SAO~四剣を操る転生者~   作:面無し

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第十一話

水車の家のドアを開けるとカラカラと音がする。

 

「「おじゃましまーす」」

 

「あ、来た来た、いらっしゃい」

 

奥から顔をのぞかせたのはリズ、

今回は黒龍と白龍の素材を加工してもらいに来た。

 

「素材は?」

 

こっちに来ながらリズが尋ねる。

 

「ばっちり」

 

アイテムをだしリズの腕に乗せてやると

リズはおおとつぶやいた。

 

「凄いね、ゲームなのに存在感がわかるなんて・・・」

 

「まぁ苦労したからね」

 

リアル喧嘩モードを引き出せたあいつは特別強くなってたとかその辺だろう。

てか疑問なんだが、なんであんな強くて得できそうなクエストが、

キリトが好きそうなクエストが話題になかったんだろう?

 

「まぁいいか、気にしても仕方がない」

 

「じゃあ作っちゃうね、そこでまっててよ」

 

お、いい椅子だな、じゃあ使わせてもらうか。

姫ちゃんの手を引いてそこに座る。

 

「おふたりさーん種類はどうする~?」

 

奥の方からリズが呼びかける。

 

「刀で~」

 

「私は・・・戦布で」

 

戦布とはよく漫画にある銃弾も跳ね返す布のことだ。

こいつは専用のガントレットとセットになっている。

戦闘法は簡単、布は糸で出来ている、ということはあまりの糸がある。

糸は細いし固い、なら強く当てれば斬れるよ、ということで、

ガントレットの指先から出た糸を振り回して戦うんだ。

扱いが難しいとの評判だが、慣れると小さい動きで大きな攻撃を出せるから便利らしい。

 

「は~い」

 

「あえて訓練のいるものを選ぶとは・・・流石姫ちゃん!」

 

なでなでしてやる!ムギューってしてやる!すりすりしてやる!

可愛い!可愛いよ姫ちゃん!

 

「やんっ・・・兄さんくすぐったいですよぅ」

 

「ふおおおおおおおおおお!!」

 

「聞こえてるよあんたら・・・・甘い」

 

甘くて何が悪い!伊達に約二千三百年夫婦やってないぜ!

ああ!黒髪の肌触りが!やめろ、俺骨抜きになる!

 

「もう骨抜きになってるよね・・・」

 

「兄さんですから・・・それに私も骨抜きです」

 

「甘いねあんたら・・・」

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

「「・・・・・」」

 

「ふっ・・・ふっ・・・」

 

リズが一息ごとに槌を振り下ろす。

カンカンという金属の音だ、マジであれ金属なのな。

生物からとったのに金属とはこれいかに、まぁゲームだからいいか。

 

「「・・・・」」

 

「ふっ・・・ふっ・・・」

 

あ、眠い、やばい☆

まぁいいや、お休み

 

「・・・すぅ・・・すぅ・・・」

 

「・・・兄さん、おやすみなさい」

 

「・・・甘いね」

 

「夫婦ですから」

 

――――――――――――――――――――――――――――――

SIDEヒメ

 

兄さんを長椅子に寝かせてあげて

少しリズさんの工房の方にお邪魔しました。

 

「ふっ・・・ふっ・・・」

 

槌が振り下ろされて叩く音が心地よくて、そして力強い、

兄さんの剣は・・・刀ですけど、は不思議な、とても不思議な素材からできることになります。

存在感がある素材なんて聞いたこともないですしね。

 

「・・・ねぇ・・・ヒメ」

 

「?・・・なんですかリズさん」

 

槌を止めずにリズさんが話しかけてきました。

 

「この素材・・・何?」

 

「何・・・とは?」

 

少し疑問の意図がわからないです。

何と言われても白龍さんと黒龍さんの素材としか言いようがないんですが。

 

「何からとったの?」

 

「え?あ、そのままの意味だったんですね

黒龍さんと白龍さんです」

 

「どういう意味だと考えたのよ、龍ってのは四十五階層の?」

 

「そうです、兄さんと一緒に行ってきました」

 

うんうんと頷くリズさん。

そんなによそ見したら指を打たないか心配です・・・

 

「なるほどね有名なあの龍の素材なら強いわけだ」

 

「どうかしたんですか?」

 

私が聞くとリズさんはいやいやと言って。

 

「あの素材を持った時、ものすごい存在感と

もう一つに違和感があったんだ、他人の手を縫い付けたような不思議な感覚」

 

「他人の手を・・・縫い付けたような・・・

でも兄さんはそんなこと言ってませんでしたよ?」

 

「此処からは私の推測、この素材は使い手を選ぶんじゃないかな?

自分を倒したプレイヤーに従い、ただあるだけで圧倒するような強大な力を」

 

此処はゲームなんだけど不思議だねーとリズさんは

笑って言いました、でも、私もその予想は有ってる気がします。

 

「あの龍は強かったですから」

 

「そう、さて後いくつくらい叩かないといけないのかなぁ?」

 

・・・少女待機中・・・

 

「いくつめだっけ?」

 

「多分私が見てからは三百五十七回くらいだと・・・」

 

「よく数えたね・・・」

 

兄さんの武器が形を現し始めたのがそれくらいでした。

それまで全く素材に変化がなかったんですから不思議です。

兄さんの素材は真っ黒になりそのままゆっくりゆっくり形を変えていく、

持ち主の最適な形を間違えないよう確かめるかのように。

周りに自分の存在を振りまきながら。

 

「剣が出来る時にここまで見入るとはね・・・」

 

リズさんが言うとおり、そこには何の飾り気もない。

しかし見入ってしまう何かがありました。

素材を覆う黒が形を刀にして解かれる。

そこには一振りの刀がありました。

 

「「おおおお!」」

 

藍色の皮が巻いてある柄、その柄頭からは赤色の紐が垂れている。

驚くほど黒い刀身はあるだけでも鋭い気を放っているようで、

感想は、

 

「「凄い」」

 

だけでした。

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――

SIDEゼロ

 

「兄さん、起きてください」

 

「ゼロー起きないとキスされちゃうよー」

 

「しませんよ?」

 

「そうなの?」

 

「でも・・・ちょっと・・・してみたいかも・・・です」

 

ぜひお願いします!!!

キスされたいです!だって嫁のキスだぜ!?ねだらない夫がいるものか!

 

「さぁさぁやっちゃいなよ姫ちゃん・・・ほらこの寝顔」

 

「う・・・に、兄さん・・・」

 

カモン!ヘイカモン!

カモンマイラブリースイートヴィーナス!

 

「・・・起きてますね兄さん」

 

「・・・!?」

 

何故ばれた!?今の俺の体制は顔からして完璧なはずだ!

これがわが愛しき妹の特殊能力だとでも言うのか!

 

「私の顔が近くなった時に心臓の眉毛が少しずれました、

起きてますね兄さん?」

 

「・・・ウソでしょ?」

 

「ウソじゃないぜ?」

 

目を開けると目と鼻の先に姫ちゃんの顔が現れる。

そのまま目を見て・・・

 

「おはようございます兄さ・・・ん!」

 

そのまま抱き寄せて口づけした。

 

「ん・・・ふ・・・」

 

「・・・あ、ごめんね!お邪魔だよね!」

 

上ずった声のリズがそそくさと工房の方に戻る音がする。

そんなものはお構いなしにキスを続けさせてもらう。

 

「ふ・・・ん・・・くちゅ」

 

「ふぁ・・・あ・・・兄さん・・・ん」

 

もうそこは俺達二人の世界、二人以外何も存在しない。

邪魔はできないししようものならする前に存在レベルで消される。

二分位してからやっと口を放した。

 

「兄さん・・・」

「姫ちゃん・・・」

 

リズが工房でカンカンと槌をふるっている、

少し悪いことしたかな?(少しじゃねぇよボケ)

工房に入ると、リズは真剣な顔だ、集中できてないなんてことはないらしい。

 

「これもおんなじなんだよね?」

 

「ん?」

 

「黒龍の兄妹、白龍の素材」

 

ああ、姫ちゃんが話したようだ、

まぁ気にすることでもないし構わない。

 

「強かったぜ」

 

「さっきの武器見ればわかるよ」

 

ん?俺のはできたのか?

そう思って奥を見ると一本の刀が置いてある。

あれか・・・あの真っ黒な、いかにも俺の服装に合わせたような刀か。

 

「何回叩くんだ?」

 

「軽く見て四百弱」

 

多!結構時間ありそうだなぁ・・・

うーん待機しよう。

 

・・・少年待機中・・・

 

「きたきた」

 

素材が光る。

そして形作られる、混じりけの一つもない真っ白に覆われて、

緩やかに、滑らかに、流れるようにその形を変える。

大きく心地のいい空気が自分を包む感じがする、

現れたのは白い布と同じく白い手甲、驚くほどそれは

 

「綺麗だ」

 

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