Fate/grand order ~精神の顕現者~ 作:刃留兎
さて、マシュとレフに連れられて、管制室まで来た俺、神代真だが、一つ困った事が有る。それは・・・、
ー非常に眠いのだ。
マシュに心配だと言われた時は、そんなことはないと思った俺だが、思った以上に、瞼が重い。もっと言えば、何か[声]まで聞こえる。マシュ達に案内して貰わなければ、危なかったろう。そう思いながら、扉を開き入る。するとマシュが、
「ここが、中央管制室です。先輩の番号は、一番前ですね。一番前の空いてる所にどうぞ。・・・って、先輩?顔色が優れない様ですが?」
「いや、すまん。まだ、頭がぼうっとする。変な声まで聴こえてくるし」
「シュミレーターの後遺症ですね。出来れば直ぐに医務室にお連れしたいのですが・・・。それにしても、声、ですか?」
マシュと話していると、前の方から視線を感じる。見てみると、一人の女性がこちらを見ていた。
「無駄口は避けた方が良さそうだ。これ、もう始まってるらしい」
レフが雰囲気を読み取り、そう言う。自身が席に着くと、女性が喋りだす。それと同時に、また[声]がし始める。
「時間通りとはいきませんでしたが、全員揃ったようですね」
『・・・れは汝、・・・は我』
瞼が重い。凄く眠い。ヤバい。視界が、
「特務機関カルデアにようこそ。所長のオルガマリー・アニムスフィアです。あなた達は各国から選抜、あるいは発見された稀有なー」
『・・瞼を・・・』
ヤ、バ、い。瞼、が・・・。あ、気付かれた。次の瞬間、右頬に痛みが走った。
「あの、大丈夫ですか?先輩」
マシュが声を掛けてくる。
「・・・俺、もしかして・・・」
「はい。眠っていたかどうかと言えば・・・何処と無くレム睡眠だったような・・・。まあ、何もともあれ、所長の平手打ちで完全に覚醒したようで、何よりです」
やっぱりか・・・。頭を抱える。すると、マシュが今後について言う。
「先輩はファーストミッションから外されたので、いま先輩の部屋に案内していた・・・キャッ!?」
マシュが話していると、前から白い物体がマシュ目掛けて飛んでくる。
「フォウ!!」
良く見てみると、フォウだった。
「だ、大丈夫か、マシュ!?」
「い、いえ。いつもの事です。問題ありません。フォウさんは私の顔に奇襲をかけ、そのまま背中に回り込み、最終的に肩へ落ち着きたいらしいのです」
「そ、そうか・・・。それにしても、よく解るんだな。もしかして、名付け親は・・」
マシュを見ると、若干驚いた顔をする。
「ええ。その通りです。特に理由はありませんが、直感でフォウという単語が浮かんだんです」
「フォウ。クー、フォーウ!フォーウ!」
フォウが俺に向かって、何か言ってくる。
「ふむふむ。どうやらフォウさんは先輩を同類として迎え入れた様ですね・・・。しかし、人間をライバル視するリスの様な生き物は、果たしてアリなのでしょうか・・・」
「わからんから、俺に聞かないで・・・」
俺が困った様にそう言うと、マシュが話しを戻す。
「まあ、それはそれとして。実はもう目的地に着いてます。こちらが先輩用の個室となります」
「そうか、ありがとう。そう言えば、マシュは何チームなんだ?」
気になったので、聞いてみる。
「ファーストミッション、Aチームです。そろそろ行かないと」
そう、言う。するとフォウがマシュの方を向き、「キュー・・・キュ!!」と鳴く。
「フォウさんが先輩を見てくれるのですね。これなら安全です」
マシュはそう言うと、俺の方を向いてくる。
「それでは、私はこれで。運が良ければ、また会えると思います」
そう言うと、管制室の方向へと走っていった。何か、不安が感じたが、黙って見送る。そして、自室の扉を開いた。
途中で出てきた[声]、わかる人には、わかりますね。