――とある港の、近海海域。
深海棲艦という存在が現れてから、海上における安全性は著しく低下し、船舶による輸送は大きな危険を伴うようになった。
しかし、船舶輸送そのものを止める訳にはいかない。
ではどうするかというと、手は二通りある。
多くの船舶を集め、護衛艦艇を付ける護衛船団方式。また比較的高速の輸送船でもって独航させ、こっそり運ぶ方式。
対深海棲艦にあたっては、遭遇したら既存の護衛艦艇では役立たないので、専ら後者の方法が採用されていた。
旧海軍の駆逐艦による高速輸送、通称「鼠輸送」になぞらえ、この手の輸送船は「マウス」と呼ばれることもあった。
その輸送船、「玄海丸」は、所謂マウス輸送を行う船であった。
沖へと出る危険は果てしないが、物資輸送は必要不可欠。
法外なほど積み上げられた依頼料の前に屈し、船出した。
しかし、港から10浬ほど。
陸地から目と鼻の先という距離で、不幸にも哨戒中の深海棲艦――駆逐艦イ級の2隻に発見されたのだった。
「SOS出し続けろ!」
「今出しても誰が来るもんかっ!それより早く陸へ引き返せっ!」
「とっくにやっとるわっ!」
目視できるほどの近距離になってか初めてレーダーに映った深海棲艦に驚いた玄海丸の乗組員は、大急ぎで陸へ向けて回頭したが、時既に遅し。
イ級二隻は玄海丸の左舷側から同航し、5inch砲で砲撃を開始。
「う、撃ってきたぞっ!?」
「燃えるもん捨てろ!」
船長はすぐに可燃物を捨てるように指示したが、自前でクレーンを持たない只の輸送船である玄海丸は積み荷であるコンテナを自前で捨てることはできない。
結果、一発、二発と砲弾が被弾。
機関部にこそ当たらなかったが、積み荷に火災が発生した。
「う、あ」
燃え盛る炎と、照り返されてぼおっと浮かび上がるイ級。
それらを見た船長は指示を出すことも忘れ、一瞬これが現実であると認識できずにいた。
徐々に船脚の落ちる玄海丸を通り越し、回頭したイ級の砲身が自身を指向する。
その時であった。
どおん、と。
一際大きな水柱がイ級を包み込んだように、船長は見えた。
不思議に思う暇もなく、水柱が収まると2隻いたイ級は1隻に減っていた。
残りの一隻は、大きく舵を切り別のところを見ているようだった。
「……何が」
イ級の砲撃。
玄海丸ではないどこかへの砲撃を目で追った先には、小さな白い航跡があった。
まるで水上バイクほどの小さな航跡の先には、もっと小さな人影があった。
その人影に向けてイ級の砲撃が飛ぶが、身軽さを利して左右に小刻みに回頭する人影には当たらない。
しばらくふらふらと回避行動をとっていた人影は、意を決したようにイ級へ頭を向けた。
そして、バンッ!と空気が震える音と共に人影から炎が吹き出した。
砲撃ではない。炎は人影の後方から、ちょうどイ級と反対側へ噴き出されていた。
あれはではまるで、『ロケット』のようだ、と船長は思った。
そしてそれはそれは間違っていなかった。
急加速した人影は一瞬のうちにイ級交差し、そして一拍遅れて爆音が轟いた。
イ級は、後部をごっそり切断され、ごぼごぼと頭から彼らの住処である海底へと強制的に帰還させられているようだった。
「ありゃいったい……」
しばらくイ級の沈没を見守っていた人影は、やがてこちらをちらりと振り返ったあと、陸の方へきびすを返していった。
ようやく効いてきた消火剤によるり鎮火した玄海丸を見ながら、船長はまだ夢の中にいるのかと頬をつねったのだった。
☆ ☆ ☆
その日、朝早く目が覚めた静森舞は、となりで寝ている風吹を起こさないように静かに布団を抜け出した。
舞の朝はいつも彼女の寝顔を眺める事から始まる。
満足するまで風吹を眺めたら、今度はいそいそと着替え、朝食と弁当の準備を始める。
昨日寝る前に下拵えしておいた挽き肉を炒め、ご飯をたき、焼売を包んで蒸し器にかけ、味噌汁を作る。
とんとんがしゃがしゃと朝の支度音を奏でながら準備してると、やがて風吹を起こす時間になる。
「風吹起きなよ」
「うー……ん」
ゆさゆさと風吹を揺するが、唸るだけで起きはしない。
元々寝起きがいい方ではなかったが、このところ特に酷かった。
「風吹……」
そしてつつっと、舞は風吹の頬にあった傷を指でなぞった。
朝方に眺めて気付いたそれは、昨日寝る前には確かに存在しないものだった。
風吹が起きないのをいいことにがばりと布団をあげ、最近風吹にまとわりつくようになった『小さい人型』を摘まんでぽいぽいと放り投げ、身体のあちこちを確かめて回る舞。
「やっぱり増えてる……」
脇腹や太股、手の甲には腫れや傷、何かを持ったり締め付けたりしたような跡が赤く残っていた。
「まったく……しょうがないんだから」
それらを眺めながら、舞ははぁとため息をつく。
そしてぐっと拳に小さなチケットを握り締め、何かを決心するのだった。
☆ ☆ ☆
恙無く用意された朝食を風吹に突っ込み、ぱたぱたと登校した舞と風吹。
相変わらず避けられている二人だったが、本人たちは気にした風もなく。
淡々と午前の授業は進み、昼飯時になった。
「じゃあ、行こっか」
「やったーっ!もうお腹空きすぎて倒れそうだよ」
「風吹最近よく食べるよね」
「そうかな?」
舞はいつもの手製弁当を取り出すと、屋上……の入り口前。
階段の踊り場にブルーシートを敷き詰めて座った。
本当は屋上に出て食べたいところだが、安全上の理由で屋上は施錠されたままだった。
なので、この場所で食べるのである。
ことんと置いたスマホで適当にTV番組を表示させると、早速二人はいただきますと手を合わせて食べ始めた。
舞の弁当は最近重箱に詰めた三段重ねの大ボリュームである。
「おにく、おにく♪アスパラ」
「別の野菜もちゃんと食べてね?」
「私おにくとアスパラがあれば、何にも要らないかも」
ひょいひょいと巧みに肉とアスパラを拾い上げて口に運ぶ風吹に、ため息をつきながら舞がもそもそとキャベツをかじる。
風吹は成長期の子供らしく肉類と、なぜかアスパラガスが好物だった。
毎日アスパラを要求する風吹に、まあお肉よりはとお弁当のレギュラーメンバーになっていた。
「ね、ねぇ風吹」
「うん?なぁに?」
あっという間に弁当を平らげた風吹に、やや緊張ぎみな舞が声をかける。
その手には、二枚のチケットが握られていた。
「今日さ、花火、見に行かない?」
「あれ、今日だっけ?いくいくっ!」
「じゃあ浴衣出しとくから、帰ったら着替えて行こう」
「いいねぇ、浴衣とか久し振りだね」
実際、二人が浴衣を着るには三年ぶりであった。
つまり、両親が生きていた時は二人並んで花火を見ていたのだ。
事件により二人が両親を亡くしてからは、そんな気分にもなれずに港からぼおっと遠くに見える花火を別々に眺めているだけだった。
風吹に笑顔が戻った今、漸くチャンスが来たと舞は一念発起してわざわざ花火の真下から見える特等席のチケットを手に入れていた。
節約主婦のようにあれこれ切り詰めて捻出した舞貯金をここぞとばかりに放出したお陰で、無事二枚のチケットを入手には成功していたが、代わりにおかずが一品減らされていることにまだ風吹は気付いていなかった。
「そうだね、じゃあ一緒に――」
笑顔で予定を話そうとした風吹の耳に、付けっぱなしだったテレビのニュースが飛び込んできた。
『本日未明、○○県沖合にて深海棲艦の攻撃に依るものと思われる船舶の漂流物が見つかりました。
また、現在行方が分からなくなっている船舶は玄海丸、龍神丸の二隻で、間もなく玄海丸の船員は海上保安庁の特設巡視船により漂流しているところを保護された模様です。
しかし、龍神丸の船員15名の行方は依然として知れていません。
海上保安庁及び海上自衛隊は捜索を続けていますが、深海息艦の領海付近と言うこともあり、難航しています。
また、これを受けて○○港は現在全ての港湾業務を停止、防衛関係を除く全ての入港及び出港を制限し――』
「……」
憂鬱な深海棲艦のニュース。
被害者である二人はいつもやるせない表情でそれを聞きながらも必死に忘れようと、別の話題に移るか黙りこむのが常であった。
しかし、最近の風吹は違う。
目を細め、どこか決意を感じさせる表情でぐっと拳を握る。
それは覚悟を決めた戦士の表情であったが、舞にとってはただひたすらに不安を呼び寄せる顔だった。
「……あ、で、浴衣なんだけどさ、風吹は青のやつもう入らないでしょ?お古なんだけどさ、ちょっと大きめの藍染のやつがさ――」
「ごめん、舞」
立ち上がり、振り返った風吹の表情に、続く言葉を悟った舞はへなっと眉を寄せてすがり付くように見上げた。
「……風吹、今日の花火はさ、ちょっと贅沢していい場所をさ――」
「……ごめん、舞」
「……」
譲る気配のない風吹に、舞はポケットに入れたチケットをくしゃりと握った。
「用事……が、あるの?」
「……うん」
「それって……危ないこと?」
「……」
舞の問いに、風吹は答えられなかった。
かたりと箸を置き、いそいそと弁当箱を風呂敷に包んでいく。
舞はその手をがしっと取り、眦にうっすら涙すら浮かべながら風吹を見た。
「何か言ってよ風吹。……いつも、夜中にどこいってるの?危ないことしてるの?」
「……」
しかしその詰問にも、風吹は耳を貸さない。
弁当を仕舞うと、そのままかつかつと舞を背に階段を降りる。
「待ってよ風吹っ!お願い……お願いだから――危ないことだけはしないでっ!花火は来なくてもいいから、風吹は居なくならないでっ!お願い……」
「舞……」
くしゃくしゃになったチケットを握り締めたまま、ぐずぐずと崩れ落ちた舞に、風吹は階段の手摺を潰さんとばかりにきつく握り締める。
しかし、風吹には振り返らずに手を離し、階段を降りていった。
「風吹の……ばか」
風にのって聞こえた舞の言葉が、妙に風吹の心に残った。
帰りは別々に帰ることになった。
泣き崩れていた舞だが、教室に帰るなりむすっとした表情を崩さず、隣通しの風吹側に手をついて目線を合わさない。
帰りのチャイムが鳴った後も、「スーパーに寄って帰るから」と一方的に告げて、風吹より先に行ってしまった。
風吹は珍しい親友の態度に戸惑っていたが、ごめんと言う以外に掛けられる言葉がなかった。
何だか大切なものをうっかり壊してしまったかのような焦燥感に苛まれ、俯く風吹。
空の弁当箱で動く箸の音が、乾いた風吹の心のようにからからと響いていた。
☆ ☆ ☆
夕暮れの海。
巨大に膨れ上がった太陽がその身を没さんとしているときに、吹雪は穏やかな水面を切り裂かんばかりの速度で疾駆していた。
吹雪の後方からは二隻のイ級、右前方からは反抗気味に一隻の不気味な艦影が迫っていた。
鯨を思わせる巨大な口に、そこから覗く人間の手足。
まるで魚と言う殻から脱皮している最中のようなおぞましい姿を持つ深海棲艦――軽巡、ホ級である。
イ級とは比べ物にならない程のプレッシャーを放つホ級に吹雪はぶるりと一度身震いしてから、ぐっと拳を握り直した。
「でええぇぇーいっ!」
そして十分に載った加速状態から、繰り出した右拳。
巧みに砲撃をすり抜けて接近したとは思えない重い一撃は、ホ級の上顎辺りに命中し、体液を撒き散らしながら作りかけの人間の頭部らしき箇所を粉砕した。
そのまま上顎を掴み、ベリベリと引き千切る盾のように左手で持つ。
「ふぅ……次、次」
ホ級が沈み、狂ったように吹雪へとイ級の砲撃が集中する。
両者とも激しくコの字運動をしているために命中弾はない。
しかし至近弾がいくつも吹雪をヒヤリとさせ、爆風で水を被る。
「お前たちが……いなければっ!」
爆風をホ級の上顎でやり過ごし、ぎりと口を噛む。
やり場を見つけた憤りが、吹雪の力となっていた。
"射撃装備"の無い今の吹雪は、ただの的である。
「花火……見に行きたかったっ!」
だから吹雪は、ボロボロになった上顎を掲げ増速し、イ級に向けて突っ込む。
愚直に突っ込むだけの吹雪へ向けて、精度を増したイ級の砲撃が一発二発と命中。
多少よろけた吹雪だが、全てホ級の軽巡洋艦クラスの装甲で弾いていた。
吹雪は穴の空いたそれを投げ捨て、低い姿勢で拳を構える。
「この手が届かないのなら、届かせてみせるっ!」
そして吹雪の願いに応え、両足に装備された"武装"が鈍い音をたてて回転し、前方へ向けた。
「シクヴァール、……イグニッション!」
途端、魚雷発射菅に納められた魚雷が、両足とも一本づつ点火され、後方へ巨大なバックブラストを吹き上げる。
発射菅に固定したままの魚雷は、その莫大な推力を吹雪自身に与える。
弾かれたようにスピードを上げる吹雪に、イ級は対応が間に合わない。
「でぃぇぇやぁぁっ!」
相対速度にして時速250kmを越える速度で繰り出された拳がイ級を穿つ。
身体の真芯で捉えられた右側のイ級は地面に叩きつけた生卵のように爆散し、左舷側をかすった左側のイ級は左舷の推進器ごとごっそりと削られ、くるくると独楽のように回転してから内臓砲弾が零れ出し誘爆。
暫く足掻くように浮かんでいたが、やがて海底へと沈んでいった。
「……シクヴァール、バーンアウト」
炎を噴き出していた魚雷が内蔵燃料を燃やし尽くし、静かに勢いを落とす。
残心のままだった吹雪は、ふぅと息を吐くと構えをとく。
今回も、ギリギリの戦いだった。
吹雪が持つ武装は現在のところ、この『発射できない』魚雷だけだ。
本来、シクヴァルはロシア製のスーパーキャビテーション効果を使用した超音速魚雷である。
推進材はヒドラジンなどのミサイルと同じで、点火すれば空気中だろうと吹っ飛んでいく。
なぜこんな装備が自分に搭載されているのか首をかしげた吹雪だが、強力な装備には違いないので、素直に喜んでいた。
――ロックが外れない、という欠点に気が付くまでは。
なぜか撃とうと思っても外れず、そのままロケットの如く噴射する魚雷。
苦肉の策として吹雪は速度を活かしての肉弾戦と言う、およそ軍艦とは思えない方法で戦っていた。艦娘だけど。
「せめて単装砲でもいいから砲がほしいなぁ……」
そう呟いて撫でる手には、籠手のように拳を覆う砲のない砲塔。
まるで殴るためにあつらえたかのように、砲身が削られ、分厚い装甲が幾重にも巻かれている。
頑丈なのは結構だが、これでは新たに砲身を取り付けることは不可能だろう。
なんでこんな仕様に、と軍艦の記憶を持つ吹雪はため息をつきたくもなる。
嘗て使っていた12.7cm連装砲と魚雷が懐かしい。
気が付けば既に日は没していた。
薄暗い水面は不気味なほど静まり返り、柔らかい月光が吹雪を逆さまに映し出していた。
今日は波が低い。そうぼんやりと考えていた吹雪の目の端に、ゆらりと動く影が見えた。
「……!」
思わず姿勢を低くして見やると、そこには黒い装甲――それに人型の影が見えた。
目を凝らしてそれを見ると、港から一定の距離で周回しているように見えた。
「……今日は、もう戦えないよね」
勇んで飛び出そうかと考えた吹雪だが、脚部の発射管に詰まる魚雷を撫でて諦めたように呟いた。
魚雷の補充は、寝ている間になぜか行われる。
しかし今日はなぜか2本分――こういう突撃に使うのならば左右合わせて1回分の魚雷しか補充されなかった。
いつもは毎回6本補充されるのだが、何か寝ている間にあったのだろうかと首を傾げる。
まぁとにかく、吹雪は拳の届く距離まで接近する必要がある。しかしシクヴァルなしで接近するのは自殺行為に近い。
さっきはホ級の装甲で難を逃れることができたが、それでも2発被弾している。
今日はここまでだと吹雪はゆっくりと後退し、港から離れた浜へと踵を返した。
ふと、脳裏にお昼に聞いたニュースが蘇る。
「港は封鎖されてるから……大丈夫、だよね」
無理にあいつらを追う必要はない……と、逸る気持ちを押さえつけながら、吹雪は帰っていくのだった。
☆ ☆ ☆
『ちょっと出かけて来ます。心配しないで。それからご飯はレンジで温めてから食べて』
翌朝、そんな手紙とともに舞は姿を消していた。
休日ともあって、舞の目覚ましもない風吹が起きたのは10時過ぎ。
「……」
ケンカしたことと、舞に言えないこと。もやもやした気持ちで憂鬱な休日は、不気味なほど静かだった。
いつもなら舞と朝ごはん食べたり、舞とニュースを見ながら他愛もないことを話したり、舞と勉強したり、舞と遊んだりしたのに。
と、つらつらと考えて出るのは舞のことばかりだった。
――舞に話そうか、……でも心配させたくない。
今の境遇を舞が知れば、絶対に海には出させてくれないだろう。
でも私が今やりたいことは……と考えていた風吹の耳に、テレビから慌てたようなアナウンサーの言葉が飛び込んできた。
『こちら〇〇県の〇〇港に来ていますっ!ご覧ください、深海凄艦が上陸、上陸していますっ!!
港は完全に、深海凄艦の占領下にあります!!付近の住民の皆様は即刻、即刻避難してください!!
繰り返します、深海凄艦が自衛隊と海上保安庁の防衛網を破り、〇〇港に上陸しています!!』
港を遠方から捉えた港は、アナウンサーの肩越しにもうもうと吹き上がる黒煙を映していた。
港湾施設は防衛関係の施設を中心に軒並み瓦礫と化しており、ゆらゆらとうごめく影が人なのか深海凄艦なのか分からなかった。
しかし、風吹にとってそんなことはどうでもよかった。
思い出の港が燃えている――そんなことはどうでもいい。
あの日のような惨劇がまた――それすら、どうでもいい。
「……舞っ!」
ちらりと映った港の灯台。さして深海凄艦も興味がなかったのか、攻撃される様子もなく佇んでいる白い塔。
その先に――静森舞の姿が、映ったのだ。
一も二もなく、飛び出していく風吹。
ラップをかけられ、静かにテーブルの上に載っている舞の手料理とメモだけが、変わらずに佇んでいた。