アクエリオンEVOL 百獣の王と空を舞う少年   作:ザルバ

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 パワーアニマルの聖地、天空島でアマタは赤い目の鋭い金色のメッシュが入った男と空中で戦闘していた。

「はぁああああ!」

「ふんっ!」

 アマタは男に拳を突くが男は腕を組んだままかかとを振り下ろしアマタを地面へと落す。

「ぐっ!」

 アマタは地上に両脚に力を込め着地し、男に向かい蹴りを喰らわせようとする。

「らぁああああああ!」

「ふん!」

 男は足を横に振りアマタの蹴りを流すがアマタはそれを利用し回し蹴りをする。

「っ!」

 男は咄嗟に腕で防いだ。その瞬間アマタは微笑んだ。

「ふっ!」

 アマタは足を曲げ空中で二回、回転すると男の頭上から蹴りを喰らわそうとする。男はアマタの足を掴み地面に向け放り投げようとするがアマタは体をきりもみ回転させ脱出し、男の顔面に拳を突こうとした瞬間であった。

「そこまで!」

 アマタはその言葉に手を止める。が、悔しい表情をしていた。

 男の手刀がアマタの腹部に向け突きつけられていたからだ。

「あ~、また負けたー!」

「だが俺に手を出させるまで来たんだ。そこは喜べ。」

「いやいや、素直に喜べないから。」

 二人は地上に降りると、金髪の鬣の様な髪をした男が地上にいた。

「アマタ、中々の勝負だったぞ。成長したな。」

「いや、まだだからガオライオン。」

 アマタ目の前にいるのはガオライオンが擬人化した姿であった。

「ガオファルコンに手を出させたのだ。喜べ。」

「でもガオファルコンが手を出したのは三回だろ。正直五回手を出させたかった。」

「まあまだ俺もお前に五回手を出させる気は無いからな。がんばれ。」

 ガオファルコンはそう言った。しかし一桁単位での話とは次元が違っているのである。

「おー、性が出ているなー!」

 緑の髪のガッチリ体型の男が現れた。

「あ、ゴリさん。」

「普通にガオゴリラって呼んでくれないか!」

「いや、なんでか擬人化の姿ってゴリさんって呼びたくなって。」

「「確かに。」」

「そこ!納得するな!」

 ガオゴリラはガオライオンとガオファルコンを指差す。

「それはそうとお前、今日は地上に降りるのか?」

「うん。生活必需品で補充しないといけないのがあったから。」

「そうか。ならサモナーソードを持って行け。またあのようなことが起きた時のためにな。」

「うん。」

 アマタは居住スペースの場所に移動し刀袋に収めているサモナーソードと獣王剣を装備し、地上に降りる。

 

 一方その頃ミコノは聖天使学園で女子からの質問攻めにあっていた。

「ねぇねぇ、男子と合体ってどんな感じなの?」

「しかも相手は、カイエンだったんでしょ?」

 アクエリオンの初の男女合体。尋ねずにはいられないものであった。

「カイエン様は永遠にナンバー・ツーってポジションが渋くていいのよねぇ。」

「私は断然シュレード様派だけど、模擬線には滅多に出てくれないし・・・・・・・。あっ!でもあのアマタって人もいいかも!」

 ミコノはその言葉にピクッと反応した。

 そんな時ゼシカが精密検査から戻ってきた。

「ただいまー。あー、疲れたー。」

「あっ、ゼシカ!貴方も検査終わったの?」

 サザンカがゼシカに駆け寄った。

「やっとね。スオミ教官がピリピリして、もう大変だったわよ。」

「そりゃあ男子と合体しちゃったんだもん。いいなぁ、ゼシカ。」

「ねぇねぇ、どんな感じだった?」

「ん~~~~~~~、女子より・・・・濃いめ?」

「っきゃああああああああああ!」

 ゼシカの感想に女子一同の歓声は大コーラス。

「濃いんだ、やっぱり濃いんだ!」

「いいなぁ・・・・私も合体したい。ってか、カイエン様に会えるだけでいい!」

「ああ、ベルリンなんてなくなればいいのに!」

 女子たちの話題はヒートアップしたがその後MIXが否定し、少々言い争いになった。

 

 同時刻、アマタは町に降りて店の人と話をしていた。

「そーかい。アンタ昨日の場所から。」

「ええ。こっちには今日初めてで。」

「ま、がんばんな。にしてもなんでアイツら来るんかねー。」

「さあ。でもアイツ等の目的のためじゃないでしょうか?」

「女が目的でかい?わっかんないねー。」

「ははは、そうですね。」

 アマタはそう言うと店を後にした。

「ま、女性を狙うとなると大よそ検討はつくんだけどね。」

 アマタはそう呟きながら町を歩く。

 

 射撃訓練場でカイエンはひたすら的に向け銃を撃っていた。

(あいつ・・・・・・・・あの時、銃の速度に反応していた。それにアクエリオンやパワーアニマルまで・・・・・・・・それにミコノも巻き込みやがった!)

 カイエンを喰いしばる。

(クソ、クソ、クソ、クソ、クソ、クソ、クソ、クソ、クソ、クソ、クソ、クソ!)

「おい、カイエン・・・・・・・・・カイエン!」

「っ!」

 カイエンは同じエレメント候補生のアンディ・W・ホールに声を掛けられ現実に戻される。

「らしくないぜ。弾切れなのに空撃ちしているじゃねか。」

 カイエンは自分が持っている銃のマガジンを確認すると既に空になっていた。

「・・・・・・・・悪い。」

「あの男の事か?」

「・・・・・・・・・ああ。何でアイツがアクエリオンを・・・・・・・・いや、それよりもパワーアニマルと仲間なのかを知りたくてな。」

「確かにそーだよなー。俺も昔、絵本でしか読んだことが薄っすら記憶にあるだけで本当に存在するなんて思わねーよ。」

 カイエンの言葉にアンディも納得した。

「でもよ、俺が昔読んだ本にはパワーアニマル以外にいたって話があるぜ。」

「なに?」

「なんでか知らないが“精霊王”、“筋肉の戦士”、“天空の精霊王”、“正義の狩人”ってのがいるらしいぜ。」

「なんだそれ?」

「俺もよく知らねぇけどすっごいってのだけはわかるぜ。」

 二人がそんな話をしていると警報が鳴った。

《エリアD-22にアブダクター出現!総員、第一種迎撃配置につけ。出撃エレメントはゼシカ、MIX、サザンカ!》

 

 同時刻、アマタは建物の上からアブダクターを見ていた。

「たく、攻めてくんのが早いだろ!」

 アマタはライオンファングを手に取ると叫ぶ。

「変化(メタモルフォーゼ)!ガオメインバスター!」

 アマタは天井を掛け走りアブダクターの捕獲型に近づくとガオメインバスターを発射、アブダクターの気を反らすと屋上で足場を固定し照準をアブダクターに定める。

「ファイナルモード!」

 ガオメインバスターの口が開き、銃口が姿を表す。

「邪鬼退散!」

 ガオメインバスターから放たれるエネルギーの球がアブダクターの機体の壺の胴体を貫通し、機能を停止させる。

「っ!」

 アブダクターの四足戦闘がたがアマタに狙いを定めレーザーを放ってくる。アマタはエレメント能力を使い回避すると刀袋の中からサモナーソードを取り出し抜刀、砲の部分を斬る。

「うおっ!今まで岩しか斬ってなかったけどこれすごい!でもこれは・・・・」

 アマタは周りを見る。アブダクターの機体に対し町に設置されている砲台は無力。

「仕方ない。」

 

 聖天使学園作戦室ではモニターにエリアD-22の映像を見ていた。

 学園内のモニターにもその映像は映し出されていた。皆が見守る中、状況に変化があった。

『こちらゼシカ、アブダクターの機体二機が破壊されました!』

「なにっ!」

 その言葉にドナールは驚く。

「破壊された機体付近の映像を出せ!」

「はい!」

 操作パネルを操作し映像を出すとそこにはアマタの姿があった。

「アイツは!」

「あの時の!」

 映像を見ている全員が驚いた。

 

「じゃあいっちょ行きますか!」

 アマタはサモナーソードを手元で回すと逆手に持つ。サモナーソードには刀身に五つの穴が開いている。アマタの手に五つの宝珠が現れるとアマタは刀身に開いた穴に宝珠をはめ込み、再び手元で回すと順手に持ち替え、天に剣先を突きつけ叫ぶ。

「百獣召喚!」

 その叫びと共に何処までも届く音色が響き渡る。すると天空から虹の道を伝いガオライオン、ガオイーグル、ガオシャーク、ガオバイソン、ガオタイガーのパワーアニマルが姿を表した。

「みんな、頼んだよ!!」

 アマタはアブダクターの機体に向け飛ぶとサモナーゾードで機体にダメージを与える。

 ガオライオンたちも自身の持てる技で次々とアブダクターの機体を無力化する。

「よっと!はぁっ!」

 アマタは避けながらも接近し、斬るを繰り返す。

 そんな時上空からレーザーの雨が降ってくる。

「皆、避けて!」

 アマタがそう言うとガオライオンたちは急いで回避行動を取るがいくつか喰らってしまった。上空から人型戦闘アブダクターが四機姿を表した。

「皆、いける?」

 アマタの言葉にガオライオンたちは咆哮を上げ答えた。

「何をするつもり?」

 ベクターの中からゼシカはアマタが何をするのか注目する。

 アマタはサモナーゾードから赤い宝珠を取り、サモナーゾードを鞘に収めると右手で獣王剣を抜き、宝珠をはめ込み胸の前に突き出し左手を胸の前に掲げ叫ぶ。

「百獣合体!」

『が、合体!?』

 その言葉を聞いた誰もが驚きを隠せなかった。

 五体のパワーアニマルが一つとなり、精霊の王が姿を表した。

「ソウルバード!」

 天空からソウルバードが現れると、アマタはエレメント能力を使いソウルバードに乗る。

「ソウルドライブ、ガオキング!」

 ガオキングの背中からソウルバードが入りアマタはソウルバードの操縦桿に獣王剣を置く。

「誕生、ガオキング!」

 地上に光臨したガオキングに一同驚きを隠せなかった。

「嘘・・・・・・・・・合体した・・・・」

「なんなのよあれ・・・・・」

「絵本に出てくる・・・・・・・精霊王!」

 ゼシカたちは驚きを隠せなかった。ただでさえ伝説と言われたパワーアニマルに加え目の前での合体。平常心でいられるはずも無かった。

「いくよ、ガオキング!」

 ガオキングはアブダクターの機体に向け歩き出す。アブダクターはガオキングにレーザーを放つがガオキングはその足を止めずアブダクターの機体に接近する。

「シャークショット!」

 ガキンッ!

「タイガークロー!」

 ガキンッ!

「バイソンキック!」

 ガキィンッ!

 ガオキングの格闘術がアブダクターの機体にダメージを与える。

「フィンブレード!」

 ガオシャークの尾びれを武器としたフィンブレードを使う瞬間、ガオキングが怒りの表情になる。ガオキングはフィンブレードでアブダクターの機体にダメージを与える。三期が一旦距離を取るとアマタはフィンブレードを使った必殺技を放つ。

「怒涛一閃・ザージングアロー!」

 フィンブレードからビームが放たれ、アブダクターの機体が爆発する。上空にいる三機のアブダクターがガオキングに攻撃をしようとした瞬間、ガオキングは体を三機の方に向ける。

「天地轟鳴・スーパーアニマルハート!」

 ガオライオンたちの口からエネルギー砲が発射される。二機は避けるが一機は避け切れず爆発した。

「みんな、大丈夫?」

 アマタの言葉にガオライオンたちは咆哮で答える。

(いくらガオライオンたちでも連続でスーパーアニマルハートを撃つのは無理だ。敵さんが地上に着てくれたら嬉しいけど。)

 一機のアブダクターの機体が地上付近まで降りるとガオキングに急接近し手に仕込んでいたブレードを振るう。ガオキングはダメージを受け後ろに後ずさる。

「ぐっ!地上に降りてきたはいいけど厄介だな。あれとアレでいくか!」

 アマタは獣王剣を手に取るとガオライオンの宝珠からガオエレファンとの宝珠に変える。

「召喚、ガオエレファント!」

 ガオキングの中から天に響き渡る音色が鳴る。すると向こうから象の鳴き声が聞こえてくる。

「ねえMIX、私の聞き間違いじゃなかったらあれって象の鳴き声よね?」

「え、ええ・・・・・・でもあれって・・・・」

「パワーアニマル・・・・・・・・・ガオエレファント!」

 目の前にいるのはパワーアニマル・ガオエレファントであった。アマタはガオエレファントの姿を確認すると叫んだ。

「百獣武装!」

 ガオエレファントが二つに分離し、盾と剣となりガオキングに装備される。

「完成!ガオキングソード&シールド!」

『なっ!』

 これで何度目の驚きであろうか。ガオエレファントはガオキングの武器となった。

「いくよ!」

 ガオキングにアブダクターの機体は接近してくるが、ガオキングはシールドでその攻撃を受け止め、ソードで突く。アブダクターの機体は後ろに弾き飛ばされる。

「一気に決める!豪力両断・イビルクラッシャー!」

 ガオエレファントの鼻を鞭の様に伸ばしアブダクターの機体を切り倒した。

 ガオキングの後ろから最後のアブダクターが接近しながら攻撃しようとする。

「しまっ!」

 アマタは反応が遅れ攻撃を受けるかと思った。しかしアブダクターの攻撃が届くことはなかった。ガオジュラフがその攻撃を体当りで防いだ。

「ガオジュラフ!サンキュー!」

 アマタは獣王剣に嵌めている宝珠をガオエレファントとからガオジュラフの宝珠に変える。

「百獣武装!」

 ガオエレファントがガオキングから離れ、ガオシャークがガオジュラフと入れ違いに装備される。ガオジュラフの頭に鉄化面が装備される。

「完成!ガオキングスピアー!」

 ガオキングの新たな姿、ガオキングスピアーにゼシカたちは驚く。

「あんな合体まで・・・・・・・・はっ!MIX、サザンカ。合体するよ!」

「ええっ!」

「今!?」

「つべこべ言わないで!」

「ああもう、分かったわよ!」

「仕方ないか。」

 

「GO!アクエリオーン!」

 ベクターイクスをヘッドとした合体によるアクエリオンが姿を表した。

「アクエリオーン、ゲパルト!」

 者激戦に特化したアクエリオンゲパルトが地上に降りるとアブダクターの機体に向けガンポッドを放つ。アブダクターの機体は回避運動を取る。

「ちょっとゼシカ!何で当てないのよ!」

「いいのこれで!」

 MIXの言葉にゼシカはそう答えた。

「うまくいくかな・・・・」

 アマタはソウルバードの操作パネルを操作し、アクエリオンに通信を入れる。

「聞こえる?」

「アマタ!なんで!」

「おー、確かゼシカさんだっけ?ま、とにかく知っている人でよかったわ。」

「いや、それよりこっちの質問に答えいてよ!」

「そうだった、そうだった。ピヨちゃんに頼んで繋げてもらったんだ。」

「ピヨちゃん?」

「そ。で、ここまで近づけてくれてありがと。後はこっちで止め刺すから。」

「ちょっと待って!いくらなんでもその武装じゃ――――」

「まあ見てなって。」

 ガオキングはアブダクターの機体に狙いを定める。

「悪鬼貫徹・ネックスラスト!」

 ガオジュラフの首が伸び、アブダクターの機体を貫通する。

「・・・・・・・・すごい!」

 ゼシカは驚きを隠せなかった。そしてゼシカたちの目の前で爆発した。その場にいるのはアクエリオンとガオキングのみであった。

「じゃあ俺はこれで―――」

「待って!」

 ゼシカがアマタを呼び止める。

「なに?」

「私達と一緒に着いて来てくれない?」

「・・・・・・・何故?」

「貴方の力が要るから!」

「・・・・・ちょっとおかしくないか?」

「え・・・・」

「俺一人の力でどうにかなるって話じゃないだろ。本音はどうなんだ?」

「・・・・・・・・・正直言うと私達の力は不足してる。」

「ゼシカ!」

 MIXが口を挟む。

「あの赤いのに貴方は対応し、そして勝った。」

「アレは勝ちとは言わないな。敵が退いてくれたと言うんだ。」

「それでもアイツと渡り合えてた!それにパワーアニマルの力だって必要なの!」

「確かにパワーアニマルの力は強大だ。だが彼らが君たちの味方になるとは限らないよ。」

「確かにそうだけど・・・・・・・・・・でも、それでも必要なの。お願い!」

 ゼシカは頭を下げた。

「・・・・・・・・・・ふー。女の子に頭下げさせて反対は出来ないな。わかったそっちについてくけど、ピヨちゃんでそっちに向かう。ガオライオンたちはさっきの戦いで疲れているからね。」

「わかった・・・・・・・・・で、聞きたいんだけどピヨちゃんって誰?」

「・・・・・・・・・ああ。」

 ゼシカが言いたいことをアマタは理解した。

「ちょっと待ってな。」

 ソウルバードがガオキングから抜け、ガオライオンたちは天空島に戻った。そしてソウルバードが建物の屋上に着地した。

「ソウルバードのピヨちゃん。戦闘能力はそっちのベクターマシンくらいかな。」

「そ、それもパワーアニマルなの?」

「ああ。じゃあ案内よろしく。ピヨちゃん、もう少し頑張って。」

 ピヨー!

 

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