ここの表現をこうしたほうが良い、だとかアドバイスがあれば感想にて言ってください。もし次、機会があれば役立たせていただきます。
昨日の言葉通り、霊夢は白玉楼に向かった。あたし達は特に行きたい場所も無いためついていった。
白玉楼についたのは午後十時ごろ。
だが、主役である幽々子さんが昨日から未だ帰ってきていない。
痺れを切らした霊夢は妖夢さん作のお菓子や夜食を食べたという。もちろん美味しかった。
結局、幽々子さんが帰ってきたのは11時ごろ。夜も更けて妖怪たちが活発に動き始める頃だった。
月下に二人、対峙。それを見守るは三人。
飛んでいる二人の近くには巨大な桜、
彼女らの眼光は鋭く、相手を睨みつけている。牽制だ。二人の距離はおよそ100mほど。だが迫力は色落ちしない。
見守っている三人の少女のうち、銀髪の少女が二人のちょうど中間あたりに飛行していく。そして、彼女の口から発せられた言葉は、弾幕ごっこの開始を告げるものであった。
「始め!」
妖夢さんの声が響く。妖夢さんの両側に居る二人には聞こえているだろうが、いきなりは始めないらしい。
その間に、妖夢さんはあたし達がいる縁側に急いで戻ってくる。
「やけに焦って戻ってくるんですね」
「あの二人の間に居続けろと?新しい肝試しかなんかですか」
苦笑しながら妖夢さんが返してきた。
縁側に座り、昨日と同じ並びになった時、空中の二人の会話は始まった。
「やっぱり、ここの桜は綺麗ね」
そう、ここ白玉楼の桜はどれも満開だ。ちょうど季節にここに来れた事は、幸運なのかもしれない。
「でも、一本だけ。ただ一本だけ咲いていないのよ、霊夢」
西行妖のことだ。
「諦めたんじゃないの?咲かせるのは」
「諦めたわよ。とうの昔に」
「で?わたしを今日、弾幕ごっこに誘った、本当の目的はなんなの?」
霊夢は結論を急かす。
「わたしがもし勝ったら」
「うん?」
「勝ったら、――――」
その内容は、妖夢さんにとってはかなりの衝撃だったようだ。
――封印の解除を、手伝って欲しいの。
悲劇の亡霊少女は、そう言った。紅白巫女もそれなりに衝撃を受けたらしいが、その返事は冷静なものであった。
――最初からそう言えば良いのに。
いつかのお返しのように、少しの悪意を込めて言われたその言葉に、亡霊少女はただ素直に返す。
――言いたかったわよ。でも....いえ、最後の詰めが肝心なのよね。
――そうよ。まあでも、わたしは絶対負けないけどね。
――桜の封印を解いてもらうわよ、紅白の蝶。
――勝たせてもらうわよ、春の亡霊。
それを合図に、目も眩むような強烈な弾幕が幽々子から発射された。
それはそれは、美しいものだった。ただ華々しく、そして幽玄な弾幕だった。美しさを追求したかのような弾幕だった。
「わぁ...」
妖夢さんが、感嘆の声をもらすのもわかる。鳥肌が立つほどだ。だがこれを見て思うのが、こんな弾幕は受けたくない、ということだ。
そんなあたしの考えなど塵にするように霊夢は悠々と弾と弾の間をすり抜けている。攻撃は確実に、回避は完璧に。そんな感じのポリシーが霊夢にはあるのかもしれない。
そんな攻防が数分間続いたあと、変化があった。幽々子さんが敗れたのだ。
いや、この表現は正しくない。
霊夢のスペルカードが、幽々子さんに被弾した。そこまでは良いと思うのだが、そこからが表現できない。
強いて言うなら、初まった。
スペルが亡霊に被弾すると、彼女の体は半透明に輝き始めた。それに呼応するかのように、後ろの西行妖も光った。
ここからは、弾幕もスペルも一切彼女には効かなくなった。ただ博麗の巫女は、弾幕を避けることだけしか、出来なくなったのだ。
「また、ね」
「そうね。また、よ」
光る幽々子さんの体に妖力と霊力が吸い込まれていくのがわかる。とんでもない引力だ。
十数秒間溜められた力が、一気にスペルカードとして放出される。これで最後の弾幕のようだ。
カラフルな蝶と、レーザーが白玉楼全体を照らす。レーザーは放出される回数を増すに伴って本数も増えていった。そして10回目の放出の直後、周囲の桜は散り、幽々子さんの溜めた力も減少していった。
美しい、それ以外に表現する術が思いつかないほど見事な弾幕であった。おそらく、幽々子さんの弾幕は一生心に残ることだろう、そう思えるほどに。
敗北してしまった幽々子さんと、勝利した霊夢がゆっくりと降りてきた。
「ふぅ、疲れたわね」
「そうねぇ」
幽々子さんは、どこかガッカリとした様子で霊夢に返事した。
「はぁ、勝てると思ったのになぁ」
やっぱり、結構残念らしい。無念が残ってるらしい。
「いいじゃないですか、幽々子さま。負けても、再挑戦すればいいんですから」
「そう....そうね」
従者の励ましで、どこか明るくなったようにも見えた。
「幽々子、あなたが学ぶべきなのはね、弾幕の真髄よ」
「真髄?」
「そう。確かに弾幕ごっこは、美しさを競うものでもあるわ。でも忘れてはいけないのは、同時に勝敗を決めるルールでもある、ということよ」
「勝ち負け、ねぇ」
「そう。弾幕ごっこは美しくても負けちゃ意味が無いのよ。それが真髄よ」
「そう、じゃあもっと勝てるようなスペカにしてみるわ」
従者の励ましと、相手からのアドバイスによってさらに気持ちは上昇してるようだ。
そんな会話をしているとき、あたしはふと横をみる。縁側を見る。
(でも、幽々子さま。あの弾幕はけっこう鬼畜でしたよ?)
会話が耳に入ってこない。脳がそれ以外の事に集中してるからかもしれない。
(うるさいわよ、妖夢、あとでご馳走を―――)
おかしい。なんでだ、頭が混乱している。映像を目で視覚しても、脳がそれを理解してくれない。いや、脳が映像が意味していることを理解してくれない。どういうことだ?
あたしの能力を思い出せ。『恋と怨を操る程度の能力』の、副産物能力『縁を結んだり切る程度の能力』。
その能力であたしは絶対に離れないように――じゃあどういうことだ?縁を、他の絶対的能力の介入によって、切られた?
そこまで推理がついたとき、あたしの異変に気がついたのか、三人が話しけてくる。無論、それに答えるしかなく、あたしは――
「ばけちゃんが、ばけちゃんが居なくなったの」
と言った。
縁側には、お化けの妖怪、化怪化ヶの姿は無い。
その時であった、白玉楼の柱時計の12時を知らせる音が鳴る。
20日目、終了。
初の?2500文字超えでございます。
そして、ばけちゃん誘拐です。
どこかでとある大妖怪が笑った、そんな感じの20日目でした。