マネマネがダンジョンに居るのは間違っているだろうか 作:☆クラン☆
【ロキ・ファミリア】の本拠である黄昏の館。その館のある一室で眠っていたアイズが夢から覚める。
懐かしい、まだ幼く無邪気であった頃の自身に、父や母に、何年も思い出すことさえ無かった昔の事が夢に出てきた。母にとある英雄の話が書かれた絵本を読み聞かせてもらった過去、ダンジョンで
アイズは心地よい気持ちよさと抱きついて離れない人肌の暖かさに呑み込まれ、二度目の就寝へと移ろうとして、一つの疑問を抱く。"何かが自分の腰部分に手を回している。ぎこちない動作で腰部分に目を向けると、子供ぐらいの大きさをしたベートと似た耳を持つ少女の姿が目に飛び込んできた。
「………」
「………」
「!?」
アイズがフリーズした後に驚きを顕にする。子供とはいえ知らない人物がアイズに寄り添い、抱きついて寝ている等本来では有り得ないのだ。しかもチラリと少女の顔が見えたのだがその顔はアイズの、自分自身の幼い頃の顔にそっくりなのだから尚更である。そして極めつけはベートの耳と酷似した獣耳。まるでベートとアイズの容姿を1:2で分けたような可愛らしい顔をしていた。アイズは彼女を起こそうとするもその幸せそうな顔を見て少女の身体をゆすろうとしていた手を止める。
幾ら自分が知らないとはいえこんなに小さく可愛らしい子供がアイズに抱きつきながら幸せそうな顔を浮かべて寝ているのだ。これを起こしてしまうのは少し邪推なのではないかとアイズは考えてしまった。
しかしこのままでは自分もベッドから動けない為に仕方なく少女を揺すり起こす。少女を揺すると目を少しだけ開いて寝ぼけ眼でアイズを見る。
起こすことには成功したのだがこのまま進めてしまうと何がなんだかわからなくなりそうな予感がするのが目に見えてくる。
どうしようかとアイズがオロオロしていると少女がアイズの顔を再度確認すると手を大きく広がて……アイズへと抱きついた。アイズは気持ちを落ち着かせてなぜこの状況に陥ったのかを整理することにした。……いや、整理することは出来なかった。爆弾発言とも取れる少女の一言によって。
「……マーマ?」
アイズの世界が停止した。マーマ?マーマ?ママ?お母さん?……ボフン!
脳の処理が追いつかずにアイズは完全停止をした。
私は誰?それが彼……いや、彼女が初めて自我を持ち心に思ったことであった。彼女は元々この世界のものでは無い。更にいうと複数の魂が固まっているいわば魂の塊なのだ。本当であれば魂が自我を持つことは無い。しかし彼女は持ってしまった。
それは奇跡のような話。前例のない、彼女が最初で最後になるように、まるで運命が神の玩具を用意したように、生まれてしまった存在。しかし彼女にとってそれはとてつもなく
目の前には人の脳を形取った物がある。その物体から放たれる威圧感が自身の脳に警報を流すように訴えてくる。
これに触れたらだめだ、と。しかし彼女は触れてしまう。それは単に興味を持ったから。触れた後に自身にどんな事が降り注ぐのか考えもせずに。
誰かに揺さぶられている感覚がする。私は眠気に負けぬように目をうっすらと開ける。すると目の前にはダンジョンで出会った人間の女性の姿があった。
彼女は私が起きた事にびっくりしたのか、オロオロしていた。その姿がやけに可愛く映る。私は可愛らしい彼女に両手を大きく広げて抱きついた。するとカノジョはビクッ!となる。そして何処か遠くを見ているような目をしていた。
それにしても彼女に抱きついていると暖かさを感じる。勿論体温的な事もあるが、心が落ち着くといった感覚である。しかし抱きついたまま何も喋らないと何か気まずい感じがする。私は彼女の呼び方を考える。するとある一つの言葉が何故か思い浮かんできた。
「……マーマ?」
その言葉を口にすると彼女は頭から煙を吹き、びくりとも動かなくなる。目の前で手を振っても何も反応しない。
仕方なく彼女は先程から感じていた違和感を確かめるべく自身の身体を見る。美しく白い、女性が羨むような肌色を持った四肢。頭から生えてきている首元程まで伸びた茶髪。どう見たって自分は人間になっていることが分かる。種族的にいうとまた微妙な所なのだが……。
「何で人間の姿になっちゃってるの?」
現実世界での疑問はこれであった。
マネマネは誰かに変身する。というよりも特徴を取った姿へと変身しました。比率でいうとアイズ2のベート1です。そして彼ではなく彼女でした。(幼女でした。)
そしてアイズが彼女を起こす時に揺すりましたね?その時に抱きついていた彼女は1度アイズから離れております。