昨日カイザの日だったぁ!!!
555は個人的に好きな作品です。
社長が好きなんですよね~
奇妙な場所。あえて、形容するなら『どこまでも続く子供部屋』だった。
パーズが狂ったかのように、巨大なクマのぬいぐるみが無造作に置かれ、それを見下ろす形で実際の電車と変わらないサイズの、プラスチック製の電車が橋の上を走っている。
「痛ッ!?」
気づかず、積み木を踏んだ光一が飛び上がる。
「あーあ、無駄な事しちゃって……見つかった所でパーツは破損してるんだぜ?
無駄無駄……」
直ぐ近くで、キュピルスがジグソーパズルを組み立てて遊んでいる。
「お前!!悔しくないのかよ!!いや、それだけじゃない!!レーザンジを何とかしないと――」
「出来ると思うのか?」
キュピルスが手を止め、光一に視線を向ける。
冷たく、感情を感じさせない無機質な眼をしている。
「お前は、よく戦ったよ……けどな?世の中にはどうにもならない事もあるんだ。
この狭い世界が僕たちの終点、それでいいだろ?」
「いい訳ないだろ!?こんなの認められる訳ないだろ!!」
光一がキュピルスに詰め寄る。
「じゃあ、どうする!?ドライバーも無い!!僕も戦闘は出来ない!!シプラスは相手側に付いた!!お前の幼馴染は向こう側の手先!!
何が出来る!?何をしたい!?一体どんなプランが有る!?」
珍しくキュピルスが感情を荒げる。
その剣幕に光一も黙ってしまった。
「……なにか……何か手段は有るハズだ。ヒーローはどんな時でもあきらめない物だろ?」
光一がそう口にするが、もうキュピルスは答えてくれない。
「うーん、良いセリフだね。感動的だなぁ……でも無意味だ!!」
ピシッと音が成り、キュピルスの空間がひび割れる!!
「お、おい……」
「来るよ……」
ヒビの間から、バラのツルが這い出て来る。
次々と数を増やし、空間の一角を乗っ取る。
みるみる内に、真っ赤な巨大なバラが一輪花開く。
「はぁい、この前振りー。元気にしてた?」
花が散ると共に、真っ赤なドレスを着こんだ婦人の様な姿をした怪人が出現する。
この声に二人は聞き覚えがあった。
「そのこえ……理折だよな?」
「アハッ!せーかーい」
バラの花が散る様に怪人の姿が、一人の少女に変わる。
間違いない、光一の幼馴染の少女、理折だ。
「僕たちを壊しに来たな?」
「なに!?」
キュピルスの言葉に、光一が身構える。
そんな二人を無視して、理折は人懐っこい何時もの笑顔で向かってくる。
「そんな事しないよ♪私が光一を傷つける訳ないじゃない?」
ひらひらと手を振ると、一輪のバラが生えて来る。
「け・ど」
腕を振るい、地面にバラを投げつける。
その瞬間圧倒的なスピードでバラが増殖を始める!!
「ロック♪」
そして腕を広げる様に、開くと茨が鳥籠の様に変化して光一を取り囲む!!
「お、おい!!何するんだよ!!放せよ!!」
籠を掴もうとするが、刺が生えていて触る事すら出来ない。
「ねぇ、光一。ここで私とくらそ?ハザマの世界でずーっと二人で楽しく暮らそ?」
何時もの様に、楽しそうに、まるで何処かに遊びに行く約束を取り付けるかのようににこやかな笑みを光一に対して理折が向ける。
言葉の内容と、表情のギャップがあり過ぎて非常に恐ろしい物を感じた。
「おい!!何やって――」
「あなたが光一を巻き込んだんだね?許さないから」
キュピルスに向き直ると、再び腕を振るう。
茨が鞭のように展開し、キュピルスをはたき飛ばす!!
「ぐぅえ!?」
「私の幼馴染に、こんな危険な事をさせて……
ねぇ?覚悟はしてるんでしょ?」
倒れるキュピルス、それに理折が近付いていく。
右足を持ちあげると、つま先にバラの刺が集まり一本の槍の様になる。
「制裁するから」
容赦なくその足でキュピルスを踏みつける!!
「ぐぅぁああああ!!」
胸に刺が突き刺さり、白いクレアシオンが漏れ出る!!
「何その悲鳴?今まで光一にだけ戦わせてたんでしょ?自分は見てるだけだったんでしょ?自分だけ、何もしないで……光一にばかり戦わせて!!」
2度3度、5度、9度10度、20度30度と数えるのが不可能になるくらい、キュピルスを踏み続ける。
「ああぁッ!!僕は……僕は僕の戦いを――」
「うるさい」
茨が地面から生えキュピルスの口をふさぐ!!
「むー!!むー!!」
「止めろ!!こんなことして何になる!!」
檻の中から光一が、理折に話しかけるが理折の攻撃は止まらない。
「ねー、光一。私ね?ヒーローが好きなんだよ。悪い奴らをやっつけて、それでいて殆ど何にも言わずに帰っちゃう人。
解る?」
足をどかさないまま、理折が光一の方を向く。
「何のことだよ……」
「私ね?他人の為に何かが出来る人が好きなんだ。だってかっこいいじゃない?
それこそがヒーローだよ!!
けどね、もう、それもいらないんだ。
レーザンジの力で世界は壊れるよ、パパもママも消える……
何人も残らないんだよね、だからさ。
私と来てよ、光一は私がエラーにしてあげる、このハザマの世界で二人っきりの世界で暮らそう?私には光一だけがいればいいんだよ」
キュピルスを縛り上げ、理折が光一の檻に近づく。
「童話の王子様とお姫様みたいに、ずーっと幸せに暮らそう?」
理折の瞳が光一を覗き込んだ。
「戦闘……続行不可!!退避!!」
シプラスがバイクに乗り込みその場から離脱する。
おそらく、レーザンジの居る場所で回復を待つのだろう。
「痛むか?」
ルナイザーが倒れる、ギジョアの顔を除きこむ。
ひび割れた体、穴の開いた背中、どう見ても長くはなかった。
「やぁ……最後に来てくれた……のか」
無理やりという感じで、ギジョアが笑みを作る。
「どうやら……エラーも此処までの様だ」
自嘲気味にギジョアがほほ笑む。
「何もない世界に……生まれて……なんでもある世界を奪おうとした。
間違いと思った事も、後悔も無い。
俺は……仲間がいた……4人だで……4人で居た時が一番楽しかったよ……
お前は、その時間の象徴だ。お前が最後のエラーだ。
エラーは、もうお前の物だ……生きろ!!
お前の好きに生きろ!!それが
地面が振動して、盛り上がる。
それは高速道路の形をして、空にまで伸びていた。
これをたどれば、外の世界へ出れるだろう。
そう言って最後に笑い、小さな歯車を残しギジョアは消えていった。
「月跳……どうするの?」
キエラが、月跳に語り掛ける。
今、二人の前には3つの道が有る。
1つはエラーとしてギジョアの遺志を継ぎ生きる道。
2つ目は人間として、表の世界で生きる道。
3つ目は――
「俺は向かう……俺は戦う!!俺は自由を守るライダーだ!!」
振り返りひと際大きな、水の柱を睨みつける。
その背中を見る影が一体。
力を失ったエラー、ジョーカーだ。
「嘘だ……ギジョアが僕を救う訳ない……僕は……僕は一人だ……一人でいいんだ……」
壊れた人形、操り糸の切れた人形のようにそこに力なく座る。
『ジョーカー、また外の世界へ何か食べに行かないか?』
『賛成だ。貴重な資源も入手できる』
『あのわさびっつーの?アレがよ?癖に成っちまってるんだよ』
何処かで来たようながしたような気がして、ジョーカーが顔を上げる。
「ギジョア……ディヴィノック……ビスゴーラ……」
力なく嘗ての仲間の声を呼ぶ。
だがそれは幻、手を伸ばしても消えてしまう。
「なんで……!!なんでみんな消えた!!なんで、なんで僕は――僕はみんなを――!!」
泣き叫び、手を伸ばすももうその手を掴む者は居ない。
3人いた大切なハズの仲間は――――
「不要な者はデリィィィィィィィトですぅぅぅぅぅぅぅぅ…………………」
地面から水がせり上がり、クラゲと骸骨と雨合羽を足したような怪人が出現する。
水をランスの様に変化させ、ジョーカーを狙う!!
「邪魔だ!!」
しかしその攻撃は別の攻撃によってはじかれる。
「あ――」
ジョーカーを守る様に立ちふさがる影。
闇の中で尚も光を失わない、漆黒の戦士。
ジョーカーはその背中に嘗ての仲間の面影を見る。
「邪魔ですぅぅぅぅ………………」
「はぁあ!!」
液体のボディを何度も槍が貫く!!
その度に水が飛び散る!!
「邪魔ですねぇぇぇぇぇぇ…………………」
「何故お前は、レーザンジに付く?」
武器を振るいながらルナイザーが、ゼリキッドに尋ねる。
「何故?さぁあああああ?私はぁああああ、作り主に従うだけですぅぅぅうぅっぅ」
「そうか……なら、お前はエラーではない!!
俺たちは!!自由は!!自由だけは捨てなかった!!
覚悟しろ――――もう、月はお前を照らさない!!」
ルナイザーが、ギジョアの破片を右手に構える。
「なにぉぉぉぉぉっぉ?」
「我等エラーに栄光あれ!!」
ギアが突如軋みながら、動き出す!!
すさまじいスピードでクレアシオンを吸収していく!!
「なんです……それは…!?」
ルナイザーの右手に出現した、物体を見てゼリキッドが怯える。
それは心臓の様に鼓動を刻む、歯車の様にキリキリと音をたてる。
「エラー融合!!3つの鼓動よ!!俺に力を!!」
ルナイザーの体内にソレが溶け込む!!
漆黒のボディから色がはじけ飛ぶ!!
白い姿に、青と赤のDNAの螺旋構造の様なラインが走る!!
胸にクリアに見える歯車の様な機構が出現!!
頭部の角の様なパーツがより一層巨大化する。
「俺が……エラーだ!!」
その姿はまさに夜闇に輝く満月の様に強く美しい。
「は、はぁあ……」
「さぁ、終わらせてやろう」
その名もルナイザー・ミッドナイト・フル・ムーン!!