ボスを幸せにしてやりたいんですが構いませんねッ!? 作:ツキハ
だいぶ遅くなってすみませんでしたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!!
中間テストのためにあまり進めることができず、ようやくできたしだいです…!
スランプ状態でぐたぐだが最高潮になっております……そして暴力表現がチラッと出てきます、個人的に暴力表現って程ではありませんが気を付けてください。
「…………と、いうわけさ」
「なるほど、更にそのような『ルール』が…」
話しはじめて30分は経っただろうか。
お互いの情報を交換する中で、気づいたことがあった。
この女、バカだ。
『裏ルール』で襲ってしまったことにして、ふとした時正気に戻った風にする。
丁寧に話を進め、事情を話し、いかにも『裏ルールのせいで時たまおかしくなるが、本当は根のいい真面目な子』を作り上げる。
あとは簡単、相手が油断したところを襲いポケモンを自分達の物にする。
それが私たち双子の『鉄槌』。
『悪』に対する『正義』の鉄槌。
あの男のことは知っている。
とある人物に聞いたから。
あの男が麻薬を売りさばいたことがあること。
自分の部下を容赦なく殺したこと。
実の娘を殺そうとしたこと。
全部全部知っている。
「……あの、カミナさん」
「なんだい?」
私たちは『正義』、でもこの人は『悪』ではない。
『悪』はあの男でありこの人は騙されているのだろう。
さっき出した結論のように、バカな部分に漬け込まれているのだろう。
だとしたらこいつは助ける対象者。
仕方ないから『鉄槌』は下さない。
だから『助ける』、真実を教える。
そうすれば感謝の心で私たちを崇め称えるはずだから。
「彼の…ディアボロのことを貴方はご存知と言いましたよね?」
「あぁ、そうだけど…それがどうかした」
ゆっくりと、何か言いにくいような空気をまとわせ息をはく。
伝えなければ、そう思っても言いよどむ。
まさしくそんな感じに。
「彼は………人殺しです」
「っポックル!」
わたし達双子の演技はカンペキ、息のあったコンビネーションで真実を告げる。
「他にも、部下を惨殺したり、娘を殺そうとしたんです…!」
「………」
無言でわたしの言葉に耳を傾ける。
眉を寄せていることから疑問を抱いているようだ。
「…できれば言いたくありませんでした。
でも!このままではあの男にあなたが何をされるかわからないと思って……」
「すみません……でも姉はあなたのことを思って……」
さぁ、称えなさい。
心からありがとうと感謝を述べてひざまづきなさい。
そして貢ぎなさい。
「そう………
で?」
「「………え?」」
「だからさ、『ディアボロは人殺しです』。
それで何?」
わけが、わからない。
「で、ですから人殺しなんですよ!?」
「うん、それがどうしたの」
「え、は??」
何なんだろうか、この女は。
真顔で、いかにも不思議そうな顔で「『人殺し』、それがどうした」と言ってくる。
自分が何を言っているのか理解しているのだろうか。
「イタリアンギャング、パッショーネのボスディアボロ。
別おかしいとこないよ、ギャングだし」
ギャングだから。
その理由であの罪人を許すのか?
ならば、こいつも………
「それよりさぁ、実は研究所にある相談がとどいてんだよねぇ」
「それよりって」
「まぁ話聞いて聞いて」
「なんかさ、拉致られたんだって、ポケモン」
「散歩してたら『金髪』に『オッドアイ』の『双子』があらわれて」
「なんか色々言ってきたんだと」
「で、ボールごとポケモン奪われたんだって」
「なんかどこぞのなんとか団みたいだよねぇ」
「そうそう、奪われたポケモンって……」
「『耳にハートの斑があるエモンガ』と『右前足の蹄が少しかけたシママ』なんだと」
じわり、じわり、汗が吹き出す。
バカな、そんな、『わかるはずがない』
「んん?えーとライカちゃんとシュンライくん…なんかお化粧でもしてるのかい」
滑らかな動作で立ち上がりすやすやと寝息をたてる二匹に近づく。
懐からハンカチを取りだしするリと雷花の耳をなで、疾雷の蹄に手をあてる。
あくまで自然に、違和感の全くない自然な動き。
ポロリと、さらりと、落ちた。
「へぇー、この二体は『被害にあったポケモンと同じ特徴持っている』んだねぇ」
すらすらと、抑揚のない音の振動を感じる。
その瞳には怒りも悲しみも疑惑もやどっていない。
ただただ『ソレ』を、情報を頭にいれているだけの声。
「……説明、できる?」
顔は確かに笑っている、笑みを宿している。
それでも目は色を変えない。
「っ騎士(ナイト)!」
こっそり潜ませておいたアブソルを呼んでけしかける。
大丈夫、私の騎士はあの女のポケモンには負けない。
あの役立たずの新入りとは違う。
だからできる、あの女を始末できる。
「…きゅるるっ!」
「アイス!」
飛び出してきた、何か。
ソフトクリームが二つ繋がったような見た目のポケモン。
ニックネームらしきものを呼ぶあたりあの女のポケモンなのだろう。
それは騎士と女の間に入り込んだ。
直後、バイバニラの声と女の声が響く。
よく見ると手にはビデオカメラを持ってい……え?
「アイス!アイスっ!!」
「きゅ、るる」
ガシャとカメラが落ちてプラズマが散り、使い物にならなくなる。
ガガ、ザザザ、などと聞こえるから間違いないだろう。
カメラが気になるが関係ない、あの女のポケモンをわたし達は倒した。
「ふふふ……なぁんだ、バレてたのか?」
「抜け目のない女…貴女も『悪』なのね」
バイバニラに呼び掛け心配という感情を露にするあたり、根っこは弱いのだろう。
ああ、ようやくわたし達が『主人公』として君臨できる。
今自分は最高の笑顔だろう。
それぐらい自分の感情が高ぶっているのがわかる。
ゆっくりと口をひらき騎士に指示を出そうとした、瞬間。
「おいっすアイス乙ー、こんどナギに頼んでドラグーンに炎のパンチもらおうなー」
「きゅるッ!」
「……………え」
倒れたハズのバイバニラは平然と笑っており、女はそんなバイバニラに笑いかけている。
傷、というよりも土によって色の変わった部分のある体を優しくなでてにこやかに。
「あー、証拠提供ありがとうございましたァ!」
にんまりと、壊れたビデオカメラからテープを取りだし口角をあげる。
決して、負の感情はない。
「ちょーど今日話聞いてさぁ、まさかとは思ったんだけど…当たってよかったよホント。
違ったら私訴えられても文句言えないからねぇ」
ま、尻尾出さなかったら出さなかったで放置したんだケド。
けらけらと、何も変わらない声色で告げる。
初めわたし達とあった時と、さっきまでの会話の時とも何も変わらない雰囲気。
いや、違うこともある。ただ気づきたくないだけで。
「捕まえるにしても証拠ってやっぱいるからさァ、『ハズレ』じゃないにしても必要なもんは手に入れとかないとネ」
「あんた、いったい………」
「…その目、何」
「んぁ、目ェ?」
目が違う。
光とかそんな比喩的なものじゃあない。
『色が違う』
完全に色が変わっているのだ。
グレーの暗い気だるげな色が、ギラギラと輝く『血のような赤』になっている。
「うーむマジか、『久々』だな
その反応を見るに赤くなってんのかな」
「久々って」
「あぁ、質問は受け付けないよ」
直後、わたし達の前にいた騎士が消えた。
後ろから轟音が聞こえる。
「ナイス、きれいな冷ビだ」
「きゅぅる」
女の隣にいたバイバニラから冷気が漂う。
なんで、何が。
「質問は受け付けない、何も答えない、答える必要がない」
歩みをゆっくりと進める女。
やはりその顔には笑みが浮かんでいて
「まぁなんとなく『話して』はあげるよ」
「何故『人殺し』を庇うのか?今一番君らが疑問であろうことについて話してやる」
今はソレよりも気になることがあるが、女の言葉はゆるりと鼓膜を通る。
「『人殺し』であることは『どうでもいい』」
「『人殺しである』、だから自分にも被害が及ぶ?おいおいなんて被害妄想だよ『人殺し』にも『殺す』理由があるんだぜ」
「まぁたまに『誰でもいいから殺したかった』ってあるけど『あの人』は違う」
「ディアボロが行っているのは『殺し』ではなく『抹殺』」
「あくまで自分に害になり得るものを『消してる』『だけ』」
「『殺し』とはちょっと違うと思うんだよねぇ」
「いや、『殺し』だけどなんつーかなぁ」
「『線』さえ越えなければ安心安全信用してもらえればむしろ得策!」
「そうやって関わってんの、いざとなればうちの子いるし」
「第一今あの人は『レクイエム』執行中」
「なんかしなくても死亡フラグ建つんだから変な動きはできない」
「そしてそこに現れたら人間によって助けられる」
「不思議と『そいつ』といると死なない」
「そんな状況になったらどうなると思う?」
「………『安心』するのさ」
「『こいつなら大丈夫、こいつなら心配ない』
そんな信頼を得られる」
「なんてったって心が弱ってんだからね、いうなれば『希望』として現れるワケ」
「ま、賭けでもあったけど成功したからモーマンタイモーマンタイ」
「それにディアボロは私の参加してるゲームの鍵を握ってそうだからさ」
「んなわけで、別にあの人がヒトゴロシだろーと家においてるの
Do you understand?」
「っそんなのは、」
「あ、答えは聞いてないってやつだから」
口を挟んだカストルのくぐもった声が聞こえる。
いつの間にか女はわたし達との距離を詰めていた、その手には鉄の棒のようなもの。
それがカストルの体を『貫いていた』
「え……?あ…」
「君にも逃げられると困るから、ごめんね」
わたしが最後に見たのは赤い瞳をギラつかせ、『おもしろい』といった顔で鉄の棒をふりおろす女の姿だった。
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顔を痛みに歪め白目を剥き泡を吹く二人の参加者。
それにはあまり目を向けずに振り替える
そして
「……………『ゾロアーク』さん、『何した』の?」
「……グルル」
そっと草むらから出てきたのは右目が傷ついたゾロアーク。
居るのはなんとなくわかった。
誰だって「いざ尋常にお縄につけェいッ!」とかふざけながら御用だ御用だいったら相手が白目剥いてぶっ倒れるとか不振がるだろう、誰だってそーする俺だってそーする。
「いったいどんな幻影見せたんスか?失神してるんですが」
「ガゥ」
いやまぁ何言ってるのかとかわからないんだけどさ。
聞きたいじゃん?自然と聞いちゃうじゃん??
言語理解出来たらなーとかはこういう時思うわ、ああでもBWでフラグ建ちそうだなぁこの世界アニメ軸だけどNアニメもいるからなぁ。
「お子さんが襲われてて頭にきたんでしょーが落ち着きましょ?ね?」
「……グゥ」
実はこのゾロアーク、あの色ゾロア君のパピー(父親)なのだ。
この親子とは2年程の付き合いだ、私が本格的に家にあの住み始めて数週間で会った。
ちなみにかなり衝撃的な出会いである、少なくとも会わせてくれたキューピッドが密猟者とか笑えない。
「今ゾロア君うちに居ますから来て下さい、何はともあれ手伝ってくれたわけだし」
「ガゥッ!」
ゾロアークさんの好きなポフィンありますよー。
そう言いながら鬣を撫でれば嬉しそうに甘えてくるゾロアークさん。
信じられるか?この人一児の父親なんだぜ…?
……あぁ、ママさんについてはわからない。
『らしきポケモン』も見たことがない。
まぁ言及しないのが最善だ、なんてったって信用してもらっていても彼らは野生のポケモンなのだから。
「あーでも…『これ』どしよ」
家に向かうにも参加者二人をほっとくわけにはいかない。
逃げられても困る。
「……ナギに連絡しよ」
あとは二人を縄で縛って証拠テープと被害ポケモン置いときゃいいだろ、この水場にはあの人も何度かきてるし。
ホウレンソウだよホウレンソウ。
「あ、もっしぃナギ」
『……な、に』
「何徹だよいい加減ねろよ生真面目」
『まだ、三徹だよ……レポート、明日まで……カミナの分も…だし』
「元凶は私ですごめんなさい」
マジごめん、ホントごめん。
でも私期限守れないからさ、基本レポート=フィールドワークの報告書だからいいけど研究成果とかワケワカメだから。
普通分担してやるのを一人でやらせてごめん、でもやんない。
「例の誘拐犯捕まえたからさ、三徹のとこ悪いんだけど回収してくれない?」
『ん…場所は?』
「迷いの森の崖下の水場、前案内したとこ」
『りょーかぁい』
「縛って置いとくからよろ」
通話をきってスマホをしまう、ホログラムのあれはくっそ高いからあきらめた、値段って重要なんだぜ?
「じゃあいきましょか」
「ガゥ」
ゾロアークさんをつれポケモン達をしまい歩きだす。
ポケモンを出さずとも大丈夫だろう、ほとんど迷いの森のポケモン達知り合いなもんだし。
あぁところであいつら本当にどんな幻影見たんだ?
ゾロアークさんうまいから『現実との境目すらわからないぐらいの幻影』だろうなぁ。
まぁテープあるわけだし、ゾロアークさんのこと話せば『幻影』の一言で片付くから大丈夫だろ。私は訴えられない、うん。
実際暴力は奮ってないし、脅そうかなーとかはおもったけど。
「………どこまで『現実』見てたのかなー」
片手でクルクルと『銀色』の改造済み防犯棒を回しながら私は考えたのであった。
ナギというのはオリキャラです、前チラッと出てきた『先輩』の名前です。
職場の先輩でもあり参加者としても様々な助言をしてくれる生真面目な研究者。
次回ディアボロと『ゲーム』について、自分達の立場について話します。
次回こそキチンと中身を積めたい、次回こそ。