汚い、流石兄貴汚い   作:DEAK

15 / 23
VSアム編再び!ということで彼女はマモルへのリベンジを果たせるのか!



そしてヴァンガード新弾にエンジェルフェザー収録で俺大歓喜wwwよし!これで出番は多いけどファイトを全くしないリンリンが暴れまわれるぜ!


あ、あとかげろうも収録だ。やったね(棒
いや、実際嬉しいけどオバロだらけということにはならないで欲しい所です。マモルさんのデッキ強化が出来なくなるからwww


外道のネーミングセンス(後編)

「へぇ~蝶野アムさんっていうのね」

 

「はい!凄いしっかりしててヴァンガードも強いんですよ」

 

今回のエキシビジョンマッチ用に特別に用意された観戦スペースではハイメが連れてきた孤児院の子供たちや葛城カムイ、綺場シオン等が思い思いに今回のファイトに対する思いのたけを語っていた。

 

「ルーナちゃんもヴァンガードを?」

 

「いや~それが私はやってなくて……」

 

そのなかで今回マモルが連れてきたラミーラビリンスの一人、弓月ルーナには清州アカネや安城トコハが積極的に話しかけていた。

 

「ほぉ、それはもったいないな」

 

「そ、そうですかね?」

 

「カムイさん……」

 

すると急な形で話にカムイが割って入ってくる。それに少し驚きながらも頬笑みを崩さないルーナにシオンが少し申し訳なさそうに眉を下げてやってきた。

 

「綺場も来てたんだ」

 

「あぁ、トップクラスのファイターのヴァンガードを見れる貴重な機会だからね」

 

トコハの言葉に貴公子然とした微笑みを浮かべながらシオンはファイトの方に目を向けた。それにつられカムイもファイトの方に目線を移す。

 

「新導も蝶野さんも緊張してなければいいが」

 

「いや、二人とも大丈夫だと思うぜ?」

 

シオンの言葉にカムイが自信ありげに言い放った。

 

「どうしてそう思うんですか?」

 

それにトコハと一緒にきていた岡崎クミが身を乗り出して聞いてくる。

 

「目だよ」

 

「目?」

 

トコハとルーナが互いの顔を見合わせる。

 

「あぁ全く、物怖じしていない。強い意志を感じるぜ」

 

普通の人が言えば妄言とも受け取られかねない台詞だが、ここにいるのはアジアを制したレジェンドファイター葛城カムイだ。その言葉には他の人間にはない重みがある。

 

 

「意志かぁ」

 

「カムイさんが言うなら、そうかも?」

 

女性陣がカムイの言葉に納得したように頷く傍らでシオンはファイトを、正確に言うと安城マモルとファイトしている蝶野アムをじっと見ていた。

 

 

(彼女もまた、一流のファイターと戦う機会を逃さず掴みとった、どうしてあそこにいるのが僕じゃない……!彼女も新導のように僕にはない何かを持っているというのか!)

 

 

自分があの場に立っていない悔しさに拳を握りしめるがこれを蝶野アムが聞いていたら

 

「喜んで代わってやるよ!」

 

と叫んでいただろう。

 

 

そして、その様子をルーナが興味深げに見ていたのにシオンは気付かなかった。

 

 

 

 

 

 

そしてここまで名前の出ていなかったトリニティドラゴンの三人と羽島リンは……

 

 

 

 

 

「お姉ちゃん、何食べてるの?」

 

「ん?なんだ、食うか?」

 

「いいの!?ありがとう!」

 

「え~~!いいないいな!俺も俺も~!」

 

「はぁ、しょうがねぇな。ほら全員にやるからちゃんと並べ~」

 

「「「「は~い!!」」」」

 

 

 

 

「お兄ちゃん肩車して~」

 

「どんとこい」

 

「うわ~凄~い!」

 

「ケイは力持ちだからまだまだいけるぞ!なぁ?」

 

「任せて」

 

「次は僕~!」

 

「じゃあその次!」

 

 

 

ハイメが連れてきた孤児院の子供たちにめっちゃ懐かれていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「行くよ、アミーゴ!」

 

「おう!」

 

 

 

いや~あっちは盛り上がってるね~。っとこっちもサクッと始めないとな

 

「じゃあ俺の先攻で」

 

「……どうぞ」

 

テンション低くね?へいへ~い、バッチしまってこーぜ?

 

「誰のせいだと思ってるんですか……」

 

 

ん?

 

「運命?」

 

「運命もとんでもない冤罪をなすりつけられましたね」

 

 

はは、ワロスwwwじゃあ始めるぜ!相手のアムちゃんがなんかもう何かを悟ったような眼をしてるけど俺は気にしないぜ!

 

 

「ドローから、ライド!リザードソルジャーてへペロ★!」

 

「て、てへペロ★?」

 

ん?おぉ、そういや久しぶりにそう言っちまったか。

 

アムちゃんの顔が困惑に染まるのを見て俺は昔の癖が出てしまったかと頭を搔く。

 

「ごめんごめん、ベローグの事ね。ほらてへペロ★って舌出してるっしょ?だからてへペロ」

 

「いや~?そんな可愛い顔してませんよね?」

 

まぁ効果は極悪だからね、焼いちゃってごめんね~てへペロ★ってことだよ。

 

「は、はぁ……」

 

事情を説明したのにより困惑の色を濃くしたアムちゃんなのであった。

 

「あ、ターンエンド」

 

「え~では私のターンです」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「てへペロってなんか可愛い名前ですね」

 

「あ~あのね~ルーナちゃん」

 

ヴァンガードを良く知らないが故の純粋な言葉にトコハが苦笑する。

 

「マモルさんたら、またカードにニックネームつけて」

 

「ニックネーム?」

 

「そ、うちの兄貴ってよくカードにニックネームつけるの」

 

アカネの言葉に首をかしげるルーナにトコハが補足的に説明する。

 

「例えば、このカードをあの人はなんて言ったと思う?」

 

すると脇で聞いていたのかカムイが自分のデッキからあるカードを出し周りの人間に見せながらそう聞いてきた。

 

「これは、メチャバトラーマルヤーキですね」

 

シオンが言うとおりそれは前列に『闘魂』というキーワード能力を与えパワーを上げるグレード1のユニットである。

 

「ん~?」

 

「まぁいきなり言われてもわかんないよな」

 

律義に悩むそぶりをするルーナに好ましさから顔をほころばせながらカムイはカードをしまった。

 

 

「答えは、丸焼き詐欺だ」

 

 

 

 

 

 

「「「「「はい?」」」」」」

 

 

「なんでも『名前がマルヤーキの癖に全く焼いてこないじゃねぇか!?コイツは詐欺だな!』だそうだ」

 

 

「や、焼く?」

 

「相手のカードをドロップゾーンっていう捨て場所に置く行為のことを一般的に焼きっていうんだよ」

 

「へぇ~そうなんですね!」

 

焼くというカードゲーム特有の単語にピンとこないルーナにシオンが丁寧に説明してあげた。

 

「ていうか詐欺って……」

 

「カムイさん、因みに私のこのカードがなんて言われたか知ってます?」

 

クミがあんまりなネーミングに苦渋をにじましていると今度はトコハがカードを見せてきた。

 

 

「早咲きの乙女ピアか、なんだろうな?」

 

「あいつの事だから碌な名前はつけないだろうな」

 

いつの間にかこちらに来ていたリンが孤児院の女の子を腕にしがみつかせてトコハのピアを見ていた。

 

「ビアガーデンをもじってピアガーデンとか?」

 

「違いますね~」

 

「鼻ピアス!」

 

「う~んおしい!」

 

「惜しいんだ!?」

 

皆が好き勝手にいう中でトコハが正解を投げ込んだ。

 

 

 

 

 

 

 

「答えは郷ひろ〇です」

 

 

「「「「「なんで!?」」」」」

 

 

答えはあとがきで(!?

 

 

 

 

 

 

 

 

「へっくしょい!」

 

ターンは俺がグレード2にライドしてアタックした所だ。そこでたいした寒気も感じていないのにくしゃみが出た。

 

「大丈夫ですか?」

 

「あ~大丈夫大丈夫、これは誰か噂してるね」

 

「間違いなく悪い噂ですね」

 

「おうふ」

 

なんかアムちゃんもトコハやリンリンみたいに遠慮がなくなってきたんだけど、気を許してくれたと考えるべきなのか非常に判断に迷うね。

 

向こうはもう新導君がグレード3にライドしている所だった。クロノジェットドラゴンか、自分の名前が入っているユニットを使うってどういう気分なんだろうか?自分と同じ名前の人間が主人公のギャルゲーをやる気分なんだろうか?

 

「ターンエンドで」

 

「私のターン」

 

と下らんこと考えてないでファイトを進めないとな~俺がターンを返すと、アムちゃんは慣れた手つきで山札からカードをドローした。

 

 

「ライド!倦怠の呪術師ネグロレイジー!」

 

「お!?出たな『馬鹿』」

 

「はい?馬鹿?」

 

アムちゃんの手が止まる。これでまた向こうのファイトと進行に差が出てしまうわけだがこれは説明しなければなるまい。

 

「そのカードの読み方って知ってる?」

 

倦怠(けんたい)の呪術師ですよね?」

 

「そう、でもそのカードのルビ良く見てみ、『たいだ』って書いてあるから」

 

俺の言葉にアムちゃんはライドしたネグロレイジーを手にとって目を細める。

 

「あ、ほんとだ」

 

すると確かにそこには倦怠(たいだ)と書いてあった。

 

「でしょ?多分コイツはドヤ顔晒しといて思いっきり読み方間違える馬鹿なんだよ。だから馬鹿と命名した」

 

「いやいやいや……」

 

ただのエラッタじゃないか、とかお前の勝手なイメージを押し付けるな!とか言いたいことはあるがきっと無駄だろうというのも今まででわかっているので

 

「とりあえずターン進めますよ馬鹿」

 

「おれの事じゃないよ!?」

 

一応こう言い返しておいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

所変わってドラエン支部の入り口、人がまばらなこの場所に一人の男がエレベーター内に足を踏み入れた。

 

男は目立つ銀髪と赤い目をしておりその目は鋭く剣呑な雰囲気を様相や纏う空気から出していた。

 

 

 

「さて、一体どうなるか……」

 

誰もいないエレベーター内でそう呟いた男の名は伊吹コウジ、ギアクロニクルと新導クロノをめぐる因果を見届けるため彼はこのドラエン支部に来ていた。

 

そして、一応自分とはまるで真逆な性格の彼に会うのも悪くない。彼、伊吹はそう考えながら目的階層に着き開いたエレベーターのドアからファイト会場を目指した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さぁ今回の特別ダブルマッチ!今の状況を確認するぞ!」

 

大山支部長の大きな声が響く会場では今、ファイトの熱は最高潮に達しようとしていた。

 

 

「新導クロノVSハイメ・アルカラスは互いに一回目の超越を終えた所、ここから超越ユニットの真の力が解放されるので要注意だ!」

 

 

ダメージや手札はクロノの方が勝っているようだが、次のハイメのターンではランブロスが真価を発揮する。ここが彼にとっては正念場となるだろう。

 

 

「一方、安城マモルVS蝶野アムはファイト進行はマモルきゅんの余計な茶々で多少遅れているが、今は安城マモルがグレード3にライドした。この次の蝶野アムさんのターンから超越の解禁だ!」

 

 

一言多いぞ~!というどっかのクランリーダーの言葉は華麗に無視し大山は互いのファイト状況を説明した。

 

「さぁ、どんどん盛り上がって行こうぜ!!」

 

大山の叫びに観客は皆呼応するように叫び声を上げた。

 

 

 

 

 

「支部長め~、変なこと言いおって~」

 

「前回……」

 

「ん?」

 

どうやって支部長に仕返ししようか考えているとアムちゃんの方から話を振ってきた。

 

 

「前回は私の負けでした」

 

「あ~そういやそうだね」

 

「ですが」

 

ここでアムちゃんはニヤリと好戦的に笑う。それに俺は既視感を感じたのだが果たして何だったのだろうか?

 

「今回は私が勝ちます!」

 

「ほう、では見せてみろ、この安城マモルに対してなぁ!」

 

あんたはどこの吸血鬼だ!?と言う我が妹のツッコミが聞こえた気がしたがそれを幻聴と決めつけ全力で無視し俺はこのファイトに全神経を傾けた。

 

 

 

 

「夜霧の吸血姫ナイトローゼにライド!」

 

ストライドボーナスを持つ、亡霊海賊団の船長ナイトローゼが彼女のメインヴァンガードのようだ。そういやエース君もナイトローゼ使ってたな~全く戦い方まで似せるなんて彼は筋金入りのアムちゃんファンのようだ。彼の為に後でサインを貰っておこう。

 

 

「そして、悪霊竜ガストドラゴンを捨て、ジェネレーションゾーン解放!」

 

お互いにグレード3になった今、超越してグレード4のユニットを出すことができる。

最初の超越はなんだろうね?多分おばだいあ安定だろうけど

 

 

と俺は彼女の超越をそう決めていたのだがアムちゃんはしばらくGゾーンを眺め一つ頷くと思いもよらないユニットに超越してきた。

 

 

「スノーエレメントブリーザに超越!」

 

「なにぃ!?」

 

く、クレイエレメンタルだとう!?

 

クレイエレメンタルのユニットはどのクランにも入れる事のできるユニットだがそれを使っているファイターに出会ったのはリンリンを覗くと初めてだ。

 

まぁ彼女の場合はガウリールのGB2スキルを最速で使うために入れていたんだけど、アムちゃんもそういう考えがあってのことだろう。

 

 

「ナイトローゼのストライドボーナスでドロップゾーンの海中散歩のバンシーをコールしパワー2000上昇、更にバンシーのスキル!」

 

海中散歩のバンシーはドロップゾーンから登場時ソウルブラスト1で一枚ドローが出来る。ソウルの馬鹿(ネグロレイジー)がドロップゾーンに置かれる。

 

 

今度生まれ変わったらちゃんと漢字読めるようになれよ……

 

と、確実に無駄になるであろう願いをドロップゾーンのネグロレイジーに送る。

 

 

「?」

 

それを変な目でアムちゃんに見られていたと気付くのはファイトが終わってからだった。

 

 

「え~、更にスケルトンの砲撃手をコールしてバトルフェイズ!」

 

あれ?砲撃手を亡霊(ホロウ)にしないんだ。

 

亡霊(ホロウ)……コールしたターンに退却する代わりに追加効果を得られるグランブルーのキーワード能力

 

確かに今砲撃手を亡霊(ホロウ)にしてもなんもないけども……

 

 

「グルナッシュのブーストでブリーザのアタック!アタック時、カウンターブラスト1とGゾーンのカードを一枚表にし表の枚数分パワーアップ」

 

確か一枚につき5000だから今は5000アップだね。終盤はガチでフィニッシャーになりかねない恐ろしいカードだと思う。

 

 

「パワー36000は防ぐ気おきん!ノーガード」

 

ブリーザの煉獄の炎すら凍る絶対零度の猛吹雪がドラゴニックブレードマスターを襲った。

 

「バンシーのブースト、スケルトンの砲撃手でアタック!」

 

「そっちはガードさせて貰おう!」

 

「ターンエンド」

 

ふう、何とか一点でしのげたな。さて、ここから俺の退却フェスティバルの開幕だぜヒャッハー!!

 

本当はハイメ君とのファイトでお披露目する筈だったんだがまぁいいさ!

 

 

 

 

「ドロー、ライドはスキップしてストライドフェイズ!」

 

俺が捨てるのはラーヴァフロウドラゴン、ストライドサポート持ちのグレード1だ。

 

いつもならムスタファーだが、今回は違う。

 

 

 

これぞ、新生安城マモルの退却デッキだ!!

 

 

 

 

「焔を統べる者は森羅万象を司る、見よ!猛き龍王の顕現を!

 

 

 

ストライド!ジェネレーション!」

 

 

 

これぞ、ルートフレアと覇を競う、もう一つの炎帝龍王……

 

 

 

 

 

「炎帝竜王イレジストドラゴン!」

 

ドラゴニックブレードマスターの姿が更に大きく変化し、眼前の存在を薙ぎ払わんと嘶きと炎をとどろかせる。

 

 

「前は使っていませんでいたね」

 

「新しいカードだからね、因みにGゾーンはあの時から結構変えているよ?」

 

「なるほど」

 

頬に一筋の汗を流しながらも不敵な笑みは崩さないアムちゃんに俺もニヤリと笑う。どうやら俺の全力を叩きこむぬ相応しい相手らしい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あいつ、デッキ変えたのか?」

 

「そ、本当はハイメ戦でお披露目の筈だったんだけどね」

 

見たことのないGユニットの姿に驚くリンにトコハは自分の事のように胸を張る。

 

「どうして、その時は使わなかったんですか?」

 

「そ、それは……」

 

ルーナの無意識だが的確な攻撃にトコハは崩れ落ちそうになる。

 

「あ~ルーナちゃん、出来れば聞かないであげて」

 

「は、はぁ」

 

アカネのの言葉にルーナは何となく事情を察してくれたようで、トコハはほっと胸をなでおろす。

 

 

すると、クロノとハイメのファイトに大きな動きがあったようでカムイやシオンが一気にざわめきだす。

 

 

「どうしたんですか?」

 

「あいつ、勝負に出たぜ」

 

カムイの言葉に一同が目を向けると、ターンはクロノ、リアガードは僅かに一体、手札も少ない。

 

 

 

そしてヴァンガードは、時空竜ミステリーフレアドラゴン

 

 

 

「ミステリーフレアドラゴン!?」

 

「あぁ厳しい条件と引き換えに莫大なアドバンテージを得られるユニットだ」

 

「なるほど、そうでもしないとこの状況は覆らないな」

 

驚くトコハにシオンが効果の説明をし、リンがそれで状況を理解する。その横ではアカネがルーナに説明をしてあげていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、それは離れた所で観戦していた伊吹コウジも見ていた。

 

 

(見せてみろ。新導クロノ)

 

そして、その隣でファイトしている人物を見て伊吹はようやくその相貌を崩す。

 

 

(ふ、お前は相変わらずだな。安城マモル)

 

 

そこには常に大人げないほど全力でファイトし大人げないほど全力でファイトを楽しむ彼の友人がいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おぉ、なんか向こうはクライマックス感バリバリですね~こりゃこっちも頑張んないと

 

 

「コール、ハルクロアードラゴンと英気の炎アエトニキ!」

 

ふふん、16000ラインを作るぜ!そしてバトルだ!

 

 

「行くぜ?」

 

「えぇ……」

 

ん?何か狙っているのか?ならばこのアタック止めてみよ!

 

「イレジストドラゴン、薙ぎ払え!」

 

コイツはヒット時スキルがあるが……

 

「ノーガード」

 

止めないか、グランブルーに退却は確かに効果は薄いが……

 

 

「トリプルチェック!」

 

 

一枚目ドラゴンパートナーモニカ

 

二枚目クリティカルトリガー

 

「よし!クリティカルはヴァンガード、パワーはハルクロアーに!」

 

 

三枚目リザードソルジャーベローグ

 

 

「おやおや~?」

 

来てしまいましたよ~?我が極悪コンボのキーカードが

 

 

「ふふふ、ふははははははは!!少女よ、来ちゃったね~てへペロが」

 

「……」

 

アムちゃんは黙して何も言わない。

 

「教えてあげよう。俺は次のターン、まずアタックの為レストしたリアガードをベローグで退却させる」

 

アタックを防ぐという条件付きだが

 

「そしてそれを起点にハルクロアーとサーデグの効果を使い、そちらのターンにリアガードを三体も退却させるという凶悪コンボよ!」

 

確かにグランブルーに退却効果はあまりよろしくない。だがそれはこちらのターンの話、彼女のターンの退却は攻撃回数も減ってしまうしトリガーも載せられないだろう?

 

 

 

「ふふふ、これぞかげろう。かげろうは遂にターンを超越し相手ターンの退却すら可能にしたのさ!」

 

どうだ!これはかげろうという退却特化クランにしか出来ない芸当!退却マスターたる所以よ!

 

 

「ふはははははははは!!そっちのターンなのに退却させてごめんね~てへペロ★みたいな~?ぐわははははははははは!!」

 

 

「……」

 

 

おやおや、遂に反論すらできなくなりましたかね~?

 

 

 

「おおっと!安城マモル!もう完全に発言がヒールだ!自分の役割をわかり過ぎているぞぉぉぉ!!」

 

役割とか何のことかわかんないな~?さて、更に深い絶望を与えてあげましょう。

 

 

「では、アタックがヒットしたのでイレジストドラゴンのスキルを発動!一列焼きつくす!」

 

アタックヒット時ソウルブラスト1で横列のユニットを全て退却させるのだ。正直ここで退却させなくてもいいのだがここはインターセプト封じとさらなる絶望の糧となって貰うとしよう。(ゲス顔

 

「俺はスケルトンの砲撃手を選択する。さぁその消え去るがいいわ!」

 

ふはははは~これがかげろうだ~!強いぞ~かっこいいぞ~!

 

どうだね少女よ?これがクランマスターの実力差だよ?

 

 

 

 

「……ふふ」

 

「ん?」

 

すると、いままで沈黙を保っていたアムちゃんが急に笑い出し、うつむいていた顔を上げる。

 

 

 

 

「かかったわね!」

 

その顔はしてやったりとでも言いたげに笑みが浮かんでいた。正直、アイドルに似つかわしくない好戦的な表情だ。

 

 

「ナイトローゼのGB2スキル発動!」

 

「ダ、ダニィ!?」

 

ナイトローゼって相手ターンでも能力発動できるの!?

 

「リアガードがドロップゾーンに置かれた時、山札の上から三枚をドロップゾーンに置く事で退却させられたリアガードを再びコールする事が出来る!」

 

「ふ、再びコールするだけならまだどうとでも」

 

な、なんかフラグが立ちまくっていないか?

 

「私はスケルトンの砲撃手を選択して再びコール!そ・し・て?」

 

ここでアムちゃんはあえて言葉を切り、黒い笑顔で俺に指を突き付けた。

 

「スケルトンの砲撃手のスキル!ドロップゾーンからリアガードに置かれた時カウンターブラスト1で相手のリアガードを退却!更に亡霊(ホロウ)状態にして1枚ドロー!」

 

 

ぱ、ぱぱぱぱぱーどぅん?た、退却だとう?

 

「ハルクロアードラゴンは退却して下さい♪」

 

「あんぎゃああああああああぁっす!?俺のハルクロアーが、トリガーがぁぁぁぁ!!」

 

 

うええええええええええ!?こんなん聞いてないっすよ~(涙

 

 

 

「おおっと!!蝶野アムさんがかげろうのお株を奪う相手ターンでの退却を披露したぞ!」

 

「うふふふ~すいませ~ん。そっちのターンなのに退却させちゃって~てへペロ★」

 

「んがああああああああ!?」

 

思いっきりやり返されてしまったじゃないか!?しかもアイドルらしくてへペロ★が似合っているのがまた小憎らしい!

 

「ゆ”る”ざん”!!これは許されんぞォォォォ!!」

 

「はいはい、で?アタックします?」

 

ニヤニヤ笑いをもう隠すことすらせずアムちゃんがこれ見よがしに聞いてくるがこれ完全にこっちがもう攻撃できないのわかってて言っておるな!?

 

 

「く、ぐぐぐ。おのれぇそれが人間のやることかよ!?この外道がぁぁぁぁぁ!!」

 

 

お前が言うな

 

 

ドラエン支部にいる人たちの心が一つになった瞬間である。

 

 

 

 

 

「た、ターンエンドぉ……」

 

くそ、これをやる為のブリーザか。俺の退却速度に追いつくとはなかなかやるじゃないか!

だが、まだ勝負はここからだぜ!

 

「ではドローしてストライド!」

 

だが彼女はカウンターコストをそこそこ使っている。あまり派手な動きは出来ないはずだ。

 

 

「暗躍する海賊王バンデッドラム!」

 

そちらか!ナイトローゼで畳みかけられる状況ではないしな。

 

「ナイトローゼのストライドボーナスでネグロレイジーをドロップゾーンからコール!」

 

あ、お帰り馬鹿

 

「ネグロレイジーのスキルで悪霊竜ガストドラゴンをコール!ネグロレイジーとガストドラゴンは亡霊(ホロウ)に!」

 

瞬く間に盤面が埋まっていく。これがグランブルーの特性であり強さだ。

 

「ネグロレイジーでアタック!」

 

「そこはガードだ!」

 

ちくしょう!この状況じゃベローグは役に立たん!サーデグと組み合わせてもグルナッシュが消えていくだけだし……

 

「バンデッドラムでアタック!」

 

ふ、防ぎたい!凄く防ぎたいが……完全ガードがない!

 

「ノーガードだ!」

 

「トリプルチェック!ゲット、クリティカル&ヒールトリガー!効果は全てガストドラゴンに!」

 

ぐ!?二点くらった上に相手は一点回復だと!?

 

「ダメージチェック!」

 

だぁぁぁ!二点ともトリガー来ないんかい!

 

「バンデッドラムのスキルでネグロルークをコール!ネグロルークのスキルでパワー上昇!」

 

く、単体で16000叩きだすとか!

 

「さぁ、アタックよ!」

 

「くらえるか!どっちもガードじゃい!」

 

 

「安城マモル!どうにか防いだがかなり状況は危ないぞ!まぁあれだけフラグ立てれば当然か」

 

うるせぇぇぇぇし!?こちとらマジでピンチなんだよ!トリプルチェックで完全ガードまで見えちゃったし、これはもうアレを引くしか道は残されていない!

 

 

「俺は引く……引いて見せる!例えこの指が!ポッキリ折れようともナァァァァァァァッァァァァ!!」

 

「デュエマに喧嘩売るようなこと言うなよ!?」

 

「心がポッキリ折れなきゃいいですね♪」

 

ええい、やかましいぞ!こちとら真剣なんだよ!?

 

「ドロドロドロドロドロ、ドロォォォォォォォォォォォォォォォ!!」

 

 

 

 

 

 

 

ふ、来たか……!我がデッキ最強のしもべ!!

 

 

「来たぜ!ドラゴニックブレードマスター!!

 

 

 

 

 

を捨ててストライド!」

 

 

「おいこら」

 

え?何か?というかアイドルがそんな事言ってはいけませんよ?

 

「いや、まぁいいです」

 

問題ないようだから続けちゃうよ?

 

 

 

さて、この状況を打破できるカードはもうこれしか残っていない!

 

行くぞ!俺のラストストライド!

 

 

 

 

 

 

「行くぜ……この絶望の混濁をぶち壊せ!!」

 

 

 

 

 

 

 

ヴァンガードにおいて最も早く『超越』という名を冠したユニットがいる。それは一つの時代を作り上げ、そして今ここに新たな未来と時代を作り出さんとす!!

 

見よ!これが始原の超越者!!

 

 

 

 

 

 

 

「超越神龍ヌーベルバーグレクスプレス!!」

 

 

「おおおおおおお!!ついに出たぞ!安城マモルの新たなる切り札、ヌーベルバーグレクスプレス!そのスキルはまさに神龍の名にふさわしい!」

 

 

ふふふ、支部長。盛り上げてくれて感謝するぜ。だが正直今は構ってられん!

 

「新しいGユニットですね」

 

「うむ、正真正銘これが最後のアタックだ」

 

「なら防いで見せます!」

 

こっちとしてはなんとしてもその豊富な手札を突破しなければならないからね!

 

「ヌーベルバーグレクスプレスのスキル!Gゾーンの同名カードを一枚表にし、カウンターブラストを払う事で二つの効果を得る」

 

「効果?」

 

俺は首をかしげるアムちゃんに向けてまず人差し指を天に向けた。

 

「一つはこのターン中、相手はグレード1以上のカードをガーディアンとしてコール出来ない」

 

「!?」

 

そう、その完全ガードにはまずお眠りいただくとしようか!

 

「そして二つ目!」

 

今度は中指を天に向けた。

 

「相手のダメージが五枚以上なら相手のトリガー効果を無効にする!」

 

「ろ、六点目ヒールまで向こうに!?」

 

そう、これがヌーベルバーグレクスプレスのスキル!全く焼かないんで俺の流儀には反するが、勝たなければ流儀もクソもあったもんじゃないわ!!

 

 

「更にサーデグを退却してドラゴンパートナーモニカとジャンナット二枚をコール!」

 

俺は手札を全部使い切り、この一撃にかけた。

 

 

「行くぞ!レクスプレスのアタック!」

 

まずはモニカの効果でフレイムドラゴンをブーストしたのでパワー3000上昇!更にジャンナットのスキルで自身をソウルに入れ一枚ドローしながらパワーを更に5000上昇!!

 

 

「合計パワー46000でアタックだぁぁぁぁぁ!!」

 

「く……」

 

アムは手札をもう一度見直す。

 

(残念だけど、完全には防げない……でも私のダメージは4)

 

ちらりとダメージゾーンのカードを見る。

 

(例えガードを突破されても、クリティカルが出なければ耐えられる)

 

なら、と考えはまとまった。

 

 

「ガード!」

 

「っ!合計56000。二枚貫通か!」

 

どうやら完全に防ぎきることは出来ないようでとりあえず第一関門は突破した。

 

(だがこっちはクリティカルを引きつつ相手のガードを突破しなければならない)

 

かなり、条件は厳しい……だが、見れば新導君も発動の難しいミステリーフレアドラゴンで見事勝利を収めていた。

 

 

 

(なら、クランリーダー。いや、一人のヴァンガードファイターとして!ここで怖気づくわけにはいかないんだよぉぉぉ!!)

 

全てグレードの違うカードを引くという離れ業をやってのけた新導君に二枚貫通出来なかった所など到底見せられない。

 

それに……

 

 

(これ以上、リンリンやトコハに俺が負けている姿を見せたくないんでな!!)

 

 

「トリプルチェック!」

 

一枚目は封竜アートピケ

 

「ゲット!ドロートリガー!効果は全てヴァンガードに、そして一枚ドロー!」

 

よし、第二関門突破!後はクリティカルを引くだけだ!

 

「二枚目!」

 

出たカードはプロテクトオーブドラゴン。完全ガードだがトリガーではない。

 

(一ターン遅い!)

 

「三枚目!」

 

これがラストチェックだ。

 

 

 

祈りよ。いや俺の叫びよ!天まで響けぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!

 

 

意を決して引いたカードは……

 

 

 

 

 

 

 

「ゲット、クリティカルトリガー!!効果はヴァンガードだ!」

 

「な!?」

 

「ひゅ~ファンタスティック!」

 

いつの間にかハイメがこっちのファイトを見ていたのに全く気付かず俺は引いたカードを天に高く掲げていた。

 

 

「二点、くらって貰おうか!」

 

「く、ダメージチェック」

 

こっちのダメージは5、六点目以外ヒールは不発する。がヌーベルバーグレクスプレスのスキルで六点目ヒールを無効化している以上、彼女に逆転の目はもうない。

 

 

 

「ま、負けました……」

 

「よ、よっしゃああああああああああああああああ!!」

 

 

「決着!!新導クロノ君VSハイメ・アルカラスは新導クロノ君の勝利!!

 

そして、蝶野アムさんVS安城マモルは安城マモルの勝利だぁぁぁぁ!!」

 

 

チームを組んでいたわけではないが結果的に見れば、一対一の引き分けとなるがそれでも大いに会場は沸いた。

 

 

「しゃ!よっしゃ!よっしゃあ!!」

 

今回ばかりはマジできつかった……まさかトリガーに頼る羽目になるとは、いつもは引けないから引けて良かった。

 

 

「また、負けた……」

 

見れば、リベンジに失敗したアムちゃんは歯を食いしばりうつむいていた。どうやら相当悔しいようだ。

 

「なら、また挑めばいいじゃない?」

 

「……」

 

無言で頭を上げるアムちゃん、その瞳に光るのは果たして……

 

「俺は何度敗れても敗れても、その度強くなっている人間を知っている、だから蝶野さんもそうなればいい」

 

「え?それって……」

 

「ま、ようは楽しかったからまたやろうぜ!ってことさ!」

 

じゃあね~と足早にそそくさと安城マモルは去って行った。

 

(なにあれ?)

 

もしかして、照れているのだろうか?

 

 

「……ふふふ、似合わないったらありゃしない」

 

いつのまにやら陰鬱な気分が吹き飛んでいる事を自覚しつつアムは軽く肩をすくめた。

 

 

とそこに……

 

 

 

 

「アム~~~~~~!!」

 

「ルーナ!?」

 

観客席から走ってきたのだろう。息を切らしたルーナが思いっきり抱きついてきた。

 

「凄かったよアム!細かくは言えないけど、とにかく凄かった!!」

 

「あ、あははは~」

 

ヴァンガードを知らない筈のルーナは興奮したように顔を紅潮させ、アムの肩をがくがくと揺さぶった。

 

「でも本当に凄いよ」

 

「あいつがあんなに必死になってるのは久しぶりに見た」

 

「あの退却能力の使い方は上手かった!」

 

「イエ~ス!マモル以外にあんなことができる人間がいるとは思わなかったよ!」

 

 

「え?あ、え?」

 

といつの間にかルーナだけでなく、隣でファイトしていたクロノとハイメ更にはトコハ達などアムとは面識のない人間たちが一斉に寄ってきてアムはもみくちゃにされてしまう。

 

「わ、わわわわわ!」

 

「アム!アム!私もヴァンガードやる!」

 

「え?」

 

アムがルーナの方に眼を向けるとルーナはキラキラと目を輝かせアムの方を見ていた。

 

「ヴァンガードやって、アムみたいにカッコよくなるんだ!」

 

「カッコよくって……もう」

 

いつの間にかアムの顔にはいつもの張りつめた表情ではなく年相応の愛らしい笑顔が浮かんでいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ、伊吹く~ん」

 

「……マモルか」

 

ちょっと似合わないこと言って恥ずかしさから逃げるように立ち去った俺は帰ろうとしていた伊吹君に会った。

 

「なんだ、見てたのかい?」

 

「まぁな」

 

「俺の雄姿を?」

 

「……雄姿?」

 

そこに疑問符付けない!

 

「ふ、冗談だ」

 

クールに忍び笑いを漏らす伊吹君に俺はやれやれと肩を落とす。相変わらず人をからかうのが好きな奴だ。

 

「見てたのは新導クロノのギアクロニクルだ」

 

「ギアクロニクル?あぁ珍しいよね」

 

「……あの者の行く先が気に」

 

「あ、伊吹君頼みたい事があるんだけどいい?」

 

「お前、せっかく人がシリアスシーンに入ろうというのに」

 

そういうのはノーセンキューで、伊吹君じゃないと頼めないことだし

 

「まぁまぁそういうのは置いといて、これなんだけどさ」

 

「まだ、引き受けるとは言ってないぞ」

 

「あぁそうか。じゃあ引き受けて。で、これなんだけど~」

 

「…………良く見せてみろ」

 

俺の押しに結局何かを諦めたような表情で俺が渡した物を見る伊吹君。エース君にはまだこの境地にいたるのは早いようだな。

 

「そのエースという人物に同情する」

 

あら?声出てた?

 

「思いっきりな」

 

「おっとっと。で、どうよ?」

 

「まぁ、できなくはない。というよりむしろ都合がいい」

 

都合がいい?

 

「こっちの話だ。任せておけ何とかしよう」

 

「あざっす!こっちの方でも根回ししとくからさ~!」

 

最後に手を振ると、今度こそ伊吹君は去っていた。

 

 

さって、時間がないし。久しぶりにアレを使うかな?

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふ、全く。ラミーラビリンスの二人に御礼がしたいとはな」

 

だがこれでは御礼になっているのかわからんが……

 

 

変な所で律義な友人に伊吹はクスリと笑みを浮かべるのであった。

 

 

 

 

 

 

~おまけ~

 

 

安城マモルとのファイトから数日が経ったある日のこと

 

 

「ちょっとちょっと!?凄いよこれ!」

 

いつものように仕事を終えたアムにルーナが興奮気味に話しかけてきた。

 

「なに~?ってどうしたのその書類!?」

 

振り返ったアムはルーナが今にも崩れ落ちそうな書類の山を机に置こうとして大苦戦しているのを見つけ慌てて手伝う。

 

 

「「よい、しょっと」」

 

ドスン、と音が聞こえ、それはなんとか机に収まった。

 

「それで?どうしたのよこれ」

 

「あ、そうそう!凄いんだって!」

 

「何が?」

 

「これ全部仕事のオファーなんだって!」

 

「え!?」

 

ルーナが思い出したかのように告げられた言葉にアムはぎょっと書類の山を見直す。

 

「これ、全部?」

 

「そう!急にどうしてだろうね~?」

 

無邪気に喜ぶルーナを尻目にいまいち信じきれないアムは書類の一部を取って読んでみる。

 

 

ラミーラビリンス殿

 

ある男からの御礼として受け取っていただきたく

 

 

 

(御礼?)

 

「え~と、フーファイターズに蒼龍財団!?大企業からもオファーだって!き、緊張するな~」

 

ルーナもアムに習い書類の一部を取って読むとそこに記された予想を超えた大企業の名前を見て萎縮してしまう。だがアムはその企業を聞いてある可能性に思い当たる。

 

 

フーファイターズと蒼龍財団、どちらもヴァンガードを主体とした世界を股に掛ける大企業だ。

 

(ま、まさか……)

 

すると、数多の書類に挟まった小汚い手紙を見つける。それを山を崩さないように丁寧に抜き取ると封を開けた。

 

 

そこには汚い字をどうにか綺麗に書いて読ませようという不器用な気遣いが感じられる字が言の葉となって綴られていた。

 

 

 

拝啓

 

ラミーラビリンス 蝶野アム様  弓月ルーナ様

 

このような形で御挨拶させていただくのは初めてかと思います。

昨日は私どもの身勝手な都合を快く引き受けて頂き感謝しております。その御礼と言っては何ですがお二方の御健勝とご多幸の一抹の助けになればと思いささやかではありますがお受け取りいただければ幸いでございます。

 

あなたが何を背負っているのかは存じ上げませぬが、あの時のように何もかも忘れて笑い、怒り、ヴァンガードを楽しむのも偶にはあっても良いと思います。

そして、それが日常になればどんなに素敵なことでしょうか?

今はそんな時はないかもしれませんが、あなたが皆に笑顔を与えた分、あなたが本当の意味で笑顔になるそんな時を願っております。

 

末筆になりましたが、私どもはあなた方を全力で応援させて頂きます。何かありましたらいつでも頼って下さい。

 

またファイトしましょう。

 

 

敬具

 

安城マモル

 

 

 

それを読んだアムはしばらくなんの言葉も言えなかった。

 

色々と溢れだしそうな感情はあるのに、それを上手く言葉に出来ない……

 

 

 

でも、まずは……

 

 

「ふふ」

 

「?」

 

「は、ははは。あはははははははははっ!!」

 

急に笑い出したアムにルーナが不思議そうに声をかけるも彼女の笑い声は収まらずますます激しくなる。

 

 

「ははははは!!字も敬語もめちゃくちゃじゃない!あっはははははは!!あ~面白い!」

 

「あ、アム?」

 

「ふふ、ごめんごめん。ある人があんまりにもかっこつけるから可笑しくてね」

 

笑い過ぎて目じりに溜った涙をぬぐいながらそれでもまだ肩を震わせてアムは再び手紙に眼を戻した。その目は今までにない程優しかったのはルーナのみがしる事実。

 

 

 

(次会ったらなんて言ってやろうかしら?)

 

そんなことを考えながら手紙をもう一度読み返し、二枚目がある事に気づく。それを広げると、今度は真ん中に一文が書いてあるだけだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

PS.アジ好きっしょ?たんとお食べ(笑)

 

 

 

 

「ルーナ、仕事の内容って見た?」

 

「え?まだだけど」

 

「少し見せて」

 

頷きながらルーナが渡してきたオファー内容を目を通す。

 

 

 

 

 

 

①ラミラビと行く!超越旬の真アジ探求!

 

②ラミラビの簡単クッキング~目指せ!夢見る気まぐれアジフライ~

 

③人は一週間アジだけで過ごせるのか!?大人気アイドルが限界に挑む!

 

④都内アジフライ選手権!~一番美味いアジフライはどれだ!?~

 

 

「」

 

 

「わ~旅番組に料理番組、これはバラエティかな?凄いたくさ~ん。でもなんでアジ?」

 

ルーナの声をどこか遠くに聞きながらアムは忘れていた事実を思い出した。

 

 

 

 

あぁそういやコイツ(マモル)はこんな奴だったわ。と

 

 

 

 

 

 

 

 

後日、鬼の形相で安城マモルを追いかけ回す。人気沸騰中のアイドルが目撃されたとかされてないとか?

 

 

 




~ヴァンガードあるある~
カードにニックネームつけちゃう。

早咲きの乙女ピア→郷ひろみ
理由:マモルが閃いた替え歌から『あ~ぴ~ぴ~あ~ぴ~(数もパワーも)増えてるんだろうか~』

他には
ナースオブブロークンハート→カリスマギャル
理由:アイマスのあるキャラに似ているから

悪霊竜ガストドラゴン→ファミレス
理由:『ガスト』ドラゴンだから


道化魔竜ルナティックドラゴン→ドリアン海王
理由:催眠術使えそうでキャンディ大好きだから


とか考えてんですが結局出番はなかったですね~

みなさんはカードに自分だけのニックネームとかつけたりします?あれば参考にしたいので教えて頂けるとありがたいです。


あと、短編から連載に変えました。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。