龍神「そうですねー」
修也「お前らなんで伸ばしてるんだよ....」
二人はそれ以上動かない。死んだように動かないのだ。そして神栖はその弦をそのまま修也目掛けて放ってきた。修也はその攻撃を右腕に受けて、修也は右腕の状況を見た。そして右腕を切り落とした。
神栖「おぉ、判断が早いな修也は」
修也「毒か、それも速効性の高い」
神栖「正解だ。まぁ、おまえが避けれると思ってなかったが切り落とすとはな。ならこれでどうだ?ふふふ」
修也(──っ!なんだこの香水をぶちまけた時の胸くそ悪い甘い臭いは!?まさか?!)
修也「代奈!そこから離れろ!」
代奈「……別にいい……どうだっていい……一歩も、動きたくないわ……」
代奈は全く動く気はない。しかしそんなことをしている合間にも神栖はまるでブレスを放つ竜の如く溜めをして、こちらに咆哮を放ってきた
神栖「グガァァァァ!!」
修也「くそが!」
神栖が放ってきた水滴は恐らく濃硫酸だろう。しかも俺目掛けて放ったものではない。狙ったのは
修也(代奈!)
俺は咄嗟に跪いた代奈に覆い被さるようにしてその水滴を受ける。案の定それは硫酸だった
代奈「……え?」
修也「あ、ぐっ!」
神栖「おいおい、せっかくおまえには当たらないようにしたのによ」
龍美「修也!!「来るんじゃねえ!!龍美!!」嫌よ!見捨てるわけないでしょ!!」
修也「お前は普通の人間と同じようにしたんだぞ!!あいつの攻撃をくらったら一発で即死なんだぞ!?なのに何で!!「黙ってよ!!仲間が危険なのにそれを助けないバカが何処にいるのよ」良いから逃げろ!!」
神栖「良いよ君にも当ててあげるよ!!」
修也「龍美!!「あぐっ!?ごはぁ........ちゃんと........守ったよ....修也........」チッ!!だから来るなと言ったんだ!!」
精神界
龍美「ここはどこ?」
魂神「ここは精神の中よ龍美貴女は無理しすぎよ「魂神........ごめんなさい」全く....でも彼を庇ったところ良かったわよ」
龍美「でも私はもう死んでるよ....「そんなことないです!」織田龍美!」
織田「龍美さんは私のお願いを聞いてくれたんです!だから私達は」
龍「お前を叱る「............え?ちょっと待って?」お前の次の台詞は」
龍美、龍「何で叱るの?(だ)!」
龍美「ハッ!?に、逃げ道なーい!/(^o^)\」
龍「諦めんなお前!!「あんたがそうしてるのよ?!」シランナ」
魂神「あー、そうそう説教は後でする、だから....早く行ってこい!!「ウソダドンドコドーン!?」ふぅ、スッとしたぜ」
修也「……はぁはぁ」
代奈「痛そうだなぁ……」
修也「全っ然っ痛くねぇ!!だからお前は俺の勇敢な姿を傍観してろ!わかったな!」
代奈「………………」
強がってはみたけど、痛ってぇぇぇぇぇ!?溶けてんだけど?!あぁ、もう!龍美を能力で何とかしたけどその代わりに俺が何も出来なくなるなんてな!
神栖「強がりも程ほどになぁ、修也。お前が受けたのは濃硫酸だ。この肉が溶けたような臭いが証拠だ」
修也「だからなんだ?俺は代奈を、家族を守るだけだ」
神栖「はぁ、おまえは親友だから殺りたくはなかったんだが、しょうがないよな」
龍美「……………………修也」
修也「龍美?!いつの間に目を覚まして……」
龍美「とりあえずこいつを殺そうよ。私が何とかするから─」
修也「お前まで殺すなんて言うのか?!頼むから今回だけは俺達にやらしてくれ………」
龍美「修也…………」
神栖「……………………俺からも頼むよ。修也とは決着を着けないといけないんでな、それに少し話をしようぜ?」
龍美「なんの?」
神栖「七年前、おっと、もう十二年前か。俺達が俺の作った薬を飲んだ理由を、な」
十二年前、ある事件が起きた。その事件はある特殊なウイルスをばらまき世界中の者を苦しめた。あるものは死に、あるものは生きていても体が動かず、あるものは自殺した。その事件の名は『イクシードの種蒔き』その名の通り、新な人種を作り出すためのウイルスだと言われるものだった。そして生まれたのが、妖怪。つまりは人間達からすれば化け物だった。それらの突然変異を防ぐために作られたものがNSXと言う薬だった。この薬を投与されたものはみるみる体の力が戻り健康体になる。このNSXのお陰で世界中の人達を助けた。開発者は英雄と呼ばれ、誰かは知られていない。だが、NSXには副作用があった。それが能力を持ってしまうこと。そのためいろんな人達が能力を持ち、ある施設に預けられた。それが学校と言う名の監獄だ。被験者は常に監視される日々を過ごした。
神栖「まぁこんなところだろうな。そしてNSXの元となった薬がマンドラゴラ、だったんだよ。そしてその能力を消す薬がNSX+だ。そしてそれを増やすためにまたマンドラゴラが必要なんだよ。それがあいつだ」
代奈「………………」
神栖「まぁ別に俺はNSXを人々を助けたくて作ったわけじゃない。俺の知的好奇心で作ったものだ。それで結果的には救われた。この世界は結果が全てだ。過程なんて必要ないんだよ。これが俺達にあったことだ」
龍美「そんなことがあったなんて………」
修也「どちらにしろ俺はおまえを倒す。それだけだ!」
神栖「だよなぁ~、おまえならそういうと思ったよ!」
神栖は自身の右腕の弦を修也に向ける。修也はそれを避け、そのまま神栖に近づき、左手に持った刀で右腕を肩から切り落とす
神栖「がはっ!?やる、じゃねぇか」
修也「はぁはぁはぁはぁ、お前こそ」
龍美「………………これは修也の戦い、手は出さない。なんとかなる、絶対に……!」
龍美「修也ステータス治しておくよ」
修也「手出しは無用といったろ....」
龍美「私帰っておくよ....修也の足引っ張るだけだから........」
神栖「本当に帰っちまったよ。良いのか?右腕も治して貰わなかったし、あいつがいればもっと戦略の幅ってもんが─」
修也「ごちゃごちゃうるせぇ、次の一撃で決めるぞ」
神栖「……………………はは!本当にお前らしいよ!来いよ、修也!」
修也「あぁ!」
修也は次に神栖の左腕を切り落とそうと動いた。神栖はあまり微動だにせず立っている
修也「これでもう片方も貰った!っ!?」
───だが剣は鱗の付いた左腕に弾かれる。そして
神栖「なぁ、気を付けろ?この手が開いたときにはおまえの終わりだ」
修也「なにを!?」
修也(そう言えば先程から神栖は手を開いたか?一度でも開いたか?まずい、俺の体が、全身がそう言っている。ここから離れろと)
神栖「さようなら、修也」
──────瞬間、手が開いた。そこには目があった。そう、目だ。目があったのだ。
修也(まずい、まずいまずいまずいまずい!早く目を逸らせ!これは見ていて良いものじゃない!)
修也は直ぐにそう、判断し。その場をバックステップで後退する
修也(なにも体に異常はない?ならまだ行ける!)
修也はそのまま先程とは違い、横凪ぎに払う。しかしそれは意図も簡単に避けられる
修也「なっ!?」
神栖「なんで俺が簡単に避けられたか教えてやろうか?おまえの体を良く見てみろよ」
修也は自身の体を今一度みる。するとそこには石になりかけの自分の姿があった
修也「嘘、だろ?」
体が言うこと聞かない。動かない。そうして修也は倒れた。
修也「石に、なってやがる……」
神栖「実験動物(モルモット)は数秒。人間なら数分で全身が固まるが、体重の1/4が固まった時点で呼吸が出来なくなる」
修也「こんなの……アリかよ……」
ドクン…………鼓動と共に石化が広がっていく感覚があった
神栖「怖いか?」
じわじわと蝕まれる恐怖感は捨て去ろうとしても頭にこびり付いて離れない
神栖「安心しろよ。解除する方法はある。少しだけ耐えてろ。俺は先にやること済ませるとしよう」
修也「おい……やめろ……」
神栖「修也。お前の足枷を外してやる」
修也「代奈を、狙うなっ!!やめろっ!!」
石化が脚に回るより前に駆け出すが、鈍くなった身体はやはり言うことを聞かない
神栖「世界は、人間を中心に出来てるんだよ」
修也「がっ───!?」
神栖に軽く脚を掛けられただけで転んでしまい、太腿まで進行した石化によって立ち上がることも出来なくなる
修也(俺は……どうしたらいい。今俺に出来ることはないのか………!)
このままでは代奈を失ってしまう。昔と同じように、また家族を失ってしまう
修也(俺は───神になんか祈らないぞッ!絶対にッ!例え神が本当にいたとしてもだッ!自分の力で“なんとかする”ッ!!)
不死身故に死を厭わない攻撃はいくらでもある。いくら私の音感の終焉《シュナウザー・キル》と同等の能力がある修也でも無限に防ぎきれるわけがない。それでも修也は神藤神栖の攻撃を避けていた。神藤神栖は肉体こそ、破壊活動に長けた変異を遂げているが、体術などを用いた効率的な戦い方をしてない。修也は避けるだけでなく、神藤神栖の片腕を切り落とした。だが、結局修也は敵わなかった。
代奈「………………」
私はあいつを殺して殺して殺して、殺しまくった。あいつが仕向けた連中が私の家族を蹂躙したように、倍以上の数だけ殺してやろうと思った。
だけど───“耳鳴り”はより強くなるだけだった。
ついには音感の終焉《シュナウザー・キル》の使用限界を越え、この有り様だ。
代奈(私は結局、何をしたかったんだろ……)
再生の炎と共に生き返る不死鳥。私は復讐を遂げられない焦り、虚しさ、絶望に蝕まれるだけだった。届かない“終わり”という絶望の先に待っていたのが、この現実だ。
神栖「ところで修也、ひとつ思ったんだが───お前の導いた解決は“俺を殺すこと”なのか?」
修也「何が言いたい……」
神栖「殺し、殺されるだけの関係じゃ、そこの妖怪の抱えた復讐心と同じ確執が生まれるだけだろ?
代奈(……そうよ。そうだわ……それこそ私と同じじゃない)
神藤神栖が初めて良いことを言った。私に殺すなと言っておいて、殺そうとしている修也。私に奪うなと言っておいて、奪おうとしている修也。矛盾──私の為に殺すことが許されるのなら、家族の為に殺そうとする私を咎めるのはおかしい。
神栖「能力者になれば、心身共に変わらずにはいられない。不応なく濃い時間を過ごすことを強要される。お前は度重なる危機を切り抜けるために、自己保身を優先しなかったか?ここまで誰も殺さずに来れたのか?」
代奈「そうよ……神藤神栖の疑問はもっともだわ……だって、修也は殺したじゃない……」
あの時だって、そう。引くに引けない状況に陥った私に代わって修也が殺した。あれだけの一撃を受けた彼が生きているとは思えない。そこに殺意が無かったとしても、手を下したのは修也だ
修也「………はぁ……はぁ…」
生身の私達は戦うだけで心身を摩耗する。不死の能力者にとって消耗はそれ自体が積立貯金だ。
神栖「無駄な会話だったな。さっさと終わらせよう」
次の一撃で私が殺されるのがわかった。いいけど。私は疲れた。助かろうという気力もないし。助けられる事に意味を感じない。私が殺されて、“素材”として実験される───でも、結局、死後の世界なんてないわけだし、終わってしまえば平等だ。
代奈(いいよ、もう。全部、どうだっていい。さっさと殺して、終わらせて)
私は目を閉じて、終わりを待った。
頭が重い。もちろん身体も。全身が悲鳴をあげている。全身に石化が回っている。それでも諦めたりはしなかった。
修也「神栖………俺は、誰も殺してないぜ。結構前に殺人者を不定された。それに、それからも殺したことはない。歪みは消したことがあるがな」
神栖の思案は直ぐに済んだ。俺の言葉を深く考えること、それ自体が精神攻撃と判断したらしい神栖はさっさと毒の水滴を発射する準備に入った
神栖「グガァァァァ!!」
しかし。何かわからない壁が代奈の代わりに毒の水滴にぶつかるという奇跡が起きた。
違う────奇跡なんかじゃない
神栖「…………あぁ……?」
未知の状況に直面すると、不死とはいえ人間は反射的に硬直する神栖ですら、ぽかんと口を開けたまま、がっちりと刀で刺されて固定された脚を見つめていた
?「『ハハッ!!ビンゴッ!!』」
いわく、あいつは人格が二つあり、今はほとんどでないらしい
修也「……俺は、形の無いものには、人々が想像で作ったいもしない神なんかには、絶対に祈らねぇ……」
俺がここに来る前、俺と俺をここまで送ってくれた人以外の侵入者がいるということを聞き、誰なのかは気付いていた。“絶対に攻撃が当たらない”これで連想できるのは一人しか心当たりがいなかったから。その人物は昔、森の中で全ての攻撃を流し、絶対に攻撃を当てるという荒業を見せた。だからもしかしてとは思っていたが、性格に攻撃を当てるのはお手の者だったようだ。
代奈「この笑い方……まさかあの時の能力者……生きてたって言うの?」
そしていきなり上から現れた人物、火月は神栖の脚を掴む。
神栖「てめっ!誰に断りをいれて俺の脚を掴んでんだ、離せっ!」
火月「『うっ、るせぇぇぇ!!誰に断りをいれて俺をこんなにしやがったんだよっ!!』」
神栖「っ!この実験動物がぁぁぁッッッ!!!」
火月「『妖蛾!』」
妖蛾「任せろ!」
妖蛾が神栖を殴る。殴る殴る殴る。
danger───火月第2の人格乱入──danger
龍神「行きなりの危険危険!」
龍「だが無駄だ、無駄無駄」
龍美「眠い!」
龍神「.......精神界が何かちょっとカオスだったか?....まあいいや!」