まだ10話もいってないのに...
理想を抱いて溺死しそうになりながら書きあげました。
どうぞ。
「はぁっ!!!」
白亜の刃と漆黒の刃を器用に扱い、剣が線に見えるほどの速度で連撃を放つ。
俺、こんな動きができるのか...
「小僧が、粋がるなよ?」
男は光の槍を慣れた手つきで操り、衛宮の連撃を流し細かい刺突を加えてゆく。
この男は衛宮が新たな力に目覚めたとしても、やはり強いのだ。
だが、衛宮も負けじと攻撃していない方の剣を楯のように扱い、男の刺突を流し、受け、萎やさせる。
それでも男の方が何度も戦いを潜り抜けてきたことを証明するのだろうか、衛宮の体に傷が目立ってくる。
「砕けろぉっ!!!」
両手に持つ白黒の二刀に力を込め、邪魔な槍に叩きつける。
が、砕けたのはこちらだった。
ガラスより重く儚い音と共に跡形もなく砕け散った。
なんて硬さだよこの槍!光ってこんな硬くなんのか!?
「まだ脆いかっ、うぐっ!」
男の蹴りが脇腹にめり込み、後方へ吹っ飛ぶ。
歯を食いしばって足に力を込め、ふら付きながらも立ち上がる。
(このままじゃ、負ける...。もっと、もっともっと)
「もっと強くっ!!!」
両手を広げ、先ほど創った白黒の二刀をもう一度創りだす。
自分の願いと意思を込めて。
「遅いっ!」
男がそんなことを待っているわけもなく、光の槍を木の枝かのようにブン投げてきた。
って、速すぎだろぉっ!
両手に持つ剣を交差させて胸の前で構えた瞬間。
バリィイン!ズッ...
「ごっふ...」
口から、鼻から血が噴き出す。
光の槍が衛宮の腹部を貫き、抜けてゆく。開かれた風穴から血液があふれ出し、地面を真っ赤に染め上げる。
砕けた剣の柄が手から地面に滑り落ち、儚く割れる。目の前が擦り切れたビデオテープのように線が入り、ずれる。
「久方ぶりに本気になれると思ったが、やはり人間であったか。」
この、野郎...、負けらんねぇのに...。
男を睨みつける、そして衛宮の意識が途切れる瞬間。
「き、さま...。なぜ動いて...」
男の胸から黄金の刃が生えてくるのが見えた。
ーーーおい
...誰だ?
ーーー目を開けろ
この声、どこかで...
話しかけてくる相手について思いめぐらせながら目を開ける。
...ここは
無限の剣に荒れ果てた荒野、てことは...
「目覚めるのが随分と遅いのだな、今代のエミヤは。」
「まぁ、そう悪く言ってやるなよアーチャー。さっき死にかけたんだから。」
「じゃが、我も少し待ちくたびれたぞ。」
あれ、三人?
一人は前から教えてきてくれた白髪、赤服の男。
もう一人は、以前見た事有る夢の中で白髪の男と戦っていた赤髪の男。
最後の一人は初めて見る女性の戦士で、ケモミミ?
「さて、今代のエミヤよ、お前は負けた。」
っ、ストレートに言われると辛いな...
「ああ...」
「だが、そこにいる借り物の男よりは成長が早い。」
隣にいる赤髪の男を親指で指しながら言う。
「...え?」
意外とこの人フレンドリーなのかな...
「俺はまだ借り物呼ばわりかよ...。」
うわぁ、この人いじられキャラの鏡だ...
「だから、まぁ、気に入ったというところか。」
「おお、あのアーチャーが妙に優しくなっておるぞぉ?」
ケモミミの女性が古風な喋り方で白髪の男をからかう。
「今回のことはしょうがないが、これからはあまり無様な姿を見せるなよ?」
「おろ、無視であるか...」
おお、ケモミミが垂れ下がった。本物なんて初めて見るなぁ。
「そろそろ目覚めだ、あの女子生徒に礼を言っておくのだな。」
瞬間、ここの意識が無くなり体が浮上するような感覚を覚えた。
すいません、遅くなりました。
なので、もう一話投稿します。