キャラ崩壊に注意!
『ゴーヤの機能美に溢れた、提督指定の水着がぁ!』
「なんじゃそりゃあぁぁぁぁぁぁぁ!」
現在、我らが第一艦隊は潜水艦を中心とした編成で出撃している。
途中までは順調に進んでいた。だが、何回目かの戦闘で、『ゴーヤ』が敵の軽巡の爆雷を受けて大破してしまったではないか。ゴーヤは私の心配をよそに、あのセリフを吐いたのだ。
いやいやいや、何ソレ!?私、初耳なんですけどぉ!スク水とか私、何も知らないんですけど!?初めて会った時からソレ着てたじゃんか!指定した覚えねえよ!
「うわー、ご主人さま、引くわー」
本日の秘書艦『漣』が物理的にも引きながら言う。引くな、引くなよ漣!いや、だから知らねえっての!てか、その目やめろ!そうゆう目付きは曙の役目だろが。
「いやお前、私の趣味を知ってるだろ。漣、お前とは何年の付き合いだと思ってるんだ。私の趣味はな、もっとこう、布の面積が少ないやつが……」
「あ、聞いてないんで結構です」
「なんか冷たくない?」
漣が、漣がなんか冷たい!私が提督になった頃からずっと一緒にいる漣が冷たい!あ、長い付き合いだからか。
▼次の日▼
さて、昨日は何だかんだ言いながらも、漣とはあの後仕事をサボって遊びに行った。そんなことを一緒にするくらいには仲は良いと私は思っている。
まぁ、そんなことは置いておくとして、仕事をサボってしまったから昨日の仕事が残ってるんだよな。しかも、大量に。あー、誰か手伝ってくれないかな。
え、漣?今日は非番だよ。
そんな感じのことを考えていると、執務室の扉がノックされる。
まさか、漣のやつ手伝いに来てくれたのか……?
そんなことを考えながら、私は少しの希望を抱き、扉の向こうにいる艦娘に入るように促す。
「失礼します」
入って来たのは漣ではなく、同じ駆逐艦である『不知火』だった。真面目でキリッとした表情で、駆逐艦とは思えない、戦艦クラスの鋭い目をする時もある彼女がそこにはい………………。
「不知火、司令のお仕事をお手伝いするために参上しました。…………?どうかしましたか、司令。固まってしまって」
そりゃ固まるよ。キミのその格好はいったいどうしたというんだい。そんな、そんな……。
「……はっ!まさか、お疲れなのですか?それはいけません。不知火が癒してさしあげます。では、まず手始めに不知火の自慢の体を嘗め回すように眺めてください!そのために今日は、司令のお好きな格好で来ました!」
ビシッと決めてるところを悪いが、なんで……なんでお前は『スク水』を着てるんだ!てゆうか、どこで聞いたその情報。間違ってるぞ!つーか言い方!もっと別の言い方はなかったのか?嘗め回すて。
「確かに疲れてはいるが、そんなことはどうでもいい。どこ情報だよ、それ!私がスクールが好きだっていう情報!」
どこのどいつだ!そんな間違った情報を広げたやつは!そもそも、どうしてスク水が出てきた。他にも何かあるだろ。スク水とか、私がなんかロリコンみたいじゃんかよ。
「あれ、スク水はお好きでない……?ピッタリ体に張り付いて、体の線が出て卑猥でヤベェから好きだと聞いたのですが」
また余計な情報が付随してんな!これだと私、変態そのものじゃないか。
とりあえず、誰情報か聞こうと思っていると、また執務室の扉がノックされる。
ちっ、今忙しいんだがな。他のことに構ってる暇はないぞ。なんせ、この不名誉な情報を不知火に教えたやつを聞きだしてお仕置きしないといけないからな。だから、手早くすませる!
「おう、入れ」
あ、もしかして今のこの状況見られたらヤバくないか?潜水艦でもない艦娘が、執務室でスク水を着て、大の大人と二人きり。もしかしなくてもヤバいやつだコレェ!
「やっぱなし!入るな!」
が、遅かったー!もう入って来たよ。不知火を見て固まってるよ。私も固まってるよ。なんでお前もスク水なんだよ。
「『浦風』ぇ!」
「えっ、何!?」
何驚いてんだよ。驚くのは私だよ。
「なんでソレ着てるんだ?」
「え?提督はスク水が好きだって聞いたもんじゃけえ……」
「私が好きだと着るって……何でだよ」
私が好きだからって浦風がスク水を着る理由にはならんだろ。
ただ、浦風の主張の激しい胸がスク水に圧迫されて押さえつけられて目立つのは最高だな。いいものを見せてくれた。
「え、それは……決まっとるじゃろ。えーと……のう?」
「いや、のう?て言われてもわからんわ。まあいいや。そんなことより、誰から聞いたんだよ。その偽情報は」
「そ、そんなことよりじゃと?気付かないだけじゃのうて、サラッと流すとは……」
あれ、何か間違えた?分からんことを考えてもしょうがないから、次の話に進んだのに。
「ま、まあその話は後な!で、そのスク水情報は誰から聞いたんだ?」
昨日スク水の話題が出たし、まさか漣か?おのれ漣!昨日、晩御飯を奢ってやったというのに!
まさか、仲が良いと思ってるのは私だけなのか?いや、そんなはずはない!私のことを嫌ってるのだとしたら、とっとと装備を解体して普通の娘に戻ってるはずだ。嫌われてはないはず。
「うちは浜風から聞いたのう。浜風が『提督はスクール水着が好きなのだそうだけど、私が着ても大丈夫でしょうか』と言っとったわ」
漣じゃないのか!よかった……。いや、よくねーわ。何で浜風がそんなこと言ってんの?だから、どこ情報だよ。どこで聞いたんだよ!
「不知火は別に、特定の誰かから聞いたわけでは……」
「ん?どういうことだ?」
「いえ……その、言いにくいのですが、噂になってまして。司令がスク水が好きだと」
「はぁぁぁぁぁぁぁ!?何でだよ!」
意味分からん!なんでそんなことが噂になってるんだよ!
考えられるとしたら、漣が面白半分でネタとして話したら広まったか、もしくは、昨日の話を誰かが聞いていてそれを広めたか、というところか?
いや、まじで不名誉極まりないな。犯人を見つけた時はどうしてやろうか。
「そこまではわかりません」
くそ……噂の出所なんか、そうそう分かるわけもないか。ちっ、頭が痛くなるな。
「提督、どうするん?」
「とりあえず、みんなの話を聞いて回る。噂を流した犯人を見つけるのと、これの鎮静化をする」
昨日の話を聞かれてのものなら、まだそこまで広まってないはずだ。今なら誰が広めたのかも、噂の鎮静化もしやすいと思う。
まってろよ、犯人!見つけたらお仕置きしてやるからな!
「それはそうと、二人にも協力してもらうぞ」
私は二人を見る。二人はすぐ頷いてくれた。
「助かる。あ、それと、お前たち着替えてこい。その格好のままだと、別の噂が流れそうだ。これ以上余計な苦労をさせないでくれよ」
「わかりました。では着替えます。今すぐここで!」
そう言うと不知火は、スク水を私の目の前で脱ごうとする。恥じらいなどなく、それはもう必死に。
「おぉい!やめんかい!こんな所で脱ぐんじゃない!誰かに見られたらどうするんだ!」
まぁ、浦風が見てるんですけどね。てゆうか、浦風も止めてくれよ。このままだとこいつ、マジで脱ぐぞ。
「何故止めるのですか、司令!不知火は司令のためと思いこうして……」
だったらこうゆうことしないでくんない!?普通に考えたら迷惑って分かるだろ。見せるならもうちょっと時間と場所を弁えてほしい。『金剛』もそう言ってるだろ。
この後五分程かけて、不知火を止めた。仕事してないのに、仕事終わりのように疲れたぞ。まだ朝なのに、先が思いやられるなあ……。
▼登場人物紹介▼
提督:名前が決まってないどころか考えてすらもらってない人。
漣:提督のサボり仲間。友人的なポジション?
不知火:この作品の不知火は落ち度だらけ。悪気はない様子。
浦風:最高のスク水姿を見せてくれた。ピチピチ。