汚い、流石兄貴汚い   作:DEAK

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すいません。アカネさんの話を書こうとしたのですが……



超!!難航しています……(汗
せっかく、連載にしたことですしマモルの過去話を織り交ぜながら書こうと思ったのですが、シリアス成分が多すぎてなかなか上手く書けません……


結局、考えている最中に思いついたことを今回は書かせて頂きます。

あと、この作品でのユニット設定なんかも説明できればと


外道と奇跡の12枚

目覚めよ……

 

 

 

んん~?なんだぁこの声?

 

 

 

 

 

 

目覚めよ……

 

 

 

なんかこんな事前もあったような……?

 

 

 

 

 

 

 

目覚めぬか……

 

えぇこちとらまだまだ眠いんですよ~

 

 

 

 

 

 

 

 

なら……死ねぃ!!

 

 

!?

 

 

 

「シャオラァ!!」

 

「あぶねぇ!?」

 

 

眠りのまどろみから一気に目覚めた俺は聞こえた物騒な声からほぼ本能的に転がるように身をかわすと丁度俺の顔があった場所に思いっきり指が突き立てられていた。

 

あのまま睡眠をむさぼっていたら間違いなく俺は失明していただろう。

 

 

「ちっ、外したか……!」

 

「な、何すんだアンタ!?」

 

ていうかここ俺の部屋の筈なんだけど!?なんで見た事もない人がここにいるんだ!

 

「貴様、私の顔を見て覚えていないとは言わせんぞ!」

 

「えぇ?」

 

そんな事言われましても……と言いますかまた俺いつかの真っ暗闇な空間におるのですが?確か前はドラゴニックブレードマスターに会ったね~

 

 

 

 

 

あっ(察し

 

 

 

 

そこまで考えてようやく俺は思い出す。確かに俺は目の前の人に会ったことはない。会ったことはないが、つい最近、あるカードとしてその姿を見たことがあった。

 

 

 

 

「ま、まさか……ネグロレイジーか!?」

 

「その通りだ!」

 

目の前のイケメンなお兄さんは確かにグランブルーの亡霊海賊団に一員にして参謀のネグロレイジーに相違なかった。

 

「いや~またヴァンガードのユニットに会う夢を見るなんて思わなかったぜ。で、何の用?」

 

「何の用?だとぉ……」

 

涼しげな容貌をゆがませ、忌々しげに俺を見るネグロレイジーに思わずたじろく。俺なんかした?

 

 

「貴様のせいでなぁ……」

 

「俺のせいで?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「貴様のせいで俺があちこちから『馬鹿』呼ばわりされてるんだよ!!」

 

「……あ」

 

そ、そういやネグロレイジーには俺が『馬鹿』というニックネームつけたっけ?ま、まさかそれがこんな事に?

 

 

「でも漢字読み間違えているのはホントじゃん」

 

「あれはエラッタだって言ってるだろうがァァァァァ!!」

 

手に持った骸骨を思いっきり地面に叩きつけながらネグロレイジーが吠えるが、あんなすかした顔とフレーバーテキストで漢字が違うとか最早ギャグだよね?

 

「おかげで、我が姫からも馬鹿とか呼ばれる羽目になるし、もう散々なんだよ!」

 

だから、俺は考えた!とネグロレイジーが俺に指を突き付ける。

 

 

 

 

 

 

「こうなったら元凶を殺すしかない、と」

 

「その結論は音速すぎね!?」

 

「やかましい!さっさと死にさらせぇぇぇぇぇ!!」

 

「うおおい!?」

 

ネグロレイジーが手からなんか紫のもやっぽいのをこちらに放ってくるのを何とかかわす。

 

正直夢ならかわす必要なくね?と思わなくないが、目の前で殺気むき出しで迫ってくる人がいたらそれが夢だろうと逃げてしまうのが人情と言う奴ではないだろうか?

 

 

「くそが!さっさとくたばりやがれェェェェ!!」

 

「し、死ぬ!殺されるぅぅぅ!?」

 

「安心しろ。死んだらゾンビとしてこき使ってやるよ!!」

 

「全く安心できないんですが!?」

 

とか言っていると足元がおろそかになってしまい、思いっきり足をもつれさせて転倒してしまう。

 

 

「あだっ!」

 

「ふははは!年貢の納め時だ!安城マモル!!」

 

や、やばい!!夢の中なのになんか凄い死にそうな予感!

 

「死にさらせやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

「ぎゃああああああああああああ!!」

 

万事休す!と俺は目をつぶり、来るであろう衝撃に備える。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おや?

 

 

 

がいつまでたってもその衝撃がこない。おそるおそる俺が目を開くと

 

 

「うお!?」

 

まず目に入ったのがでっかい青龍刀

 

「無事のようだな」

 

そして、巨大な体躯の龍と野太い声だった。

 

 

「ち、ドラゴンエンパイアの将軍か!」

 

「いかにも、そこまでにしておけグランブルーの呪術師よ」

 

その鋭く輝く青龍刀でネグロレイジーの攻撃を防いだドラゴンは、ネグロレイジーが距離をとったのを見てこちらを振り向く。

 

その様相は俺が良く知る。というより最近直接話したばかりのユニットであり、俺は知らずの内に笑みを浮かべる。

 

 

「ぶ」

 

「大事ないようだな、我がヴァンガードよ」

 

「ブレマスさぁぁぁぁぁぁぁん!!」

 

そう、ネグロレイジーの攻撃を防いでくれたのは俺の頼れる相棒ドラゴニックブレードマスターであった。

 

「た、助かったぁぁぁぁぁ!!」

 

「久方ぶりだな」

 

「おう!いや~始めてブレマスさんがかっこよく見えるよ」

 

「……助けなきゃよかった」

 

俺の言葉にブレマスさんがなにやら不吉な事を呟いているが、ネグロレイジーはそれに気付かずブレマスさんに向かって声を上げる。

 

 

「く、何故そいつに加担する!?」

 

「彼は外道の屑でどうしようもない奴だが、私のヴァンガードなのでな」

 

おい、言い過ぎじゃね?

 

 

「流石によくわかってるじゃん」

 

やかましいわ!ってこの声は……

 

「リンリン?にトコハまで……」

 

後ろから聞こえてきた聞き慣れた声に振り向くと前は寝間着だったが、今回は普段着のリンリンとトコハがいた。今気付いたが俺もいつも着ている服であった。

 

「まさか、またここに来ることになるとはね」

 

「二回目だと流石に慣れてくるな」

 

強かと言うべきか図太いと言うべきか、二人は世間話でもするかのような感覚でこの真っ暗な空間で喋っていた。

 

 

「い、いつからそこに?」

 

「ん?お前がネグロレイジーに追っかけられている所から」

 

じゃあ、助けてくれてもよくね!?

 

「いや~兄さんなら死に損なうから大丈夫かな~って」

 

「生き残るでなく死に損なうなのね……」

 

そんな、死んだ方が良かったみたいな?俺泣いちゃうよ?

 

「まぁそんな事よりお前達を呼んだ理由をそろそろ話させて欲しい」

 

ブレマスさんに俺の生死をそんな事扱いされてしまったが、みんな当然のようにシカトしブレマスさんのほうを見た。

 

ホントに最近扱いが雑過ぎると思うんだ。

 

「理由?」

 

「そうだ、だがまだ全員揃ってはいないようでな。近くにはいると思うのだが……」

 

ちゃんと呼んだのか?とネグロレイジーを見るブレマスさんにネグロレイジーは軽く肩をすくめる。

 

すると、そのネグロレイジーの後ろに何かを見つけた。

 

「ん~、あれ?あそこに寝てんのがそうじゃね?」

 

「お前、この暗闇で良く見えんな」

 

リンリンが感心したように言う傍らで俺は少し離れた暗がりで猫のように丸くなって寝ている人物に近づく。

 

 

 

 

 

 

「あ、エース君だったのか」

 

すぅ、と凄く静かな寝息を立てて眠りの園に旅立っているのは、グランブルー使いのラミラビオタク、エース君だった。

 

 

「あらら、気持ち良さそうに寝てるわね」

 

普段の強気な印象を与えるつりあがった眼は緩やかに閉じられており、そこには年相応の子供の姿があった。彼のこの姿はなかなかに保護欲をそそられる、現にトコハの目は日だまりで丸くなっている猫を見ているそれに酷似しており、リンリンなんか思わず撫でそうになったのか伸ばした右手が所在なさげに彷徨っていた。

 

 

「ネグロレイジー、まだ起こしてなかったのか?」

 

「いや、姫の安らかなる眠りを邪魔出来なくてね」

 

はい?姫?

何言ってんだろうね、この馬鹿は

 

「いや、エース君男の子やん。何姫とか言っちゃてんだしwww」

 

「え?」

 

「え?」

 

俺がそう言うと何故かネグロレイジーが驚いたようにこちらを見てきたので更に困惑してしまう。

 

いや、確かにこう見てみるとまつげとか長いし、身体の線も男にしては細いけど本人がそれを気にしてるかもしんないしあんま言っちゃあかんぜ?

 

「あ、あ~そういう……」

 

附に落ちていない俺の顔をみて、ネグロレイジーの方が何かを察したように呟いた。

 

「とりあえず、起こしちゃうけどいいね?」

 

「頼む、そうしないと話しが始まらないからな」

 

トコハとリンリンが少し不服そうだったが、ブレマスさんの一声で俺はエース君をまどろみから混沌へといざなうことを決めた。

 

ま、悪く思わないでくれ

 

 

「お~い、起きろ~」

 

「う、う~ん……あふ」

 

手始めに軽く揺さぶってみると、エース君は軽くうめき声を上げたが起きる気配はない。

 

「ほらほら~起きないと、アジフライ投げつけちゃうよ~」

 

「!?」

 

俺の言葉を聞いて、条件反射のようにがばっとエース君は起き上がり、辺りを警戒するように見回した。

 

ていうか地味にエース君とぶつかりそうだったのは秘密だ。

 

 

 

「お~起きたかね、エース君?」

 

「えぇ、ありが」

 

実は意識自体は覚醒していなかったのか、かけられた声にいつもとは違う柔らかい(というより高い?)声で俺の方を向きながら何事か言いかけ……

 

 

 

 

「な、なんでお前がここに!?」

 

 

目を剥いて俺から思いっきり距離をとった。

 

「ていうかここどこ!?確か拠点、じゃなくて部屋にいた筈なのに!?」

 

あ~はいはい、俺達も最初はそんなんだったよ。だが、俺の後ろにいたリンリンとトコハは別の事が気になるようだ。

 

 

「ん?なんか今女の子の声がしたような」

 

「そうだな、しかも最近聞いたことある声だ」

 

 

あ~なるほど、それか

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ぐ……」

 

訝しげに安城マモルの後ろから此方を見てくる安城トコハと羽島リンにエースは人知れず歯噛みする。

 

(しまった……!)

 

いきなりの事とはいえ、自分を『取り繕う』のに少し時間がかかってしまった。疑いの目を向けられるのは避けられなかった。

 

一体、どう言い繕うかエースが悩んでいると

 

 

「ふ、二人ともエース君の事を分かっていないな」

 

「は?どういう意味だよ」

 

意外な所から助け舟が来た。リンとトコハの目がエースから安城マモルの方に向く。

 

 

 

 

 

 

 

 

「彼は生粋のラミラビオタクだぞ?」

 

「おい、ちょっと待て。それ以上言うな!」

 

がいきなりその船は座礁する気配を漂わせ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「声帯模写ぐらいエース君レベルになれば朝飯前なのさ!!」

 

「おいいいいいいいいいいいい!!」

 

安城マモルの助け舟は盛大に難破した。というより泥船だったという方が近いか?

ていうかコイツやっぱり碌な事言わなかった。

 

 

しかも、エースにとって最悪なのが

 

 

 

 

「む、無意識に出るくらいなんだ……」

 

「ファンって凄いんだな……」

 

「いや、んなわけないでしょうがァァァァァァァ!!」

 

何故か、トコハもリンもマモルの妄言を信じてしまっている事だ。エースは必死に弁解するが二人との心理的距離は縮まらない。

 

 

「ちょっと、二人とも!?」

 

「「まぁ、趣味は人それぞれだし」」

 

 

「じゃあ、その目は止めてくれるゥゥゥゥ!?」

 

 

 

 

 

 

 

「うんうん、エース君も仲良くなったみたいで何より」

 

「アレを見てそう言えるのか?」

 

何を言う?非常に仲が良いではないかね?

 

「やっぱお前に馬鹿呼ばわりされんのは納得いかん」

 

どういう意味だい、ネグロレイジーさんや?

 

 

 

 

 

 

 

 

「ちくしょう、ちくしょう……違うのに……」

 

 

 

 

「え~では役者も揃った所で今回君たちをここに呼んだ理由を説明させて貰おう」

 

エース君が体育座りでこの真っ暗空間より黒い空気を纏いながら沈んでいるのをブレマスさんは見て見ぬふりして話を進めようとする。

 

あ、ネグロレイジーがエース君慰めてる。

 

 

 

「君たちは前回の事を覚えているか?」

 

「前回って、あれだろ?印刷前のカード渡されたやつ」

 

「印刷前のカードじゃない!」

 

ブレマスさんがリンリンの言葉に吠えるように言うが、あれはどう考えてもただの印刷前のカードだと思うんだが

 

「一応ディペンドカードっていう奇跡のカードなんだが」

 

「はいはい、奇跡奇跡。で?それがどうかしたの?」

 

「軽く流しおって……まぁいい」

 

ブレマスさんはこほんと一つ咳払いをして、トコハの言葉を受け流すと本題に入ろうとしたのだが

 

 

「今回君たちを呼んだのは」

 

「あ~!!ブレさんもう始めちゃってるんですか~?」

 

突如として聞こえてきた明るい少女の声にまたもブレマスさんの話は中断されてしまう。

 

 

「む?なんだ来たのか」

 

「当然です!ブレさんだけなんて駄目ですからね!」

 

その少女はフレイムドラゴンであるブレマスさんよりだいぶ小さい体躯を精いっぱい大きく見せようと胸を張る。

 

 

少女は文字通り花咲くような笑顔でブレマスさんと話しており、その手には巨大なくわが握られていた。

 

 

「お、おい。トコハ……あれって」

 

「う、うん……」

 

まさかとは思っていたがその少女にはとてつもなく見覚えがあった。

 

 

「あ!」

 

とここで少女の方もこちらにというより『トコハ』に気付いたのか、滑るようにこちらに向かってくると、がしっと勢いよくトコハの手を掴んだ。

 

 

「お初御目にかかります!私のヴァンガード」

 

「も、もしかして……アーシャ?」

 

「はい!ネオネクタールのアーシャと申します!」

 

トコハの言葉に少女、アーシャは莞爾として微笑む。その様は確かに花乙女の名に偽りなしと言ったところか。

 

だけど、小柄な少女に似つかわしくない巨大な鍬も一緒にこっち来てるから、一瞬俺の方に刺さりそうになったのは秘密だ。

 

 

「あぁ!?す、すいません。私ったら気付かずに」

 

アーシャもそれに気付いたのか慌てて鍬を引っ込めて、俺にぺこりと一礼した。

 

「あはは、大丈夫ですよ~」

 

「本当にすいませんでした!あ、それと」

 

俺がそれに対して気にしてないと声をかけると、アーシャが再び俺に頭を下げた後、思い出したように手のひらをポンと叩き、俺とリンリンの方に向き直る。

その仕草がなんとなくトコハに似ていたので微笑ましくなる。

 

 

「いつも、私のヴァンガードと仲良くして頂きありがとうございます!これからも宜しくお願いしますね!」

 

おおう、なんかトコハと違って凄く行儀のよい子じゃないか。ネオネクタールの姫様らしいし育ちの良さってやつを感じるね。

トコハもこんぐらい可愛げと礼儀があればなぁ

 

 

「なんか言った?あ・に・き?」

 

「なんも言ってないよ!?」

 

ナチュラルに人の心を読むという離れ業をやってのけたトコハに思いっきり腕をつねられて悲鳴を上げる。

 

「あいだだだだだ!!」

 

「可愛げがなくて悪かったわね!」

 

な、なぜそこまでわかった!?

 

 

「あ~トコハ、その辺に」

 

「駄目ですよ。マイヴァンガード!」

 

見かねたリンリンが助けようとしたのだが、脇からアーシャが飛び出してきて、トコハを押さえてしまう。

 

「お兄さんにそんな事しちゃダメです」

 

「離してアーシャ!この馬鹿はこういう扱いでいいんだから」

 

アーシャに取り押さえれれてもじたばた暴れるトコハにアーシャがトドメとばかりに何事かを囁いた。

 

 

「そんな事言って、本当はそんなお兄さんの事がだ」

 

「わああぁぁぁぁぁぁ!!何言ってんの!?何言ってんの!?」

 

どうやら効果はてきめんだったようでトコハは顔を真っ赤にしながら今度はアーシャの口を塞ごうと暴れ始める。

 

あれ?あんま変わってない?

 

 

「アーシャさん、一体なんて言ったん?」

 

「いいから!兄貴は気にしちゃダメ!」

 

「むぐ、むぐぐ~!」

 

トコハよ。そろそろアーシャを離してあげないと彼女大変なことになるよ?現に彼女今目を回しているし。

 

 

 

 

「そこの少女」

 

いい加減アーシャ姫を助けてあげますかと思っていると、なんと上の方から声が聞こえてきた。

 

なんだ?と俺達が真っ暗な空を見ると……

 

 

 

 

 

そこには天使がいた。

 

 

「そろそろ手を離してあげては?」

 

「え?あぁ!?ごめんアーシャ!」

 

ほうっと呆けていたトコハも天から舞い降りた天使の言葉に慌ててアーシャの口から手を離す。

 

 

「ぷは!あ~助かりました~ガウさんありがとうございます」

 

「ふふ、少しはしゃぎすぎですよ?アーシャ」

 

アーシャはせき込みながらも天使に御礼を言い、天使もそれを微笑みながら受け取った。其の天使は真っ黒な衣装に身を包み、手術なんかで良くつかわれるハサミ(クーパーだろうか?)が彼女の神々しい印象とアンバランスな魅力を引き出している。

 

彼女も俺達の良く知るユニットであった。

 

 

「もしかして、ガウリール、か?」

 

「はいそうです。羽島リン」

 

リンリンの言葉に天使、ガウリールは自分の足で地に降り立ち、彼女と向かい合った。ガウリールは女性にしては背が高いようで、リンリンの方が見上げる形になる。

 

 

「こうして会うのは初めてですね?」

 

「ん、まぁな」

 

ていうかユニットに直接会った奴なんていないだろ。というリンリンの言葉にガウリールはそれもそうですねと柔らかく笑う。それにつられるようにリンリンも薄く微笑みを浮かべた。

 

こころなしか全体の雰囲気もそれにつられ柔らかいものになるが

 

 

 

 

「ふふ、ふはははははははははは!!」

 

何故か、ガウリールを見た瞬間、今まで蚊帳の外だったブレマスさんのテンションが一気に上がり始める。

 

 

「貴殿も来ていたか!黒衣の戦慄(ブラックシバー)!!」

 

ブレマスさんはそのハイテンションのまま思いっきり手に持った青龍刀を叩きつけた。

 

 

「ってえぇぇぇぇぇ!?」

 

ちょっと待て!?俺らが思いっきり巻き込まれるんですけど!?

 

「ちょ!?」

 

「これヤバくね!?」

 

トコハとリンリンも顔を青くしている。

 

「くたばれぇぇぇぇぇ!」

 

くたばんの俺らだよブレマスさぁぁぁぁぁぁぁん!!

 

 

夢の中なのに本日二度目の命の危険を感じ南無散!と目を閉じるが

 

 

 

 

 

 

 

「やれやれ、御客人の目の前ではしたないですよ?かげろうの将よ」

 

なんと巨大な青龍刀をガウリールはその細腕で止めていた。

 

「おぉ!すげぇ!」

 

「ふん、ここで決着をつけるのも悪くなかろう?」

 

俺は思わず驚きが声に出てしまったがブレマスさんは当然といった面持ちでもう一度青龍刀を構え直し、ぎろりとガウリールを睨む。

 

 

「いいのですか?ここに助けてくれる部下はいませんよ?」

 

「何を言う。お前こそ慕ってくれている天使もおらんが、後で泣きごとを言うなよ」

 

「私がいつあなた如きを倒すために仲間の手を借りましたか?」

 

「ふ、我こそ部下どもの力等借りたことなどないのだがな」

 

まさに売り言葉に買い言葉。攻撃的な言葉の応酬が、ブレマスとガウリールの間でいきかう。

 

 

「あら?おかしいですね。確か前にイマードさんの力を借りて逃げ帰ったのは何処のどなたでしたっけ?」

 

「あれはオバロ先輩に無断出撃がばれたから帰っただけで力を借りたわけではないわ。それを言うなら貴殿とてもう少しで決着という所で『腰の抜けたおばあさん』という巧妙なトラップをしかけおって!」

 

「え、いやあれはトラップでは」

 

「一般人?の力すら利用するとは卑劣な!おかげでそちらの病院まで運ぶ羽目になったではないか!あと、迷子の子供とか傷ついた戦士とかに邪魔されるし!纏めてそっちの病院にぶち込んだけど!」

 

「そういえば、その時の子供が『ドラゴンのおじちゃんは?』と言ってますのでそろそろ顔を見せてあげて下さい」

 

「うむ、手土産を持ってお邪魔しよう。貴殿を倒した後でな!」

 

「まだ言いますか」

 

 

なんか売り言葉に買い言葉?な状況になってきているような気がするだが……?

 

 

「ねぇアーシャ」

 

「はい!なんでしょう?」

 

「あの二人、実は仲良し?」

 

 

「「仲良くない!!」」

 

「息ぴったりじゃない」

 

「そうでしょ?ブレさんもガウさんも仲良くて私嫉妬しちゃうくらい」

 

トコハの言葉にブレマスもガウリールもぐぬぬ、となってしまい。更にトドメとばかりに言われたアーシャの言葉にもう戦う雰囲気ではなくなってしまった。

 

 

「へぇ~。兄貴とリンちゃんみたいなもんか」

 

「「おい、それどういう意味だ?」」

 

「おぉ~!息ぴったり!」

 

アーシャが手を叩いて喜ぶが別に見世物ではないのですよ?

 

「おい、真似すんなよ!」

 

「そりゃこっちの台詞!」

 

リンリンなんか俺のせいにしてくるしね!これはめちゃ許せんよな~?

お互いに視線で火花を散らしていたが

 

 

「おい、一体いつになったら本題に行けるんだ?」

 

「あ、そうでした。ブレさん!早く早く~」

 

いつの間にか、エース君を立ち直らせていたネグロレイジーが呆れを顔ににじませてこちらにやってきた。

 

 

「ふむ、仕方ない。決着はまた今度だな」

 

「はいはい」

 

アーシャに呼ばれ、ブレマスとガウリールも互いに武器を収めこちらに向かってくる。その顔が双方ホッとしていたのは見間違いではあるまい。

 

 

「いや~エース君。もう慣れたかい?」

 

俺も最初は大層慌てたからね~。ここはしっかりフォローしないといけないよね!

 

「……ふんっ」

 

あれ?なんで顔逸らされたの?

 

「お~い、エースく~ん?」

 

「……」

 

回り込んでも、逆方向に顔を逸らされてしまう。

 

「なぁ、ネグロさんや。エース君にシカトされるんだが」

 

「アレだけの事したんだから当然だろうが」

 

 

え?俺なんかしたっけ?

 

 

(コイツ……!本気で分かってない……だと?)

 

ひそかに戦慄するネグロレイジーであった。

 

 

 

 

 

 

 

「さて、君たちに集まって貰ったのは言ってしまえば前回の続きだ」

 

みんなで円になって座り、まず話を切り出したのは青龍刀を背もたれ代わりにして座るブレマスであった。

 

「前回ってただ白いカードに落書きしただけやん?」

 

「落書きしたのはお前らだけどな」

 

俺は効果を書けって言ったのに……とブレマスは隣に座る俺に文句を言う。

 

 

「つまり、もう一回同じことをやれってことですか?」

 

「大まかにいえばそうだが、今回は細かい方法が違うのだ」

 

今度は俺の逆隣に座るトコハにブレマスは部分的に否定の言葉を返した。

 

「それって、ガウリール達がいるのに関係あんのか?」

 

「いえいえ、私達はただの見学です」

 

リンリンの言葉にユニット達が顔を見合わせ、ガウリールが代表して自分達はただの物見遊山であることを伝える。

 

「まずはこれを見てもらおう」

 

んじゃあどうして?という俺達の疑問に答える変わりなのかブレマスが何処からともなく真っ白いカードを取り出した。

 

 

その数は12枚

 

 

 

「!?」

 

それを見てエース君が目を剥く。なんか心当たりあるんかね?

 

 

「あ、出た。印刷前のカード」

 

「あれ?前書いた落書きが消えてね?」

 

「ホントだ。真っ白になってる」

 

ブレマスが円の中心に置いたカードを俺とトコハとリンリンが身を乗り出して見てみると、前回落書きした内容が綺麗さっぱりなくなっていた。

 

 

「ら、落書き?」

 

「あ~、前にもこんな事があってね」

 

首をかしげるエース君にトコハが前回の事を細かく説明してあげると。

 

 

 

 

 

「」

 

orz状態で凹むエース君が誕生した。

 

「あれ?どうしたの?」

 

「……いや、なんでも」

 

お、俺の夢が……とうなだれるエース君に俺達は疑問符を浮かべるのだった。

 

 

 

「前回はマイヴァンガードとその友人に協力してもらったが、上手くいかなかった」

 

真っ白に戻ったのがその証拠だ。とブレマスがカードを何枚か指さした。

 

あぁ、俺達が適当に書いたから失敗したわけじゃないんだね。

 

 

「それはある要素が足りなかったからだ」

 

「ある要素って何ですか?」

 

アーシャが教鞭を受ける生徒のように手を上げて言い、ブレマスが微笑ましげにそれを見る。

 

「それは、ストライドフォースだ」

 

……はい?

 

「なにそれ?」

 

「ストライドフォース、それはファイターのイメージによって紡がれる力。それを束ねる事によってそのカードは真の意味で覚醒するのだ!」

 

 

ドン!と擬音が点きそうな勢いでブレマスが言い切るが……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「へ~」

 

「あ、そう」

 

「凄いね~」

 

 

「……え?」

 

対する俺達の反応は平坦そのもので逆にブレマスの方が面喰ってしまう。

 

 

「ちょっと待て、なんだお前達その反応は?」

 

いや~なんとかフォースとか言われましてもね~

 

「俺もいい歳だし、今さらなんとかフォースとか言われましてもね~」

 

「正直ついていけないし」

 

「ぶっちゃけ引く」

 

 

「はぁぁぁぁぁぁ!?お前ら、はぁぁぁぁぁぁ!?」

 

俺達の言葉にブレマスが吠え、アーシャは唖然とし、ガウリールとネグロレイジーは思いっきり笑っていた。

 

「お前らそれカードゲームでいっちゃおしまいだろうよ!?一応ヴァンガードってイメージが大事なんだよ!?」

 

いや、それはヴァンガードのキャッチコピーみたいなものであってね?

 

「今のヴァンガードで大事なのはいかにヒールトリガーと完ガに仕事させられるかだと思う」

 

「ヒールって四枚しか入れられないしね」

 

トコハの言うとおりだ。無駄ヒールがどれだけ試合に響くかって話ですよ。

 

 

「あと、相手の手札をいかに削るかだな」

 

「そうそう、手札が5枚以下ならもう勝ちにいくよね」

 

最近は手札が10枚くらいあってもやられる時あるからね~

 

 

「だからお前らそういうガチな話は脇に置いとけよ!不思議空間でそんな話すんな!」

 

 

遂に自分で不思議空間と言ってしまったよこの人、じゃなくてドラゴン

 

「くそ、やっぱコイツら話にならん。そこの少年!君なら分かる筈だ!ていうか分かると言って!」

 

「え!?」

 

我関せずを決め込んでいたエース君はいきなり話を振られ面白いようにびくついた。

 

(ど、どうしよう……)

 

実はエースは色々と事情があり、今目の前のカードがディペンドカードという奇跡を呼ぶカードであること、そしてそれを呼び覚ますのに必要なストライドフォースの存在、それを集めて自らの野望を成就しようと暗躍する者の存在を全て知っていた。

 

ドラゴニックブレードマスターの言っている事は実は何も間違っておらず、ストライドフォースはギアースとファイカを通じて集められているのを知っているのはこの場ではエースだけだ。

 

 

だけなのだが……

 

 

(すごく言いづらい……!)

 

この状況でストライドフォースの存在を肯定しようものなら、あっという間に厨二病患者にされてしまう。ただでさえアイドルオタクという不名誉すぎるレッテルを張られているのにさらにレッテルを追加されようものなら今度こそ泣く。というより安城マモルを刺し違えてでも殺す。

 

 

というわけで……

 

 

 

「ご、ごめん。正直よくわからない」

 

「な、なにぃぃぃぃぃ!?」

 

結局こう言うしかエースにはなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「お、おかしい。こんな筈ではなかったんだが」

 

「まぁこうして集まったのも何かの縁です。折角だから試してみてはどうです?」

 

頭を抱えるブレマスを見ながらガウリールが一枚白いカードを取りながら言った。

 

 

(さり気にブレさんのフォローに入ったね。流石はガウさん)

 

「アーシャ?何か言ったかしら?」

 

「な、何でもないよ!?ほ、ほらほら、みんなも!」

 

怖い笑顔で見てくるガウリールから目を逸らしつつ焦りながらアーシャもカードをとってトコハに渡した。

 

 

「試すって言ったて、どうやってやんだよ?」

 

ガウリールからカードを受け取ったリンリンが言うとおり、何とかフォースを注ぎこめとか言われても全くわからない。

 

 

「簡単だ。自分と一番絆のあるユニットをイメージすればいい」

 

が頭を抱えていたブレマスさんが答えをくれた。

 

「一番絆がある、ね」

 

トコハが白いカードをちらりと見た後、自身の隣にいる存在に眼を向ける。

 

 

「えっへへ~」

 

得意げにピースするアーシャにトコハも相好を崩し、やってみるかという気になる。

 

 

「よし、イメージ、イメージ……!」

 

白いカードを額の前に持っていき、目を閉じながら唸る。

 

 

 

すると、カードがまばゆい光を放ち始める。

 

「わ、わわわわわわ!?」

 

「何が起きた!?」

 

「案ずるな!そのままイメージを続けるんだ!」

 

トコハと俺がそれに慌てるのをブレマスが制止し、そのまま続けるように促した。

 

 

「むむむむむ……うがぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

みんなが固唾をのんで見守る中、トコハは女の子としていいのか?と疑問に思う叫び声を上げながらストライドフォース?的な物を注ぐ。

 

正直、感覚的な物だからさっぱり分からないのは御愛嬌と言ったところか。

 

 

 

「あ、なんか浮かび上がって来た!」

 

「ホントだ!良し頑張れトコハ!」

 

「合点!んだらぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

アーシャと俺の言葉にトコハがより一層気合いを入れる。

 

 

その甲斐あってか……

 

 

 

 

「どうだぁぁぁぁぁぁ!!」

 

「おぉ!なんか書いてあるじゃん!」

 

読んでみ読んでみ!と俺が言うと、トコハは肩で息をしながらも文字が書いてあるカードを読みあげる。

 

 

 

 

「え~と、あれ?ユニット設定って書いてあるわね」

 

「む?おかしいな。そうなる筈はないんだが」

 

トコハが一番上の行に書いてあったのであろう文字を読んで首をかしげると、ブレマスも怪訝に身を乗り出す。

 

「とりあえず、見てみたらどうだ?」

 

ネグロレイジーの言葉に全員異論はなく、トコハが円の中心に置いたカードを皆で見てみる事にした。

 

 

 

 

 

~ユニット設定~

 

ラナンキュラスの花乙女 アーシャ

 

ネオネクタールに所属するバイオロイド、礼儀作法や剣の稽古を抜け出し畑仕事を手伝ったりする自由奔放な『畑姫』

最近は食糧配達という名目でドラゴンエンパイアとユナイテッドサンクチュアリの国境付近によく出かけており、そこで繰り広げられる龍と天使の戦いを時に仲裁、時にどちらかに加わったりして楽しんでいる。

 

因みにドラゴンエンパイアの部隊からやエンジェルフェザーの部隊からは隊長同士の下らない争いを止めてくれる人として非常に感謝されており、友好関係を築いている。

 

 

 

 

 

「これ、私らが知っている設定と少しちがうな」

 

リンリンの言うとおり、後半が俺らの知っているそれとは全く違う。

 

「アーシャ?稽古サボっちゃだめじゃない。兄さんみたくなるわよ?」

 

だがトコハは別の事が気になるようで、隣のアーシャに姉のように言っていた。ていうか俺みたいにってどういうこと?

 

「は~い、気をつけま~す」

 

アーシャちゃんもそこ納得するとこちゃうよ?

 

 

「く、くだらない争い……」

 

「……そう思われてたんですか」

 

一方、ブレマスとガウリールは最後の一文に軽くショックを受けていたようで見るからに落ち込んでいる。あぁやっぱりあんたたちだったんだね。

 

 

「ふむ、だけど、結構おもろいな。俺もやってみるか!」

 

よし!気合いを入れてみるぜ!集まれ、俺の何とかフォース!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あれ?

 

 

 

 

「あの……なんも起きないんだけど?」

 

トコハみたいに気合いを入れてみても、白いカードはうんともすんとも言わなかった。

 

「なんだと?お前ほどのファイターなら直ぐに覚醒する筈なんだが」

 

「外道だからだろ?」

 

ブレマスの不思議そうな言葉にエース君が顔をこちらからそむけながらそんな憎まれ口を叩く。全く~そんな口聞いちゃって~

 

「生意気だぞ~このこの~」

 

「な、何すんだよ!?」

 

何って、頬をぷにぷに突いただけじゃないか?

 

「まぁまぁ、ここは野郎同士の親交を深めようじゃないかね~ふははははは!!」

 

「お、おい、何するんだ!離せぇぇぇぇぇぇぇ!!」

 

いや~エース君って本当反応が良いからからかいがいがあるよね~今だってただ肩組んでるだけなのに過剰反応しちゃってね~

 

 

(知らないって罪だよな……)

 

「おい!助けろネグロレイジー!」

 

ひっそりと思っていたネグロレイジーは安城マモルに軽いヘッドロックみたいな感じで拘束されている自分の『姫』からのSOSに対して紳士的に……

 

 

 

 

 

 

「すまん、見てて楽しいからこのままで」

 

「う、裏切り者ぉぉぉぉぉぉ!!」

 

紳士的に自らのヴァンガードを犠牲に捧げたのであった。

 

 

 

 

(頑張れ、エース君)

 

(悟りまであと少しだぞ)

 

トコハとリンがそんな事を考えていたと知るよしはエースにも安城マモルにもなかった。

 

 

 

 

 

「よし、エース君からかって元気出たし、気合い入れていくか!」

 

エース君が凄く抗議したそうな目をしていたがそれをスルーして俺は再び白いカードに向かって念みたいなのを込める。

 

 

「ぬぐぐぐぐぐ……」

 

「お、なんか出てる!」

 

「マジで!?」

 

「気がする!」

 

「気がするだけかい!?」

 

 

 

 

結局、たっぷり5分くらいかけて……

 

 

 

「ぜぇ……やっと、出たぞ……はぁ」

 

「随分時間がかかりましたね」

 

「個人差はあるだろうが、まさかここまでとは……」

 

ようやく、人間が見れる文字が出てきて、超頑張ったのにガウリールとブレマスの言葉に俺は泣きそうである。

 

「ま、ドンマイ兄貴!」

 

なんでこの妹はそんなに嬉しそうなのかね?

 

「べっつに~?」

 

そんなに兄に勝てたのが嬉しいのか!?この妹様は~~~!

 

 

「とりあえず見てみようぜ」

 

ここは兄の威厳を見せてやらねばと思っていた所にリンリンがそう言ってきたのでとりあえず全員俺が苦労して浮かび上がらせた文字を解読してみることにした。

 

 

 

 

~ユニット設定~

 

ドラゴニックブレードマスター

 

ドラゴンエンパイアが誇る空軍部隊『かげろう』の将軍、超越現象をいち早く身に付けた者として一躍注目を浴びた。

 

戦争に置いて敵の弱所を突くのは常道。とユナイテッドサンクチュアリの野戦病院に襲撃をかけるというかのオーバーロードもドン引く程の外道戦法を提唱し、実行するもそこに現れた黒衣の戦慄に撤退を余儀なくされて以降。打倒黒衣の戦慄(ブラックシバー)を掲げ飽きることなく襲撃を繰り返す。

 

が、元々の人?の良さからかついつい患者を助けてしまい。エンジェルフェザーの病院患者からは『意外に優しいドラゴンのおじさん』扱いされている。

最近はアズライールを背中に乗せて飛ぶのが日課。部隊の龍達も最近は天使たちにあわよくばお近づきになろうという下心で着いてきており、だれも本気で侵略を考えていない。

 

 

 

 

「ブレマスさん、あんた何してんのさ」

 

「やかましい!これには深いわけがあるんだ!」

 

「深い訳ってなんだよ。『意外に優しいドラゴンのおじさん』?」

 

「ぐうぅ!?」

 

俺とリンリンの連撃に黙ってしまったブレマスは放っておいて、まだ続きがあるようだったのでそれに目線を戻した。

 

 

 

そもそも、かの『戦慄』の名を冠する天使を意識したのも、猛々しくも神々しい、それでいてどことなくはかなげな印象があったある天使に一目で惚

 

「ぬがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」

 

「「「うおわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」」」

 

ちょっと!?まだ読んでる途中だったのにいきなり炎吐くなよ!

 

「あぁぁぁ!?燃えちゃってるじゃない!」

 

「消せ、消せ!」

 

俺達の必死の消火作業もむなしく、俺が頑張って文字を出したカードは消し炭となってしまった。他のカードに火が移らなかったのがラッキーだと言えるだろう。

 

 

「何してんだ!?」

 

「うるさい!適当な事書くのが悪いんだ!」

 

ぶーぶー俺達が文句を言っても、ブレマスは取り付く島もなかった。

 

 

 

 

「き、奇跡が……俺の夢が灰に」

 

「気をしっかり持て姫、じゃなくて坊っちゃん!」

 

 

何故かめっちゃ凹んでいるエース君が印象的だった。

 

 

 

「全く落ち着きのない。さて、次はあなたがやってみませんか?」

 

ガウリールがブレマスをちらりと見て溜息を吐くと、笑みを浮かべてリンリンの方を見た。ブレマスがガウリールに見られて気まずげに眼を逸らしたのはアーシャ以外気付けなかったようだが

 

 

「まぁ、いいけど」

 

リンリンは俺とトコハがやったように額の前にカードをかざす

 

 

すると、俺がやった時よりはるかに早くカードに文字が浮かび上がる。

なんで俺の時はあんなに遅かったんだべ?

 

 

「あ、出たみたいだ」

 

リンリンの言葉を皮切りにみんな頭を突き合わせて、カードを見る。

 

 

 

 

 

~ユニット設定~

 

黒衣の戦慄 ガウリール

 

エンジェルフェザーの特殊部隊の隊長、扱いが難しいとされる医療兵装を複数操る凄腕の天使。

 

最近は、ドラゴンエンパイアから侵攻(親交?)してくるある部隊の相手をしている。毎回撃退出来てはいるが悩みとしては部隊のみんなが

 

「イマードさんとジャンナットさんと今度遊びに行くんです」

 

とか

 

「ブレマスおじさんの背に乗っけて貰ったんだ~」

 

とか、徐々に懐柔されつつある点か

 

 

 

 

 

「苦労してんだな」

 

「言わないで下さい、泣きたくなります」

 

しゅんとするガウリールにリンリンが思わず頭をなでる。彼女にはこれからも頑張って貰いたい所だ。

 

 

 

 

ガウリールは侵攻者は許せない。と一貫した態度をとっているが、ある日部隊の将軍であるフレイムドラゴンが患者たちに優しい笑顔を向けているのを見てそれに愛を

 

 

「んなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

「「「ぎゃあああああああああああ!?」」」

 

は、ハサミが、ハサミが俺の鼻先かすったんですけど!?

 

「ちょ!?カードが光の速さでコマ切れ何ですけど!?」

 

「ガウリールさんまで何してるんだよ!?」

 

「ちょっと手が滑っただけです!」

 

 

どんな手の滑り方!?

 

 

 

 

「ふふん、落ち着きがないな?黒衣の戦慄(ブラックシバー)よ」

 

「う、ううううるさいです。馬鹿!」

 

「馬鹿!?馬鹿はないだろう馬鹿は!」

 

「うるさい馬鹿!馬鹿!え~と、馬鹿!」

 

「な、なにおう!」

 

 

ああああああ!なんかまた喧嘩始めそうだよこの二人!

 

「ちょっと!照れ隠しで喧嘩しないでよ二人とも!」

 

「「誰が照れ隠しか!?」」

 

アーシャちゃん?それどっちかというと火に油を注ぐ行為のような……

 

 

 

「は、ハハハハ……奇跡のカードが消し炭のコマ切れ、ハハハハ……」

 

「おおおい!しっかりしろぉぉぉぉ!!」

 

そしてこっちでは意識を遠い所に飛ばしてしまっているエース君とそれを必死につなぎ止めているネグロレイジー

 

 

 

 

ふふふふ~(白目、なんか俺も意識飛ばしたくなってきたな~

 

 

 

 

 

 

ふふふ、あはははははははははははははははははははは~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ジリリリリリリリリリリリリ!!

 

 

 

 

「……夢、か?」

 

気付けば見なれた天井とけたたましくなる目覚ましで、俺は現実に帰ってきたのだとわかるが……

 

 

「あそこにいた三人には連絡しないでおくか」

 

正直、前回みたいに確認する勇気はこっちにはなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~おまけ~

 

所は大きく移り、誰も知らないある場所。仰々しい機械の作動音のみが響く場所でひとりの男が歩いていた。

 

(もう少しだ)

 

その男は老人と言っても差支えないほど年月を重ねているが、歩く姿はそれを感じさせないほど堂々としたものだった。

 

 

(もう少しで終わる)

 

否、始まるのだ。自分の、ヴァンガードの新たなる未来が

 

 

 

(誰にも邪魔はさせない)

 

ちょこまかと動き回る存在もいるようだが奇跡のカードの内8枚は我が手にある。絶対的優位は揺るがない。

 

奇跡をもたらすカードを今一度見ようと、その老人は安心感を得ようとするかのように奇跡のカードが保管されているスペースに向かう。

 

 

 

 

音もなく、扉が開き老人が部屋に入ると……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

目に入ったのは何かに燃やされたかのように真っ黒になっているカードとこま切れになっているカードであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ごふっ!」

 

 

 

その日、ヴァンガード普及協会の会長が病院に運ばれたと新聞の一面を騒がすことになるのだがそれはまた別の話である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




更新、遅くなりまして申し訳ないです。

遅くなった割に今回ファイトないという(汗
本当にすいません。


今回は原作キャラの性格が変わっているのでユニット達の設定も変わっていますよ~ということを書きたかったんですがまさかここまで長くなるとは思わなかったです。

現実ではリンリンがマモルに絡んでいますが、クレイでは逆にブレマスの方がガウリールに突っかかっている設定です。

因みに今回の話の後、ブレマスはオバロにめっちゃ怒られています(笑)



あと、どうでもいい話ですがエース君に不意打ちであすなろ抱きしてめっちゃ慌てさせたいという謎の欲望と戦っている僕は大丈夫なんでしょうか?

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