変わる!早く教えろ!」
「貴様・・・・・!」
「カイエン!」
アマタとカイエンの中にゼシカが入る。
「ゼシカか!」
「今は言い争っている場合じゃないでしょ!君、名前は?」
「アマタ・ソラ。エレメント能力は重力に対する干渉、要約すると飛行能力だ。」
「わかった。私はゼシカ。能力は―――」
「おい!なに教えようとしている!」
「仕方ないでしょ!こんな状況なんだから!第一敵だったらあいつに攻撃されていないって!」
「芝居だったらどうする!」
カイエンとゼシカが言い争う中、アブダクターの機体が斧を振ってくる。
「くっ!」
アマタは操縦桿のロックを外し、左腕でガードする。
「っ!お前・・・・」
「どうして操縦方法を・・・・」
二人は驚くがアマタはそれを気にも止めない。
「はっ!」
アクエリオンは左腕を振り上げると右の拳をアブダクターの機体の左脇に打ち込む。
(コイツ・・・・・・っ!)
アブダクターの機体は後ろに弾き飛ばされるがすぐに体勢を立て直し空中で静止した。
「・・・・・・・・・・できる。」
アマタはそう判断した。拳を叩きこんだ瞬間アブダクターは後ろの飛びダメージを軽減させた。一瞬の出来事にその一瞬の間で反応したことは、実力者故なせる技である。
「い、いやあああああああ!」
ミコノが突然悲鳴を上げた。
(きちまったか!)
アマタはミコノが恐怖の余り悲鳴を上げることを予期していた。
「いや・・・・・・・もういやっ!無理だよ戦うなんて。乗り込めたんだから降りることだってできるよね?」
「ちょっと少女、この状況で何を言ってるの!」
ゼシカがミコノに口を出す。
「ねえ、逃げようよ・・・・戦うなんて無理だよ!」
ゼシカを無視してミコノはアマタに訴える。
「黙れ、ミコノ!」
有無を言わせずカイエンはミコノを怒鳴る。アマタがそっちのほうに意識を取られた瞬間、アブダクターの機体の羽から、U字型のユニットがいくつも飛び、アクエリオンを地面に貼り付ける。ユニットからは電流が流れる。
『ぐぁああああああああああ!』
搭乗員全員は電流に苦しむ。
「ぐっ・・・・・・お前のせいだぞ!ミコノがこんなことに撒き込まれたのは!」
その瞬間、アマタたちに謎の光景が見えた。それは司令室のモニターにも流れていた。
血の様に赤い空、黒い丘を目指し集う、不吉な黒衣の集団。周囲にはシンボルと言える三角架が立ち並び、墓場であることが分かった。
「・・・・・・・・・喪服の結婚式か?」
「カイエン、これはあなたのエレメント能力なの!?」
ゼシカの問いにカイエンは答えた。
「ああ、これは俺の“絶望余地”―――未来に起きる不吉な出来事だけビジョンとして脳内に再生できる。」
「でもなんで私達に見えてるのよ?」
「アクエリオンは感覚を共有することで本来の力を発揮する。それ故だと思うよ。全く、あいつらこうこと前もって教えてくれたから俺は平常でいられるね。」
アマタは苦笑いする。しかしカイエンとゼシカは何故アマタがそのことを知っているのか疑問を抱いた。
「ん!あそこにいるのは・・・・・・・・ミコノさん?」
アマタが見る先には喪服のドレスを着たミコノと、隣にいる赤毛の男がいた。
スクリーンがズームアップされ、そこに映っているのは金色の瞳に黒い肌、赤い髪の毛の狼のような顔立ちの男であった。
(なんだろう・・・・・・・・・コイツとは何処かで会った気がする。何故だ?なぜ俺はコレを――――)
アマタは考えるがその思考はアブダクターが馬乗りになったことで停止させられた。
「ちぃ!」
獣のように襲ってくるアブダクターにミコノは恐怖する。
「いやぁあああああああああぁああああああ!」
「ミコノさん!」
「っ!」
アマタに急に呼ばれミコノは驚く。
「俺があの時言ったこと覚えてる?」
「え・・・・・・・」
「“一歩でも踏み出してみようよ。どんなに小さくてもいいだから”って。覚えてる?」
「う・・・・・・・・うん・・・・・・」
「恐いのも分かる。俺だって今この状況が恐いよ。でも・・・・・・・・・・逃げたらそこまでなんだ。それは逃げてばっかりが嫌で前に進もうと思ってる。ミコノさんはどうしたい?このまま逃げて自分を変えないままでいる?それとも一歩踏み出して変わろうとする?」
「私は・・・・・・・」
ミコノはアマタの言葉を真剣に考える。
今まで自分を見下してきた顔、顔、顔、顔。
いつも出来損ないと言われ続け、その現実から逃げていた。だが彼女は―――
「・・・・・・・・・・・わりたい、変わりたいよ!ずっと足引っ張っているだけなんてイヤだよ!」
その言葉を聞いた瞬間、アマタは微笑んだ。そしてミコノの頭を撫でた。
「その言葉、忘れないでね。」
アマタはそう言った途端であった。
―――ガァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!
『っ!』
アマタ以外の全員が突然の咆哮に驚きを隠せなかった。
アブダクターの機体は突然現れた金の鬣を持つ赤いライオンに吹っ飛ばされた。態勢が崩れたアブダクターを金の角を持つ黒いバイソンが体当りする。そして白い大きな虎と青い鮫が追撃をした。そして空から黄色い鷲が現れU字型のユニットを光弾で破壊する。
「みんな、ありがと。」
アマタはアクエリオンを起こし、大きな獣に礼を言うと大きな獣たちはそれに答えるかのように叫ぶ。
「アマタ君・・・・・・・・・知っているの?」
「ああ。ガオライオン、ガオイーグル、ガオシャーク、ガオタイガー、ガオバイソン。俺の大事な仲間で家族。」
アマタの言葉を聞いた者は驚きを隠せなかった。
「それって・・・・・・」
「パワーアニマル?」
「伝説上の生き物じゃなかったの?」
「現にここにいる。伝説じゃないよ。」
その時、次元ゲートから別の人型の機体が三機姿を表した。
「増援!」
「いや、敵もアイツの実力は知っているはず・・・・・・・・・となると来た理由は・・・・」
三機のアブダクターの機体はアクエリオンに向け一斉射撃をする。しかしガオライオンがアクエリオンの前に立つと―――
ガァアアアアアアアアアアアアアァアアアアアアアアアア!
ガオライオンの咆哮がレーザーを搔き消した。
しかしその隙に赤いアブダクターを三機の機体が回収する。
「撤退してくれるのは嬉しいが――――」
「やられっぱなしってのは嫌なのよね!私のエレメント能力を使って!あいつを殴る様に!」
「わかった!」
アマタは右腕を殴るように振るう。アクエリオンから発せられる衝撃波はアブダクターの機体を掠った。
「うそ・・・・私のエレメント能力が上がってる!」
(正確にはアクエリオン本来の力が解放されたんだがな。アクエリアはアクエリオンの力をセーブしてたからちょっと勘違いだな。だがいきなりこんな力を制御は無理だ。頼むぞ、みんな!)
ガオライオンたちはアブダクターの機体に向けエネルギーを放った。エネルギーはアブダクターの増援を二機破壊し、赤いアブダクターの期待の左脚を破壊、残り一機の下半身を破壊した。
「すごい・・・・」
ゼシカはガオライオンたちの攻撃に驚きを隠せなかった。
赤いアブダクターの機体は片足を捥ぐと味方の機体の腕を捥ぎ取り、強引にくっ付けた。そして地上に降りると獣のように地面を這う様に攻めてくるが、アクエリオンは避ける。
「別のパーツを無理やり取り付けて――――」
「それでなお、あの動き!ケダモノかバケモノか!」
アマタはどうするか考えているとガオライオンがアマタの方を見て何かを問いかけるように目を光らした。
「っ!わかった!」
アマタは頭の中にある武器をイメージした。
(いつものなんら変わりない。アレを使う感覚でアクエリオンを操縦すればいい。ただそれだけだ。)
アブダクターの機体が接近してくるとアクエリオンは右手を左に持って来て叫んだ。
「イーグルソード!」
横一線にアクエリオンが腕を振った瞬間アブダクターの機体は切り傷を受けて飛ばされた。手には破邪の爪、イーグルソードが握られていた
「できた!」
「あ、アマタ君。それは・・・・」
「ガオイーグルを模様した武器、イーグルソード。剣戟ならこれがいい。」
アクエリオンはアブダクターの機体に向け走り出すと両手を交差させ、武器の名を叫んだ。
「シャークカッター!」
破邪の爪、シャークカッターがアクエリオンの手に握られる。
「はぁあああああああああぁああああああ!!」
アクエリオンは縦横無尽にシャークカッターを振るう。アブダクターの機体は両腕をこうさせ攻撃を凌ぐ。アクエリオンは距離を取ると武器を変える。
「タイガーバトン!」
破邪の爪、タイガーバトンがアクエリオンの手に持たされる。アクエリオンは跳びながらアブダクターの機体に近づくとタイガーバトンを突く。アブダクターの機体は後ろに弾き飛ばされる。アブダクターの機体がジグサグにアクエリオンに接近してくるとアマタは武器を変える。
「バイソンアックス!」
アクエリオンは破邪の爪、バイソンアックスを振り上げる。アブダクターの機体は宙を待った。
「一気に決める!ライオンファング!」
アクエリオンの手に破邪の爪、ライオンファングが握られアクエリオンはアブダクターの腹部に叩き込んだ。
「まだだ!」
アクエリオンはライオンファングを解くとアブダクターの機体を掴む。アクエリオンの背中のスラスターが開き、背中に黄金の羽が展開され空へ空へと上昇する。
「はぁあああああああああああぁあああああああああ!」
アクエリオンは大気圏を抜け、衛星軌道上にある“運命の三ツ星”にアブダクターの機体をぶつけた。
《触愛・天翔突 ELYING LOVE ATTACK 》
三ツ星に新たなクレーターが誕生した。アクエリオンはゆっくりと離脱する。
「すごい・・・・」
「やったのか?」
ミコノは感心し、カイエンはそう呟く。だが、アブダクターの機体は左腕以外破壊されながらもまだ動いていた。
「うそっ!」
「まだ動くのか!」
ゼシカとアマタは驚く。その時アブダクターの側に次元ゲートが開いた。
「また増援か!」
「いや、この場合の正しい判断は―――――――」
次元ゲートがアブダクターを吸い込むようにゲートへと引き込む。アブダクターは抵抗するものの最終的には振り切れず次元ゲートの彼方へと姿を消した。
「――――撤退だ。」
戦闘の後、アクエリオンが成層圏内まで降下すると合体が解除された。
アマタはベクターゼドをネオ・ランディアの広い場所に着地させた休憩していた。
「大丈夫、アマタ君?」
「ああ・・・・・・・何とかね。」
アマタは予想以上に疲れていた。
(まさかあそこまで激しい戦闘になるとはな・・・・・・・・・・だがこの後どうしよう。ミコノさんは・・・・・・・・・多分お兄さんが何とかするだろうけど俺はガオライオンたちのこと聞かれるだろうし。今回は逃げよう。そうしよう。)
自分にそう言い聞かせているとコックピットのハッチが開けられ光が差し込んだ。光のほうにはカイエンとゼシカがいた。
「ミコノさん、先に出て。」
「う、うん!」
アマタの膝を踏み台にミコノが外に出る。するとカイエンが手を差し出す。
「掴まれ。」
「ごめんね。」
アマタはカイエンの手を握り引き揚げられる瞬間、アマタの溝に向けカイエンが拳を突く。しかしそれはアマタの手によって防がれた。
「ほう・・・・・・・・やるじゃないか。」
「さっきバンバン出して手よく言うよ。ふっ!」
アマタはカイエンの手を引っ張り上に飛び、三人から距離を取る。
「動くな!」
カイエンはアマタに銃を向ける。
「一連の行動から軍人と見たけど間違いないかな?」
「そうだ。お前には聞きたいことがある。何故アクエリオンの名を知っていた?何故パワーアニマルが現れた!」
「最初の質問に答えよう。俺はパワーアニマル達からアクエリオンのことは聞いていた。彼らが覚えている限りのことをね。二つ目の答え。パワーアニマルが現れたのは家族の危機だったからだ。」
「家族の危機?」
「ああ。俺は十八になるまでの十二年間、彼らと過ごした。」
『なっ!?』
カイエンたちは驚きを隠せなかった。
「十二年も一緒に過ごせば家族だ。血や種なんて関係ないからね。じゃ、そういうことで!」
アマタはそこから立ち去ろうとした瞬間、カイエンが発砲。銃弾はアマタ目掛け飛ぶがアマタは腰に備えていた獣王剣を抜き銃弾を反らした。
「なにっ!」
「俺も甘くないんでね。」
アマタは獣王剣に宝珠をはめ込むと天に掲げ叫んだ。
「ガオライオン!」
何処までも届く音色が響き渡り、空からガオライオンが虹の道を伝い地上に降りてきた。
「なんだと!」
カイエンは驚くがアマタはエレメント能力を使いガオライオンの頭に乗る。
「ありがと、ガオライオン。」
ガァアアアアオ!
アマタの言葉にガオライオンは答えるように咆哮を上げる。
「あっ!ミコノさん、これ!」
アマタは紙飛行機をミコノに向け飛ばした。ミコノはそれを受け取ると何かが書かれていることに気付き紙飛行機を解くとそこには電話番号があった。
「何か相談したいことがあったら話だけでも聞くから。じゃっ!」
ガオライオンは空を掻けた。
カイエンたちはその光景をただ見ていることしか出来なかった。
「ゴメンね、こんなことになっちゃって。」
「気にするな。いずれ我々の存在は世に知れ渡ることは分かっていた。だが。あのアクエリオンはお前は知っていたのか?」
「いや、全然。でもどーしよ。明日のご飯。」
「自分の身より飯かお前は!」