仮面ライダーパンドラ   作:ホワイト・ラム

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久しぶりの投稿ですね。
今回は、他のライダーと同時に進行させるスタンスを取ります。


暗雲を裂く月

「ゴハッ……」

胸を刺されたルナイザーの変身が解除され、月跳の姿に戻る。

キエラは未だにベルトの姿だったが、その様子は顔を見なくてもすぐにわかる。

月跳の口から、真っ黒い粘ついたクレアシオンが零れ落ちる。

 

「あ……」

その様子を見た、明がその姿に絶句する。

 

「ぶざぶざぶざぶざぶざぶざ無様だねぇ!!

いくら、人間の姿を真似ても!!お前達は所詮『エラー』!!

行き場所なんてない!!誰からも好かれない!!ただ消えていくだけの存在!!

僕たちと何も変わらない!!いくらガワだけ、変えても同じなんだよ!!

大人しく、僕たちの使われていればよかったんだよ!!」

空中に座る様にジョーカーが笑いかける。

 

「ホッとな!!」

月跳めがけて、数本のナイフを投げつける!!

 

「危険だ!!ぐぅあ!?」

明を守る様に、月跳がその身を盾にする。

背中に数本刺さったのか、激痛が口から声を漏らす。

 

「はぁ……はぁ……ぐッ……」

 

「さぁさぁ、みんな!!イッツショータイム!!」

パチンと指を鳴らすと、エラーモドキたちが再び月跳に向かって歩き出した。

体の一部を武器に変化させ、ゾンビの様な足取りで向かってくる。

 

『来て!!マシン・機メイラー!!』

ベルトが開き、キエラの声が響くと同時に、視界の端で一体のエラーモドキが倒される。

ソコには黒い羊にバイクの後ろ半分をくっつけたような、異形のマシンが独りでに走ってきていた。

 

「あああん!?じゃじゃじゃじゃじゃじゃじゃじゃじゃじゃじゃ邪魔すんな!!」

露骨に不機嫌に成ったジョーカーが、今度は機メイラに向かってナイフを投げつける。

 

『いぃぃぃぃぃぃっぃいぃいいいい!!!』

ガラスを引っかく様な声と共に、機メイラが変形し「立ち上がった」。

羊の上半身は黒い毛におおわれた筋骨隆々の熊の様にも見える姿。

下半身はバイクの意匠を残した機械の足、くるぶし部分に車輪が有り移動をスムーズにしている。

群がるエラーモドキを、機メイラーが叩き倒す。

 

「あ!!」

 

「待て機メイラー!!倒すんじゃない!!」

月跳の言葉に一瞬、たじろぐ機メイラー。

直ぐに再び、バイクに姿を戻し月跳と明をシートに乗せる。

バイクのマフラーから黒いガスを出し視界を遮り、その場から脱出する。

 

「あーあ、此処で消す気だったのに……けどまだ、追える!!

行け!!エラーモドキど――」

 

「ジョーカー!!お前なにをしている!!俺の患者だぞ!!」

指示を出そうとする、ジョーカーの声を七瀬が遮る!!

 

「なんだよ……僕の邪魔をするのかい?」

 

「うるさい!!ここはもう俺の病院だ!!俺の栄光の証拠の患者たちを勝手に利用するんじゃない!!」

不機嫌なジョーカーに対して、怒りに満ちた目をした七瀬が詰め寄る。

今更だが、その言葉に患者を気使う気など無く、ただ自身の栄光が汚れるのを心配している様子だった。

 

「なんだい?奇跡だって?お前は、僕がエラーの力をあげなかったらただの万年ヒラだったハズだろ?」

バカにするような口調で、ジョーカーが七瀬を責め立てる。

 

「うるさぁい!!俺は奇跡の名医だ!!お前の力も!!俺がいてこそだ!!俺がすごいんだ!!俺が奇跡の名医だ!!」

余程カンに障ったのか、叫ぶように七瀬が怒鳴る!!

 

「ちぇ~、詰まんないの」

尚も怒鳴る七瀬を背に、ジョーカーが再び姿を消す。

七瀬はいつまでも自身を「奇跡の名医」と呼び続けていた。

 

 

 

 

 

暗い路地裏。

 

「ぐはぁ……ああっ……」

月跳が地面に倒れる様に、マシンから降りる。

明も恐る恐るといった様子で、月跳さらに姿を現したキエラを見る。

 

「生存確認……外傷……無し……無事の様だな」

尚も口から、クレアシオンをこぼしながら月跳が口を開く。

 

「お兄さん達……何?」

明の言葉に、月跳とキエラは言葉を紡ぐ事が出来なかった。

 

「あの怪物と……『同じ』なの?」

怯える様な顔で、明が二人を見つめる。

 

「ねぇ……僕のおかあさんをおかしくした奴らと……『同じ』なの?」

今度は責める様な眼に変わっていく。

 

「ち……ちが……う……僕たちは……」

 

「触るな!!」

伸ばしたキエラの手を、明が叩き落とす!!

 

「来るな怪物!!化け物!!来るな……こっちに来るな!!」

近くに有った尖った石を持ち、キエラに投げ付ける!!

 

「痛い……!」

 

「あ……」

一瞬だけ、明が後悔した様な顔をしたがすぐに二人に背を向けその場から走り去ってしまった。

後に残るは傷ついた二人だけ。

 

「………………」

キエラが、石の当たった自分の頭部を触る。

一瞬刺す様な痛みがして、手を引っ込めると黒いタールの様な液体が付いていた。

風が吹くと、風化して消えていく。

 

「僕は……エラーだ……ガワだけ……の偽物……だ……」

今にも泣きそうな顔で、キエラがつぶやく。

きっとさっきジョーカーに言われた言葉を思い出しているのだろう。

 

「お前は……どうしたい?」

月跳が、静かに口を開いた。

 

「僕は……わからない……」

 

「なら、歩け。辛くても、悲しくても歩け。

俺たちは、人に成れない、エラーにも成れない……

戻る所も!!帰る場所も無ければ!!進むんだ、どんなに暗い長い道でも……」

 

「それは辛いよ……すごく辛い……血を吐きながら続ける永遠のマラソンだよ……」

 

「なら、見つけろ。お前のゴールを……」

そう言って、二人は立ち上がろうとした。

しかし、傷あ影響したのか、月跳が倒れそうになる。

 

「おっと、危ないの!!」

それをいつの間にか後ろに居た、昼重が支える。

 

「おじいちゃん……」

 

「ほれ、さっさと立て!儂の体ではちと、辛いんでの」

無理をして昼重が笑う。

 

「全く、帰って来たと思うたら、ケガなんぞこさえよって!!」

怒ったように昼重が言う。

 

「『帰って来た』?」

キエラが尋ねる様に聞く。

 

「何じゃ?気づいておらんのか?ここは儂の店の近くじゃぞ?

飯の前に、えらい事しておるな」

そこに新たに二つの影が現れる。

 

「おい!?どうした?傷だらけだぞ!?」

 

「こいつにダメージを与えるなんて、相当の強さだな?」

生意気で皮肉屋な、人とパズルのコンビ。

 

「うわー、こりゃひどいね」

何時もへらへらした、気ままな銃撃手。

 

「みんな……」

キエラが3人を見て声を出す。

 

「エラーだよな?」

 

「当たりが来たって所か?」

光一、古矢両名が目の色を変える。

 

「病院……奇跡の名医の所……ジョーカーが……居る」

キエラの言葉を聞くや否や、二人は変身して走り出した。

お互い、一刻を争う思いが有るのだろう。

 

「はぁ……はぁ……俺も……行くか……」

月跳が、バイクに跨ろうとして、転ぶ。

 

「おい、お前ら!!」

そんな二人を、昼重が呼び止める。

 

「昼、食ってないじゃろ?二人で食え、腹が減っては何とやらじゃ……」

そういって差し出すのは、4つのおにぎりだった。

 

「?」

 

「お前らの分じゃよ、わしが作った。

形が悪いのは、まぁ、許してくれ」

二人はひったくるように、そのおにぎりを口にする。

 

「夕飯、作っているから……『帰って』来いよ」

二人の背中に、昼重の言葉が投げかけられる。

 

「うん」

その言葉にキエラが小さく、しかし確かに答える。

 

 

 

 

 

夕日の落ちた町を、一台のバイクが走る。

 

「ねぇ、ルナイザー」

 

「なんだ」

 

「人は弱いね……体も、心も……すごく醜い、ね」

 

「ああ。そうだな」

 

「けど……なんだろ?温かいんだ……すごく優しいんだ」

 

「そうか、何度でも人は裏切るぞ」

 

「知ってる。欲におぼれて、他人をだまして、そして悲しみに染まっていくんだ……」

 

「……………………」

 

「ジョーカーがそれを、助長している……

暗い雲で、人の心を迷わせているんだ……

なら、僕たちは……

せめて、その雲を掃おう?人じゃない僕たちだから……出来るハズなんだ……

そうでしょ?」

 

「好きにしろ……今の俺たちは……

もう、エラーじゃない。

心を持ったライダーは、破壊兵器であってはならない!!

何度人が迷おうと、悲しみに染まろうと、その暗雲を裂き行くべき道を照らす!!」

 

「「変――――ッ身!!」」

瞬間、一人のライダーはこの世界のうまれる!!

狂気の王は、今、人を優しく照らす存在へと!!

生まれ変わる!!

 

「はぁ!!!」

病院の扉を突き破り、エラー達を避けて進んでいく!!

 

 

 

 

 

「なになになになに!?うるさいなー!!」

病院内のホールに、ジョーカーが現れ、ルナイザーと向かい合う。

 

「ちょーっちうるさすぎなんじゃないーの?ここ病院だよ?」

 

「お前が、お前の様な奴がいるから、人は狂うのだ!!

お前は人間達の病原菌だ!!俺が今!!ここで駆除してやろう!!」

 




巻末おまけコーナー!!

眼魔世界立!!ガンマイザー保育園!!

成長途中のガンマイザーの正しい成長を目的とした保育園だよ!!
みんな好奇心が旺盛で、観察が好き。
怒ると「しょーきょー!!」と叫ぶ。
園長アデル――鬼灯好きなお兄ちゃん、暴走気味。

特別顧問イーディス――銀髪をガンマイザーどもに馬鹿にされるおっちゃん。
アデル園長からの、リストラに怯える日々。

先生アリア――アデルの姉、ガンマイザーどもにおばさんと言われまくり、ストレスで眼魂が割れた。何かと気苦労のある人。

先生アラン――ガンマイザーどもに舐められまくる先生。保育園の維持費用をたこ焼きに使い込み、アデルにばれて首にされる。たこ焼き中毒者。最近は猿、豚、河童と一緒に芸を憶え、一儲けしようとしている。

園児ガンマイザー一覧!!

ガンマイザー・ふぁいやー
赤い服が特徴。
ガンマイザーどものリーダー格、テンションが高く声がでかい。
本当は臆病だが、空元気で乗り切っている。

ガンマイザー・ぐらびてぃ
水色の服が特徴的。
大食らいのガンマイザー、その胃はまさにブラックホール。
ふぁいやーと良くつるむ、のんびりした性格は行き過ぎるふぁいやーのブレーキ役になる事も。
体重を気にする、アリア先生の前で容赦なくお菓子を食いまくる、体重の話をするなどナチュラルにダメージを与えて来る。

ガンマイザー・たいむ
ターコイズ色の服が特徴的。
ミステリアスな雰囲気を纏い、なぜか趣味がジジ臭い。
良く時間を忘れぼーっとしている、その効果は他人にも有効で、一緒に居るとなぜか時間感覚が狂う。

ガンマイザー・りきっど
銀色の服が特徴的。
水遊びが好きな、おませな女の子。
お姫様の様にわがままな所もあるが、そこは寂しさの裏がえし。
他人の声真似が得意、変装も得意。
ふぁいやーに一方的な思いを持つが、ふぁいやーからは気にされていない。
他人にふぁいやーの恰好をさせて、侍らせるなど危ない性格の片鱗が見えている。

ガンマイザー・うぃんど
紺色の服が特徴的。
「自由を愛する」「世界を駆ける情熱の風」など中2チックな言動をする、ガンマイザー。
走るのが早く、ふぁいやーのライバルを自称。

ガンマイザー・まぐねてぃっく
群青色の服が特徴的。
物を引き寄せるが、自分に当たってダメージを受けたり、転んだりとドジッ子。
ぶれーどとは兄弟で兄。
アリア先生が好き。

ガンマイザー・ぶれーど
赤色の服が特徴的。
工作が趣味で常に何か作っている。
ハサミと紙さえあれば、もくもくと作業をし続ける。
まぐねてぃっくとは双子の弟。
アリア先生が好き。





みんな幽霊が怖い。
アデル院長「悪い子の所にはお化けがくるぞ!!」

ガンマイザーども「ふぇえええ!!ゴースト怖いよ!!スペクターも怖いよー!!」

アラン先生「良い子にしないと、ネクロマンサーも来るぞ!!」

ガンマイザーども「戦力外。脅威ではありません」

アラン先生「くそうっ……」

ハァッ!?私は一体何を作っているんだ!?
具体的には1200文字近くも書いてる……
幼女眼魂の副作用か!?
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