一色いろはと家庭教師 作:煌弥
いやー、思ったより長かったですね!!
二日目や三日目の八幡視点はどうしようか悩んでいます。
皆さん的には読みたいですかね?
夕飯は肉じゃがだった。
その肉じゃがは、じゃがいもに味がよくしみていてとても美味しかった。
「この肉じゃがめちゃくちゃおいしいです。」
「ふふ、たくさんあるからいっぱい食べてね?」
ママはすは目を細めて肉じゃがを食べる俺を嬉しそうに見ている。
自分の親よりもよっぽど愛情を感じるんですけど?
どうしよう、俺この家の子供になろうかな?
ならないけど。
この人から一色はたくさん愛情を注がれて育てられたんだろうな。
たまにからかわれたりはするものの、お互いがお互いを信頼して愛しているのがわかる。
いや、俺の親が俺のことを愛してくれなかったとかではないよ?
ただ小町が生まれたとたんに、全部そっちにいっちゃっただけで。
すると、楽しそうに俺を見ていたママはすが突然、
「ところで....比企谷君は彼女いるの?」
「ガハッゴホッ!?」
一色がなにやらむせている。
.....彼女か
中学時代の黒歴史がフラッシュバックする。
あのときから、俺はどうもこの手の話が苦手だ。
一時期は人を信じることが出来なくなっていた。
しかし、高校でそんな俺でももう一度信じたいものができた。
最近では周りでそういう話が出る度に、黒歴史の他に三人のことが頭に浮かぶ。
.....あいつらはそんなのじゃない。
俺はその三人のうちの一人である一色を横目でちらりと見る。
一色は水を飲み干して落ち着いたみたいだ。
こいつの事を最初はなんとも思ってなかったんだがな....気がついたらあの奉仕部の中にとけこみ、他の二人と同じぐらいには大切に思っている。
その感情が恋愛なのかと言われたら....違う、と思う...。
もしそうだったら俺は三人にそういう感情を抱いてるってことになるからな。
「あー、そういう人はいないっすね。...生まれてから一度も。」
「そ、そうなんだ...」
あ、やべ、最後の一言でなんか言ってて悲しくなってきた。
ママはすの目もどこか同情的だ。
「まあ先輩ですからねー♪」
「何でお前が嬉しそうなんだよ...。」
「だって、私に彼氏がいないのに先輩に彼女がいたらなんか負けたような気がするじゃないですかー?」
こいつまだ彼氏いなかったのかよ。
こいつならいくらでも男がよってきそうなんだけどな。
....なんかイラついてきた。
俺は一色のお父さんかよ.....
「いや、勝ちも負けもねぇだろ....というかお前まだ彼氏いないのかよ。お前ならいくらでもいいやつよってくるだろ。」
「「.....」」
え、なにこの雰囲気。
俺なんか変なこと言った?
言ってないよね?
「だってー、彼氏とかいてもちょっと前までは生徒会で忙しかったし、今は受験で忙しいじゃないですかー? いても邪魔になると思うんですよねー。」
....え、最近の女子高生の恋愛ってみんなこんな感じなの?
もうちょっとキラキラしたものだと思ってたんだけど違うの?
まあでも言ってることはわかる。
「あー、確かにそうか。」
「そうなのです。彼氏にするなら仕事をたくさん手伝ってくれて、私のことをちゃんと見てくれて、一緒にいると安心して、勉強まで見てくれる人じゃないとダメです。」
なんだよその超人。
そんなやつこの世にいるのかよ。
今までそんなやつ見たことねぇぞ。
「いやいや、そんな奴いないだろ。」
「「は?」」
え?
何その目、そんなじっとりとした目でこっちを見てどうしたの?
え、え?
「ま、まあ、いないですよねー。」
え、何その反応、そんなやついるの?
いないよね?
「じゃ、じゃあ先輩はどんな人を彼女にしたいですか?」
「俺のことを養ってくれる人」
そこは譲れない。
専業主夫万歳。
「デスヨネー」
ママはすがゴミを見る目でこちらを見てるが気にしない。
いや嘘、超ダメージ受けてる。
「じゃあ年下と年上だったらどっちが好みですか?」
「あー、別にどっちでもいいんだか...強いて言うなら年下か?...小町や一色がいるからな。年上は...うん、まぁ、いい思い出が...」
本当に年上にはいい思い出が.....
いやでも城廻先輩がいるな。
ただその癒し以上にマイナス要因がいるからなぁ...
「あ、ならうちのいろはとかどう?」
いやママはすさん?
そんな娘を簡単に男に渡していいんですか?
大体本人の意志がなければ意味な....まて、意志があれば俺はいいのか?
「いやいやいや、それはないって。何ですか先輩、お母さんをまず味方につけて私を落とす作戦ですか? 試みはいいですけどもっと正々堂々ときてください、ごめんなさい。」
「俺まだ何も言ってないよね? 何で今ので振られたんだよ理不尽すぎるだろ....。」
そのあとは俺の大学の話になり、受験生のときにやったことや大学での授業のことを話した。
ずっとニコニコしてたママはすが無表情で一色のことを見てたのが気になったが、触れないでおいた。
※ ※ ※
「じゃあ指定したところを次までにやっておけよ。あと英単語のテストもするからな」
「はーい!!」
「本日はどうもありがとうございました。またよろしくお願いします。」
「いえいえ、こちらこそご馳走さまでした。」
あの肉じゃがは今まで食べた中で一番うまかった。
また食べたいが、さすがに二回も世話になるのは悪い。
「では、二日後にまた来ます。お邪魔しました。」
そう言って一色の家に背を向けて歩きだす。
曲がり角で後ろを確認してみると、一色がまだこっちを見ているのが見えた。
電車に乗りながら、俺は次の授業のことを考えた。
次はどこまでやるか、今日の授業で一色はどういうところが苦手だったかを一つずつ考える。
そして、次の授業が楽しみになっている自分がいることに気がつく。
まさか家庭教師を始めて、楽しくなるとは思っていなかった。
電車をおりて自動販売機でMAXコーヒーを買う。
一口飲むといつもの甘さが口に広がる。
やっぱMAXコーヒーは偉大だな、さすが千葉のソウルドリンク。
MAXコーヒーを片手にいつもより上機嫌で家に向かって歩きだす。
次の授業のテストで意地悪な問題でもだしてやるか。
そう考えるとまた楽しくなってくる。
家庭教師も案外悪くないかもしれない。
終わらせ方が難しかった...w
今の終わらせ方も完全には納得出来てないんですけど、これ以上考えてもなにも出てこなさそうだったので妥協しましたw
八幡視点、いかがでしたでしょうか?
感想をお待ちしています!!!
昨日からTwitterを始めたのですが、さっそくフォローしてくれる方がいて嬉しいです(´∀`)
Twitterでは、今現在どの話を書いているだとか、ボツになったネタをいくつかあげようと思っています!!
次回の投稿は28日の21時です!!
皆さんお待ちかねの本編です(´∀`)