Fate/grand order ~精神の顕現者~ 作:刃留兎
第6話 覚醒
「・・・・・・」
「キュウ・・・キュウ。フォウ・・・・フー、フォーウ・・・」
「先輩。起きてください、先輩」
「・・・・?」
視界が真っ暗な中、フォウとマシュの声が聞こえてくる。
「・・・・起きませんね。ここは正式な敬称で呼び掛けるべきでしょうか・・・」
はぁ・・・とため息が聞こえる。次の瞬間。
「ーーマスター。マスター、起きてください。起きないと・・・殺しますよ?」
・・・何か、物騒な単語が聞こえた気がする。そういえば、自分は目を閉じていたらしい。直ぐに目を開けると、目の前に、空襲にでも会った様な街が現れた。更に、自分を覗きこむ様にマシュが座っていた。変なのは、マシュの服装が制服から黒い服へと変わっていた事。そして、片手には巨大なー恐らくマシュの身長と同じ位ー盾を持っていた。
「あ、良かった。目が覚めましたね、先輩。無事で何よりです」
「マシュ!?お前、無事なのか!?いや、ていうよりいま、殺しますよって言わなかった!?」
「・・・・・あ、言い間違えました。正しくは殺されますよ、でした。・・・その、想定外のことばかりで混乱しています。落ち着きたい所ですが、今は周りをご覧下さい」
マシュに言われ、もう一度周りを見渡す。今、自分達が居る場所は炎に包まれており、生存者はいなさそうだ。
「・・・なあ、マシュ。ここって・・・」
「GIーーーGAAAAAAAAAAAAA!!」
思わず目を見開く。目の前から人っぽいのが出てきたと思ったら、骸骨だった。所謂・・・、
「魔物・・・か?」
「ーー言語による意志疎通は不可能。敵性生物と判断します。[マスター]、指示を。私とマスターで、ここを突破します!」
マシュが魔物に向かっていく。マシュが魔物の攻撃をかわし、盾で一撃を叩き込む。あっという間に三体もの魔物を撃破した。しかし、魔物は増えていく一方。自分も加勢しようとマシュの方へ向かおうとする。すると、いきなり頭痛がした。
「ーーーー!!?」
「先輩!?・・・・きゃあ!!」
思わず、膝を突く。マシュの気がこちらへと移ってしまい、その隙をつかれ、吹き飛ばされる。
「・・・・マ・・・・シュ」
『我は汝・・・・汝は我・・・・』
頭の中で、何かが自分に語りかける。魔物がこっちへと向かってきた。
「く・・・・・・・そ・・・・」
『双瞼を見開きて・・・・』
魔物との距離が、一メートルを切った。剣が振りかぶられる。死を覚悟したその時だった。
『今こそ発せよ!!』
キュインと音が鳴る。そして、次の瞬間。魔物が吹き飛ばされた。自分を中心に、青いオーラが展開している。片手を上にあげると、一枚のカードが落ちてきた。そこに書かれたのは、0の数字。頭の中で、[これ]が何なのかを教えてくれる。
「・・・ペル、ソナ!」
教えてくれた名を叫び、カードを思い切り握り締める。パリィン!とカードが弾け、何かが現れる。少々長い柄のナイフを持った、番長の様な格好をしたロボットの様なモノ。頭の中で、声が聴こえる。
『我が名は、イザナギ。我が力、汝が為に成らんことを・・・』
「イ、ザ、ナギ・・・」
後ろに立つ、というより浮いてるモノに向かって、そう言う。
「それが、お前の名か」
まるでそうだとでも言う様に、イザナギの目が光った。