マネマネがダンジョンに居るのは間違っているだろうか   作:☆クラン☆

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マネマネ、蹂躙する

地下迷宮(ダンジョン)50階層【ロキ・ファミリア】キャンプ地。そこにはアイズ達よりも数倍の数の芋虫モンスターが雪崩込むようにキャンプ地を襲っていた。しかしこの数相手にも1歩も引かずに戦線を維持し続けたのには【ロキ・ファミリア】の古株であり、第一級冒険者の称号を持つリヴェリア・リヨス・アールヴの指揮と前衛の盾部隊の死にたくないという願望があったからだった。しかしモンスターの数の暴力と溶ける溶液相手では何時までも持つ筈がなく前衛の盾は底を付き始め、後衛の弓部隊の矢も全て放ち尽くしてしまった。さらに負傷者の数も着々と増えていき、部隊は大混乱に陥っていた。

 

「(どうする、部隊は混乱して前衛ももう崩壊仕掛けている。魔法の詠唱も時間が足らなさすぎる。かと言って諦めてしまえば底で終わりだ。どうする、どうすればいいんだ!)」

 

リヴェリアがこの状況下に歯がみしているとモンスター達の中央部分に切り裂く風が巻き起こった。そこに現れたのは若輩者にして【ロキ・ファミリア】の主力の1人であるアイズの姿であった。アイズの姿を確認した団員達は歓声を上げ、リヴェリアも何とか持ちこたえれたと笑みを浮かべれた。

 

「さぁ、先鋭部隊が帰ってきたぞ!我々も奮起して何とか持ちこたえるのだ!」

 

リヴェリアの言葉に団員達は先程よりも力強く盾を構え、まるで一つの要塞の様な壁を作り出して進行を防ぐ。

 

 

一方アイズはと言うと自身の魔法【エアリエル】によって誰よりも早く突撃をして、団員達の姿を確認しにいった。モンスターを蹴散らして周囲を見るとモンスター達の奥の方にリヴェリア達の姿を確認することが出来、そのボロボロになった装備や身体を見て安堵と共に怒りを顕にした。もう誰も傷つけまいと、団員達全員を守ると決意してモンスター達を殲滅していく。するとそこにベートが追いつきベートの武器でもある特殊武装《フロスヴィルト》にエアリエルを宿らせ芋虫モンスター達を蹴り飛ばしていく。アイズに向かってエアリエル捌きを褒めてもらおうと叫ぶとアイズは見もせずに別方向の芋虫モンスター達を殲滅していた。それに悔しくなって芋虫モンスター達を力いっぱい蹴り飛ばしていく。顔を赤くして。

 

ティオナは自身の武器を既に溶かされてしまっていたので敵の吐き出す溶解液を誘い、それを芋虫モンスター達にぶつけさせて落ちている武器を投擲して各個撃破していた。

 

ティオネはというと自身の武器を溶かされてしまったりして苛立っていた。妹の真似をしてみるも自分には割に合わず、ベートの方法はやる気も起きず、ただただイラついていた。そして堪忍袋の緒が切れたのか、追いかけてくる芋虫モンスターの方向に振り向き右腕でストレートをかます。その威力に芋虫モンスターの皮膚が耐えきれずに腕が内部へと侵入する。そして内部にある魔石を掴み引きちぎるように勢いよく取り出す。その姿は狂戦士を思い浮かばせる。

 

一方この物語の主人公でもある彼は元の人魂のような姿に戻っていた。そして次に変身(モシャス)するであろう姿を思い描いていた。彼が変化する魔物は誰かわからない。変身(モシャス)をする彼にしかわからない。30秒程が経って彼は遂にその姿を変化させだした。リザードファッツなどよりも大きく、そしてリザードファッツとは比べ物にならないほどの禍々しく威圧的なオーラを放つ。その姿を見たものはこう言うだろう。世界に居ては行けない、倒さなければ行けない化け物……と。彼の姿は他の世界で世界征服を一歩手前まで実現させた魔王。勇者に負けてしまったが世界のほぼ全てを闇に包み込んだ魔王。竜の姿をし、竜を統べる王。その名は【竜王】であった。

 

まずその姿を確認したのはキャンプ地を防衛していた1人の団員だった。

 

「おい、なんだあれ」

 

その言葉に釣られ団員達がそちらに振り向く。釣られてリヴェリアも振り向くと、そこには芋虫モンスター達などゴミの様に思えるほどのオーラを、階層主級(ボスクラス)などをひと捻りで倒して見せてしまうと容易に想像してしまうほど強大な力を持った竜がいた。竜の突然の出現に団員達は再びパニックになるが竜の行動で疑問を持った。

 

「モンスターだけを狙っている?」

 

そう、あの竜はリヴェリア達を見向きもせずにひたすら芋虫モンスター達を蹂躙しているのだ。時に脚で踏み潰し、時にその鋭い爪で引き裂き、またある時は口から灼熱のようなブレスを吐き、モンスター達を屠っていたのだった。しかし事情の知らないリヴェリアは竜も敵の1匹と数え、自身の殲滅魔法の詠唱を始めるのだった。

 

次に気づいたのはアイズ。その巨大な威圧感に最初は身体が震えた。が味方と知っている、かのモンスターでありこちらに危害を加えない。何とも頼もしい味方だとアイズは思いながら芋虫モンスター達を次々と屠っていった。

 

そしてティオナとベート、レフィーヤ達が次々と気付く。すると本陣の方向からも見知った魔力を感じる。恐らくリヴェリアと魔道士部隊の詠唱が終わったのであろういっせいに魔法陣より魔法の雨が降り注ぐ。アイズ達もこれで良かったと思っていると20程の魔法が彼の元へと飛んで行っているのが見えた。アイズは"あっ"と声を漏らす。魔法は全て彼に当たり爆炎と煙に包まれる。キャンプ地の方向からは勝利の歓声が聞こえてきたがそれも一瞬で消え去ることとなった。爆炎の中から怒りの咆哮がフロア全体に響き渡る。煙の中からは怒りを顕にした彼が現れ、1歩、また1歩とキャンプ地に向けて歩き出す。まるで明確な殺意を宿したモンスターの様に、アイズは一瞬呆けていたがすぐ様我に返り、迎撃態勢を整えているキャンプ地の団員達の元へと急ぐ。

 

キャンプ地にて防衛していた団員達は絶望していた。自分達が全力で打った魔法をものともせず、怒りのままにこちらに近づいてくる竜に。その姿は傷一つなくまるで自分たちの魔法など蚊に刺されたという程度だったと思わせる程堂々と。しかしリヴェリアがもう一度団員達を奮い立たせ、魔法の詠唱を開始する。しかし詠唱など無かったかのように、竜が咆哮するとともに自分たちの意思関係無く魔法が中断された。魔法士達は魔力暴走を必死に抑えつつも、混乱していた。咆哮されたのはされたが彼らはそれに臆することなく詠唱を続けれるはず(・・)だったのだ。それを強制的にキャンセルさせられたのだ。リヴェリアでさえも混乱した。そして絶望する。自身の武器である魔法を唱えられない。それは魔法士に取っては恐怖以外の何者でもない。しかし混乱していてもかの竜は待ってくれるはずもなくもう目と鼻の先まで迫っており、その鋭い爪を持つ腕を振り上げる。前衛の盾部隊は攻撃に備えて壁を作る。防ぎきれないのは分かっている。しかしここで背を向けると言うことは死を意味することでもある。それならば潔く盾部隊らしく守ろうではないか、という結論に至り彼らは壁を作ることにした。そして竜の腕が真っ直ぐと爪をたててこちらを突くかのように高速で突撃してくる。前衛の盾部隊もその衝撃に備える。しかしその壁の前に1人の少女が竜を見据えるように立った。アイズである。アイズは武器であるデスぺレートを構えずに棒立ちのまま爪が迫るのを待つ。リヴェリアが、レフィーヤが、ベートが、フィンが、ヒリュテ姉妹が、【ロキ・ファミリア】の団員達が、次に予想される悲惨な光景に目を瞑る。しかしいくらたっても盾に衝撃が走らず、何の音も聞こえない為、団員達が徐々に目を開けだす。そして驚愕する。そこにはあと少しでも動いたらアイズを突き刺していたという位置でピタッと止まっていたのだ。アイズは完全に止まっているのを確認すると腕を伝っていき彼の前まで行くと攻撃を辞めるように告げる。

 

「あれは私の仲間。攻撃したのは悪いと思ってる……けど、許してもらえるかな」

 

その言葉を聞いた彼はアイズを掴み地面に降ろすと渋々と言った感じで腕を引っ込めて変身(モシャス)を解く。そしてもう一度変身(モシャス)を使いスライムへと変化すると疲れたと行ったようにアイズの頭の上に乗りグタッとなった。アイズは彼にしか聞こえないような声で"ありがとう"と感謝の気持ちを伝える。すると彼も今回の事は目に瞑ると言った感じでスヤスヤと寝始めた。こうして【ロキ・ファミリア】の団員達と彼の人悶着は終わりを告げた。




名前出しちゃってるけど一応紹介!

竜王
ド○クエ1に出てきた原初の魔王。実質的には一番魔王らしく世界を征服しようとしていた魔王。最後の選択場面ではいを押した時の絶望感は半端なかったです。

next question(次回までの問題!)
竜王が使った魔法を途中で強制中断させたのは何だったでしょう!感想とと共に自身の答えを書くもよし。考えておいて次回の時に答えを見るのもよし。もしも正解した方はもしかしたらこの作中にその方の名前の冒険者を抽選で2名程出すかも……!?
感想と共に書く人は小説の感想を書いた後の文に書いてください。(答えだけだと利用規約が(ryー)
ではまた次回会いましょう!
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