アクエリオンEVOL 百獣の王と空を舞う少年   作:ザルバ

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 アマタとゼシカたちは共に聖天使学園を目指し飛行しているが、特に誰も話そうとはしなかった。

「なぁピヨちゃん。」

 ピー

「暇だな。」

 ピヨー

「しりとりしようか。」

 ピヨー

「りんご。」

 ピヨー

「ラッパ。」

 ピヨー

「積み木。」

 ピヨー

「猫。」

「ちょっと待って!」

 二人のやり取りにゼシカがツッコミを入れる。

「どうしたんだゼシカさん?何か問題でも?」

「ああ、うん。まず私は貴方と同い年だから敬語はいらないよ。向こうの候補生も同じ年齢だから。で、本題なんだけど会話成立しているの!!」

「してるぞ。ちゃんとしりとりをしていたぞ。」

「ピヨーっとしか言ってなかったよね!!」

「何を言っている。さっき狐って言ったじゃないか。」

「ピヨーの中に狐が盛り込まれているの!」

「ああ。て、よくよく考えたらパワーアニマルたちの言葉分からないといけないか。俺は十二年過ごしてたからアイツ等の言いたいことは理解しているんだ。」

「へ、へー・・・・」

 ゼシカは驚きの余りなにも言えなかった。

「まあ最初あった時は正直驚いたけど。」

「そ、そうなんだ。」

「ああ。いきなり天空島に呼ばれたと思えば皆が俺を見てたんだぜ。驚かないのがどうかしてるっしょ。」

「そ、そうだね・・・・・・・あっ!パワーアニマルって百体いるんだよね?だったらアマタは百体呼び出せるの?」

「いや、十九体まで。ガオライオン、ガオイーグル、ガオシャーク、ガオバイソン、ガオタイガー、ガオエレファント、ガオジュラフ、ガオベアー、ガオポーラ、ガオゴリラ、ガオコング、ガオウルフ、ガオリゲーター、ガオハンマーヘッド、ガオマジロ、ガオライノス、ガオディアス、ガオファルコン、ソウルバードことピヨちゃん。後は時が来るまで眠っている。」

「へー。そんなに多いんだ。さっきの中にコングとゴリラってあったよね?」

「ああ。」

「どう違うの?」

「そうだなー・・・・・・ガオゴリラは力の戦士だがガオコングは炎の騎士って感じだ。」

「炎の騎士?」

「それについてはまた今度。あそこだろ?」

 アマタが指差す方には聖天使学園があった。

「えーっと、一応聞くけどどっちに着陸したら言いの?」

「左側の男子棟の方にお願い。」

「了解。ピヨちゃん、飛ばして!」

 ピヨー!

 ピヨちゃんは聖天使学園に向けバレルロールを描きながら飛ぶ。

「綺麗なバレルロール・・・・・・・・・やっぱパワーアニマルって凄いわね。」

 

 アマタが男子棟のグラウンドに着地するとそこにはドナールと司令が待機していた。ピヨちゃんはアマタを降ろすと天空島に戻った。

「お前がアマタ・ソラだな。」

「ええ。失礼ですが貴方は?」

「私の名はドナール・ダンテス。男子棟の教官だ。こちらは司令だ。」

「初めましてアマタ・ソラ君。」

 司令がお辞儀をするとアマタもお辞儀をした。

「これはどうも初めまして。私のことはアマタと呼び捨てて構いません。」

「そうですか。では話があるので同行して頂きたいのですがよろしいですか?」

「ええ。こちらも、そちらとの交渉の際にいくつか条件を出したかったので。」

 アマタはドナールと司令に付いて行った。

 

 司令が職務を行う学園皇室にはアマタに対面するように司令がソファーに座り、側にはスオミとドナールが立っていた。

「失礼ですがそちらの女性は・・・・」

「彼女はここの女性教官を務めているスオミ・コピネです。」

「そうですか。初めまして、アマタ・ソラです。」

 アマタはご丁寧にお辞儀をする。

「こ、これはどうも!」

 スオミもお辞儀をする。

「で、アマタ君。君に話したいことがあるのだが言いたいことは分かるね?」

「おおよその見当は。ですが最初のこの条件を呑んでいただきたい。」

「何でしょう?」

「彼女、ミコノさんを交渉の材料として使わないことだ。彼女はあの場で巻き込まれただけだ。」

 その言葉を来た途端、一同鳩が豆鉄砲を食らった顔をした。

「どうかしましたか?」

「い、いえ・・・・・・・・ただ君の口からそのような言葉が言われるとは思わなかったので。それで先程の条件に関しては安心しても構わない。彼女はスズシログループの御子息にあたる。彼女を交渉の材料に使うことは絶対に無い。」

「よかった。これで交渉の大部分は解決だ。」

 アマタは安堵の表情を浮かべる。

「(この少年、自分よりも他人を優先するのか。)それで他の条件は?」

「ええ。私はパワーアニマルの聖地、天空島で暮らしてました。彼らのことを思い定期的に向こうに帰らなければなりません。」

「そんな条件が呑めるか!」

 ドナールが怒鳴りながら否定する。

「・・・・・・・つまり君は天空島へ戻ることに許可を貰いたいと?」

「ええ、その通りです。」

「・・・・・・・いいだろう。」

「司令!」

 ドナールは驚く。

「今我々には力が必要だ。先の戦闘に出て来た異世界からの直接攻撃。アクエリアですら太刀打ちできなかったのを彼は始めての合体で勝利を得た。多少の条件は呑む。」

「感謝します。でも、一つだけよろしいですか?」

「なんだね?」

「俺は力を貸しますが、パワーアニマルが貸すとは一言も言ってません。」

『っ!?』

 アマタの言葉に一同驚いた。

「彼らは俺の頼みを聞いてくれているだけであり、パワーアニマルたちはあなた方に力を貸すとは言っていない。もし借りるとなると彼らに直接交渉をしなければなりません。」

「成程・・・・・・・分かりました。ではエレメント候補生も同行して交渉させてもらいましょう。」

「ええ。そちらからの条件は何でしょうか?」

「まずパワーアニマルたちに関する情報の提供、君が使っていた武器の解析、君が何故アクエリオンを知っていたかを知るための精密検査。これが我々からの要求だ。」

「了解した。武器に関するとなると全てでよろしいかな?」

「ああ。」

「・・・・・・・・わかりました。でも宝珠は無理ですからね。」

「分かりました。」

 司令がアマタに手を差し出すとアマタはその手を握り、握手をした。

「では、アクエリオンについてはパワーアニマルから直接聞きました。」

「パワーアニマルから!」

 スオミは驚いた。

「ええ。彼らは長い年月生きている中で人間の歴史を見てきました。その中でアクエリオンの戦いも見てきたのです。」

「では何故加わらなかったのですか?貴方も?」

「彼ら曰く、人間の力で解決すべき事態であったとのことです。私に関してはパワーアニマルたちが止めてくれました。」

「止めてくれた?」

「ええ。当時の私はまだ六歳でガオキングを扱えるほど力もありませんでした。それにアブダクターが来る日には彼らが俺を止めてくれました。」

「成程・・・・・・・・でもなんであの日は行ったの?」

「直感ですかね。なんとなく行かないといけない気がしたんです。」

 スオミはその言葉を聞くと何故か納得した。

「では次に武器だ。出してもらおう。」

 ドナールがそう言うとアマタは腰に備え付けていた獣王剣と宝珠を抜いたサモナーソードを机の上に置いた。

「他の武器も出しましょうか?」

「そうしろ。」

 ドナールはぶっきらぼうにそう答えた。

「じゃあ、ライオンファング、イーグルソード、シャークカッター、バイソンアックス、タイガーバトン、ファルコンサモナー、ハスラーロッド。」

 アマタが武器の名を口に出すと武器が全て机の上に出てくる。

「こ、こんなにあるのか!」

「ええ。一つ一つの武器の特製を習得するのに結構時間を掛かりましたがね。」

(っ!コイツ・・・・・・・あの時の戦闘でもそうだったが、アイツは武器の特性を利用し臨機応変に対応していた。一体誰が・・・・・・・・・パワーアニマルが教えたとは思えん。)

 ドナールは自分なりに考えたが結論が出なかった。

「じゃあお前には精密検査を受けてもらうぞ。」

「ええ。」

 アマタはソファーから立ち上がり、ドナールについて行った。

「ああ、そうだ。」

 ドナールは通信を入れる。

「カイエン、アンディ。学園兆室に来て検査のための武器を研究室に運ぶように。」

 ドナールが通信を終えるとアマタは助言した。

「あ、サモナーソードは結構重いので三人くらい要りますよ。」

「馬鹿を言うな。ここの奴らはそんなヤワに鍛えていない。」

「一応忠告しましたからね。」

 ドナールにアマタはついて行った。

 

「失礼します。カイエン・スズシロ及びアンディー・W・ホールディング入室します。」

 カイエンとアンディーが学園長室に入る。

「来てくれたか。早速で悪いのだがコレを運んで欲しい。」

 司令が机の上に置かれている武器を見る。が、なぜかサモナーソードが置かれている部分だけが以上に沈んでいた。

「へー。アイツが仲間になったんすか。」

「まあ、契約をしたがね。」

 アンディーの言葉に司令はそう答えた。

「んじゃ、この重そうなのかぬぁっ!」

 アンディーはサモナーソードを持ち上げようとしたが思った以上に重かった。

「おいどうしたアンディー?」

「ちょっ!コレ重!カイエン、コレ無理。チェンジで。」

「情け無い・・・・・・・・・・日ごろの訓練を怠っているからだ。」

 カイエンはサモナーソードを片手で持ち上げようとする。

「っ!んぐぅあああああああああ!」

 カイエンは両手で持ってサモナーソードを持ち上げようとするが全く上がらなかった。

「か、カイエン?」

「・・・・・・・・ぷはぁ!はぁ・・・・・・・・・・はぁ・・・・・・アンディー、お前が正しかった。手伝え。」

「お、おう・・・・・・・せーのっ!」

 二人は力を込めて持ち上げようとするが持ち上がらず、人数を数人増やしてやっと運べるようになった。

 

 大まかな精密を終えたアマタはある装置にかけられていた。

「なんですか、これ?」

「貴方の過去の記憶を探る装置です。と言っても知りたい情報以外出てきませんが。」

「ほへー。最近はこんなに技術進歩したんだー。」

 アマタは感心する。

「リラックスしてください。装置、起動します。」

 装置にかけられたアマタは一種の催眠状態に陥る。

「サイコレベル深度2000へと沈降・・・・見えてきました。マゼンダの波形からシアンヘ。」

 アマタは寝言のようなことを口にする。

「母さん・・・・・・・・・・行かないで・・・・・・・・置いて行かないで!」

 その直後、アマタの悲鳴が響き渡った。

「うわぁああああああああああああああ!」

 モニターの精神波形は異常な数値を指し示し、精神解析装置の負荷が許容量を声エラーを発生させた。

「いけない!強制終了を!」

 その光景を見ていたスオミが指示を下した。

「なにが起こった!」

「彼の深層心理の奥深くになに者が直接介入した形跡があります。」

「なに者かの介入・・・・?」

 学園町たちは顔を見合わせた。その途端、全ての映像にある光景が映し出された。

「なんだこれは!」

「分かりません。装置の方から情報が流れ込んできます。」

「なに!」

 ドナールは画面を見る。その映像は聖天使学園の全てのモニターに映し出された。

『あれ?ここ・・・・・・・・・・どこ?』

 六歳の頃のアマタがモニターに映し出される。アマタの周りは暗く、あるのは密集した木々ばかりであった。

『えっと・・・・・・・あっちに行けばいいのかな?』

 アマタは直感で移動する。しばらく歩くと火山と湖、そして全体を見渡せる岩場がある草原に辿り着いた。

『どこだろここ?あそこに行けばわかるかな?』

 アマタは全体を見渡せる岩場の方へと歩く。

『えっと・・・・・・・・・登るしかないのかな?』

 アマタは周りを見渡すが何処にも通じていそうな道は無かった。アマタは手で掴めそうな突起した岩を伝い上に登り始める。途中、何度も手を痛めたり、落ちそうになるが、時間を掛けアマタが上った頃には朝になっていた。

『や、やっと着いた・・・・・・』

 アマタは地面に大の字に寝転がる。すると朝日が差し込んできたためアマタは体を起こすと目に映ったのは雄大な自然の森、湖、そして火山であった。

『うわぁ~~~~~~~~~~~!』

 アマタがその光景に惚けていると後ろから何かが近づいてきた。

『?・・・・・・・・・っ!?』

 アマタは後ろを振り向き驚いた。目の前には大きな金色の鬣を持つライオンがいた、

『ら、らららららら、ららら、ライオン!』

 アマタが驚くのをきっかけとするように次々と動物たちが姿を表した。時には火山の中から大きな鳥やゴリラも姿を表した。

『へ?な、なにここ!?』

 アマタは理解で傷冷静さを失っていた。すると大きなライオンが咆哮を上げた。

 ガァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアオッ!

『うわぁ!』

 アマタは驚き、一周回って冷静になった。アマタの方を見て獣たちは目を光らせる。するとアマタを囲むように宝珠が浮かんでいた。

『宝石・・・・・・・・・・・じゃ、ない。動物達が入ってる。』

 アマタは一つの宝珠、ガオライオンの宝珠を掴む。その瞬間赤いライオンが言いたい事が分かった。

『え?名前・・・・・・・・・・・ガオライオン?』

 アマタの言葉にガオライオンは答えた。

 ガォオ

『ガオライオンって・・・・・・・・あのパワーアニマルだよね?じゃ、じゃあここにいる皆パワーアニマルなの!?』

 アマタは高台からパワーアニマルを見た。

 そしてそこで映像が途切れた。

 

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