~三十八階層~
やぁ皆さん、今日も嫁狂いの零だ。
早速言わせてもらう、シルバーフラグスは今日襲われる。
それは回避できません、はい、だってシリカイベントが発生しないから。
でも俺としてはわかってるのに死なれるのは嫌だ、じゃあどうするか。
能力で細工しよう。
簡単なことだ、
シルバーフラグスの人員が殺された瞬間に能力で仮死状態にする。
ゲームクリアと同時に生き返るようにする。
世界に干渉して火葬されないように細工する(これが一番重要で大変)。
頭にかぶってる殺人機械には電子レンジ機能を停止してもらう(前に構造見てるからね)。
いやぁ、自分の機械を改造しておいてよかったよ。
「はっはっは・・・・・・・・・・・・いくか」
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~三十五階層~
思惑はちゃんと成功したようだ。
もしもの為に能力で確かめたけど成功だった、よかった。
ただ今?ふふーん、聞きたい?
「ここどこだろ・・・・」
「兄さん・・・ここ、前にも通りませんでしたか?」
姫ちゃんが苦笑いする。
その通りだよ姫ちゃん、ここはさっき通った。
うふ、前に来たことがって普通の地図もあったはずなのになー、
何で迷ったんだろうねー。
「地図・・・なくしちゃった☆」
「・・・大丈夫です!木に登ればきっとわかりますよ!」
姫ちゃん、その発想が可愛いよ、でもこの木昇ろうにも
俺は木登りの才能がないんだよ、能力無かったら常人だよ?
「目的のシリカも見つからないし・・・」
「いっそのことフラグでも乱立させちゃいましょうか」
あせってテンションがおかしくなってるねー。
まぁいいや、こんな迷ってるところでシリカなんてでるわけ・・・
「きゅる・・・」
「「!」」
小さなドラゴンの声が聞こえた。
俺達から北東の方角だ、俺の探知域に二人だけいる。
片方はキリトだな、
「姫ちゃん、俺達も行くよ!」
「わかってます」
姫ちゃんはもう走っていた。
行動が速いね、流石姫ちゃん。
森を進むと、敵の影が見えた。
キリトらしき人物が参戦する、ほぼ同時に俺達も入らせてもらった。
目の前には三匹のドラゴンクエイプ
一匹をシリカが相手し、俺達の隣にキリトが出てくる形になる。
「キリト!」
「ゼロ!ヒメ!」
「さっさと倒しますよ!」
三人で目の前の敵を切り裂く。
この階層の敵は俺達からすれば雑魚中の雑魚だ、敵はすぐに沈んだ。
「ごめん、君の友達、助けられなかった・・・」
キリトが言う。
俺自身も知っていながら殺したので結構来るものがある。
でもイベントには代えられない、イベントを踏まないと今後がどうなるかわからない。
敵の向こう側でシリカが涙を流してこちらを見ている。
「・・・ごめんな」
今度は俺が言った、見殺しにしてしまっての言葉が出かけてあわてて口を閉じた。
姫ちゃんが鳴いたままのシリカに駆け寄る。
そのまま黙って抱き寄せた。
「・・・ひっく、うっく・・・うっ、ピナぁ」
シリカは姫ちゃんに抱かれて少しの間泣いていた。
泣き止んだところでキリトが話を切り出した。
「なぁ、その羽のアイテム名はどうなってるかな?」
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トレードの画面で俺と姫ちゃんとキリトでポイポイとアイテムを入れ込んでいく。
「なぁキリト、こっちの装備の方があそこはいいんじゃないか?」
「それもそうだな、じゃあ武器はこっちの方が・・・」
「あ、腕の装備はこれでどうでしょうか?」
「「いいんじゃないか?」」
ただ今シリカのレベルを底上げするトレード中だ。
三人寄れば文殊の知恵の力とか武器とかそう類のバージョンだな。
「え・・・あ、あの・・・」
シリカが遠慮がちに声を上げる。
まぁ無理もないよな、手伝うって言って装備を渡す時に入ってから
アイテム欄の装備はわけのわからないものばかり。
当然だろう。
「あの・・・いいんですか?」
「「「ん?」」」
「こんなあったばかりなのに助けてもらって、
・・・どうして助けてくれるんですか?」
すこし疑いの視線が混じっている。
当然だろう、此処でのうまい話は疑うのが常識だ。
「聞いて笑わない?」
キリトが頭をかきながら聞く、まぁ理由が理由だものなぁ。
と言うより俺らに理由がないぜ?
「なんですか?」
「君が妹に似てるから」
「ぶふふふふ、キリト~同士かよ~シスコンかよ~」
キリトの肩を持ってニヤニヤと笑う。
少しキリトに睨まれた。
「お前に言われたくないよ」
「だから言ってるじゃん同志よ~」
「え・・・あの・・・」
シリカがこっちに何か言おうとして引っ込む。
「私と兄さんですか?」
「え、あ、はい」
俺がキリトとワイワイやってる間に姫ちゃんが相手をする。
「私と兄さんが助けるのは簡単ですよ、
『この後何があるのか見たいから』です、不謹慎ですけどね」
「いえ、助けてくれるだけでも十分です!」
そのころの俺は、
「よし、じゃあオマケで色々突っ込むか」
「おいゼロ!それ売れば金になるんじゃないのか!?入れていいのかよ!?」
「はっはっは、気にしたら禿るぜ?」
「いや、そういう問題じゃない」
「そういうキリトも、ちょっとオマケしてんじゃないか、
妹っぽい子に惚れちゃったのかなぁ~?」
「勝手に捏造するなよ」
おいおい、しらけた目で見ないでくれよ。
分かってるよ、お前の嫁はもう決まってるもんな~?
シリカは愛人だもんな~?このリア充め。
「さて、こんなものか」
「そうだな、これくらいでいいか」
「あ、シリカちゃん出来たみたいですよ」
「・・・・・・・・え?」
アイテム欄を見たシリカが固まる、まぁ当たり前か。
見たことない名前のダガー装備や防具やアイテムが
付属スキルの違いと言う理由であふれるほど入れられてるんだから。
「え、あの・・・」
「ただでいいから☆」
「まぁ持ってても売るぐらいしか使い道がないしな」
にやっとキリトと視線を躱す。
その後シリカに右手を差し出した。
「俺はゼロ、そこにいる姫ちゃんの夫をやってるんだ」
「あ、はい、よろしくお願いします」
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~三十五階層主住区~
主住区の転移門広場に来たところで視線が一気にこっちに向いた。
そういえばシリカはパーティ組んでくれって言う人が多いんだったけ。
「ごめんなさい、お話はありがたいんですが・・・」
シリカちゃんが俺達を見た後続ける。
「しばらくこの人たちと組むことになったので・・・」
苦笑いするシリカ。
周りの野郎どもは俺達に視線を投げかける。
おい、そこ、そこのロリコンそうな奴、
俺の女にその変態的な目線を投げるな。
まぁ、俺も姫ちゃんも外見じゃあ強そうに見えない、
黒ずくめが二人と、ワンピースに巨大ハンマーの女の子だもんな。
まぁ実際いえば俺達の装備はこいつらの装備を束にして売っても
足りないくらい高いものなんだけどね(俺のは能力性のものもあるので性能換算)。
「なぁあんたら・・・」
熱心に勧誘してた長身の男が声をかけてくる。
なんですかー?小っちゃい子年下勧誘するってロリコンですかー?
まぁ人それぞれだとは思うけどあんまりしつこいのはだめだと思うぜ。
「見ない顔だな?俺達はずっと前から勧誘してるんだ、
抜け駆けはよしてもらいたいんだが?」
「そう言われても、こうなったんだから仕方ない、
文句言うなよ、いい大人が文句ばっかだと嫌われるぜ?」
「なっ!」
嫌がっているのにワイワイ群がっているやつらが
嫌いなことが原因なのか、少し喧嘩腰になってしまう。
「に、兄さん、急ぎましょう!」
「さっ、キリトさん行きましょう!」
「あ、お、おう」
「待って姫ちゃん!首締まる締まる!」
襟をつかまれ引きずられる。
ゲーム内だからこそできるんだ、現実の姫ちゃんは出来ないよ。
そのままメインストリートに入り込んだ、さっきの男どもがなんか言ってた気がする。
「もー!兄さんはすぐそうやって喧嘩腰になって、
そんなのだから戦闘狂なんて言われることがあるんですよ?
分かってるんですか?・・・ガミガミガミ」
男が見えなくなった途端姫ちゃんに怒られた。
反射的に正座してしまう。
「はい、その通りです、申し訳もございません、
まったくもって異論がありません、すいません、以後善処します、
これからはもうしません・・・・多分」
「多分ですか?」
「はい、ごめんなさい」
「もう、チューしてくれたら許してあげます!」
「お安い御用さ!」
「・・・キリトさんってどこに住んでるんですか?」
「・・・あ、ああ、いつもは五十階層に住んでるよ」
「そうですか」
「そうだよ」
「「はははは・・・甘い」」
説教が終了して
宿屋まで来たとき、隣の武具屋から
ぞろぞろ、出てくる奴らがいた。
その一番後ろの女が目に入る。
「あら、これは、ビーストテイマーのシリカじゃない」
「どうも」
シリカの言葉に少し棘が入っている。
正直話したくないのだろう。
「今更遅いわよ?さっきアイテムは配っちゃったから」
「いらないと言いました、急いでるんでごめんなさい!」
シリカが強引に会話を斬って宿屋に入ろうとする。
その時女が唇を三日月に変えてこう言った。
「あら~、あの青いトカゲはどうしちゃったのかしら~?」
シリカが唇を食いしばる。
俺も少しカチンときた、ロザリアだったか、
あからさまにえぐるようなことを・・・殴りたくなる。
「死にました!でも・・・生き返らせます!」
「そう、でもあなたのレベルで行けるのかしら?」
「行けるさ」
「無問題だ」
「行けますよ」
俺と姫ちゃんとキリトの三人が前に出る。
シリカを三人の後ろにかばうようにする。
「そこまで難易度は高くない」
「そうそう、三人の内一人でもいれば一日でクリアできる範囲だ」
「三人いれば一日もかからないですよね」
あ、姫ちゃん、すこし怒ってる?
さっきの精神的な傷をえぐったのに怒ったのかな。
「そこの男二人はたらしこまれた口かしら?」
色々言ってくんなぁこの女。
「黙りなさい」
姫ちゃんの方から普段とは違う声が聞こえる。
あ、完全に怒った。この状態だと口調が少し変わる。
「あなたごときが口出しすることじゃないでしょう、さっさと去りなさい」
「!」
女が少し後ずさる。
ざまぁないぜこの女。
「さ、行こう、シリカ」
キリトがシリカを引き連れた宿屋に入る。
その後に続いて俺も姫ちゃんの肩をたたいて
宿屋に入った。
少し扉を閉めるのが乱暴になった。