仮面ライダーパンドラ   作:ホワイト・ラム

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先週のゴーストに地味に燃えた作者です。
最近グレイトフル、出番でないから……
「英雄?願いの引き換え券だろ?」
とか思っていてごめんなさい……


擬態

「さて、帰るか」

理折の病室にタンポポを添え、病室から光一が出ていく。

キエラに聞いたように、数日前からこの病院で『奇跡の医者』と呼ばれる男が現れちょっとした話題に成っている。

 

「あ、キエラだ……」

廊下の窓から外を見ると、キエラと同い年位の子供が中庭で楽しそうに、はしゃいでいた。

その様子を見る、毛布を体にかぶせた女性。

 

「やれやれ、だね……仲よくしたって、つらいだけなのに……」

キュピルスが、キエラを見てつぶやいた。

 

「つらいだけ?」

 

「ああ、そうさ。いくら人間を模そうとアイツも月跳もしょせんエラーだ……

真の意味での和解、共存なんてありえないよ」

 

「そうかな?出来ないって決まった訳じゃないだろ?」

 

「ハッ!!人間同士でもいがみ合ってるのに?無理にきまってるだろ?」

 

「無理って決めつけたらそうだよな。けどさ、決めつけない限り可能性は0じゃないハズ……」

光一が願いを込めながら、そうつぶやいた。

 

「ふぅん……

――!!光一エラーの反応だ!!」

 

「なに!?」

二人の顔が変わる、皮肉屋で軽口を飛ばしあう二人から、戦士の表情へと……

そしてそのまま町に向かって走り出した。

 

 

 

 

 

某研究所地下。

 

「何で目を放した!?」

古矢が研究員に激しく詰め寄る。

研究員の袖をつかみ上げ、顔を近づける。

 

「わ、私にも何が何だか……気が付いたら、『死んでいた』んです!!」

研究員のモニターの中には、網河がこと切れていた。

体の損傷はなく、なぜ死んだかなどすべてが謎に包まれていた。

 

「くそ!!……兄さん……アンタは反省するって言っただろ……!!」

法で裁けない網河は一時的にこの研究所に、収容されていた。

少し前から、古矢は網河と面会していた。

網河なりの正義、網河なりの守りたいもの。

そのすべてを否定する事は出来なかった。

 

『龍研……私はやり直せるのか?』

 

『出来るさ!!兄さんは、俺の憧れだったもの!!』

それが二人の最後の会話だった。

 

 

 

「あの……古矢さん……」

 

「なんだよ!!」

後ろから話す研究員に苛立たし気に、返事をする古矢。

 

「社長からのお電話です……エラーが出現したと……」

申訳なさそうに、そう話した。

 

「エラー、エラー、エラー……もうたくさんだ……

ドイツもコイツも!!エラーが出て来るせいでみんなおかしく成っちまう!!

屑どもが……屑どもが俺たちの世界に出張ってくるんじゃねーよ!!!!

刈り取ってやる……一匹残らずエラーをデリートしてやる!!

俺のシプラスはその為の力だ!!」

古矢は腰のリボルバーを壊れんばばかりに握り、歩き出した。

 

 

 

 

 

街中にて……

 

「アン、ドゥ、トロワー!!アン、ドゥ、トロワー!!」

ピンクのバレリーナの様な恰好をした、エラーが街中で踊っている。

顔は無くぽっかりノイズの様に穴が開いていて、何処から声が出ているかもわからない。

非常に不気味な存在だった。

名付けるなら『ダンサーエラー』か。

 

「なんだ、コイツ……」

ベルトに押し込まれたキュピルスが怪訝そうな顔をする。

 

「どうしたんだ?一体?」

 

「エラーにしては、弱すぎる……そう、まるで進化前のノイズだ」

 

「弱い?そんなら困る事は無いだろ?一気に決める!!はぁ!!」

 

『デットゾーンストライク!!』

漆黒のボディに変化した、パンドラがダンサーエラーを蹴り倒す!!

 

「きぃーぃぃぃ!!」

全く抵抗なく、ダンサーエラーが倒れる。

エラー部分が倒され、中から人がほおり出される!!

 

「キュピルスこれって……」

 

「ガロウズの、人体融合エラーだね。

アイツしか作れないと思ったけど……ほかに作れる奴がいたのか?」

いぶかし気にキュピルスがその様子を見る。

 

「ギジョアの仕業――」

 

「ではないね、断言できる。アイツはエラーに矜持を持ってる、人間の手を借りるなんて死んでも嫌なハズさ。

共闘は出来るけど、それは共通の敵が居た時だけだ。

なるほど、人体を素体にする事でノイズをエラーにまで昇華したのか……

けどなんでこんな事を?」

 

「研究の為じゃないか?」

二人の後ろから古矢の声がかかる。

 

「研究?」

 

「そう、ここら一帯でこんな屑エラーが頻繁に出てる。

殆どは雑魚で、俺の場合変身すら不要で倒せる……

こんな風に……ね!!」

古矢が振り向き様に、シプラスボルバーの引き金を引く!!

通りすがりの老人が討たれ倒れる!!

 

「お、おい!?何を――」

 

「mahuw……tesk……」

老人の体から、ノイズが発生し、虚空に消えていく。

 

「結構な頻度でコレが見られる。

どっかで、エラーをばらまいてるやつらが居る。

運良く進化すると、さっき見たいになる」

古矢の視線の先には、白目をむいて倒れる女性が一人。

 

「だ、大丈夫なのか!?」

 

「……正直いって、あまり状況は良くない」

古矢がリボルバーを回転させ、別の弾に変える。

 

『オーダー!!キュアー!!ナオルー・ヤスムー・オダイジ二!!』

ピンク色の弾丸を撃つちこまれた女性が、安らかな顔へと変わる。

 

「一応、シプラスにはこーいうのも、あるんだよね。

もっとも。一時的にだし、あとは本人の回復量次第かな?」

自慢げに古矢が、リボルバーを掌でくるくると回す。

今までも、何度か使用してきたらしい。

 

「しょせん対処療法か……根源を断たないと……」

 

「そっちも今全力で探している。

社長も、秘密裏に動いているらしいしな……」

古矢と光一はその場でわかれ、人間と融合しつつあるエラーを探し始めた。

古矢はシプラスの機能を使用し、光一はキュピルスの同族を探す事になった。

 

 

 

 

同時期

月翔は二人よりも、ずっと核心に近い位置にいた。

 

「キエラ、そろそろ帰るぞ。山重のじいさんが心配する」

病院の敷地内にマシン機メイラを停め、中庭で話す明と一緒にいるキエラの元に向かって来た。

 

「……月翔……迎えに来てくれたんだ……」

 

「ああ、早く帰るぞ。暗くなる前に機メイラを洗ってやりたい」

 

「あら……あなたは……」

その時、静かに明の母親が立ち上がる。

 

「ん?悪いが俺は、お前を知らない」

月翔が、ぶっきらぼうに腕で払う。

目的を果たすことが最優先だったのだ。

 

「いや……しってる……ルナ……イ……ザー!!

ああああああああああああああああああ!!!」

顔を引っかく様に、顔を右手で覆う。

 

「kdぬcルナhdきえkイhdこcザーjfkd破dふいおslどcrj壊!!!」

他の部分はそのままに、右手だけがアイスピックの様な銀色の槍に変わる!!

 

「んdhyfばいえdk!!!」

 

「jdbcrjふぉさldf!!」

 

「mんzbsふぇyjどfggl!!」

明の母親の様子が変わると同時に、まるでそれが合図だった様に他の患者、それだけではなく看護師や、医者までもが体の一部をエラー化させ襲い掛かってくる!!

 

「なに!?」

後ろから跳びかかった、車いすの患者を蹴り倒し月翔が辺りを確認し始める。

 

「キエラ!!」

 

「うん!!」

キエラを呼び寄せると同時に、キエラの姿が一本のベルトへと変わる。

 

「変――ッ身!!」

腰に巻き付け、腕をクロスしベルトのバックルを叩く!!

バックルのデザインされた楕円の月が、満月と三日月に別れその間から、深紅の風車が出現し風に包まれながら、月翔の姿が変化する!!

 

「はぁッ!!」

漆黒もボディに水色のマフラー、悪魔の様な2本角のメット。

生物の様にも見える光沢あるスーツ!!

 

世界のハザマより出でたるライダー!!

その名もルナイザー!!

 

「まってまってまってまってまっていたよ~?」

空中にいつの間にかジョーカーが、現れていた。

 

「ジョーカー!!!貴さまの仕業か!?」

 

「あはははははははははあは!!本当は入院してる女の子をダシにして、パンドラからつぶす気だったけど……

まぁいいや!!君からスクラップにしてあげるよ!!

いけ。」

ジョーカーが指を鳴らすと同時に、怪人たちがルナイザーへと襲い掛かる!!

 

「むぅ!!ぬるい!!これしきで俺を獲れると思うな!!」

腕、足を振るうたび、エラーが吹き飛ばされていく!!

 

「う、うわぁああああああ!!」

ルナイザーの視界の端に、キエラの友人の明がうつる。

彼の母親が変化した、エラーのよって追い詰められている!!

 

「計算開始――算出終了。あちらが優先だ!!」

囲まれる場所を無理やり脱出し、明のもとへとルナイザーが走る!!

 

「邪魔だ!!」

明の母親のエラーを突き飛ばし明を、抱き上げるルナイザー。

脳内で病院の見取り図と敵位置を計算し、脱出経路を計算する。

 

「nyでうfkfねいssrjf!!」

母親のエラーが再び、アイスピックの様な腕を振るう!!

 

「チィ!!破壊する!!」

咄嗟にランスを出現させ、エラーを薙ぎ払おうとする!!

 

「や、やめて!!」

腕の中の明が、ランスを見て悲痛な声を上げる。

戦闘開始時に計算されたルナイザーの戦術に、子供の悲鳴。いや、此処は『人間の心』というべきか?

ソレが不確定要素となった。

一瞬の躊躇、それは戦場で命取りになるのに十分だった!!

 

「ぎぃご……ぶ……」

エラーのアイスピックの腕が、ルナイザーの鳩尾を刺し貫いた。

 

「ばぁ~か。人間の真似をするからそうなるのさ、出来損ないめ!!」

何処か遠くでジョーカーの嘲笑が聞こえた気がした。

 

 

 




人の心って、強さでもあり弱さでもある気がする。
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