Fate/grand order ~精神の顕現者~ 作:刃留兎
「はいストップ。真、私に何か言うことが無い?」
大橋に着くや否や、所長が俺にそう言ってきた。
「うん。何も」
「呆れた・・・。本当に、覚えていないらしいわね。あれよ。管制室での事!」
「先輩、あれですよ、レムレムしてた時の事ですよ」
マシュがそう言ってくる。レムレム・・・。
「ああ、あれ!!」
「ああ、あれ!!じゃ無いわよ!ちょっと、こっち来なさい!!事態も使命も知らずに特異点に来るなんて、酷い話よ!仕方ないから、もう一度、一から説明するわ。いい、私達カルデアは・・・」
『GUGAAAAAA』
気が付くと、魔物がそこまで来ていた。
「所長、話は後で。敵です。マスター!」
「よし、ナイスタイミング、魔物!!」
マシュの指示を受け、戦闘体制に移行する。
「ああ、ちょっと!!私の話を、聞きなさーーーーーーい!!!!」
後ろから、所長の怒鳴り声が聞こえてきた。
「ご苦労です、マシュ・キリエライト」
『残念ながら、そうでも無いらしい!』
ロマンから連絡が入る。
「?ロマン、どういう事だ?」
『良いから早くそこから逃げるんだ!サーヴァント反応がある!』
「サーヴァント?」
『早く!!』
次の瞬間、自分の上から何かが襲ってくる。
「・・・!!」
トンッと右に避け、その斬撃をかわす。
『追い付かれたか。マシュ、真君、直ぐに逃げてくれ!まだそっちに敵が向かっている!サーヴァントだ!』
「・・・・・・・!!」
一体のサーヴァントがこっちに再び向かってくる。刀が降り下ろされる。
「・・・・ペル、ソナ!!」
ペルソナを召喚する。
「ジオ!」
雷撃が影のサーヴァントを襲う。しかし、サーヴァントは何ともない様に避ける。
「マシュ!!」
「はい!!」
マシュが盾をサーヴァントにぶつける。そして、よろけた所をイザナギが狙い、胸辺りを突き刺す。しかし、急所には入っていなかったらしく、反撃してくる。
「・・・・・・!」
「先輩!」
マシュが詠唱を開始する。
「時に煙る白亜の壁!!」
詠唱が終わると、自分の周りを何かの壁が包み込む。すると、サーヴァントの攻撃が寸前で跳ね返された。それを好機に再び、こんどこそ外さずに急所を狙い打つ。急所に入ると、影のサーヴァントは、フワリと消えて無くなった。
「か、てましたか・・・?」
『ゴメン、休んでいる暇が無いんだ、マシュ。今の反応と同じものがそちらに向かっている。・・・真君、どうするべきか、言わなくても分かるよね』
「・・・え、同じものって、そんな・・・」
同じもの。きっと、サーヴァントだろう。胸騒ぎが当たったんだ。だとすると、ヤバい。
「・・・真!!」
「分かってる!!マシュ、撤退だ!ここから離れるぞ。急げ!!」
「は、はい!」
「ハア、ハア、何で、サーヴァントがいるのよ!!」
『そうか、聖杯戦争だ!元々は召喚された七体による殺し合いだけど、そこはもう、何かが狂った世界だ。そもそも、サーヴァントの敵はサーヴァントなんだ!!』
「そんな・・・、じゃあ、私がいるかぎり、先輩達は、狙われる・・?」
マシュが血相を変えながら、そう言う。
「違う!アレは理性を無くした、ただの亡霊だ!!」
「・・・見ツケタゾ。新シイ獲物。聖杯ヲ、我ガ手ニ!!」
サーヴァントがこっちに、いや、マシュに近付いてくる。
『サーヴァント反応確認!そいつはアサシンのサーヴァントだ!』
「・・・!先輩!」
マシュがこっちを見てくる。信頼の目だ。そうだ、俺はもう絶対、マシュを、この子を・・!
「私を、使ってください!!」
「ああ。俺も協力する。何とか、凌ぐぞ!!」
「・・・はい、行きましょう。あなたに勝利を、マスター!!」
右手を前に出す。上から降りてきたカードを、握り潰す。
「行くぞ、イザナギ!!」
ブンブンと薙刀を振り回す。そして、影のサーヴァントーーシャドウサーヴァントに向かって降り下ろした。
「・・・・」
サーヴァントが片手で受け止める。すると、物凄い衝撃波が襲ってきた。
「マシュ!」
「・・・はあ!」
ガキン!と音が鳴り響く。
「・・・・弱イ、ナ。コレナラ私一人デモ 良カッタカ」
「それはどういう・・・」
マシュの後ろから、もう一体が近付いてくる。マシュは気づいていない。
「・・・!!マシュ、下がれ!!」
『真、追い付かれた!もう一体、そっちが本命だ!!』
「・・・クソッ。間に合え!!」
襲ってくるもう一体の攻撃を、間一髪でイザナギが受け止める。
「そんな、一体だけでも苦しいのに、ニ体も・・・!!」
所長が苦しそうな声をあげる。確かに苦しい。一体だけでもギリギリだったのに、もう一体も来られたら、さすがにたまらない。
「ヤバいな。皆、逃げるんだ!速く!!」
「フフフ・・・ハハハハハ!!面白イ面白イ面白イ!」
イザナギに次々とダメージが溜まっていく。
「面白イ面白イ 殺シタイ 逃ゲル背中ホド 美シイ!!」
ガキンガキンとダメージが溜まっていく。次の瞬間、イザナギがダメージに耐えきれず消滅した。
「グ、ガアアア!!」
「先輩!!?」
体の中が悲鳴をあげ、立っていられなくなる。ニ体目が近付いてくる。死を覚悟したその時だった。物凄い威力の魔術がサーヴァントを襲った。
「ヌウウ・・!何者ダ!!」
後ろから杖を持った、青い男が歩いてくる。
「何者って、見れば分かんだろご同輩」
「キサマ、キャスター!」
サーヴァントの言葉を聞くと、その男は不敵の様な笑みで笑った。
な、長くなりすぎた・・・。