東方化緑伝 【完結】   作:LOORUME

28 / 36
24日目 エピローグ

 

あれから幻想郷で24日間が経った。

神として長くあたしの神社を空にする訳にもいけないので、この辺りが限界なのだ。

 

24日間とは思えないほど濃く厚い日々だった。

 

色んな所に行った。

守矢神社へのご参拝や、地霊殿に温泉巡りも。あたしが額に怪我した時に、永遠亭にもね。

 

色んな人に出会った。

紅魔館のみんなでパーティーしたり、エリーの番人仲間のくるみさんやオレンジちゃんと話せた。あと、椛さんとバレてる秘密をつくったり。

 

色んな物を見た。

鏡源郷の人で溢れかえった人里や、見覚えのある鏡源郷の妖怪達がたくさん入信したらしい命蓮寺。幽々子さんの美しすぎる弾幕も見た。

 

他にも、ばけちゃんが紫さんに誘拐されたり、色んな人のご飯食べたり。

 

あとは色んな事を聞いたし、体験もできた。そんな幻想郷滞在中最終日の24日目。

 

「あら?そういえば今日が24日目だったわね」

 

「うん。霊夢、本当にお世話になりました」

 

滞在中、人里は騒がしいし、博麗神社は幻想郷巡りの拠点にさせてもらっていたのだ。

本当に、言葉では言い表せないほど感謝している。

 

「いいのよ。また暇が出来たらいらっしゃい」

 

感謝こそすれど、こき使われるので次は普通の宿に泊まりたいもんだ。

適当にまた機会があったらと言って誤魔化しておく。

 

「じゃあ、化怪化ヶもね、元気でいなさいよ」

「わかっているわ!霊夢こそ、元気でいてよね!」

「そうねえ。次にあんた達がきた時には婆さんになってるかもしれないから元気でいるとは言い切れないわねえ」

 

時間の流れが違うのだから、それは仕方ない。あたしたちがあっちで1年過ごしてからまたこっちに来たらそれは24年後の幻想郷なのだ。

 

「霊夢ならお婆さんになっても元気そうよね。年甲斐もなく」

「煩いわね。さあ、ろく、この煩いのを連れて行きなさい」

「ええ。じゃあ、行くわよばけちゃん」

「ありがとう霊夢!このあたくしが次に行くまで死んだら駄目よ?」

「はいはい。なんとか生き延びるわよ」

 

多分、霊夢ならずっと生きてられると思う。悪運とかっていう意味で。

 

「本当にありがとうございました」

「あんたも煩いわねぇ。ほら、行った行った」

 

言って霊夢は照れ隠しをしているようだった。

 

「はい。さようなら」

「バイバイ霊夢。またね!」

「ええ、またね」

 

 

 

 

 

霊夢と別れ、博麗神社からエリーさんの居る鏡へ向かう道中には、一本の桜がぽつんと咲いていた。

そうか、春だな、と気づかされた。

白玉楼みたいに豪快に咲き散らすのも綺麗だけど、ただ一本だけが咲き誇るのもなかなか良い。しばらく、桜に見とれていた。

 

 

 

 

 

 

 

あたし達は再びエリーさんの所に、鏡源郷に帰るために鏡の所に行った。

 

「あら、お帰りなのね?」

「うん。そういえば番人のくるみさんやオレンジさんとも会ったよ」

「へえ、元気そうにしてた?」

「とっても。くるみさんは前よりも開放感のある仕事だし色んな人が来て飽きないし満足だってさ」

「それは良かった。

ふむ、お二人さん、どうぞ鏡の中へ」

「じゃあエリー、さようなら!」

「うん。時々そっち側で門番をしている時もあるから気が向いたら話しかけてね。ろくも、化怪化ヶちゃんも、ご達者で」

 

あたしとばけちゃんは手を繋ぎ、鏡へ一歩進んだ。

もっとも、手を繋がなくともあたしの能力で繋がっているから離れることは無いのだけれど、今はそれ必要な気がした。

 

鏡の前にたどり着き、また一歩踏み出すと足のつま先が鏡に触れた。

 

 

 

 

 

 

 

「へぁあ〜〜〜」

「起きた?ばけちゃん」

「うん。待たせちゃってごめんなさいね。さあ行きましょ」

 

眠眼を擦りながらばけちゃんが立ち上がった。そんなに急がなくてもいいんだけどね。

 

「待ってないから大丈夫だよ。じゃあ、帰ろうか」

「うん。鏡源郷におかえり、ろくちゃん」

 

一瞬は驚いたが、すぐにあたしは微笑んで、

 

「こちらこそおかえり、ばけちゃん」

 

行っていた者同士が言うのもおかしいが、これはこれで楽しいから問題はない。

 

明日からは何をしよう。とりあえず他の妖怪達が帰ってくるのを待とうか。帰ってきたら旅情話を話そうか。はたまたばけちゃんの可愛い姿を見るにはどうしたらいいか、研究をしようか。

 

楽しい事は好きだ。楽しい人も、楽しい所も大好きだ。

だから、確信を持って言える。

 

あたしは、幻想郷が好きだ。

 

だからまたいつか、幻想郷で。

 

 

24日目、幻想郷旅行、終了。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

旅が終わったが、幻想郷との縁はなかなか切れないらしい。あたしの能力を以てしても、だ。

 

ばけちゃんと帰り道で別れ、家に帰ると新聞がポストに入っていた。発行者は文さん。内容は、霊夢と紫の弾幕ごっこ(?)の様子、それと鏡源郷の妖怪を交えての大宴会が行われるとのことだった。

 

 

“文々。新聞”

 

“霧雨魔理沙、博麗霊夢らを巻き込んだ異変 『無鏡異変』”

 

“異変解決と鏡の世界との同期を記念して、大宴会が催される事となった。”

 

“前刊では開催日は未定となっていたが、今回はその日時が決まった。”

 

“場所は博麗神社。時は----から----までの3日間。”

 

“参加者は酒を用意し、開催日に備えよ。”

 

 

 

 

これは参加するしかなさそうだね、そうあたしは呟き、微笑みを浮かべた。

 

 

 

 

 

幻想郷旅行、終了。




本編終わりましたーー!やったーー。つかれたーー。
もうね、ばけちゃんなんてキャラ崩壊しすぎですよ。まぁこじつけで崩壊しちゃうっていう設定にしちゃいましたけど。

ではでは、語りたいことが山ほどありますが、それは番外にて!

本当にここまで読んでくださった方、ありがとうございます!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。