アクエリオンEVOL 百獣の王と空を舞う少年   作:ザルバ

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 アマタたちの目の前に現れた男にアマタは警戒していた。

「(コイツ・・・・・・・・・・できる。ミコノさんは言うまでも無いけどゼシカでも厳しいな。)二人共、ここから離れろ。」

「なっ!・」

「なに言ってんのよ!私も戦うわ!」

 ミコノは驚き、ゼシカはアマタと共闘を申し込む。

「アイツはできる・・・・・・・・本能的に危険だと告げている。それにここで戦うとしたら俺のエレメント能力だと戦いやすい。だから離れろ。」

「でも・・・!」

 ゼシカが言い返そうとした途端、ミコノとゼシカの手を誰かが引っ張った。二人が引っ張った主を見るとミコノは白、ゼシカは黒の服を着た子供がいた。

「え・・・・・」

「ちょっと・・・」

「「行こ!」」

 二人はミコノとゼシカを引っ張りクーロン・タワーを降りて行った。

「これで二人だ。いいな?」

「ああ。だがお前を倒したらあのクソ女を俺のモノにする。」

「それはどっちを意味しているか分からないが・・・・・・・やらせねぇぞ。」

 アマタは獣王剣を構える。

「はっ!寝言は寝て言え、クソ野郎!」

 男は自身の爪でアマタを裂こうとするがアマタは獣王剣で受け止める。

「聞いておこうか、名前を。俺はアマタ・ソラ。」

「カグラ・デムリだ。殺り合おうぜ!」

 カグラの両手の爪の攻撃に対し、アマタは獣王剣で防ぐが両手から繰り出される攻撃を全て防ぎきれず所々に傷を負う。

「くっ!」

「おらおら!どうしたさっきまでの威勢は!」

 アマタは押され気味であった。

「ハスラーロッド!」

 アマタが叫んだ瞬間、手にハスラーロッド(サーベルモード)が召喚される。

「なにっ!」

「っや!」

 アマタはハスラーロッドを振り上げる。御影は弾き飛ばされるが空中で体勢を立て直し着地する。アマタは獣王剣を鞘に収める。

「スナイパーモード!」

 アマタはハスラーロッドを変形させスナイパーモードに切り替えるとカグラに向け撃つ。

「ちっ!」

 カグラは身軽な動きで攻撃を回避するがアマタの射撃をいくつか喰らう。

「ぐぁっ!」

 カグラは当たった箇所を手で押さえる。

「ちっ!」

 カグラはアマタに向け何かを投げた。アマタはハスラーロッドで弾く。カグラが投げたのは服に仕込んでいた小型ナイフであった。

(コイツ・・・・・熟知している。戦闘に必要な戦術を。)

 アマタは警戒を強める。

「・・・・・・・・・・・ふ。」

(笑った!?)

 カグラが微笑んだことにアマタは動揺する。

「これじゃあ面白くねぇ・・・・・・・もっと本気にさせてやる!」

 カグラはそう言うと展望台から地上へ飛び降りた。

「なっ!」

 アマタは驚き身を乗り出してカグラを見る。カグラは何も無かったかのようにビルの屋上に着地し、ビルの屋上を飛びながら移動する。

「くそっ!」

 アマタはエレメント能力を使い急いでその場から移動した。

 

 人気の無い海岸にカグラの専用機、ミスラ・グニスに搭乗した。

「よし!アイツを――――」

 カグラがミスラ・グニスを操縦しようとした瞬間、操縦席から突如手が出てカグラの首を絞めた。

「な・・・・・・・・・・・・・・・・・・・にっ・・・・・・・・・・・・!」

『あんまし僕の仕事を増やさないで欲しいよ、カグラ。』

「ジン・・・・・・・・・・・テメェ・・・・・・」

 モニター越しに映るジン・ムソウをカグラは睨む。

『悪いけど、君のお遊びはここまでだよ。』

 カグラのミスラ・グニスは強制送還された。それと入れ違いに二機のケルビム兵がゲートから姿を現した。

 

 カイエン、サザンカ、アンディがベクターマシンに乗っていた。

 ケルビム兵二機が頭部からレーザーを放ってくる。三人は操縦桿を操作し回避運動をとるがアンディが乗っているベクターシロンがケルビム兵の蹴りを受ける。

「がぁっ!」

 アンディが操縦するベクターシロンは地面に向け真っ逆さまに落ちる。

「アンディ!」

 アンディは肉体的ダメージが大きくまともに合体をできる状態ではなかった。

「くぅ・・・・っ!」

 墜落したベクターシロンの前にはシュレードの姿があった。

「変わろう、アンディ。今の君じゃあ合体はできないんだろ?」

「だ、だがお前の身体は・・・・・」

「大丈夫。俺を信じて。」

 アンディはシュレードのその思いを受け止め、操縦を交代する。

「すまないね、アンディ。」

「いいんだよ。どうせ足手まといで怒られるのならこうして後退したほうで怒られるほうがマシだからよ。」

「ありがとう。」

 シュレードはそういうとベクターシロンを再起動させる。

「親友、合体だ。」

「シュレード!なんでお前!」

「アンディが合体できそうになかったから交代してもらった。」

「えっ!えっ!カイエン様とシュレード様との合体!キャ~~~~~、ど~~~しよ~~~~~ワタシ~~~~~!」

 カイエンはシュレードの登場に驚き、サザンカは憧れの相手との合体にテンションがあがっていた。

「だがお前の身体は・・・・・・」

 カイエンがシュレードの身体を心配していると今度はカイエンの乗っているベクターゼドをケルビム兵が蹴り攻撃しようとする。

「しまっ!」

 ベクターゼドにケルビム兵の攻撃が当たる直前、突如ケルビム兵が吹っ飛ばされた。ケルビム兵を吹っ飛ばしたのはガオライオンであった。

 ガァアアアアアアアアアアアアオ!

『ガオライオン!』

 ガオライオンは目を光らせ三人に語り掛ける。

 合体をしろ、と。

「親友、どうやら言い争っている場合じゃないよ。合体だ。」

「・・・・・・・・・わかった。」

「いくぞ、親友。旋律合体、GO!アクエリオ――――――ン!」

 ベクターシロンをヘッドに三つ目の姿のアクエリオンが姿を現した。

「アクエリオン、スパーダ!」

 アクエリオンスパーダが地上に舞い降りる。

 

 一方アマタはガオライオンに語り掛けていた。

「なにやってんだガオライオン!お前の身体は・・・・」

「大丈夫・・・・・・・・・・・とは言い難いな。だが俺はこんな状態でも戦う。アマタ、あいつらを召喚してくれ。ここにある命を散らしてはいけない。」

「・・・・・・・・・・わかった。」

 アマタは宝珠をサモナーソードに嵌め、天に突きつける。

「百獣召喚!」

 天に響き渡る音色が天空島に届き、虹の道からガオタイガー、ガオシャーク、ガオバイソン、ガオイーグルが姿を現す。アマタはガオライオンの宝珠を獣王剣に嵌める。

「くっ・・・・・・・・・・・百獣合体!」

 アマタは意を決し、百獣合体をする。

「ソウルバード!」

 アマタはソウルバードに飛び乗る。

「ソウルドライブ、ガオキング!」

 ソウルバードはガオキングの後ろから中に入り、アマタは操縦桿に獣王剣を置く。

「誕生、ガオキング!」

 ガオキングはアクエリオンと並ぶ。

「やあ、アマタ。」

「シュレード!なんで!」

「状況が状況だったからね。」

「おい、ミコノは無事なんだろうな!」

 アマタとシュレードが話しているところにカイエンが割って入ってくる。

「話の腰折るなよ。大丈夫。ゼシカと一緒に双子が連れて行ったから。」

『双子?』

「それは・・・来るぞ!」

 アマタが言おうとしたとたんにケルビム兵が動いた。ケルビム兵は左右に分かれ同時に腕を振るう。ガオライオンは左、アクエリオンは剣で攻撃を防ぐ。

「ぐっ!」

「見た目の割に強い!」

 二機はケルビム兵を押し返す。

「一機はこっちが受け持つからもう一機を!」

「わかった!」

 ガオキングとアクエリオンは離れて戦う。

「はぁっ!はっ!」

 ガオキングの格闘技コンボをケルビム兵に繰り出すがケルビム兵は軽やかな動きで攻撃を回避、時折ガオライオンを集中的に攻撃する。

「ぐぅっ!ガオライオン!」

 アマタはガオライオンに呼びかける。ガオライオンは苦しそうな鳴き声をしていた。

(まずい・・・・・・・こんな状況が続けばガオライオンの負荷が大きい。でも目の前の敵をどうにかして隙を作らないとパワーアニマルは呼べない。)

 一方シュレードも苦戦を強いられていた。ケルビム兵の両腕からブレードが出てくるとケルビム兵は軽やかな動きで攻撃をしてくるがシュレードは盾と剣で流し、時折突いていた。

(こいつ、アブダクターとは違う何かだ。今は状況を均衡に保っているがいつシュレードの容体が悪化するかわからん。)

 アクエリオンに乗っているカイエンはシュレードの身体を心配していた。

 

 その頃ミコノとゼシカは二人に手を引っ張られ戦闘エリアから少し離れた場所にいた。

「ちょ、ちょっと待ってってば!」

 ミコノが叫ぶと双子は足を止めた。

「ねえ、どうしてあの時アマタの言葉を聞かなかったの?」

「え?」

「あの場にいたら三人のうちの誰かが怪我をしてたんだよ?」

 双子が交互に二人に問う。

「なんでお姉ちゃんたちはそんなにアマタといたいの?」

「アマタをどう思っているの?」

「わたしは・・・・・」

「・・・・・」

 二人は言葉を詰まらせる。だが先に口を開いたのはミコノであった。

「私は・・・・・・・・アマタ君が好き。」

「ちょっ!ここで!」

「・・・・・・・うん。自分の気持ちに正直にならないとこの子たちは答えてくれないから。」

「そっか・・・・・・・・・・・私もアマタが好き―――」

「っ!?」

「かも。」

 ゼシカの言葉にミコノは一瞬驚いたが、その後の言葉にホッとしった。

「なーんかアイツに会った時から気にはなってたんだけどこの感情が何なのかわかんないからね。」

 ゼシカは後頭部を掻きながら答える。

「これが答えじゃ・・・・・・ダメ?」

 ミコノがそう問うと双子は顔を見合わせる。

「どう?」

「まあ・・・・・・・・・合格かな?」

「そうだね。ねえ二人とも。」

『?』

『アマタと一緒に戦う?』

『えっ!?』

 双子の言葉に二人は驚いた。

『さあ、どうする?』

「・・・・・・・私は・・・・戦いたい!」

「私も!」

 二人のその言葉を聞くと双子は微笑んだ。

「じゃあ行っこか。ね、ベアー。」

「うん、ポーラ。」

『ベアー?ポーラ?』

 双子は二人の目の前で光り、ガオベアーとガオポーラに姿を変えた。

「ぱ、パワーアニマル!」

「しかも双子!」

 二人は驚いた。ガオベアーとガオポーラは二人に光を照らすと自身の中に入れる。ガオベアーにはゼシカ、ガオポーラにはミコノである。

『行こ!』

 二匹はアマタの下へ走り出した。

 

「がぁ!」

 ケルビム兵の攻撃にガオキングは倒れた。本来ケルビム兵の攻撃程度で倒れる程の攻撃ではないが、負傷したガオライオンに追い打ちをかける攻撃はガオキングへのダメージを通常よりも大きくしていた。

「ガオライオン!」

 グゥゥウウウウウ・・・・

 ガオライオンですら弱い声を上げていた。ケルビム兵がとどめを刺そうと腕の剣を振るおうとする。

『せーの、ボ―――――!』

 ケルビム兵がガオキングに止めを刺そうとした途端、二つの光線がケルビム兵を弾き飛ばした。

「今のは・・・・」

 アマタが交戦の発生源を見る。するとそこにはガオベアーとガオポーラがいた。

「ガオベアーにガオポーラ!」

 二匹はアクエリオンと戦っているケルビム兵の方を向く。

「いくよ、ベアー。」

「うん、ポーラ。せーの!」

『巴大車輪!』

 ガオベアーとガオポーラの巴大車輪がケルビム兵をアクエリオンから引きはがした。

「ガオライオン、まだいける?」

 ガァアアアアアアアオ!

「いくよ!」

 アマタはサモナーソードのガオタイガーとガオシャークの宝珠を抜き、ガオベアーとガオポーラの宝珠を嵌める。

「百獣武装!」

 ガオキングからガオタイガーとガオシャークが離れ、入れ違いにガオベアーとガオポーラが合体する。

「完成!ガオキングダブルナックル!」

 アマタがそう言った途端、操縦席にミコノとゼシカが入ってきた。

「きゃっ!」

「うわっと!」

「えっ!なんで二人がこっちに入ってんの!て・・・・・・・そういや双子が二人を連れてったんだった。」

 アマタは頭を抱える。

「えっと・・・・・・ごめんね、アマタ君。」

「どーしてもいても立ってもいられなくて。」

「・・・・・・・・・・・・はぁ。仕方ない。でも早めに片付けないとガオライオンへの負荷が大きいから速攻で決めるよ!」

 ガオキングはケルビム兵に近づく。ケルビム兵はガオキングにけりをくらわそうとするがガオキングはその攻撃を腕で防いだ。

「いくぞ!ベアーナックル!」

 ギィン

「ポーラナックル!」

 ギィン!

 ガオキングがケルビム兵を力技で押し倒す。

「一気に決める!氷牙炎滅・ベアーストライク!」

 ガオベアーとガオポーラの口から砲身が姿を現し、ケルビム兵に放った。放った攻撃はケルビム兵を蒸発させ、もう一体のケルビム兵に負傷を負わせた。

「やるね。傷を負いながらも立ち向かう者の奏でる音楽はいい!いくよ、親友!サザンカ!」

 シュレードはケルビム兵に攻撃を仕掛ける。アクエリオンは月下の下を舞う。

「天の月のヴィブラートを、水の月がアレグロ・ヴィバーチェすれば・・・」

 アクエリオンは手に持った剣を手元で回転させる。

「人の月は、その命をアジタートに歌い上げる!!」

 

《月下葬送曲 MOOMLIGHT REQUIEM 》

 アクエリオンは急降下しながらケルビム兵を縦に切り裂いた。ケルビム兵が爆発した途端、アクエリオンは力尽きた様に地面に膝をついた。

「おい、シュレード!」

「シュレード様!」

 コックピットから移るモニターには肌の色が白くなり気を失っているシュレードの姿があった。

 それと同時にガオキングの合体が解除され、アマタたちは外に放り出されていた。

 地面では苦しんでいるガオライオンの姿があった。

「ガオライオン!」

「アマタ・・・・・・アクエリオンのパイロットの方を・・・・・ガオディアスに・・・」

「でも!」

「早く・・・・・手遅れになる前に・・・」

「・・・・・・・・・・わかった。」

 アマタは獣王剣に宝珠を嵌めこむ。

「召喚!ガオディアス!」

 獣王剣から発せられる音色が天空島まで届き、ガオディアスが虹の道を掛け走り姿を現した。

「ガオディアス、シュレードを。」

「わかったわ。」

 ガオディアスはアクエリオンの方へ歩み寄り、シュレードの状態を回復させる。

 

 

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