SAO~四剣を操る転生者~   作:面無し

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第十五話

シリカのペットであるピナを蘇生してから約一週間。

そろそろアスナとキリト仲よくなる頃のはずだ。

 

「まぁそういうわけだから追跡中です」

 

「兄さん、誰に話してるんですか」

 

「これを見てくれてるありがたい人たちだよ」

 

「なるほど、それはわかりますが、メタ発言は程々にしてくださいね」

 

「はーい」

 

さて、本題に戻るか。

ただいま五十九階層、キリトが宿泊中の宿屋の中だ。

キリトの次の行動がわかってる分、次の行動はやりやすかった。

別れるふりをしておいて追跡、同じ宿屋に宿泊して、後をつけるだけ。

レベルが高いから俺は感知される心配はナッシング、ビバ数値の世界!

とまぁそんなこんなで追跡をしている。

 

「それにしても、天気が悪いなぁ」

 

「そうですねぇ」

 

今日は雨が降っている。

どうにもこうにも最高の日が来るとは思えない。

それにね、天気全く関係ない話だけどね、原作の話なんだけどね、

キリトさんどんだけ女の子惚れさせれば気が済むんでしょうね。

SAOだけで三人も惚れさせてるんですよ?

そして現実世界では意識がないにもかかわらず妹まで落としていると……

主人公恐るべしだね本当に、俺なんて二人からしか告白された経験ないし、

三千年生きて二人しかいないんだよ!? 

いや、十六の頃にはもう姫ちゃんと婚約してたけどさぁ!

 

「まぁいいや、姫ちゃん、今日はありえないだろうし、キリトのところに行こう」

 

「分かりました、じゃあ簡単なのを作ってからにしましょう、差し入れです」

 

「オッケー」

 

姫ちゃんは優しいなぁ。

俺の借りたこの部屋にキッチンはない、

マイホームとして買った部屋ならば付けられるが、宿屋なので買うことは出来ない。

作る場合は、とてつもなくお高い簡易キッチンのセットが必要だ。

しかもうちの簡易キッチンセットは今のところの最高級、

この階層で通用する武器防具をツーセット余裕で買えるお値段となっている。

アイテムを使う機会が少ないせいで金が有りすぎてる俺らだから買ったようなもんだろう。

簡易キッチンはその名の通り簡易なもので、実際のキッチンで作るより味が落ちてしまう。

アスナが使っているキッチンなどで作る料理を十とすると簡易は六くらいまで下がる。

しかし、この最高級キッチンならば全く味落ちさせずに作れるのだ! その分高いんですがね。

 

「~♪~♪」

 

さて、鼻歌が可愛い姫ちゃんは目の前で開いた簡易キッチンで料理を作っている。

ゲーム内では固有名称があるが、現実での近い名称を言うと、

薄力粉、卵、バター、砂糖、生クリーム、ベリー、いちご、キウイ

簡単……ケーキのどこが簡単なんだろうか。

いや、この世界でならすぐにできるんだけれども、

 

「行きましょうか☆」

 

にっこり笑顔で姫ちゃんがそういったのは一分足らず。

原作のアスナといい姫ちゃんといい料理スキルを極めすぎだろうと言いたい、

いやでも極めてくれて大いに結構なんだぜ? 美味しいからね。

嫁の料理ならなんでも大歓迎だが。

 

----------------------------------

 

「キリトー! 遊びに来たぜー!」

 

「キリトさ~ん」

 

キリトの部屋の扉をノックする。

返事がない、ただの硬い扉のようだ。

 

「キリトー!」

 

「キリトさーん!」

 

部屋の扉を叩いた。

返事はない、ただの硬い扉のようだ。

 

「キリトー!!」

 

「キリトさーん!!」

 

扉を二度蹴りした。

扉がものすごい勢いで開いた。

 

「うるさい!」

 

「お邪魔しまーす!!」

 

「すいません、おじゃまします!」

 

俺達はそのままキリトを押しのけて部屋に突入した。

キリトは一瞬の出来事に混乱している!

 

「……」

 

「おーい、おはよう」

 

「おはようございます、キリトさん」

 

「あっ、おはよう……いや待て! 今なん時だと思ってるんだ!?」

 

今なん時だって? そんなの簡単だ。

俺達が起きたのが朝の六時、準備やなんやかんやに二時間使って、今は八時だ。

 

「朝の八時に知り合いの部屋を尋ねることのどこがおかしい」

 

「おかしいよ!」

 

「ごめんなさい、雨が降っているせいで

狩りに行きたくないらしくて、迷惑かけちゃいましたよね?」

 

俺の姫ちゃんがキリトに向けて頭を下げる。

おい、キリト! 何姫ちゃんに頭下げさせてんだよ!

……いや、俺が原因なのはわかってる、うん、わかってる。

ごめんよ姫ちゃん。

 

「ごめんね姫ちゃん」

 

「兄さん、あやまらないでください、

結局は私も止めずについてきたんですから」

 

「うん」

 

姫ちゃんの手を握ると少し胸の辺が暖かくなった。

キリトの方を見ると冷めた目をしている。

まぁそんなことは気にしないので、入れてくれというと、渋々入れてくれた。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「で? なんの用だよ」

 

部屋の中でベッドに腰を掛けたキリトが言った。

立ったままなのもあれなのでキリトに断ってから椅子を2つ用意する。

腰掛けてから会話をしようとするが、元々本当に遊びに来ただけなので

用といえる用もない、口ごもってしまった。

 

「いや……その……」

 

「まさか……本当に来ただけ?」

 

「……」

 

沈黙は肯定の意味だった。

キリトは察したらしくため息をついた。

 

「まぁいいよ、でも、俺は狩りに行くぜ」

 

「えー」

 

「兄さん、仕方ないと思います。

どうせですから、ここは我慢して狩りに行きましょう?」

 

「……姫ちゃんがそう言うなら行く」

 

「……」

 

キリトがまた冷めた目で見てきた。

いやだな、照れるじゃないか。

 

「あ、そうだキリトさん、このケーキ作ってきたんで食べてください」

 

「え? いいのか?」

 

「どうぞどうぞ、そんなに難しいものじゃないですし、

それに調理用の食材なんかもお店で売ってるものですから」

 

「うーん、素材の安さまで言われると……なんか複雑だな」

 

「気にするな」

 

そう、気にするから不満になるのさ。

気にしなければそんな事にはならない。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

今の最前線はいくつだったか…六十そこらだった気がする。

ああ、だめだ、

 

「姫ちゃんが可愛すぎて思い出せない~!!」

 

「群れと戦ってる時くらい集中しろよ!」

 

「よそ見してるとくらっちゃいますよ!?」

 

姫ちゃん見てられるなら、ダメージくらいどうでもいい!

いや、本当は良くない、非常に良くない、でも、

 

「これくらいどうとでもなる」

 

剣を横に薙ぐ。

目の前で攻撃姿勢を撮っていた数体が吹き飛ぶ。

ついでに後ろから飛び出してきた奴に向けて突き刺してやった。

 

「相変わらずえげつない攻撃力だな」

 

「それはどうも、最前線プレイヤーのトップよりもレベルは十は上だからね」

 

五十階層を抜けた頃からまたちびちびとレベルが上がりだした。

現在の俺のレベルは八十八だ。キリトはまだ七十代らしい。

SAO内では一レベルの差で勝負が付く場合もある。

それはつまり、一レベルでの差が大きいということだ。

十も上ということは、それだけ俺が強いというのがわかると思う。

まぁ、それもこれもこのゲームが面白すぎるせいなんだけどね!

不謹慎だけど、SAOのようなゲームはそれほどやったことがない、

転生前の世界で二千年暮らしてるからそういうゲームはあったけど、やる機会は少なかった。

 

「チートでも使ってんじゃないかと思うよ」

 

「使ってない使ってない」

 

小細工は使ってるけどね。

 

「兄さんもキリトさんも戦闘からよそ見しすぎです!」

 

「そう言いながら姫ちゃんもよそ見してるじゃないか」

 

「あ……そういえばそうですね」

 

この三人だと、この階層の敵は簡単に倒せてしまう。

レアな敵が群れで来るぐらいしないと手こずれない。

 

「この三人だとSAOもデスゲームに見えなくなるな」

 

「でも、デスゲームなんだよ。

気を抜けば死ぬ、そういう世界なんだ」

 

わかってるさ。俺自身が目標として視認を減らしてるとはいえ、

それはわかっている文の兵士だけ。俺が知らない所で石碑の名前は消えていっている。

やろうと思えば救えるのに、世界からの修正が怖いせいで、何も出来ない。

結構俺自身歯痒い思いをしてる。

 

「何を作りたいんでしょうね茅場さんは、

死ぬか生きるか紙一重なんて……何かの限界でも見たいみたいに」

 

姫ちゃんがそう呟く。

 

「さてね」

 

俺は先に歩きはじめた。

あとの二人が追いかけてくる。

 

「天才の考えなんてわからないよ、俺は基本、凡人だからね」

 

歩きながらウィンドウを操作して一つだけアイテムを取り出す。

後々で役に立つであろうアイテム、俺が能力で一つだけ作成したもの、

システムへの大規模ハッキングアイテム。

使うかどうかは分からない、だが、どうしてもなら、

これで無理やり敵を潰す。

そんなことを思いながら階層を歩いた。

 

 

途中で夕飯になるであろう食材モンスターのおまけも見つけた。

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