――今日は用があるから案内は出来ないぜ!また明日な!
朝の事である。境内にて魔理沙はそう言い残して去って行った。
それなら、と霊夢が今日は一緒に行かないかしら、と誘ってきた。是非も無く、肯しか無い。
買い物をした後、夜になったら紅魔館に行くらしい。
というわけであたし、ばけちゃん、霊夢の三人は今紅魔館へ向かっている。
「実は、レミリアからどういうわけか弾幕ごっこを挑まれたのよね。ああ、そういえばあんた達、まだこっちに来てからは弾幕ごっこやってないのかしら」
「だね」「そうね」と言うばけちゃんとあたし。
「なら肩慣らし目的で一丁やらない?」
「霊夢と?」
もしそうならご遠慮願いたい。噂には霊夢は幻想郷中の勢力を一回は潰したことがあるというのだ。そんな鬼畜巫女と戦うのはまっぴらごめんだ。勝てるわけがない。
「そんなんじゃないわよ。多分わたしがレミリアと闘う前に、其処にいる奴等が邪魔してくると思うのよ。だからそれの排除をお願い」
「排除なんて物騒な....」
「さ、見えてきたわよ。あれが紅い悪魔の館、紅魔館よ」
紅い、その名に相応しく外観は真っ赤であった。脳が認識を拒絶し混乱するほど真紅であった。館と呼ぶに相当する洋風の造り。
どれも吸血鬼に似合ったものだ。
「赤いね」「紅いね」
門番をちょろっと倒し、さらっと内部に突入する。
内観も外観に違わず、いやそれ以上に紅かった。紅白巫女など目で認識するには服の白の部分と脇でしか位置がわからないという悲惨な状態。
その後、動かない巨大図書館さんと瀟洒で雅で清らかなメイドさんを倒して奥へ奥へと進んで行った。
だが、肝心のレミリアさんと言う館の主は見つからなかった。見つけられなかった。
「あ、屋上に居るわね」
「なんでわかるの?」
「巫女の勘よ」
便利だなあ、色々と。
案の定、本当にいたよレミリアさん。
窓をブチ破って空を飛んで来たのだけれど、居るとは思わなかった。
「うふ、本当に来たのね、霊夢」
子供が背伸びして頑張ってるみたいで可愛いなあ。
「そりゃね。呼ばれたら来るわよ」
ただし、ご飯かお金が貰える場合だろうけど...あ、霊夢睨まないで。
「さて、こんなにも月が紅いから」
「紅くないわよ」
「月が光るから、照らされて興奮するわ」
「どういう趣味よ」
「黙って聞きなさい。本気で殺すわよ」
「はいはい、倒してあげる」
ああ、レミリアちゃん可愛いなあ。この背伸び感が堪らない...あ、って言ってもばけちゃん以外に浮気したわけじゃなくて!ばけちゃんが一番可愛いから。あ、でも一番って言っても順番つけてるわけじゃなくて。
なんて頭のそらで妄想していたら決着がついた。早すぎる。
「勝負アリ、ね」
「なんでそんなに強いのよ...」
「さあ、巫女の力と勘よ」
相変わらず便利だなぁ。
今日のメインイベントも終わったし、パーティーをするとのことだった。
先ほどのメイドさんが短時間で用意してくれたのか、様々な料理が用意されていた。
門番の美鈴さん、メイドの咲夜さん、図書館さん、館の主のレミリアちゃん、霊夢、あたし、ばけちゃんが揃ったところでさて食べますか、となった。
が、そこで大きい地震が起こった。
「きゃ!?」
ばけちゃんの悲鳴可愛い。
「............フランのようね」
地震が収まってからレミリアちゃんが呟いた。
「フランさん?」
「ええ、私の妹。でも何故暴れてるのかしら...」
「むきゅ、どうやら暴れてるわけではなさそうよ」
水晶玉を覗きながらパチュリーさんが言う。
「どういうこと?」
「妹様、弾幕ごっこをしているわ」
「?? 妖精と?誰と?」
「魔理沙よ」
その詳細を知るのは、少し後になってからだった。
5日目前編、終了。
はい、紅魔館組の登場でした。
あと、ろくはちょっと自重しなさい。
後編は初のろく以外の視点です。視点は魔理沙、お楽しみにお待ちください。
そんな感じのは後編へ後回し。
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作品名は『東方地霊殿 〜Terrene Animism.』
興味のある方は読んでいただけると幸いです。