東方化緑伝 【完結】   作:LOORUME

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初めてのばけちゃん視点。のはず。あれ、だよね?

何にせよ、最終話です。


-後日譚- 第2回 No.1 YKM (エンドロール)

なぁ、霊夢。

 

なによ。

 

そろそろ冬も終わりだな。

 

そうね。それが、何?

 

何って、勿論そりゃあ───

 

 

 

 

 

 

 

 

とある冬の寒い日、ぎゅ、ぎゅと雪を踏みしめながら道を歩む。目的地は、親友の家。神社とも言う。

1年前──あたくし達にとっては10日やその程度前──にとある烏天狗と約束をしたのだ。その用事で、また幻想郷に行かなければならない。というか、幻想郷に居た期間よりも鏡源郷に帰ってからの期間が短いというのが、なんとも可笑しい気分だ。

 

親友の家に着いた。あたくしは参拝客ではないので裏口から訪ねる。いつもどおりに、木のドアをノックする。

待つこと数秒、親友が笑顔で迎え入れてくれた。

 

「いらっしゃい。ばけちゃん」

「お邪魔するわ、ろくちゃん」

 

 

 

 

 

 

こと、ことり、と卓袱台に二つのお茶が置かれる。これがなんとも暖まるのだ。

ずずっと飲んでは一息をつき、身体の中心から温まっていく感覚を愉しむ。

 

「それで、今日はどうしたの?」

 

何時にもなく笑顔で親友がたずねてくる。この前幻想郷に行った時、とある約束をした事を話す。たしかろくちゃんもあの場に居た筈だ。というかあの会話を聞いてた人は大勢いるはずだ。

 

「…あぁ、確かにそんなこともあったね。っていうか本当に行くんだ」

「うん。それに、ほら」

 

あたくしが懐から出したのは、金のトロフィー。さすがに急ぎで用意されたのか、安っぽい金メッキだ。

これはYKMの優勝賞品だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

何って、勿論そりゃあYKMがあるじゃないか。

 

YKM?

 

忘れたのかよ。ゆで卵にかける物No.1を決めるんだよ。

 

ああ、あったわね、そんなのも。っていうか、えっ。

 

どうした?

 

あれ、今年もやるの?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ああ、はいはい。トロフィーを大会に戻さないといけないから、参加しないといけないっていうことね」

「そうそう」

 

さすがは親友。理解が早いじゃないか。だが、ろくちゃんは少し面倒くさそうな顔をしている。

 

「……嫌なの?」

「えっ、嫌ってわけじゃないけど、最近幻想郷に入り浸っているような気がしないでもないからさ…」

「気にしないの」

「はぁ、わかったよ。じゃあ行こう。って、ん……?」

「どうしたの?」

 

親友の視線の先。つまりガラス戸の向こうのドア。そこでは、先程降っていた雪が止み、早くも溶けだしていたのだ。

 

「ろくちゃん、急ごう」

「そうね、わかったよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

勿論、やるに決まってるじゃないか!きっと、ばけろくも来るぜ?

 

わかったわよ。開催場所は?

 

博麗神社(ここ)

 

聞いてないわよ。

 

大丈夫、準備とかそういう手配は全部私がやっといた。

 

そういう行動は早いわよね、あんた。でもまあ、それなら良いわ。 で、何時やるの?

 

明日だぜ。

 

なっ!早すぎない?ばけろくは間に合うの?

 

さあ?賭けだぜ。

 

無茶する必要性が見当たらないのだけれど。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

準備を整えたあたくし達は急いで例の鏡の前に向かう。もう3度目の移動だ。

さてじゃあ、幻想郷に行こう、という時に、鏡からよく見慣れた人物が現れた。彼女は、エリーだ。

数回の邂逅のうちにすっかり仲良くなり、ばけちゃんは敬称略で話すようになった。あたくしは元からつけていない。まあ、それはいい。

折角タイミングよく出会ったのだ、少々雑談してから幻想入りしようと考えていた時だった。彼女がこちらに気がつき、話しかけてきた。

 

「あ、ばけとろく」

「やっほう、エリー」

「やあやあ」

「ああ、どうも。それより二人とも、急いで幻想郷に行きなさい」

 

彼女は幾分か切羽詰まった様子で忠告された。いつもはクールな彼女が、多少なりとも急いでいるのだ。なにか重大な事件がおこったのかもしれない。

そんな風に身構えた様子に気付いたのか、エリーは訂正する。

 

「ああ、そんな大事件とかじゃないわ。ただ」

「ただ?」

「明日、YKMがあるわ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ほら、やっぱりばけろくは来たじゃないか」

 

「ぎりぎりだったわね」

 

『ギリギリでも良いんです!間に合えば! さてじゃあ始めますよ」

 

博麗神社に歓声が響く。それは大宴会の時の騒ぎ声とはまた違う、一体になったものだ。それと一緒に、文のマイクを通した声が響く。

 

『第2回、YKM選手権!まずはトロフィーの返却からです。代表は前大会優勝者の化怪化ヶさんが───』

 

 

 

 

あたくしは、幻想郷の色々な所を見て、聞いたりした。

だけど、あたくしが見れてない幻想郷の楽しいところがある筈だ。

まだまだ、幻想郷の全てを、あたくしは知れてない筈だ。

 

祭りな気分がまだまだ醒めきっていないから、ばけちゃんを付き合わせて、振り回してしまうかもしれないけど、あたくしはばけちゃんと居たいのだ。

純粋に、友達として、親友として。

 

だから、まだまだ幻想郷巡りは終わらなさそうだ。

 

 

 

 

 

東方化緑伝、完。

 

 

 

 

 

 

Episode

 

 

第1章 それは白かった。

 

1日目 理不尽な役割分担

2日目 マジックッキング

3日目 二番煎じ茶

4日目 前編 うわさ話

4日目 後編 ボイル

5日目 前編 決闘

5日目 後編 少女達の遊び

6日目 夕焼け鴉

7日目 奇跡

8日目 橙

9日目 ヨウリョクッキング

10日目 No.1YKM

11日目 朝方天狗

 

 

第2章 それは美しかった。

 

12日目 旅行で旅行

13日目 カウンター

14日目 作戦

15日目 マリョクッキング

16日目 フリーフォール

17日目 軽傷

18日目 歓憙する

19日目 原因ときっかけと経緯

20日目 弾幕の美しさ

21日目 集大成

22日目 レイリョクッキング

23日目 癖は治りづらい

24日目 エピローグ

 

 

番外章

 

鏡源郷旅行

10日目 元主人

9日目 ビフォー・ばけうどん

22日目 静寂の間に

何日目 幻想郷を開くドア

 

 

後日譚

 

大宴会

エピローグ

 

 

 

CAST

 

化怪化ヶ

来上社ろく

 

エリー

博麗霊夢

 

霧雨魔理沙

 

上白沢慧音

 

犬走椛

射命丸文(偽)

 

洩矢諏訪子

八坂加奈子

東風谷早苗

 

紅美鈴

パチュリー・ノーレッジ

十六夜咲夜

レミリア・スカーレット

 

フランドール・スカーレット

 

射命丸文

 

オレンジ

 

西行寺幽々子

パルスィ

尾反夜霧

 

 

古明地さとり

火焔猫燐

 

八雲紫

 

寅丸星

ナズーリン

聖白蓮

 

藤原妹紅

鈴仙・優曇華院・イナバ

八意永琳

 

八岐鏡映

ハニエル

ピサース・ミラル

 

魂魄妖夢

 

くるみ

 

 

蓬莱山輝夜

リグル・ナイトバグ

風見幽香

ルーミア

大妖精

チルノ

ミスティア・ローレライ

 

稗田阿求

 

その他大勢の妖怪たち

 

 

Specal Thanks

 

アリス・コスチューム

 

河童工業

 

鬼畜建設

 

 

Wrote by

 

ロールメ

 

 

原作

 

上海アリス幻樂団 ZUN 東方projectシリーズ

 




読了、お疲れ様でした。

全部読んでくださった方も、飛ばし飛ばしで読んだ方も、最後だけ読んだちょっぴり狡いお方も、本当にありがとうございました。

語りたいことも多々ありますが、それは活動報告にて。
それに加えて、次回作についてもちょっぴり言います。


ではでは、ここまで読んでいただき、本当に、本当に感謝しております。また、次の作品でお会いしましょう。
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