まさか卵胃もたれなんてものがあるとは思わなかった。あの何とも言えない重さと甘さが今も思い出せる。つまりは何にしても食べ過ぎには注意しようってことだ。
まぁそれはそれとして、ここ、幻想郷にきた時にエリーさんと出会ったことを覚えているだろうか。彼女の言っていた同僚、つまりオレンジちゃんの他にも、同僚がいるのではないかと思いついたのだ。
という事で、あたしたちは今幻想郷の空を飛んでいる。雲のすぐ下は雨が降りそうで恐いけど、空を飛ぶ快感には代えられない。
「噂には、かなりの数の鏡があるらしいけど、同僚さん見つけれるかな〜」
「あ、あれはどうかな?」
ばけちゃんの指差す方向には大きな鏡があり、その付近には鏡の番人と思われる少女がいた。
その少女は金髪で、頭には白いリボンをつけている。吸血鬼っぽいけど、そこまで怖い雰囲気じゃない。しいて言うなら吸血少女?それはいいや。
降り立って、話を聞いてみよう。
「あのーすいませーん」
「なにかしら」
「エリーさん、をご存知でしょうか?」
「....誰?貴女たち」
怪訝な顔をして尋ねてきた。
いきなりビンゴ。直球勝負だったけど、エリーさんの知り合いのようだ。
事情を説明すると、だいたい理解してくれたようだった。彼女の名前はくるみ。
「最近、仕事の調子はどうですか?」
「この、門番の仕事がかい?」
「はい」
「前の仕事よりも拘束された感じがなくて、開放感があって面白いし、色んな鏡源郷の人が来て飽きないし、概ね満足だよ。....なんで聞いたの?」
「いえ、エリーさんへの土産話にもなるかなーと思いまして」
「なるほどね」
「エリーさんに他に伝えたいことはありますか?」
「いや、別に。今の話を聞いたらエリーも喜ぶと思うし、まさか一生会えないわけじゃないんだからさ」
二人は結構仲が良いらしい。羨ましいことだ。いやもちろん、あたし達も負けてない....よね?
「ところでさ」
「ん?」
なんだろうか。
「貴女の名前って、なに?」
あ。
あぁあぁああ。
「来上社ろくですっ。さようなら!」
あたしは酷く赤面し、名乗るとすぐ逃げるように飛び去った。
「なんじゃありゃ」
「あ、あたし化怪化ヶよ。よろしく」
「よろしく......。ってあの娘、どうしちゃったの?」
「自己紹介し忘れるのが、軽くトラウマになったみたいよ」
「難儀だねぇ」
「難儀だね」
ろくちゃんは、少し気にしすぎだと思う。わたくしなんて、いつもばけちゃんの後ろで会話を様子見しているから名前を言い忘れるのなんてしょっちゅうなのに。まあ、癖なんてのは、そんなもんか。あたくしも引け腰気味になってるし。
23日目、終了。
はい、ここまでお疲れ様でした。次話は、幻想郷の反応 下の最後の部分 + アルファです。
ところで関係無いけど、くるミアって行けるんじゃね?
くるみ×ルーミア...需要ありそうだ(適当
鏡源郷では、幻想郷の烏天狗が新聞をばら撒いて飛び回っていた、そんな感じの23日目でした。