アクエリオンEVOL 百獣の王と空を舞う少年   作:ザルバ

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4ー1

 ガオゴリラとガオコングによって無くなったベルリンの壁。それによって男女共学になった聖天使学園。それにより男女一緒の教室となった。男子女子共に色めき立っていた。

 そんな中、ゼシカとミコノはあることに気づいた。

(アマタ(君)がいない・・・・)

 そのことにその教室にいいたエレメント候補生にもわかった。

「みなさん知ってのとおり、今日から聖天使学園は共学となり、貴方達と同じクラスになりました。」

 スオミの言葉を聞くと男女共に声を上げる。

「えー、いきなりでなんなのですが、これからここにいるみなさんでグラウンドに移動します。」

『え?』

 スオミの言葉に一同間抜けな声を出す。

「あ、あのー。」

「なんでしょう、ミコノさん?」

「アマタ君がいないのに何処に行くんですか?」

「いい質問です。我々は今からアマタ・ソラがいる場所に向かいます。」

「えっと・・・・・・・・・どこなんですか?」

「彼が住んでいる場所、天空島です。」

『ええっ!?』

 スオミの言葉に一同驚いた。

「静かに。私も正直驚いています。ですが彼自身から聞いた方法で行きますのでみなさん急いで移動して下さい。」

 スオミはそう言うと教室を出る。

「おい、それほんとかよ・・・」

「信じられる?」

「ちょっとねぇ・・・・」

 それぞれ反応をする中、カイエンはミコノに話し掛ける。

「おいミコノ、あいつから何か聞いていないのか?」

「ううん、あっ!でもこれもらった。」

 ミコノはポケットから金のバッジのようなものを取り出した。

「なんだこれは?」

「わかんない。でも今日になったらその意味が分かるって言ってた。」

 カイエンはそれをよく見る。大きなライオンの下に鷹、虎、鮫、牛が装飾されていた。

「よく分からんが変なものじゃないな。お前に返すぞ。」

「うん。」

 教室にいいたエレメントたちはグラウンドに移動した。

 グラウンドには不動、学園長、ドナール、スオミ、クレアが既にいた。

「えー、みなさん。迅速な行動に感謝します。」

 不動がエレメント候補生たちに挨拶する。

「今朝、アマタ・ソラ君からこのような手紙を受け取りました。」

 不動は手紙を見せる。

「内容はいたってシンプルに、天空島の様子を見てくるとのことです。ついでとして我々が交渉をする場を設けてくれるとのことです。交渉にはここにいる全員で行きます。」

 不動の言葉にMIXが挙手をして質問をする。

「どうして交渉を?彼がいるのであればパワーアニマルも協力してくれるのでは?」

「いい質問だ。理由は彼らパワーアニマルがアマタ君のみ協力するため。我々に協力するとは彼らは一言も言っていません。」

『ええっ!?』

 不動の言葉に一同驚いた。

「静かに。仮にも相手は知性ある生き物です。彼らの意思を尊重するのは当然。であるならば直接交渉をするのがルールと言うものです。」

 クレアがそう言うと今度はゼシカが挙手をして質問をした。

「でもどうやっていくんですか?まさか飛行機で行くってわけじゃないですよね?」

「無理ですね。彼曰く、”天空島はそこにあってそこに無い。故にパワーアニマルたちの楽園である。“と。」

「じゃあどうやって行くんですか?」

「コレを使います。」

 クレアは何処からか金色のバッジのような物を取り出した。

「それって!」

 ミコノは自分が持っているのと見比べると瓜二つであった。

「彼は自分の意思で行き来できますが私達にはその権限が無いためコレを使わないといけないそうです。ですからコレを使い天空島に向かいます。なお、移動際には使用者に間接的にでも触れないといけないので、みなさん手を繋ぐなり肩を組むなりして下さい。」

 クレアがそう言うと男士は男士同士、女子は女子同士で手を繋いだ。流石に男女で手を繋ぐのには抵抗があった。

「では移動しましょう。」

 クレアはそう言うとバッジに念を送る。すると一同はその場から一瞬で天空島に移動した。

 一同が目に入ったのは洞窟のような場所でありながらも明るい生活スペースの場所であった。

「ここが・・・・・・・・・・天空島?」

「手紙によれば最初の転送先は自分が住んでいる居住スペースだそうです。なんでもいきなり森に出ると絶対に迷うそうなので。」

 不動が手紙を読み上げスオミの疑問に答えた。

「ではみなさん、移動しましょう。」

 不動を先頭に一同移動する。今更出はあるがエレメント全員ともあってシュレードも同席している。

「おいシュレード、大丈夫か?」

「大丈夫だよ、親友。それにここは空気が綺麗だ。凄く過ごしやすいよ。」

 カイエンはシュレードを心配するが問題は無かった。

(この天空島、一体何なんだ?空に浮いているのなら衛星に引っかかるはずだ。それなのに・・・・・もしや衛星で捉えられない場所か?でもそれだと・・・・)

 カイエンは考えるが一向に答えは出なかった。

一同が居住スペースの外に出ると目に入ったのは雄大な自然であった。今の地上には何処にも存在はしないであろう草原、湖、森。正に理想的な場所である。

「すっげー・・・・・」

「ここに十二年住んでたの?」

「店とか無いけどこれはこれで別の・・・」

 各々感想を述べる。

「さて皆さん、ここでただアマタ君に会いに行くのは面白くないのでチームを組んでアマタ君を探してもらいましょう。」

『えええ~~~~~~~~~~~~~~っ!?』

 不動の言葉に全員驚いた。

「ここは広く、人一人見つけるのも困難です。しかし、そんな場所だからこそ忍耐を鍛えるのにはうってつけでは無いでしょうか?チームは自由!さあ皆さん探して下さい!」

 不動のその言葉を聞きエレメントたちは行動に移す。

「えええっと、どうしたらいいのかな?」

「なにやってるの?一緒に探そ。」

 ミコノにゼシカが声を掛ける。

「ミコノ、女子二人だと不安だから俺も付いて行くぞ。」

「親友が行くなら僕も行こう。」

 カイエンとシュレードが加わる。

「男二人いるんじゃ不安だからアタシも付いてく。」

 MIXも加わった。

「なんかそっちのほうが面白そーだから俺も行くわ。」

 アンディも加わった。

 

 天空島の森を散策して三十分。危険な害虫もいない天空島とはいえ三十分も歩くのは辛かった。

「なあ、ここ広すぎねぇか?」

「だからしないぞアンディ・・・・・・・・と言いたいところだが俺もそれを思っていた。」

 カイエンですら疲れていた。

「空気が美味しいとはいえキツイ。」

 シュレードも疲労していた。

「あー!何処にいんだよアマタはー!」

 アンディーが闇雲に歩こうとした途端、アンディーの目の前にアマタが飛んできた。

「おわっ!」

「イテテ・・・・・・・ん?あ・・・・・」

『いた!』

 アマタを見て一同は指を差した。

「ごめん、今ちょっと訓練中だから。」

 アマタはそう言うとエレメント能力で飛んで行った。

「あっ!待てよ!」

 アンディを先頭にアマタを追いかける。森を抜け目に映ったのはアマタと戦っている緑の髪のガッチリ体系の男であった。

「ふあはははは!まだやれると言うのか!」

「やんなきゃいけないでしょうが、ゴリさん!」

「だからゴリさんと言うな!」

 アマタはゴリさんに拳を突くがゴリさんはその手を掴むとアマタを空に放り投げる。アマタは空中で静止し一気にゴリさんに蹴りを喰らわせる。ゴリさんは腕を十字に組み防ぐが、思いのほか威力があり後ろに跳ばされた。

「むぅぅ・・・・・・・やるようになったなアマタ!今度はコレを使って戦おう!」

 ゴリさんは手にマッスルアンカーを持つ。

「げっ!マッスルアンカー・・・・・」

「いくぞ!」

「ちょっ!まっ!」

「そぉおおおおおい!」

 ゴリさんはアマタにマッスルアンカーを放り投げる。アマタはとっさにサモナーブレードで一瞬防ぐとそのまま流した。

「ほう、今のに反応するか!」

「しないと死ぬわ!」

「ならば生き残れ!そぉれ!」

 ゴリさんはマッスルアンカーを縦横無尽に振るう。アマタはそれを何とか避けるが近づくことが出来なかった。

(厄介だなー。ゴリさん結構力強いし。バナナボム使わないだけマシだけど。)

 ゴリさんがアマタの後ろにマッスルアンカーを投げる。

「そらっ!」

 ゴリさんがアンカーを引っ張るとアマタの後ろからマッスルアンカーの碇が迫り来る。

(これだっ!)

 アマタは少しジャンプをして碇の部分に足を付けた瞬間、エレメント能力を使いダメージを軽減し、引っ張る力を利用して一気に近づく。

「なにっ!」

 ゴリさんは驚く。

「はぁあああああああああ!!」

 アマタは一気にエレメント能力で加速し、ゴリさんの首筋にサモナーソードの峰を叩き込んだ。アマタはゴリさんの後ろに立つ。

「むぅう・・・・・・・・・・・・やるようになったなアマタ!」

 ゴリさんは首筋に手を当てる。

「アレで気絶しないなんてホント頑丈だね。」

「はっはっは!そうだろう!」

 二人が話している姿をミコノたちはただ見ていた。

「なあ、カイエン。お前もやろうと思えばあいつに勝てるんじゃないのか?」

「無茶を言うな。エレメント能力も使っていない相手であんな強い奴をどう倒せと。」

「というかあの人誰?」

「ゴリさん・・・・」

「正に言い当ててるね。」

「あんな武器普通に避けてるわよアイツ・・・・・・・・」

 アンディ、カイエン、ゼシカ、ミコノ、シュレード、MIXの順に話す。

「ん!あいつらは・・・・・」

 森の中を歩いていたガオライオンはミコノたちに気付く。

「お前ら、来たのか。」

「え?」

 ガオライオンに声を掛けられ、ミコノは間抜けな声を出す。

「えっと・・・・・貴方は?」

「ん?分からんか。そこの二人も前に会っただろう。」

 ガオライオンはカイエンとゼシカを指差す。

 アマタはミコノたちに近づく。

「さっきアンディを無視して訓練に戻ったけど来たんだね。えっと、そちらの金髪美男子の方は知らないのだけどよかったら名前を教えてくれない?」

「ああ。僕の名はシュレード・エラン。シュレードと呼んでくれ。」

「わかった。俺の名は知っているかもしれないけどアマタ・ソラ。アマタって気軽に呼んで。」

「わかったよ、アマタ。」

 二人は握手をする。

「おい、ちょっと置き去りにされている気がするんだが。」

 カイエンがそう口を開くと皆頷いた。

「あー、ごめんごめん。で、なに?」

「ここはパワーアニマルしかいないのになんで人間がいるんだ?」

「人間?・・・・・・・・・・・・・あっ、そっか。皆パワーアニマル体でしか見たことないんだっけ?」

『はい?』

 アマタの言葉にまた間抜けな声を上げる一同。

「ガオライオン、パワーアニマル体になって。」

「わかった。」

『え?』

 ガオライオンの体が光り、人間体からパワーアニマル体へと姿を変えた。

 ガォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!

『っ――――――――――――――!』

 ミコノたちがガオライオンの咆哮に耳を押さえる。

「ははは。パワーアニマルに戻るとどうしても咆哮を上げてしまうのが我らよのう。」

 ゴリさんは笑いながらそう言った。

「あの、いいですか?」

「なんだ娘よ。」

「あ、ミコノです。えっと、貴方は何のパワーアニマルなのですか?」

「ワシか?ワシはガオゴリラよ。」

「皆ゴリさんって呼ぶよ。」

「だからそれで呼ぶなって言っておるであろうが!」

「えー。赤ゴリさんは認めてくれてんのにー。」

「アイツとワシは別じゃ!」

 アマタとガオコングが話していると黄緑の長髪の女性が近づいてきた。

「あら?今日は随分賑やかなのねー。人間がたくさん来ているみたいだけどアマタ何かしたの?」

 女性の方を一同は見る。女性のある一点にアンディは反応した。

 胸である。大きさはMIX以上。

 その女性に対しミコノとゼシカは反応した。

「あら?ガオコングもアマタも怪我しているじゃない。こっちに来なさい。」

 女性が手招きするとアマタは近づく。

「背中を打撲による内出血、片腕の骨にヒビ・・・・よくもまあ毎回怪我するわね。」

「ま、毎回するんですか?」

「ええ、そうよ。この子と来たら怪我するたびに上達するんだもん。仕方ないけど出来れば怪我を抑えてほしいわ。」

 女性はそう言うとアマタの背中に手を添える。すると女性の手元が光る。

「はい、背中の治療完了。次は腕ね。」

 アマタは腕を女性に出し、女性は腕に手を添える。そしてまた女性の手元が光る。

「やっぱり折れているほうが治りが早いわ。ヒビより折れなさいよ。」

「ナチュラルに恐いこと言うなよ、ガオディアス。」

『が、ガオディアス!』

 アマタの言葉に一同驚く。

「そういえばまだ名乗ってなかったわね。私はガオディアス。よろしくね。」

 ガオディアスはそう言うと微笑んだ。

「ところでアマタ、何でこの子達を呼んだの?」

「そうだった。今日は皆に大事な話があるからここに呼んだんだった。ガオライオン。」

 グルゥ

「みんなを高台に呼んで。それと他の人たちも高台に。」

 ガァアアオ

 ガオライオンはアマタの言葉に答えると高台に登り咆哮を上げた。

「じゃあ俺たちも行こうか。」

 

 しばらくしてエレメント候補生及び教師たちはガオライオンが見下ろす高台に集まっていた。

 高台の下にはパワーアニマル全員がいた。

「コレだけ揃うと凄いものだな。」

 ドナールの言葉にスオミは共感する。

「十九体とはいえパワーアニマル。流石に多いわね。」

「とはいえ、彼らも知性ある生き物です。そこは尊重しましょう。」

 クレアがそう言った。

「ガオライオン、みんなに協力してくれる?」

 ガァアアオ!

「何て言ったのかな?」

「協力はする。しかし我々の中のメンバーの一人でも拒否をした場合はしないとのことです。」

 不動の問いにアマタは答えた。

「あんな短い言葉の中にそんなに詰まってんのか!」

「まあね。」

 アンディいの問いに答えるアマタ。アマタはガオライオンに頼んだ。

「ガオライオン、皆に聞いて。」

 ガァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアオ!

 ガオライオンの咆哮に一同耳を塞ぐ。するとパワーアニマルたちは一斉に咆哮を上げた。

 ガァアオ

「わかった。皆今日協力してくれるそうです。」

「助かった。我々ではアブダクターと戦うには無理があるからな。あなた方の協力に感謝する。」

 学園長がそう言った瞬間、ガオライオンは擬人化し、学園長の前に立つ。擬人化した姿にエレメント候補生たちは驚く。

「構わない。なにより我々はこの星を守るのが使命だ。」

「そ、そうですか・・・」

「ん!この姿を見て驚いているのか?」

「え、ええ・・・・」

「まあ無理もないな。改めてガオライオンだ。よろしく頼む。」

「こ、こちらこそ。」

 学園長とガオライオンは握手をした。

 

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