四十五階層のダンジョンは手前の森と奥の渓谷で構成されている
今回の目的兄妹龍は渓谷の奥の方で出るらしい。
「さて、行こうか姫ちゃん、準備いい?」
「勿論です兄さん、いつでもいいですよ」
俺達は今のところ手前の森の部分に入る直前だ
今から入る予定でアイテム最終確認をしていたところだ
他のことは生きながら考えよう
「にしても・・・深い森だな・・・」
「日の光が全然入らなくて暗いですしね」
周囲に全く同じような景色だ、マップがなかったらすぐ迷っただろう。
しかもこの森は特殊で敵をマップから隠す効果がある、つまり
「GYAAAAA!!!」
「はぁ!!」
こんな風に不意打ちをしてくる奴らがいるということだ。
さて、ここら辺でさっきの用意の詳細だ、中身は回復アイテムなどの基本的な物や
俺達がいつも使う「光の目」というアイテム、こいつは周囲の敵を集中させる効果がある、
因みにボスにも有効だ、こいつで自分に攻撃を集中させて人が攻撃を受けるのを防いでいる。
今回は使いどころがないかもしれないが念のためだ他のプレイヤーが負けそうだったら使うつもりだ、
因みに余りは五十階層の時のアイテムになる。
「・・・・さて、今回の敵が楽しみだね」
「楽しみって言って、おそらく苦戦するっても言ってたじゃないですか」
まぁそうだな、ここに来る前にNPCや情報屋から集めたんだが
此処の龍はクソ強いらしい、前に大小隊を組んで狩りに行ったらしいが・・・
「ボコボコのギタギタにされて帰って来たんだってな」
「はい、幸いクリスタル禁止区域じゃなかったので全員無事だったらしいです」
ふむ、命拾いしたって言うわけか、本当に強かったんだな
確か黒と白らしい、そんで黒いほうが兄で白が妹。
情報屋からは黒の方は怒り状態のようなものがあるらしい
しばらく戦うと体に赤い線が浮かび上がり俊敏さを増したらしい
「そんでしばらくしたらまた黒に戻って」
「その後また赤い線が浮かぶ」
因みに白も怒り状態があってこちらは青い線らしいな
二匹とも急に強化されて驚いたらしい、まぁまさしく初見殺しの強さだって言ってたぞ
「まぁ俺らに関係ないけどね」
「情報があるからって油断はだめですよ兄さん?」
「わかったよ姫ちゃん、油断はしないよ」
「約束です」
おう
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「さて、森を抜けたが・・・」
「いませんね」
まぁ渓谷の手前にいるとは思ってない
奥に行かないとボス級のモンスターはいないだろうしね
「急ごうか姫ちゃん、お昼は渓谷の方で景色を眺めながら食べよう」
「わかりました、此処から見えるあの一番高いとことかよさそうですよね」
いい景色が拝めそうだしそこに決定だ
龍探しは後でいいだろう
「レッツゴー」
「おーです!」
――――――――――――――――――――――――――――――――――
「・・・ここでご飯食おうなんて誰が言ったんだよ!」
「兄さんです」
その通りだぜヴィーナス!
すまなかったな・・・この可能性を忘れていた
この龍達が徘徊するタイプの敵ボスであることを・・・
「情報屋の奴ちゃんと仕入れとけよな!いつもひいきにしてるのに!」
「仕方ないですよ、このクエストは最近のものらしいですし
小隊が作られたのだってまだ一か月たってないですよ?」
・・・姫ちゃんに免じて今回は許してやろう
二度目はないからな!本当だぞ!
「まぁそんなことよりあいつらどうする?」
「どうするも先に倒すしかないと思います」
ですよねー
まぁしかし・・・うんいかにも強そうだ
大きさは・・・どこぞの狩りゲームの火竜くらいか?
「ふーん、行くか」
「はい」
此処は本気で行く
『紅眼』発動
「『四剣』エア、ガイア召喚」
重さの全く違う二本で勝負だ
姫ちゃん二もアイコンタクトを
姫ちゃんのユニークスキルを使っていいよと
「わかりました」
いつもの装備をしまって
ユニークスキルによって出てくる両手盾を装備する
まぁ説明はなしでも構わんだろう
「出撃」
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「GYAAAAAAAAAAA!!!」
「AAAAAAAAAA!!」
絶賛戦闘中の零と姫ちゃんだ、早速だが結論を言おう・・・
こいつら強いな、黒は攻撃が高く、白は防御が高いらしい
役割を交代しながら向かってくるのでいまだに両方とも決定的なダメージを与えられない
四剣を使っての戦闘で初めての経験だ
まぁいい、戦闘に集中する。
「はあああああ!!」
右手のエアを自分でできる限界速度で何度も振る
風の刃が無数に飛ぶ黒を狙った刃は途中で割り込んだ白が代わりに全て受けた
そのくせしてHPは8目盛り程しか減っていない、先ほど溜めても見たがやはり微妙だった
「俺達のレベルでこの程度か・・・」
しかも時間がたてば白の方は回復する
なるほど厄介な敵だ、面倒くさい。
「仕方ないから他にするか」
エアを白に向けて投げつける
しかし速度が刃より遅いそれははじかれてしまう
「召喚、クラレント」
地面から生えたその炎を纏った剣を黒の下級を避けるついでに抜く
これなら切り付けるたびに威力が上がるからダメージは確実だろう
今まで使わなかったのは理由もある
「爆発はフレンドリーファイアな事と、間合いに入るのが面倒だな」
そう、つまりは姫ちゃんに当たってしまうのだ、気をつけないといけない
あと間合いはそのままだ、姫ちゃんの場合は受けに行っても構わないが
俺の場合は攻撃を避けて入る必要がある、失敗すれば面倒なのだ
「速いから余計なっ!」
突撃してきた黒を避けて白の尻尾叩き付けをガイアの岩で防ぐ
そこに姫ちゃんが入って白に突進する
「えいっ!」
ガンという音とともにHPが四ほど減る
そしてその攻撃で横を向いたのを見て前から首を斬りつけてやる
「らあ!!」
爆発によって少し白がひるむ
横から何か来る気がして横に跳ぶとその部分に黒い尻尾が叩き付けられた
ついでに言うと・・・怒りに入ったようだ、白と一緒に
「今のところ・・・五分くらいか」
戦闘のダメージなんかもかかわるのかもな
じゃあ・・・気をつけないと・・・
「「GAAAAAAAAAAA!!!!!!」」
「「!!」」
二匹が同時に吠えたかと思うと空気が震えて後ろにのけぞらされた
空気の振動で物理的に相手を退かせるってどんな声だ
まぁ出したことあるけども
「兄さん、行けますか?」
「もちろんだ」
姫ちゃんと共に構えなおす
この場合の作戦は決めてある
揺動は姫ちゃん(防御が高いから)
それを俺が迎撃する・・・
「ゲームの本気からリアルの喧嘩モードに格上げしてやるよ」
「目が爛々としてますね」
いいだろ?久々で楽しみなんだ・・・
ふはははは
「行くぞ」
「はい」
―――――――――――――――――――――――――――――――――
「GYAAA!!」
突進してきた黒、さっきより断然早い
が、遅い、ガイアで土を上げて自分を空中に放る
「よっと」
そのまま落ちながら白に向けて炎弾と岩弾を打ってやる
当然のごとく避けた白に姫ちゃんがタックルを当てる
「GAA!!」
降りた直後に後ろから迫ってきた黒の火球を石壁で防ぎ
白に向かって突進してのど元を切りつける
「はあああ!!」
爆発が起きて白がのけぞる
そのままコンボを繋げる
「あああああああ!!!」
ドンッドンッッドンッッッと爆発が大きくなる
白の体力も減り白もひるまされ続けて抵抗できない
その時
「GYAAAAAAAAAAAAA!!!」
後ろの方で黒が鳴いた
と思ったら吹き飛ばされた
「がああああああああああ!!!」
おれのHPが三分の一まで減らされる
一撃の威力がおかしい・・・何をされた・・・とみると
もう一度撃ってきた、今度は火球じゃない、熱線を
「くっ」
横跳びによけるしかし降りたところでひるみが終わった白に
尻尾で払われる
「ぐあっ!」
「兄さん!」
転げたところで、黒がもう一度熱線を放とうとする
これは・・・終わった・・・と思ったら
「はあ!!」
姫ちゃんが出てきた
多少のけぞったが熱線を防ぎ、武器の特性通り黒にダメージの二倍を与えた。
ついでに俺も守って。
「GAA!!」
黒は返されたダメージによって空から地に落ちる
俺の体力を見るとSAOで初めて見た・・・六分の一を余裕で下回っていた
さっきのを姫ちゃんが防がなかったら絶賛元の世界に逆戻りだ
「ありがとう姫ちゃん」
「いえ、兄さんが無事なら私はそれでいいです」
「ありがとう」
回復アイテムを口にしながら立ち上がる
黒はさっきのダメージで一気にHPが半分になった
そのせいか動きもとろい白はさっきのコンボで遅くなったようだ
「行ける?姫ちゃん」
「もちろんです」
俺達のオリジナルスキル『四剣』と『両手盾』
実はオリジナルのソードスキルも用意してある、
姫ちゃんの場合はもともとの打撃じゃなくビームで
俺は二本の剣(クラレントとエクスカリバー)で名前は漢字だが
「俺は黒」
「私は白」
二人で自分が狙う方を決める
「対極・・・『柱』」
「邪眼・・・『蛇』」
姫ちゃんの盾の真ん中の部分に目が出現する。
それと同時に俺も黒に突進する。
「はああああああああ!!」
俺で黒を切り付けると同時に姫ちゃんの方からビームが放たれた
伝承のイージスはゴーゴンの首がはめられたらしいそれにちなんで
邪眼『蛇』は当たった相手を問答無用で石化する・・・その相手は脆い
そして俺・・・対極『柱』は切り付けた相手を・・・
「GAAA!!」
炎ので包み
そののち氷漬けにし
「ラストおおおおおおおおお!!」
氷の中の龍に剣を刺す
するとその部分から
右は氷、左は炎の半分ずつの柱が立ち上がる
その柱は一気に黒の残りを奪う
最後に後ろに投げたクラレントが白に当たって白が砕ける
「「討伐完了」」
俺達は目的の素材アイテムを手に入れた