一色いろはと家庭教師 作:煌弥
リアルの方が落ち着いたんで投稿を再開します!!
「ただいm 「お帰り!!!」....何どうしたの?」
先輩の家から帰ってきて玄関を開けると、顔をキラキラとさせたお母さんがリビングから陸上選手も驚きの速さで駆けつけてきた。
「ねぇどうだった!! どうだったの!!! ねぇねぇねぇ!!!」
ピョンピョンと跳ねながら先輩の家でのことを聞いてくる姿は、まるでお父さんにプレゼントをねだる幼い少女のようだ。
その歳でそういうのをやるのは見苦しいかと思ったけど、お母さんがやるとどこも違和感がない。
むしろ似合っているのだから驚きを通り越してもはや呆れてしまう。
「えっと、特に何もなk 「どこまでいったの!!」...話聞いてる!? というかどこまでって何が!?」
「まったくもう、いろはちゃんも分かってるくせに~。どこまでっていうのはね...」
「うわぁぁぁぁぁぁ言わなくていい分かってるから!! そしてそういうのは何もないから!!」
「えー、つまんなーい。でも何もなかったなんてことはないよね?」
そう言いながらお母さんは好奇心たっぷりの顔を近付けてくる。
「いや、まあ.....何もなかったなんてことは.......ないかなぁ?」
何で私ってこういうことを素直に言っちゃうんだろう...
お母さん、そして遥と綾音には何故か話してしまう。
というか言わなくてもバレる。
「おぉ!! おぉ!!!」
お母さんはテンションがどんどん上がってまたピョンピョンしだした。
家用のラフでひらひらとした服を着ているからおへそがチラチラと見える。
.....何でこんなに綺麗なお腹なの?
だ、大丈夫だよね?
負けてないよね?
.....明日から甘いものを控えよう。
自分のお腹を触りながら真剣に悩んでいると、リビングの方から声がした。
「楓? 急に飛び出してどうしたんだ? あぁいろは、お帰り。」
声がした方を向くと、お父さんがリビングから顔を出してこちらを見ていた。
「ただいまー!!」
私が笑顔でそう言うと途端にデレッとした顔になる。
うん、扱いやすくて助かる。
「蓮司さん、今いいところだからあっちいっててもらえるかしら?」
「え?」
冷たっ!?
冷た過ぎるよお母さん!?
せめてお父さんの方を見て言ってあげて...
お父さん凄く困惑してるじゃん.....
「いや、でも...」
「あっちいっててもらえるかしら?」
「...はい」
あぁ、お父さんが悲しそうな顔をしながらリビングに戻っちゃった....
というか私まだ靴も脱いでないや。
「さて、じゃあ何があったか詳しく教えてもらおうかなっ!!」
「え、えーっと、その前にお風呂で汗を流してきてもいいかな?」
「だめです」
「え!?」
「冗談よ。○○してもいいかって聞かれると無性にだめって言いたくならない?」
「ならないから....」
もう何回目になるかわからないけど、子供かこの人は....
「うーん、でもこの話は蓮司さんがいないところでしたいのよね.........一緒にお風呂入る?」
「はいりません!!」
※ ※ ※
お風呂は最高だ。
一日の疲れが全て吹き飛んでいく。
何時間も勉強をしたあとに入るお風呂なんて気持ちよすぎてそのまま寝てしまいそうになるくらいだ。
でも、今日のお風呂はリラックスできそうにない。
「いやー、いろはもこんなに大きくなっちゃって!!」
「ちょっ、撫でないで!! 子供じゃないんだから....」
どうしてこうなったんだろう.....
あの後お風呂に入る準備をして脱衣場にはいったらお母さんがスタンバイしていた。
最初は断ったんだけど、駄々をコネだしたからもう諦めた。
駄々をコネる大人ってどうなの.....
しかも全く違和感なかったし.....
「ふーん、私には撫でられたくないのかー。比企谷君に撫でられてた時はすっごく幸せそうにしてたのにねー」ニヤニヤ
「なっ!?」
そ、そうだった!?
この人には前に先輩に撫でてもらってるところを見られてたんだった!?
「いや、えっと、あれはその.....」
「ふふっ、どうせ今日も撫でてもらったんでしょ?」
「うぇえ!?!?」
「.....ここまで分かりやすいとなんか心配になってくるわね」
「....ブクブク」
私は恥ずかしくなって顔を半分湯船に沈めた。
「あぁ、もう!! こんなに可愛く育っちゃって!!」
そう言うとまた私の頭を撫でてくる。
「.....ブクブク (やめて)」
「いろはが今日のこと話してくれるまでやめませんー」
....うぅ
それから今日あったことを全てお母さんに話した。
いくつか隠そうとしたこともあったけど、全てお母さんに聞き出されてしまった。
そしてお母さんはというと.....
「........ぷっ、あははははははは」
大爆笑している。
私はもう恥ずかしくて目ギリギリまで湯船に沈んでいる。
「勘違いで比企谷君の妹に勝負を挑むって...ふふふ、何やってんだか!!」
「それはもう言わないで.....自分でも恥ずかしいんだから......」
あぁ、思い出せば出すほどあのときの自分が恥ずかしい.....
「でも、比企谷君がいろはの行動に対して説教をしてくれたのは、いろはのことを大切に想ってくれてるからだと思うわよ?」
「.....そうかな? もしそうだとしても、どちらかといえ言えば兄とか父親的な感じの気持ちだと思うけど....」
「最初はそれでもいいのよ。いまから言うことをよく聞いておきなさい。」
お母さんが真剣な表情で私を見つめてくる。
「う、うん」
「最初は兄が妹に抱くような感情でもいいのよ。ましてや、いろはと比企谷君は一つしか歳が離れてないんだからね。今は比企谷との時間を大切にしなさい。どんどん自分をアピールして比企谷君の中でどんな形でもいいから大切な存在になるの。二人でいる時間を大切に思わせることが出来たらベストね。そして、勝負をかけるのは......」
※ ※ ※
お風呂からあがってリビングに行くとお父さんが一人で寂しそうにテレビを見ていた。
完全に一人だけ蚊帳の外だったもんね.....
「お父さんお風呂あいたよー」
「......あぁ」
あー、これは完全に拗ねてますわ。
しょうがないなー
「お父さん、お金くれてありがとっ!! おかげですっごく楽しかったよ!!」
私はお父さんの正面に回り込んで満面の笑顔でそう言うと、
「おぉ、そうかそうか!! 最近いろはは頑張ってるからな!! お父さんはそういう些細なことしかできないが、いろはの為になれたなら嬉しいよ!!」
デレッデレとした顔になった。
うーん、結婚する前はお母さんにいいように扱われてたのが目に見えて分かる.....
いや、今もいいように扱われてるか。
「じゃあ私は部屋に戻って単語を覚えてくるねー」
「あぁ、いってらっしゃい。いろはは本当に偉いなぁ...」
「えへへへ」
お父さんも元気になったことだし、言った通り単語でも覚えようかな?
「おっと、その前に....」
私は携帯を取り出して待受を今日カフェで撮ってもらった先輩と私のツーショット写真に変える。
そこには私に抱きつかれてオロオロと周りを気にしている先輩と、抱きつきながら少し恥ずかしそうに目を伏せている私が写っていた。
......だめだニヤニヤしてくる。
「廊下の真ん中で何やってるのかと思ったけどなるほどなるほど、これがお風呂で言ってた例の写真ですかー」ニヤニヤ
「うわ!? お母さん!?」
お母さんが後ろから私の携帯を覗きこんでいた。
「いやー、青春してるねー」
「もう、からかわないで!!」
「まあまあそうプリプリしなさんなって。ふふっ、今を大切にしなよ?」
「....うん」
お母さんは掴み所がなくて私がいくら怒ってもいつも流されてしまう。
我母ながら不思議な人だなぁ....
「明日学校あるんだしあんまり起きてちゃだめよ。勉強するならほどほどにね。」
「はーい」
「わかってるならよろしい!! じゃあおやすみー」
そう言うとお母さんは寝室に歩いていった。
私は部屋に戻って単語帳を開く。
しかし、先輩の家での出来事や、お風呂でお母さんが言ってたことを思い出してしまって集中ができない。
こういうときはもう何をしても集中できなくて時間がもったいないだけだからまだ早いけど寝ることにしようかな?
電気を消してベッドに入る。
そのときに無意識にベッドを叩いてしまう。
先輩のベッドで一回寝ただけなのに叩く癖がついている私が何だか可笑しくて笑ってしまった。
先輩の匂いが広がってこないことを寂しく感じながら私はゆっくりと目を閉じた。
ママはすきたぁぁぁぁぁぁぁあああああ!!!
ママはすかわいいよママはす(*´∇`*)
というか今回もうほとんどママはすとの会話ですねw
あぁ^~ママはすがぴょんぴょんするんじゃ^~
ついにパパはす登場です!!
パパはすと八幡の初対面の話は何となく考えてあるのですが、まだ細かく作ってないのにニヤニヤしちゃいますw
そして、皆さんにつけてもらったママはす&パパはすの名前も初登場です!!
素敵な名前をありがとうございました(´∀`)
次の投稿は21日か22日です!!
更新ペースを二、三日ペースに戻します!!
ではでは、感想をお待ちしています(^-^ゞ