「なんだい、酒係」
「またその呼び方かよ。
ところで私は今度はいつ登場できるんだ?」
「さあ。作者の都合だね」
「メタいな」
「メタいよ。だってまえがきだもの」
「なるほど」
今日の今までのあらすじ、ばけちゃんの言葉を借りて説明すると、
「このあたくしがご飯を作ってあげるわよ!」
ということだった。
まあ恐らくだが、あたしが料理しているのを見て料理したくなったのだろう。鏡源郷にいる時はばけちゃんも一人暮らしで、料理も作っていたはずだから心配は要らない。
「何を作るの?」と訪ねてみたら「ひーみーつ!」と守秘権を行使されてしまった。と言いながらおもむろに小麦粉を倉庫から持ってきている。
――天ぷらとかの揚げ物か?
ドサっと目分量で器に入れる。小麦粉が舞う。
――いや、それにしては量が多いから、パンかな?
水と食塩を用意し、これまた目分量で入れ、混ぜてこね始めた。
――なるほど、麺か。
ここまで推測するとあとは楽しみにとっておくため、居間に戻り霊夢と談笑していた。
ちなみにばけちゃんの麺は昼飯になられるご予定だ。
「もうしばらく卵は食べなくていいわ。カラフルなんてこりごりよ」
「うっかり間違った式を張るからいけないのよ」
お腹を壊しても一晩寝たら治るあたり、さすがだと思う。
「あのねえ、100分の1と100倍の時間の式を間違えたのよ?
約6時間の100倍だから600時間、つまり常温で25日間放置された卵よ?トラウマにもなるでしょう?」
「いや、カラフルな時点でヤバイのはわかるでしょ」
「黒いのは避けたわ」
「そういう問題じゃ.....はぁ」
なんてため息をついてるとばけちゃんが台所からやってきた。
「どうしたの?なんかあった?」
「ううん、麺を倉で寝かせてるの」
「ああ、だったら昼食には間に合いそうもない、かな?霊夢」
「うん、そうね。だったら昼食は取り敢えずとっちゃって、夕食として食べましょうか」
だそうだ。
昼食は朝の残りのご飯と味噌汁と野菜炒めと、漬物という質素なものになった。
数時間後、夕方にはばけちゃんは麺を切り終えていた。
まだ見せてもらってはいないが、顔を見る限り満足の行く出来具合のようだ。
そして何をするというわけでもなく、ばけちゃんも早くお披露目したいという理由で少し早いが夕食を食べることにした。
ばけちゃんが早速茹で始め、あたしと霊夢は食器などを用意していく。
そして戦場は卓袱台へと移る。
ドンと目の前に置かれたドンブリの中に入っているのは.....。
「こ、これは何かしら?」
霊夢が緊張した表情で尋ねる。緊張?別にマズそうには見えないのだが。
どこからどう見ても......。
「ばけうどんよ!化怪化ヶがつくったかけうどん!」
かけうどんだ。
「....そ、そうじゃなくてね。これよ」
恐る恐るといった感じでかけうどんの中心におわす物を指差す。それは主役でないはずなのに主役のように中心にあり、まんまるくオレンジで存在感を醸し出している。
「何って、卵よ。月見ばけうどん!」
「あぎゃあああぁぁぁぁぁ」
博麗神社に断末魔の叫びが木霊したとさ。
あ、月見ばけうどんは美味しかったです。
9日目、終了。
すっかり卵恐怖症の霊夢さんです。
ところで、ネタはいくつかあるんだけど、すぐに使っちゃうと後で無くなりそうだから温存しとく。
バカ、十字架、絶叫の三人が、仲間の仇を取るため、花の妖怪に立ち向かって行った、そんな感じの9日目でした。