Fate/grand order ~精神の顕現者~   作:刃留兎

2 / 11
プロローグ2 レフとの出会い

 こちらに来たのは、緑の服装に、緑の帽子を被った、紳士の様な男性だった。

 

 「君は・・・そうか、今日から配属された新人さんだね」

 

 ニコニコと不気味にすら感じる笑顔で、話し掛けてくる。

 

 「私は、レフ・ライノール。ここで働かせて貰っている、技師の一人だ。君の名前は?」

 

 「神代 真です」

 

 「ふむ、神代真君と。招集された48人の適正者、その最後の一人なのか。まあ、ともあれ、ようこそ、カルデアへ。歓迎するよ」

 

 手を出してきたので、握手をする。するとレフが、

 

 「一般公募の様だけど、訓練期間はどれ位だい?一年?半年?それとも最短の三ヶ月?」

 

 と聞いてくる。頭の中で、今まで魔法というモノを使った訓練が有っただろうか。否。

 

 「いえ。訓練はしていません。と言うよりも、魔術というモノ自体、あまり良く知らないんです・・・」

 

 「魔術を良く知らない!?」

 

 「マジですか、先輩!?」

 

 「マジです」

 

 今まで、自身が[適正]持ちだということも知らなかったので、一応パンフレットを見てきたが、サッパリだった。先のアナウンスが言っていた[フェイト]なるものも、全く知らなかった。

 

 「ああ、そう言えば、数合わせに採用した一般枠が有るんだっけ。君はその一人、か。すまない、配慮に欠けた質問だった」

 

 レフは、こちらの事情に気づいたらしく謝ってくる。

 

 「だが、悲観はしないでほしい。なんせ、今回のミッションは、君達全員が必要なんだ」

 

 「全員、ですか?」

 

 「ああ。魔術名門から38人、才能ある一般人から10人、何とか、48人[マスター]候補を集めることが出来た。これは実に喜ばしいことなんだ。この2015年において、霊子ダイブが可能な適正者全てをカルデアに集められたのだから。じゃあ、わからない事があったら、私かマシュに・・・おや?」

 

 そう言えば、とレフが、マシュに質問をする。

 

 「そう言えば、彼と何を話していたんだいマシュ?らしくないじゃないか。彼と以前から、面識があったとか?」

 

 「いえ。先輩とは初対面です。この区画で熟睡していらしたので、つい」

 

 「熟睡、していた・・・?真君が、ここで?」

 

 レフがこちらを見てくる。すると、気付いたように、

 

 「ああ!さては、入館時にシュミレートを受けたね?霊子ダイブは慣れていないと脳にくる。シュミレート後に表層意識が覚醒しないままゲートから解放され、ここまで来たんだろう。まあ、一種の夢遊状態だ。丁度真君が倒れた所で、マシュが声を掛けたのさ」

 

 そう言われてみれば、まだ少し、瞼が重い。今は話しているので眠くはないが、少し気を許すとコテンと言っちゃいそうだ。

 

 「本当なら直ぐにでも保健室まで連れていきたい所なんだけど・・・、ごめん、もう少しだけ、我慢してくれないかい?もう時に、所長の説明会が始まる。君も、急いで出席しないと」

 

 「説明会、ですか・・・・?」

 

 「はい。真さんと同じく、本日付で配属されたマスター適正者の方たちへのご挨拶です」

 

 パンフレットに載っていなかったスケジュールを、マシュが説明してくれる。レフも、その説明の手助けをしてくる。

 

 「様は、組織のボスから浮わついた新人たちへのはじめの挨拶(しつけ)ってやつさ」

 

 「・・・今、凄い文字変換した気が・・・」

 

 「気にしないでくれ」

 

 「・・・・」

 

 挨拶の所で躾って読んでた気がするけど、まあ良いか・・・。説明会の会場である管制室の場所を教えて貰い、そこに向かおうとすると、

 

 「教授。私も説明会への参加が許されるでしょうか」

 

 マシュがレフに質問している。

 

 「うん?まあ、隅っこで立ってるくらいなら、大目に見てもらえるだろうけど、どうしてだい?」

 

 「先輩を直接管制室まで案内するべきだと思ったのです。途中でまた熟睡される可能性があるので」

 

 「君を一人にすると、所長に叱られるからなぁ・・・自然と私も同行する、という訳か」

 

 レフが困ったような顔でそう言う。しかし、また元のニコニコ顔に戻ると、

 

 「まあ、マシュがそうしたいなら好きにしなさい。真君もそれでいいかい?他に質問が無ければ管制室に向かうけど、訊いておきたいことはある?」

 

 と言う。そう言えば、聞きたい、というより気になる事があるはずだ。

 

 「あの、何でマシュは俺の事を先輩と呼ぶんでしょうか?」

 

 「・・・」

 

 質問をすると、マシュが俯く。何故だか、顔が紅くなっているようにも見える。

 

 「ああ、気にしないで。彼女にとって、君位の年頃の人は皆、先輩だ。ハッキリ口にするのは珍しい、いや、初めてかな。そう思うと私も不思議になってきたな。マシュ。何だって彼が先輩なんだい?」

 

 「理由ですか?真さんは、今まで出会った人達の中で、一番人間らしいんです。まったく脅威を感じません。ですので、敵対する理由が皆無です」

 

 「ほお!それは重要だ!ここに居る人間は一癖も二癖もあるからね。私も真君とは良い人間関係が築けそうだ!」

 

 一癖も二癖もある、とは。ここは一体何なのか。

 

 「レフ教授が気に入るということは、所長が一番嫌うタイプということですね。・・・このまま、トイレにこもってボイコット、というのはどうでしょう」

 

 「それだとますます目を付けられる。ここは運を天に任せるべきだよ」

 

 残り五分を切った。レフがこちらを向いてくる。

 

 「虎口に飛び込むとしようか真君。なに、慣れてくれば愛嬌ある人だよ」

 

 「はい。わかりました」

 

 ここから三分掛かるらしいのだが・・・大丈夫なのだろうか。

 

 

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。