一色いろはと家庭教師   作:煌弥

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お待たせしました!!


感想で、章が別れているから更新したのが分かりにくい、という意見をいただきました。
解決策として、最新話の横に「New」とつけることにしました。
これは、某R18小説の作品のやり方を真似させてもらったのですが、作者の方から直接許可をもらいました(´∀`)
とてもいい方でしたヽ(・∀・)ノ


昨日確認したところ、UAが10万を突破してました!!
とっても嬉しいです!!
この作品を読んでくださってありがとうございます!!
今後もよろしくお願いしますm(__)m




13

「うぅん.....あれ? ここは....?」

 

目を覚ましたら見慣れない天井があった。

え、どういうこと?

ベッドから上体を起こして寝起きで働かない頭を使って状況を整理する。

えっと、寝る前は何をしてたんだっけ?

たしか先輩の家に.....ん?

あー、授業のあとそのまま寝ちゃったのかぁ

あれ?

でも確か眠ったときはベッドの上にいなかったはず....

 

「.......っ!!」

 

え!?

そ、そういうこと!?

先輩が私を.....

その事を想像した瞬間、一気に眠気が飛んでいった。

 

そういえば先輩はどこに.....

周りを見渡しても見当たらない。

すると、キッチンの方から何か食材を切るような音が聞こえた。

 

先輩、ちゃんと料理してくれてるんだ!!

私も手伝おっと!!

 

そう思ってベッドから片足を出したところで、私は動きを止めた。

 

私は今、先輩のベッドの上にいる。

布団にくるまると、先輩の匂いに包まれてとても幸せになれる。

そして、先輩は私が起きたのに気がついていない。

....こんな機会なかなかないんじゃないか?

 

そこまで考えて、私は素早くベッドの中に戻った。

 

ベッドを軽く叩くと、先輩の匂いがさらに広がる。

こ、これは...!!

 

「.......先輩」

 

やばい、これは本当にやばい。

何がやばいかというと、ここにいると先輩への愛しさが止まらずに溢れてきて色々とやばい。

 

 

 

それからたっぷりと先輩のベッドを堪能した。

先輩は何度か様子を確認しに来たけど、私がまだベッドの上にいることを確認すると、すぐにキッチンへ戻っていった。

......先輩、私に興味がないのかな?

いや、だって普通は女の子が無防備に寝てたら何もやらないにしても、もう少し反応するものじゃないの?

え、普通は無関心なもんなの?

違うよね?

何かもやもやしてきた.....

 

ベッドを強めに叩いて少しだけ多く匂いをだす。

それを嗅いだだけで幸せな気持ちになれてしまう私って、ひょっとしたらちょろいんじゃないか?

 

「ん?」

 

ベッドのふちに手を持っていったときに何かに触れた。

それ手に取ろうとするが、壁とベッドの間に挟まっていてなかなかとれない。

それでも何とか引っ張り出した。

 

「........香水?」

 

先輩が香水をつけるとは思えない。

それに、この香水は.....

 

 

 

 

「......女物の香水」

 

すっと心のなかが冷えていくような、熱くなるような不思議な気持ちが心の中をかけめぐる。

この香水はベッドと壁の隙間にあった。

普通にしているだけだったら、そんなところにあるはずがない。

それはつまり、この香水の持ち主が先輩の布団を使ったということで....

 

「......ぇ」

 

私は香水を見ながら固まっていた。

思考がどんどんネガティブになっていく。

胸が締め付けられるように痛い。

自分の鼓動の音がやけにはっきりと聞こえる。

 

「......あれ?」

 

気がつくと、涙がこぼれていた。

 

「あれ...ちがっ、ひっく....なんで.....ひっ、うぅ.....」

 

考えたくないのに、先輩が他の女の子と一緒にいる姿を想像してしまう。

楽しそうにデートをする先輩、面倒くさそうにしながらも女の子の我儘に付き合ってあげる先輩、恥ずかしそうに手を繋ぐ先輩....でもその隣にいるのは私じゃない。

 

私はそれからしばらく泣き続けた。

 

 

※ ※ ※

 

 

しばらくないたことで、少し落ち着いてきた。

ちょっと前からキッチンの方からカレーの匂いが漂ってくる。

......そろそろ起きなきゃ。

 

私はゆっくりとベッドから立ち上がった。

あんまり先輩に今の顔を見られたくないな....

 

そう思った私は、その場から先輩に声をかける。

 

「せんぱーい、洗面所をかりてもいいですかー?」

 

声が少し震えていたかもしれない。

 

「うぉ!? 急に声をかけんなよびびったじゃねぇか....。洗面所なら勝手に使っていいぞ。タオルは横にあるから、使ったら洗濯機に入れてといてくれ。」

 

「はーい。」

 

洗面所はキッチンの向かいにある。

私は先輩に顔を見られないように、足早に先輩の後ろを通って洗面所に入った。

 

それにしてもあんなに泣くとは思ってなかったなぁ....

私って独占欲強いのかな?

 

蛇口を捻って冷たい水で顔を洗う。

何度も何度も冷たい水を顔にかける。

「....ふぅ」

 

かなりすっきりとした。

泣きはらした顔も大分ましになったし、気持ちがシャキッとした。

 

....とりあえず、一旦香水のことは忘れよう。

今はせっかくの先輩の手料理を楽しまないと!!

 

「....よし!!」

 

私はポケットに香水をいれて、鏡の前で気合いを入れてから洗面所を出た。

 

カレーはもう完成したみたいで、先輩はキッチンにはいなかった。

部屋にいくと、テーブルにコーヒーの入ったカップが二つ置いてあり、先輩は座布団に座ってちびちびとコーヒーを飲んでいた。

 

「おー、先輩気が利きますね!!」

 

「そりゃどうも。 ....というかお前、男の家で寝るとかどんな神経してんの? 襲われても知らねぇぞ。」

 

「え!? 先輩私を襲おうとしてたんですか!?」

 

「ばっか違げぇ...おいやめろ、その手に持っている携帯をしまいなさい。」

 

「冗談ですよー。」

 

「まったく...」

 

先輩はため息をつくと、コーヒーを口に含んだ。

私も先輩の向かいに座ってコーヒーを飲む。

 

 

 

 

「.....なあ、お前何か『サガシニユクンダー』....誰だよこんな時に」

 

先輩が何か言おうとしたところで、先輩の携帯が鳴った。

 

「電話出てきてもらって大丈夫ですよ。」

 

「あー、悪いな」

 

先輩は携帯をもってキッチンの方へ歩いていった。

先輩が見えなくなったところで、私は大きく息を吐いた。

 

『...う......した』

 

何とかいつも通りに振る舞えたかな?

 

『わ.....もの?......を....ん.....』

 

先輩もいつも通りだったし、多分大丈夫だったはず。

 

『....香水?』

 

..........え?

今香水って言ってた?

私はポケットの中にある香水に触れる。

もしかして、先輩が電話をしてる人って香水の持ち主さん?

 

私はふと、先輩が初めて家に来たときのことを思い出した。

先輩はそのとき、彼女はいないといっていた。

嘘はついていなさそうだったし、それは本当のことだと思う。

そして、奥手の先輩にこの短期間で彼女ができるとは考えにくい。

つまり、香水の持ち主さんは彼女ではないんじゃ....

 

時間が経ったからか、とても冷静に考えられる。

香水を見つけたときは気が動転してここまで頭がまわらなかった。

 

もし、香水の持ち主さんが彼女だったら私がいまからやろうとしていることはよくないことだ。

でも、彼女じゃないんだったら牽制をしておかなくてはいけない。

 

私はキッチンに向かうと、電話の相手に聞こえるようにわざと大きめの声で先輩に話しかけた。

 

「せんぱーい!! コーヒーにお砂糖を足したいんですけどどこにありますかー?」

 

電話の相手は突然聞こえてきた私の声に驚いたことだろう。

ここからは女の戦いだ!!

そして、その戦いは今先輩と一緒にいる私の方が有利!!

 

「砂糖? それならそこに.....え? あぁ、今一色が家に来てんだよ。」

 

相手は私のことを知っている!?

それならかなり絞れてくるけど.....

 

「どんな関係って....いや.....」

 

ここだ!!

 

「先輩と私はもうただの先輩と後輩の関係じゃないですよねー!!」

 

嘘は言っていない。

今は教師と生徒の関係でもある。

 

「おい、勘違いをさせるようなこと...いや、だから違う....っておい? ....切りやがった」

 

勝った!!

 

「まじかよ...後で説明すんの面倒くせぇ....」

 

む、先輩は香水の持ち主さんの誤解をとこうとしている。

やっぱり先輩の大切な人なのかな......

いや、気持ちで負けちゃだめだ!!

 

「小町めちゃくちゃはしゃいでたからなぁ....」

 

「大丈夫です、先輩には私が....へ? 小町ちゃん?」

 

「あいつ、俺のこういう話に目がないからな.....あぁそうだ、小町が昨日遊びに来たときに香水を忘れていったらしいんだが、見かけなかったか?」

 

「........これですか?」

 

「おぉ、それだ。探す手間が省けたわ。ありがとな。」

 

「..............いえ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

恥ずかしいよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおお!!!!

私、何一人で勘違いして一人で悩んで一人で暴走してんの!?

 

ここからは女の戦いだ(キリッ

 

相手は小町ちゃんなのに女の戦いって......

顔が熱い.......

でも.....

 

 

 

「....よかった」

 

「ん? 何か言ったか?」

 

「いえいえ!! 何も言ってませんよ?」

 

「...お前急に元気になってないか?」

 

「気のせいですよ!!」

 

「いや、でも.....まあいいか。夕飯できてるが、どうする?」

 

「うーん、起きたばかりですし、もう少し後でもいいですか?」

 

「はいよ」

 

それから私と先輩は夕飯まで一緒にテレビを見たりお話をしたりして時間を潰したのだった。

 

 




嫉妬するいろはすを書こうとしたらすごいことに....

この話の八幡視点めちゃくちゃ書きたいですw
いろはからは見えない八幡のことがどんどん頭にうかんでくるんですw


作品を作るにあたって、自分は恥ずかしかったので知り合いには一切教えてなかったんですけど、いろいろあって知り合い (しかも年下の女の子) がこの作品を読むことになりました。
何この羞恥プレイ?
恥ずかしさで死にそうなんですけど?


次回の更新の目標は10月8日ですが、テストが近いので現実を見ると10月12日ぐらいになりそうです....
テストが終わったら更新ペースを戻します!!



~同人サークルの宣伝&募集~

メンバーの募集は打ち切らせてもらいましたm(__)m

「やはり俺と彼女は青春を間違い続ける。」の作者の冬奈水沙さんに同人サークルに誘われて、参加することになりました!!

メンバーは
「後輩の俺と先輩の私」の作者の大和天さん
「死神のIS」の作者の亜月さん
を含む12人です!!

目標としては、皆で楽しく仲良く活動しながらノベルゲーム等を作成し、数年後にコミケ出展を目指すといった感じです(´∀`)

応援よろしくお願いします!!


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