引っ掻き傷ってのは、軽いようで重い。すぐ治るようで、その傷痕は一生残ることもある。
小学5年生の春。「僕」は好きな女の子を引っ掻いた。
ホントに引っ掻いたわけじゃない。ただ彼女のスカート姿が珍しくて、可愛くて、つい言葉に出てしまった。たった一言の照れ隠しだったんだ。
「星空がスカート履いてる!」
「いつも男みたいな格好してるのにな!」
その一言が、実際に引っ掻くよりもずっと、彼女を傷つけてしまった。
「凛...着替えてくるね」
彼女は一言そう言うと、今来た道を走って戻っていった。
追いかけなきゃ....!謝らなきゃ....!!
......でも、僕の足は動かなかった。結局追いかけることができず、僕は学校へ向かった。
数分後、彼女は遅刻ギリギリで教室に入ってきた。
目は真っ赤に腫れ、頬には涙の痕もあった。
そして、彼女の格好は...
まるで「男の子」みたいな半ズボンだった。
一言、彼女に謝った。それだけでどうにかなるとは思えなかったけど、とにかく謝った。その時の彼女の言葉を、そんなことを言わせた自分の愚かさを、僕は一生忘れないだろう。
「もういいよ。どうせ凛は可愛くないから。凛には、男の子みたいな格好が似合ってるんだよ。....っ!凛が....!スカートなんか履くのが間違ってたんだよっ...!!」
彼女は、人目もはばからず泣いた。
それ以降、彼女がスカートを履いている姿を見たことがない。小学校を卒業するまで、ずっと。
僕は最低だ。
好きな人を褒めることもできず、照れ隠しで嫌な言葉を浴びせて、中途半端に謝って、泣かせてしまった。そのせいで彼女は、スカートを履くことができない。つまり、「女の子らしさ」を失ってしまった。
「失ってしまった」なんて大嘘。僕が奪ったんだ。
五年も経った今でも思う。
もし、あんなことを言わなかったら。
彼女は、自分に自信を持てたのかな?
彼女は、女の子らしくなれたのかな?
彼女は、可愛い服を堂々と着られるようになったのかな?
.....彼女は、ずっと笑顔でいられたのかな?
その可能性を、全て奪ってしまった。
今更許してくれなんて言わない、軽蔑されたって構わない。どんなに罵られたって構わない。でも...
もしまた会えたら、心の底から謝りたい。
....ごめんね、凛ちゃん。
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カンパニュラ
科・属名: キキョウ科ホタルブクロ属
和名: 風鈴草(フウリンソウ)
別名: 釣鐘草(ツリガネソウ)
英名: Canterbury bells
花言葉は「後悔」
シャワータペストリーにわしわしMAXしてたら2時間経ってた。