汚い、流石兄貴汚い   作:DEAK

23 / 23
大変ご無沙汰しております。
生きています。DEAKです

年単位で放置してしまい大変申し訳ございませんでした。

ヴァンガードはプレイしているのですが、小説を書くモチベーションが全く上がらずここ迄放置してしまいました。申しわけないです。

流石にこのままではいかん!と思いまして、今回は話の流れをぶった切る形になってしまいますがリハビリを兼ねて番外編をお送り致します。
題名の通り超有名番組のネタを多数使わせていただきました。本当に面白いので皆さん是非DVDを買いましょう( 巧妙なステマ


番外編〜ヴァンガーどうでしょう。ダーツの旅〜

「えー、皆様のグラスに飲み物は行き渡ったでしょうか?」

 

「はーい」

 

「何でいきなり畏まってんだよ」

 

「でもトコハさん絵になってるよ」

 

時は草木も眠る、と表現するにはまだ幾ばくかの猶予があるが夜の帳はとうに下りており外は静寂に包まれていた。

そんな静かな夜の雰囲気に完全に溶け込んでいる集合住宅の灯りのともった一室で四人の少女達が色とりどりの寝間着に身を包み集まっていた。

 

彼女達がここにいる理由は一つ……

 

「では、今回もお泊り会開催で〜す!」

 

乾杯!と四人の中でも一際元気のいい明るい芙蓉色の髪の少女、安城トコハの一声に

 

「「「かんぱーい!」」」

 

残る三人の少女、岡崎クミ、羽島リン、茶臼愛が笑顔でグラスを合わせた。

 

そう、彼女達はトコハ主催のヴァンガード女子会に参加しているのだ。

 

「ふふん今日も存分に語りますぞい!」

 

「勝手にお邪魔して大丈夫なのかな?」

 

オレンジジュースを片手に胸を張るのはふわふわのピンク色の髪とたれ目が特徴の岡崎クミ、そのとなりで周りに視線を走らせているのはショートカットの黒髪をが活発そうな印象を与えるが性格は内向的な茶臼愛、彼女が決まり悪げにしているのは彼女達が今居る場所が原因だ。

 

「トコハが大丈夫って言ってたしなんとかなるだろ」

 

愛の不安そうな呟きにドカッと椅子に座りながらグラスの炭酸飲料をあおる紫色の髪を特徴的に巻いた少女、羽島リンが堂々とした態度で居直った。『ここの家主』と相対している時はつり上がる眦も今は勝手知ったる者達しかいない為、優しげな雰囲気になっている。

 

「とか言っちゃって〜、さっきまでソワソワしていらっしゃいましたよね〜?」

 

「おやおや〜何故ですかね〜?」

 

「やはり本人がいないとは言え兄貴の家だからじゃないですかね〜?」

 

「……お前ら」

 

そこにニヤニヤと面白がるような口調で愛、クミ、トコハが白々しい会話をリンに聞こえるようにわざとらしく言い、リンの額には青筋が浮かぶ。

 

「私の作った軽食は要らないってことだな?」

 

「「「すいませんでした」」」

 

リンが親指で指し示したテーブルには並んだ色彩豊かな食事が並んでいた。これはリンがお茶請けぐらい必要だろうとその手腕を奮った珠玉の品が並んでいた。それを人質?に取られては小腹が空いている乙女達は白旗を揚げるしかない。

 

「ったく……」

 

「でもトコハちゃん、よくマモルさんが許してくれたね」

 

示し合わせたかのように頭を下げた三人に肩をすくめたリンを見てクミが自身も疑問に思っていた事をトコハに言うと

 

「あ〜なんか兄貴出張に行ってるみたいでさ」

 

「出張?」

 

「珍しい事もあんだな」

 

頬をかきながらトコハは下げていた頭を上げ、愛とリンは彼女から告げられた言葉に意外そうに目を丸くした。

 

「詳しい事は私も知らないんだけどね」

 

と言うトコハの言葉の通りこの部屋の本来の主であり、彼女の兄でもある安城マモルは仕事で出張に出ており彼女も場所は国内というとこまでしか知らない。

 

ただそこそこ長い時間家を空けるらしくそれならとトコハは失礼を承知で確認してみたら

 

「掃除とゴミ出ししといてくれるならいいよ」

 

という交換条件と共にトコハ達は両親に気を使わずにお泊り会の出来る場所を確保したのであった。

部屋の隅にあるキチンと分別されたゴミの袋が交換条件を果たした証でもある。

 

「さてさて〜積もる話もありますし?」

 

「今夜は寝かさないぞい!」

 

トコハとクミが殊更元気に言い放ったのを皮切りに少女達の語らいが始まった。

 

彼女達の話題は多岐にわたり、ヴァンガードの事、各支部の事、リンとマモルの進展状況等、笑顔が絶えない非常に和気藹々とした空気がこの部屋を充たしていた。

 

 

 

 

 

 

「なんか映画でも見る?」

 

「この時間なんかやってたっけ?」

 

まさに宴もたけなわといった所で話題が一段落し、愛が周りを見てテレビに目をつけながら言ったのにトコハがテーブルにあった新聞のテレビ欄を見る。

 

「適当にチャンネル回すか」

 

「面白いのあればいいね」

 

トコハがテレビ欄を吟味している間にリンが気まぐれにリモコンを操作する。クミが軽く欠伸をしたようにもう夜も深く、普段は見ない番組が見れるかもと一種の好奇心に似たものに駆られながらチャンネルを回していると

 

 

How do you like Vangard?

 

 

「ん?」

 

「何だろ?」

 

どこか気の抜ける音楽と一緒に真っ黒い画面に上記の英語が現れた。

 

「トコハ〜?」

 

「えっと、何チャンネル?」

 

リンがテレビ欄を見ているトコハに尋ね、聞きたい事を当然理解しているトコハはチャンネルを聞くとクミが目を細めながらチャンネル数を答えると

 

「ヴァンガーどうでしょう?って番組らしいよ」

 

トコハが知ってる?という疑問も込めて三人を見るが、

 

「リンちゃん知ってる?」

 

「いや〜……」

 

「聞いた事無いよ」

 

彼女達の反応を見た限り知ってる者はいないようだ。チャンネル変えるか?と頭をよぎったとこに

 

「あ!主演ラミーラビリンスだって!」

 

「おぉ!?」

 

トコハからの追加情報に少女達の興味が一気に深まっていく。

 

「テレビであの子達見るのは新鮮だよな」

 

「腰が浮きかけるもんね」

 

「周りに自慢したくなるよね〜」

 

どんどん話はここには仕事の都合でいないラミーラビリンス、蝶野アムと弓月ルーナの二人に焦点が集まっていく。

 

「じゃあ見てみようか」

 

トコハのこの言葉がトドメとなり彼女達はヴァンガーどうでしょうを見ることになったのだった。

 

 

 

 

『こんばんは〜!』

 

『ラミーラビリンスです!』

 

テレビ画面には遊具がある公園が映っており、中心にはアイドルらしい輝く笑顔の弓月ルーナと蝶野アムがいた。

 

「あれ?」

 

「あの公園って例のだよな?」

 

「例の?」

 

愛とリンがラミラビのいる公園に見覚えがあったのか思わずと行った感じに声を上げ、事情を知らないクミが首を傾げる。

 

「なんかあったの?」

 

「「ここであの外道をコテンパンにするって決めたんだよ」」

 

「お、おう……」

 

遠い目をしてしまった愛とリンに妹であるトコハはいたたまれなくなってしまった。シャルハロートもビックリの罪深さを示す兄は果たして何処に向かうのか今から不安で仕方無い。

 

 

『この番組は私達の初主演番組なんですよー!』

 

『頑張ろうねアム!』

 

『目指せ!ゴールデン!』

 

テレビの中ではアイドル達がキャピキャピと番組の説明をしていた。

 

『今回はゲストをお呼びして旅に出ます!』

 

『一体誰何でしょうか?』

 

『ふふん♪ではルーナと視聴者の方々にヒントを出します!

 

 

 

 

 

ヒントは外道です』

 

 

 

「「「「え」」」」

 

テレビのアムから告げられた聞き覚えのあり過ぎる単語に彼女達は一様に画面に視線が釘付けになる。

 

 

 

〜○○年××月▲▼日〜

羽田空港国際線ターミナル

 

そんな彼女達を尻目にテレビには爆発音をBGMに字幕が出てくる。

 

『おはようございます!』

 

『皆さんいかがお過ごしでしょうか?』

 

ビルの一角には旅行用に動きやすい服装のラミーラビリンスがカメラに向かって笑顔を振りまいていた。

 

『私達はこれから羽田空港より飛行機で旅にでます!』

 

『記念すべき第一回は旅ということね?』

 

『そうよ〜ルーナ、ビシッと決めていくわよ!』

 

『うん!』

 

ラミーラビリンスの二人、蝶野アムと弓月ルーナは緊張した様子も見せず粛々と番組を進めていく。

 

『でもアム?私達だけで旅するの?』

 

『いやいやまさかですよ』

 

ルーナの言葉に待ってましたとばかりにアムが一歩前に出る。

 

『今回、ゲストを呼んでいます!』

 

『おぉ!?一回目なのに?』

 

『一回目なのに!呼びました!』

 

周りにいるであろうスタッフの笑い声が聞こえてくる。確かにいきなりゲストを呼ぶ番組もなかなかない。

 

『では登場していただきましょう!』

 

『本日のゲスト!』

 

『『ヴァンガード普及協会のクランリーダー安城マモルさんで〜す!』』

 

息のあった彼女達の言葉に軽快な音楽と共に画面外から現れたのは

 

『はい、どうも〜』

 

知る人ぞ知るかげろうのクランリーダーにして外道の名を欲しいままにする男、安城マモルであった。

 

 

 

「あーやっぱ兄貴か」

 

今まで黙って番組を見ていたトコハが思わず口に出してしまうのを責める者はいなかった。

 

「予想は出来たね」

 

「だけど実際見るとやっぱ衝撃……」

 

愛とクミが思い思いに感想を言う中、リンはじっとテレビ画面を見ていた。

 

「どうしたのリンちゃん?」

 

「いや、アイツすっごく機嫌悪そうに見えるからさ」

 

「ホントに?」

 

クミの問いかけに応えたリンの言葉に愛が答え合わせと言わんばかりにトコハへと目を向ける。

 

「確かに何かピリピリしてるかな〜?」

 

トコハはテレビ画面に改めて目を凝らすとそう呟く。クミ達にはわからないが付き合いの長い二人が言うならきっとそうなのだろう。

 

「何かあったのかな?」

 

愛が誰ともなしに投げかけた疑問にはテレビの向こうにあるアイドル達が答えをくれた。

 

『安城マモルさんはかげろうのクランリーダーでもある凄いファイターなんですよ〜』

 

『まぁまぁ、そっすね〜』

 

『あれ?何かテンション低いですね?』

 

『っふふ、それを聞くかい?ルーナ嬢』

 

『ンっ!くふ……っ!』

 

聞かれたマモルと聞いたルーナ双方が笑いを何とか噛み殺している様子からどうやらここにくるまでに何かあったらしい。

 

『ちょうどよかった。この際聞いてもらいましょうかね』

 

カメラこっち?とアムに確認した後、マモルが正面のカメラに目を合わせた。

 

『皆さんおはようございます。私はヴァンガード普及協会の安城マモルですよ、クランリーダーやらせてもらってる安城マモルですよ〜。トコハ〜?見てるかい?リンリンもエース君も見てるかな〜?』

 

「見てるよー」

 

「見てるぞー」

 

「テレビに返事しなくても……」

 

グビッと飲料を煽りながら律儀に言葉を返す二人にクミは思わず苦笑する。

ちなみにアムがテレビの向こうで笑顔が一瞬固くなったのだが恐らく誰も気付かなかっただろう。

 

『僕はね〜昨夜ドラエン支部でイベントがあったんですよ』

 

『ありましたねぇ』

 

『あったでしょ?おかげ様で大盛況だったんですよ、で終わったから打ち上げしますか?って話しになったんですよ』

 

『いいじゃないですか!』

 

ラミーラビリンスの二人が上手に相槌をうってくれるのでマモルの舌もどんどんまわっていく。

 

『そんでね?打ち上げも大変楽しく居させて貰ったんですよ。かぁーっと気持ち良く飲んでね?そんで家に帰ってきたのが深夜12時なんですよ』

 

『な、なるほど……っ』

 

表情を取り繕うのに限界が来ているのか相槌を打つアムの口角がヒクヒクと上がっている。ルーナに至っては口に手を当て申し訳程度に笑いを我慢しているだけだ。

 

『なぁに笑ってんだい?』

 

『い、いえっ……っ、ひひ……っ!』

 

もう笑いのダムを塞き止めるのが難しくなっているルーナにあえてマモルは声を掛けつつ、彼は尚も経緯を語る。

 

『皆さんいいですかあ?僕が家に着いたのは12時なんですよ、そっから着替えて明日の準備して寝たのが1時だ。深夜の1時だ』

 

ラミーラビリンスは最早相槌すら打てず体を震わせながら笑いを堪えることしか出来なかった。

 

『夜も遅いからすぐにうとうとと微睡んでたらね?ガンガンガンガン!って扉を叩く音がしますね?何だコノヤロー!と出てみたらだ!』

 

ここでビシッとマモルはアムを指さした。

 

『この青いバカが!!玄関に仁王立ちで!腹を割って話そう!ってぬかしたわけ!』

 

『アハハハハハハ!青いっWWW青いバカ呼ばわりされてるよ……っWWW』

 

『WWWWWW酷っ、酷い話よねぇWWW』

 

『時間にして深夜の3時ですよ!このWWWこの笑い転げてるアジフライ女はね!人の家に深夜に押しかけて!腹を割って話そう!と叫んだわけだ!』

 

あぁそりゃ機嫌悪いわけだとトコハが呟いたかは本人のみが知る事実だが、マモルの口激は爆笑しているラミーラビリンスを尻目にドンドン過熱していく。

 

『別にね?僕と彼女が仲悪いならまだしも?別に悪くないんですよ、色々とイベントの手助けして貰ってますし?ヴァンガードも強いしで尊敬に値する人間ですよ。そんな人と腹割って話す事なんてなんもないの!』

 

『ありがとうございます。照れますね』

 

『なのにこのバカはだ!』

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
一言
0文字 一言(任意:500文字まで)
※評価値0,10は一言の入力が必須です。参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。