一色いろはと家庭教師 作:煌弥
くぅ、疲れました!!
更新お疲れさまですっ(いろはすボイス)
これを頭の中で再生すれば頑張れるw
ちなみにこの話の前半は、9時に投稿したやつとまったく同じなので、すでに読んだ方は半分くらい飛ばしてくださいm(__)m
9時に投稿したやつはあとで消します。
「先輩!! いらっしゃい!!」
「...おう」
先輩はこうやって笑顔で出迎えると、少しだけ顔を反らしてぶっきらぼうに返事をする。
そういう反応がとてもかわいらしく思える。
「...ん? なんかいい匂いするな? もう夕飯作ってるのか?」
むっ、鋭い...
しかしここで知られる訳にはいかない。
先輩には私が作ったと知られるよりも先にドリアを食べてもらいたいのだ。
ここは適当に誤魔化して.....
「あ、それはいろはちゃんg「先輩早く部屋に行きましょう!!!」...ったの!!」
あ、危なかった.....
お母さんの言葉を遮ったことに不審な表情を浮かべている先輩の背中を押して二階に上がらせる。
「お母さん!! 折角秘密にしようとしてるんだから言わないでよ!!」ヒソヒソ
「ご、ごめん...。いろはが頑張ってるのを見てたらつい言いたくなっちゃって...」ヒソヒソ
お母さんは親にしかられた子供のように、とてもしょんぼりとしていた。
その表情を見ると、とても今年でよn「いろは...?」...そのしょんぼりとした表情は年相応若々しかったです。
※ ※ ※
授業を始めて一時間半が経過した頃、
「先輩!! 問題解き終わりました!!」
「よし、見せてみろ。」
私はルーズリーフに書いた答案を先輩に渡す。
先輩はそれと答えを見比べながら丸付けをしている。
....先輩が真剣に物事に取り組んでる時の横顔かっこいいなぁ......
いつもは少しだるそうにしている目もほんの少し見開かれていて、普段よりも一段階も二段階も男前に見える。
丸を付けるときにしなやかに動く手先、答案の間違いを見つけてそこをどうやって私に解説しようかを考えている時に口元に持っていく指、そういう一つ一つの仕草でドキドキしてしまう。
葉山先輩のときはこんなことなかったんだけどな...。
「...sき? おーい、一色大丈夫か?」
「うぇ!?」
「うぉびっくりした...。急に大きい声出すなよ。」
いつの間にか答案の確認を終えた先輩が、こっちを見ていた。
ぼーっとしてた私を心配したのか、いつもより距離がちk....
「だだ、大丈夫です!! な、何でもありません!!」
「いや、なんか顔赤いし...熱とかあるんじゃないか?」
そういって先輩は私の額に手を当てた。
「あ....」
「....熱はなさそうだな。...って一色?」
...これって頭撫でられてるようなものだよね。
そう意識してしまった私は恥ずかしくて顔を伏せてしまった。
耳まで赤くなっているのがわかる。
そこでようやく先輩も状況に気がつき、
「あ、いや...すまん....」
「い、いえ....」
この状況は前の授業のときと似ている。
確かそのときは、このあとお母さんが....
「っ!?」バッ
「うぉ!?」
振り返ってドアを確認する。
....よし、開いてない。
「あー、本当に悪かったな...。急に額に手を当てて...。」
「え?」
先輩がとても申し訳なさそうにしている。
な、なんで....ってあ、
「ち、違います!! さっきのは嫌だから振り払ったとかじゃなくて、いつもだったらここら辺でお母さんが覗いてるからそれを警戒しただけです!! 本当に、嫌なんかじゃなくてむしろ...ってなんでもありません!!!」
「お、おう、そうか...。嫌じゃないならいいんだ...。熱もないみたいだし残り時間もちょうどいいからテストでもやるか。」
ひ、引かれた...ってテスト?
「やります!!」
「だからなんでそんなにテスト好きなんだよ...。まぁいいか。じゃあ前回と同じ形式でやるぞ。」
「了解です!!」
私がこんなにやる気なのは、当然テスト後のご褒美のためだ。
今回は昨日の夜からずっとご褒美を考え、そして満足のいく案が浮かんだのだ。
もちろん、ご褒美をもらうためにはいい点をとらなければならないのだが、
「...お前すごいな」
「えっへん!!」
まあ当然満点だ。
何回も言うけど、ご褒美のために英単語帳に乗っている英文から説明文までを暗記してるからね!!
「じゃあ先輩、満点なのでご褒美をください!!」
「ご褒美っていわれてもな....特に何もあげるものなんて持ってきてねぇよ。」
「まあ先輩ですから、どうせそんなことだろうと思っていましたけど。」
「...言い方酷くね?」
「...こほん、そこで先輩には一つお願いを聞いてもらいます!!」
そのお願いこそ、昨日の夜からずっと考えてきたものだ。
そしてその内容とは...
「今度先輩の家で授業してください!!」
「....は?」
家庭教師は、名前が「家庭」教師 なので生徒の家でのみ授業をするというイメージがあるが、実はそんな決まりはない。
先生の都合が合えば、そこら辺のファミレスやカフェなどで授業をすることもできるらしい。
「いいですよね?」
「いや、でもな...」
「あーあ、せっかく頑張ったのになー。先輩がだす意地悪な問題もちゃんと正解したのになー。」
「ぐっ....さすがに親御さんが許可しないだろ。年頃の娘と男を二人きりにするなんて...。」
「え!? 先輩、私に何する気ですか!?」
「おいやめろ、そんな獣を見るような目付きでこっちを見るな。そんなことするつもりは無いが親御さんは心配するだろ。」
....心配、するだろうか...?
お父さんに言ったら反対されるだろうけど言うつもりはないし、
お母さんならむしろ喜んで、帰ってきたら赤飯がたかれているなんてことがありそうだ。
「じゃあ許可とれればいいんですね!!」
「....まぁそうだな」
※ ※ ※
「なんだと....」
「じゃあ決まりですねー♪」
授業が終わり、リビングにおりてお母さんにさっきの話をしたところ、
「!! ぜひお願いします!! なんなら保健t...痛い痛い痛い、いろはちゃんつねらないで!!」
とまあこんな感じですぐに許可をもらえたのだった。
後半、変なことを言おうとしたときは全力で阻止したけど。
先輩の家に行く予定は後で考えるとして、今は...
「先輩!! 夕飯にしましょう!!」
「あぁ。皿運ぶのでも手伝うぞ。」
「いえいえ、先輩はお客さんですから座って待っていてください!!」
「いや、さすがにこれからも夕飯をいただくのに座って待つとか申し訳ないから落ち着かねぇんだよ。」
....確かに気持ちはわかるんですけど...まだドリアの仕上げが残っているから、なるべく先輩をキッチンに入れたくない。
ここは......
「お母さーん!! 先輩がお母さんと話がしたいんだって!!」
「え、ちょ」
「ほんと!! 比企谷君からお話しに誘ってくれるなんて嬉しいな♪」
お母さんは、私が先輩の足止めをしてほしいことを理解しているようでとてもノリノリだ。
いや、あれは素なのか...?
まあどっちでもいいや、ここはお母さんに任せて私はドリアの仕上げをしよう。
キッチンに到着した私は、手早くドリアの仕上げをし、オーブンの中にいれた。
そしてサラダを盛り付けて、食事に必要なものをリビングに運んでいく。
リビングではとっても楽しそうなお母さんと、とっても疲れた顔をしている先輩が会話していた。
必要なものを全て運びきったと同時にドリアが焼き上がり、それをリビングに運んで準備完了だ。
「準備できましたー!!」
「あぁ、悪いな....」
な、なんかげっそりしてる。
コミュ障の先輩にお母さんの相手は荷が重かったかな?
だけどドリアを見た瞬間、
「ドリアですか。俺、ファミレスとかでよく食べるんですけど大好物なんですよね。」
元気がもどった。
そっか、ドリアが大好物だったのか.....よかった!!
敬語なのは、ドリアを作ったのがお母さんだと思っているからだろう。
実は私が作ったって知ったらどんな反応するかな....
なんか緊張してきた......
「ふふ、美味しくできてると思うから楽しみにしてね。それじゃあいただきます!!」
「「いただきます(まーす)」」
緊張でさりげなくお母さんがハードルをあげたことに気がつけなかった。
あぁ、先輩が真っ先にドリアに手をつけようとしてる....
ホワイトソースの中にスプーンを沈め、その下にあるご飯と一緒に掬い上げてゆっくりと口に....
「.....そんなに見られると食べにくいんだが...。」
「っ!? み、見てませんよ!? 自意識過剰なんじゃないですか!?」
「いや、見てただろ...まあいいけど。」
あんまり露骨に見すぎるとそりゃバレるよね...。
お母さんは先輩の前だからか、いつもだったら絶対に笑うのに何事もないように振るまっている。
肩がぷるぷるしてるけど。
私は今度こそばれないように、横目で先を見た。
先輩は猫舌なのか、スプーンで掬い上げた同時にふーふーしている。
そしてついに....
「お、これとっても美味しいです!!」
「本当ですか!?」
「うぉ!? いきなりどうした。」
「ブハッ」
嬉しさのあまり先輩が美味しいと言った瞬間に反応してしまった。
そしてお母さんがとうとう堪えきれなくて吹き出していた。
先輩の素の反応も見れたしそろそろネタばらししてもいいかな?
「実は...今日の夕飯は全部私が作りましたー!!」
「は?....え、全部って...このドリアもか?」
「はい!!」
「まじかよ.....」
先輩はそれっきり黙ってしまった。
え、どうしたんだろう......
なにか言ってくれないと、とても不安になる....。
「...あの、もしかしてお口にあいませんでしたか?」
「え? あぁ、いやそうじゃなくてだな...。なんというか、うますぎてびっくりしたんだよ。お前料理めちゃくちゃ上手いのな。...って一色?」
.....私は絶対にニヤニヤしている。
こ、こんな顔先輩に見せられないけどニヤニヤがおさまらないよ...
「ふふ、いろはが比企谷君のためにとっても張り切って作ってたから味わって食べてあげてね!!」
「お母さん!! 余計なことは言わないで!!」
「はいはい」ニコニコ
もう、お母さんはいつも一言多いんだから....
「こんだけ料理出来るならそれこそ彼氏なんていつでも作れるだろうな。その彼氏はこんなに旨い料理をいつも食べられるのか....羨ましいな。」
「「.....」」
先輩、それ狙ってます?
狙ってますよね?
じゃないとおかしいですよね?
いや、狙ってないのはわかってるんだよ?
わかってるんだけどおかしいでしょ!?
お母さんも( ; ゜Д゜)って顔しちゃってるよ!?
本当に、先輩は時々私以上にあざといんじゃないかと思うときがある。
※ ※ ※
「ごちそーさん。うまかったぞ。」
「....お、お粗末様でした。」
うん、改めて面と向かって言われるとまたニヤニヤし始めちゃう。
先輩に見えないように顔を伏せないと。
「今日もいろはの勉強見てくれてありがとね。またよろしくお願いします。」
「いえいえ、いろはさんは自分の想像以上によくやってくれていて教えがいがありますよ。」
先輩に「いろはさん」って言われるととても恥ずかしい.....
「では、今日はここで失礼します。お邪魔しました。」
「気を付けてね」
「さ、さようなら...」
私は未だにニヤニヤがおさまらずに、下を見ながら先輩に挨拶をしたのだった。
八幡が敬語で作ってもらった料理の感想を言うのって想像しにくくないですか?
今回はその台詞を考えるのが一番苦労しましたw
ある方に、この話とは別の世界線(R18)でいろはすとママはすの親子丼を見たいとの意見をいただいたのですが、他の方も見たいですかね?
あんまり自信ないですけど見たい方が多ければ、今すぐは無理にしてもいつか書く...かも?
次回は24日の21時に更新予定です