龍「やっとか~」
カロン「奥に向かおうが勝手にするが良い。止めはしない」
昴「何……?どういうことだ?」
カロン「ラグナロクが核を手に入れた時点で我々の勝利は確定した」
龍美「核……?」
ルワード「龍美!!昴さん!!早く来て!!これはやばいわ!!」
龍美「え?!い、今すぐ行くわ!」
昴「………………頼んだぞ」
修也「………………任せろ」
龍美達は奥に向かって走り出す。それをカロンは止めようとはしない
修也「チッ……本当に余裕だな…」
カロン「ラグナロクが核を手に入れた以上、ラグナロクにはどんな攻撃も通じない。我々の勝利は確定だ」
修也「それはどうかな?」
カロン「何?」
修也「今ここにはさ、この幻想郷にいる最強の奴より強い化け物がいるんだよ。そいつがいる限り、俺らは負けねぇ」
カロン「………………」
ルワード「龍美!!昴さん!!早く!!」
龍美「なんなの?いったい何が──」
歌音「遅いわよ……貴方達は…」
龍美「っ!?歌音?!」
龍美達がルワードに案内された場所はまるで異空間のようになっていた。ラグナロクの大きさは既に山を飲み込めるほどの大きさになっている。周りの木々達は生命を取られたかのように枯れている。そして、その近くのまだ枯れていない木に座り込んでいたのは三十分前にここに向かった歌音だった。
龍美「歌音……あんた……それ」
歌音「これ?気を付けなさい、ここにある瘴気は呪われているの。呪いを泥のような形にして襲ってくるのよ、そしたら、これよ」
歌音の身体は顔以外の肌が見えている場所全てが黒く染まっている。これが呪いだというなら既に身体は動かないだろう。いや、このままでいたら歌音は死ぬ。死なないとしても一生身体は動かないだろう。
龍美「なんでこんなになるまで戦ったのよ!」
歌音「もちろん、香澄を助けるためよ。香澄はラグナロクの核として取り込まれたの」
昴「っ!?香澄が核として取り込まれた?!ならカロンの言っていたことにも、ラグナロクの成長スピードが異常なのも納得がいく」
龍美「なら破壊しましょう!!今すぐに!!」
昴「龍美!!修也の言っていたことを忘れたか!!十分間、この泥から逃げ回らなければならなんだ!!」
龍美「でも香澄が今も苦しんでいるのよ!!」
歌音「落ち着きなさい、既に対策は打ってるわよ。咲夜がラグナロクの中に入っているの。私はそのためにここにいるのよ」
昴「………咲夜がラグナロクの中に入れるまでの時間稼ぎか…」
歌音「そういうこと……それに、あれはどんな強力な技でも壊すのは困難よ。せめて最上級の神話武装クラスが大量にあれば、何とかなるはず……」
龍美「それなら私が!!」
昴「駄目だ、どちらにしろ、そんなことをすれば中にいる香澄や咲夜が危険だ。それにそれを香澄や咲夜に当てないように攻撃をする自信がお前にあるのか?」
龍美「っ!?それは……」
昴「なら十分、耐えるんだ……」
龍美「…………わかったわよ……」
ラグナロク内
咲夜「………………無、とは言えないわね。これは闇よ、壊れた闇…」
咲夜は進んでいた。何も見えない闇の中をただ真っ直ぐに進んでいた。香澄が何処にいるのかはわからない、だけど真っ直ぐに進んでいけば何処かにいると信じて
咲夜「…?光?こんなところに?」
咲夜の目の前に光の空間があった、そこに入っていく咲夜はそこにいる人物を見つけた
咲夜「香澄さん?!」
香澄「あ……れ……?咲……夜…ちゃん……?」
何とか意識を持っていた香澄は小さいが声を出す。
咲夜「大丈夫ですか?!」
香澄「大……丈夫…じゃ…ないかも……」
咲夜「なんでこんなところに……」
香澄「あは…あはは……いや…ね…?目を…合わせ……ちゃって……それで……こんなことに…なって…」
咲夜「し、喋らないで下さい!お身体に障ります、早くここから出ましょう」
香澄「うん……それは…良いんだけど……ね……
咲夜は香澄を抱えて光の空間から出る。ラグナロクの中では何故か能力を使用出来ない為に歩くことになるのだが
咲夜「っ!?何……これ……」
咲夜の後ろから、つまり光の空間から『無』が咲夜達目掛けて襲ってくる。それは核を奪い返す為に襲ってくるかのように
咲夜「っ!?早く!ここから出ないと!」
咲夜は走る、もうここには出口も何もないと悟っていながら。この『無』からは逃げられないと、悟っていながら………
剣が飛び交い、どちらも一歩も引かない戦いになっていた。
修也「っ!!」
カロン「………………」
修也はただただ剣を跳ね返す。両手に持った二本の剣で飛んでくる剣を弾く。時には剣が砕ける事もあるが、すぐに新しい剣を造り出す。一心に剣を弾き続ける。
修也「こんな!ものか!」
カロン「馬鹿のように真っ直ぐに突き進むか……なら!」
カロンの周りに浮かんでいた剣が数を増す。
修也「っ!?(これ以上は代奈の負担が大き過ぎる!どうすれば)」
?「受け取れ!修也!」
修也「!その声は、火月か?!」
火月「おう!とりあえずそれ、受け取れ!」
火月から投げられたマカロン?を修也は受け取る。
修也「………………なにこれ」
火月「
修也「おかしいだろ、いろいろと!?」
修也はそう突っ込みながらマカロンを食べる。すると身体のあちこちにあった傷が治っていく。体力、魔力などと言ったものも回復していった。右腕だけは回復しなかったが
火月「それはまだ試作段階でな、大きい傷は治せねぇ。まぁ、仙豆みたいな便利なやつがあったらバランス崩れるんで勘弁して」
修也「メタい事言うなよ!?」
火月「んじゃ、俺は先に行ったレウス追いかけるから、代奈も食っとけ、んじゃな」
火月は奥に走っていく。
修也「…………まぁ、あいつにしては良くやった方か。それに、昴との戦いで消耗しきってたからな。やっと本気でやれる……」
修也「代奈と瀑布、だったか?……座るんなら立っとけ。いつでも動ける状態にしときな」
瀑布「何?どういう事だ」
修也「良いから立っとけよ。行くぞ!!」
二人の距離は十メートル。修也に対して無数の剣が飛んでくる。
修也「────
代奈「っ!?これって!?」
修也はその剣を弾きながら詠唱を始める
修也「
瀑布「何をしているのだ……?」
修也「
剣が飛んでくる中でも詠唱は続く
修也「
『
瀑布や代奈が目を開けたらその場所は
瀑布「…………なんだ……これは……」
剣の丘、果てなき荒野に無数の剣が突き刺さっている風景がどこまでも広がっている。この光景の中、二人は自分の敵だけを見つめていた。
修也「ここにある剣はすべて偽物、贋作に過ぎない!ある者はこう言った!贋作ごときに何が出来ると!本物に及ばぬ贋作ごときに何が出来ると!!」
瀑布は心の中で頷いた。贋作は贋作。本物には到底及ばない。そう考えた、しかし
修也「だが!偽物が本物に敵わないと誰が決めた!!そんな
カロン「………………」
修也「行くぞ、冥界の船渡し!!
カロン「調子に乗るなよ、小僧!!」
修也が自分の近くに刺さっていた剣を二本抜き取り、カロンに向かって踏み込む。同時にカロンも剣を空間から取り出し、修也目掛けて踏み込んでくる。
修也の剣とカロンの剣がぶつかり合う。修也が横凪ぎに斬ろうとするとカロンは上から叩き付けるように防ぐ。カロンが下から剣を上に上げるように斬ろうとすると修也は剣をクロスにして防ぐ。そんな攻防が続く
カロン「小癪な!これでどうだ!」
カロンは空間から剣を飛ばす、修也はそれを剣で弾くが、体勢が崩れ飛ばされる。それを好機と見てか、カロンは空間から剣を修也に向けて集中砲火する。
カロン「これで終わりだ!!」
修也は飛ばされながらも周りに刺さっている自らの剣を目で見て、着地と同時に飛んできている剣にぶつけてカロンの攻撃を防ぐ。修也は着地で方膝を付きながらもカロンを睨み付ける。
修也「……………」
カロン「っ!?この贋作がぁぁぁぁぁぁ!!」
修也は剣を造り出し、周りの剣をカロンに飛ばしながらカロンに向かって走り出す。カロンの周りにあった空間から剣が出て来た瞬間に修也が飛ばした剣をぶつける。
カロン「くっ!?」
修也「何処を見ている!!冥界の船渡し!!」
カロンが剣に目を向けている間に修也は懐に入っていた。
カロン「っ!?おのれ!!おのれおのれおのれおのれおのれおのれおのれ!!!!」
カロンは空間から剣を取り出してなんの考えもなしにただ適当に、寄せ付けないために修也に斬りかかる。それを修也は冷静に、だが強く剣を打ち返す。
カロン「おのれぇぇぇぇ!!!」
修也「うおぉぉぉぉ!!」
二人の剣が同時に砕ける。それを合図にカロンは後退し、空間から剣を取り出す。それを追い掛けて修也は剣を造り出して、武器をもっているカロンの右腕を断ち切る。右腕は剣を持ったまま何処かに飛んでいく。
カロン「ぐあぁぁ!?くっ!!」
修也はそのままもう一本の剣で追撃する。カロンは後退して間を開けようとするが、修也の方が少しばかり速い。すぐにカロンに追い付き、切りつける。その傷は、深い。
咲夜「はぁ……はぁ……はぁ……はぁ……はぁ……」
咲夜は走り続けた、『無』から逃げ続けた。しかし撒けない、出られない。その現実が咲夜の足を遅くし、止まらせた。
咲夜「………もう……無理よ……逃げ……きれない」
香澄さんは先程気を失った。もう無理よ……出口も見当たらなければ、ここで私は…………
『諦めるな!ここで諦めるのは早いぞ、咲夜!!真っ直ぐ走れ!そこに道はある!」
咲夜「え……?だ、誰……もう、どうでも良い…どうせ…道なんて──」
『私を信じろ!咲夜!』
咲夜「っ!?信……じろ……修也……」
『走れ、咲夜!そこには必ず道はある!私がその道を切り開いてやる!!』
咲夜「っ!!行かなくちゃ……最後まで……生きなくちゃ!」
昴「……………10分だな……」
龍美「そうね……あ、レウスからマカロン貰った?」
昴「あぁ、体力も傷も回復した。問題ない」
龍美「そう、それにしても修也はなんで十分なんて言ったんだろう。自分が助けに来るってことかな?」
昴「……………」
昴は修也の言葉を思い出していた。
修也『………ふふ、そうか、居たのか……なら安心だな』
これは……そういうことなのだろうか……
龍美「昴さん!?あれを見て!?」
昴「ん?どうかしたのか?」
龍美は上空を指差しながら驚きの顔をしていた。俺もそれに従って上を見上げると
昴「なっ!?」
上空に矢が、否、剣が降り注いでいた。それは一直線に
昴「まさかラグナロクに向かって撃ったのか?!そんなことをすれば咲夜達に当たるぞ?!」
龍美「それはやばいよ!急いで撃ち落とさないと!!」
なんてことをしてくれたんだ?!いったい誰が……いったい……誰……最上級クラスの神話武装を持ち、そしてそれを全て咲夜達に当てずに狙えるほどの実力がある者……まさか…?!
昴「龍美!待て!」
龍美「っ!?どうしたのよ?!」
昴「あれは……援護射撃だ!」
龍美「援護……射撃……?」
そう言っている間に剣は全てラグナロクに、ぶつかっていく。しかもその剣は刺さるのではなく、爆発しているのだ。
ラグナロク「■■■■■■■───────!!!!」
ラグナロクの悲鳴が聞こえる。そして、ラグナロクの体に穴が空いたその中から、香澄を抱えた咲夜が出て来た。
龍美「咲夜?!」
咲夜「っ!!皆さん!!」
咲夜の後ろから何かが迫ってきているようだが、それを剣は全て破壊する。まるでそれは咲夜に止まるなと言うかのように降り注ぐ。
『何をしている!ここからは貴様の出番だろう!』
昴「っ!?そうだったな、弓兵!!マスター!!魔力を回せ!!決めるぞ!!全て!」
龍美「っ!?わかったわ!昴さん!!全て決めてきて!!」
昴「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
そして、昴は龍美から受け取ったあれを取り出す。
ランスロット「それは?!」
この御守りの正体、それは
昴「一度だけ、自分の望んだ姿になってくれる御守り。なら見せてくれ、エクスカリバーより前の、王の選定の岩から抜かれし聖剣を!」
昴の右手に一本の剣が現れる。
昴「行くぞ、『
その光は全てを飲み込んだ
修也「終わった……みたいだな……」
修也は擬似的に作っていた右腕を消す。
修也「さて、お前の負けだが、どうする?」
カロン「………………」
修也「…………なら、最後まで俺が手を尽くそう」
修也は自分の神話武装、『
修也「俺の奥の手……見るが良い……」
修也は二本の剣を構え、それを振り抜く。
修也「『
カロンの後ろから黒い球体が現れる。そして、自分周りにあるものを全て飲み込もうとする。
カロン「ぐおぉぉ?!やられんぞ!やられんぞ!!小僧!!」
カロンは空間から鎖を取り出して修也の左腕に絡ませる。
修也「くっ!!道連れか?!」
カロン「そんなわけがなかろう!そこで耐えていろ!すぐにそこまで行ってやる!」
カロン既に体の半分以上を飲み込まれ、顔と鎖をもっている左腕しか見えなかった。
修也「はっ!!ならこの腕を切り落としてやるよ!」
修也は右に持っている剣で左腕を切り落とそうとしたその時
『はぁ、やるならばやるが良い、私には関係ないことだ。だが、死にたくなければ左に避けろ!篠崎 修也!!』
修也「っ!?」
修也は反射的に左に避ける。そしてついさっきまで自分の頭があったところを何かが通っていく。それはそのままカロンに向かっていき
カロン「貴様!?何を──」
カロンの眉間に刺さった
カロン「き…さまは……シノ…ノ…」
カロンは鎖から手を離し、黒い球体に吸い込まれる。そして黒い球体はカロンを飲み込んだ後、消えた。
修也「はぁ……はぁ……はぁ……今の……あーもう!あの野郎、良いとこだけ持っていきやがって…でもまぁ、これでやっと、終わりか………」
弓兵「はぁ、やっと終わったか。今回はなんとも面倒な仕事だったな」
紫「ありがとうございます、貴方のおかげで幻想郷は救われました」
弓兵「私はマスターとの契約に従っただけだ。それで結果的にここが救われたのならそれは良かっただろう」
弓兵の体は既に魔力が切れかかって、もう少しで消えるだろう。
紫「すいません、私が妖怪でなければ魔力を渡せたんですが……」
弓兵「それに関しては最初に言ったはずだ、マスター。気にするな、と」
紫「…………わかりました、また会いましょう。英霊シノノメ」
シノノメ「ふっ、会える確率など無いだろうに。………また、ここで私の生前の名を呼ばれることになるとはな」
紫「本当に、ありがとうございました」
シノノメ「……………はぁ、少しは肩の力を抜いたらどうだ、紫?いつもの胡散臭さは何処にいった?」
紫「!?」
シノノメ「と言っても、ここは俺の生きた幻想郷じゃ無いんだよな。はぁ、なんとまぁ、変な巡り合わせだよな。だけど、また皆に会えたことは嬉しかった。じゃあな、紫」
紫「ちょ、ちょっと待ちなさいよ?!貴方まさか別の世界の修也──」
英霊シノノメはそう言って消えた。最後は笑顔で紫をおちょくって楽しそうに消える姿は修也とそっくりだった…………
しかしそれは紫と修也、もしくは龍と龍美が正体を気づいていたかもしれない
龍「何かシノノメって何処かで見たような……」
龍神(気づいてなかったし……まあそっちの方が面白いか)