仮面ライダーパンドラ   作:ホワイト・ラム

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久しぶりに書きたくなったので投稿。
ライダー熱が復活したと言えますかね?

とはいっても、数話で終わる予定ですが。
Vシネマ的な位置だと思って下さい。


EXステージ~バッククロージャー同盟編~
ショッキング・インパルス!!


コツコツコツ……

 

一人の青年が暗い半場廃墟となった施設を歩いている。

 

「うへぇ……埃っぽ――うえ!?蜘蛛の巣かかった!!」

自身の顔にかかった蜘蛛の巣を退かす、その時手にした懐中電灯が一つの扉のネームプレートを照らした。

 

「っと、有ったな……第4実験室」

立ち入り禁止の警告や危険の文字の踊るドア。

ドアノブのまだ生きてるセキュリティに、自身の身分証明カードをスラッシュする。

 

ピーン

 

機械音が響き、音もなくドアが開く。

男は無言で部屋に入り、キョロキョロと見回し一つのパソコンの前にしゃがみこんだ。

まだ生きてるパソコンに機械を指してデータを吸い上げていく。

 

床に転がる資料に踊る名前『パンドラproject』を見て男。古矢 龍研が複雑な表情をする。

 

『エラータイプ。

A-ギジョア

B-ビスゴーラ

C-キュピルス

D-ディヴィノック

………………………………

…………………………

……………………

………………

…………

……』

様々な名前が流れていく。

そしてそれらも遂に最終段階に近くなる。

 

Y-イェスェム

Z-ゼリキッド

EX01封印

EX02-ジャリブ

EX03封印

EX04封印

EX05封印

EX06-レーザンジ

 

いよいよすべてのデータのコピーが完了するといった所で、後ろに影は踊った。

 

「zpq、ぃえmくんrvybt!!」

まるで意味をなさない言葉とも言えない音の連鎖、全身真っ黒で何もない顔と手足にぽっかり穴の開いた怪人が、古矢を狙う!!

 

「ウヲッッ!?ノイズ……ってことは、封印は解けてるって事か!!!」

バッと構え、ポーズを取る。

いつの間にかその手には銀色のリボルバー、腰には+のマークの掘られたベルト。

古矢が銃のリボルバーを指で弾いた。

 

『シプラスボルバー!!スタンバーイ?オケー?スタンバーイ?オケー?スタンバーイ?オケー?』

 

「変身!!」

その言葉と共に、リボルバーをベルトのバックルに押し込むみトリガーを引く!!

 

『イェスー!!レツゴー!!シプラス!!』

押し込んだ銃を斜めに倒し、ベルトのバックルの+の文字が斜めに変わりXの形になる!!

それと同時に、古矢の体を包みこむ様に白銀のエネルギーをまとったスーツが現れる!!

胸に輝くXの意匠!!その瞳に輝くのは正義の心!!

自由気ままな白銀の銃撃手が今!!蘇った!!

 

「仮面ライダーシプラス。ここに復活!!さぁ、ハンティングのスタートだ!!」

シプラスへと変身した古矢はシプラスボルバーを引き抜き、ノイズと呼ばれた怪人へととびかかった!!

 

 

 

事の始まりは昨日…………

 

「ふぅ、洗濯終わりっと」

青い空に流れる雲、とある孤児院で古矢は洗濯物を干して小さく一息ついた。

あの戦いからもう一年。

今では最早すべてが夢ではなかったかとさえ思えるほどだ。

 

「シプラスー、手紙が来てるよー」

そういって現れる紫の服を着た小柄な少女。

古矢と同じくこの施設に世話になっている元、エラーの少女。

城下 瑠璃だ。

 

「その名前で呼ぶな。俺はもうライダーは廃業した」

 

「またまたまたまたまたまたまたまた~廃業というより、クビでしょ?

ボクは近くで見てたから知ってるよん?

無職のお・に・い・さ・ん?」

こちらを馬鹿にしたような表情をして、古矢の横腹を肘でつつく。

 

「このやろ!?」

それにキレた古矢が瑠璃の腕を捕まえ、頭を拳でこすった。

 

「ひぇ!?ついにケダモノの本性を明らかに!?ボク、ママにされちゃうの!?」

 

「うるぇ!!お前、元は男だろ!?」

 

「エラーに性別なんてないよ!!こっちの方が受けがいいから、してるだけ――って、いたたたたた!!!」

拳で頭をぐりぐりやられて、瑠璃が涙目に変わる。

ふざけ合った拍子に瑠璃の持ってきた手紙が、床に落ちた。

 

「あーあ、落としやがって……大切なものだったらどうし――」

手紙を拾おうとした古矢。その宛名の人物を見て固まった。

 

「《《アイツ》》からの手紙だよ。何かあったんじゃない?」

瑠璃がまともな表情に戻って、冷ややかな視線でその手紙の送り主を想像する。

 

霊山寺 繰末。

かつて別次元――並行世界を研究する部署の一人で、ほかの次元へ潜航する装置一式、通称パンドラシステムの開発者の一人。

にして、世界の矛盾の塊『エラー』の研究者でもあった男。

 

「ふん、誰が行くかってんだ」

 

ビリぃ!

古矢が瑠璃の目の前で、その手紙を破り捨てた。

そして流れてきた風に乗せ、捨ててしまう。

 

「やめといた方がいいよ」

バラバラになった手紙を瑠璃が拾い集める。

 

「これはアイツの悪意だ。そして奴の何時ものやり方」

クシャッと音をたて、拾った手紙を掌で丸める。

 

「わざとさ。わざと手紙を破り捨てそうなアンタのもとに送ったんだ。

大変な事態が起きてから、『あの時読んでおけば』って後悔させるためにね。

奴の性格を知ってるなら、やりそうなことさ」

瑠璃の手には、破れる前のもとの状態になった手紙が有った。

 

「行ってきなよ。きっと、また誰かがアンタを必要としている」

 

「すこしだけだ……少しあって話を聞くだけだ」

ひったくる様に、手紙を受け取ると古矢はバイクを止めてあるガレージに向かった。

 

「もう終わったつもりだったけど……どうやら、そうじゃないみたいだね……」

怪しくなってきた曇り空を見て、瑠璃はひとり呟いた。

 

 

 

加賀松記念病院。

ここは都内でも有数の施設を誇る病院。

その最上階、下手なホテルよりもずっと設備の効いた場所にその男はいた。

 

「ふぅ、病院食は味気なくていけないよ。やはりもっと、ステーキなど力の付くものを食べなくてはね?」

霊山寺が目の前の古矢の対してそういった。

すっかり年老いたその風貌からか、かつての面影は感じられない。

今の言葉ですら、むなしい虚勢にしか聞こえなかった。

 

「うっさい!!あんたが手紙をよこしたからここにきてやったんだ!!早く要件を言え!!」

霊山寺の胸倉をつかんで、詰め寄った。

 

「まぁ、待ちたまえ。

すぐに、話す」

そういって片方だけになった手を振った。

 

「ふぅ、さて何処からかな――そうだな……」

あえて時間をかけるように、たっぷりと間を置いて霊山寺が説明を始める。

 

「私の研究していたエラーたち、その中でも上位26体がメインの研究対象となった。

最終的に残されたメンバーは少なかったが……

そのエラーをもとにしてさらに数体の上位強化エラー達が生まれた。

君も覚えがあるだろ?君の儀兄の使った、ジャリブや私のレーザンジがそうだ」

 

「それで?」

 

「ふふふ……その上位種は封印されたんだが――そろそろ封印が切れるはずだ」

おかしくてたまらない、そう言いたげな顔で霊山寺が話す。

 

「おい、それって!!」

 

「本来なら、私のレーザンジに吸収させ強化に使う予定だったんだが……そうもいかなくてね……

徒党を組んで私に敵対したんだ。全く、本当にエラー達は御しがたい!!」

 

「ふざけるな!!全部あんたの尻拭いじゃないか!!しかもそんな重要な事を何で――」

 

「なぜ今まで言わなかったかって?簡単さ、この世界にそれほどの価値が無いからだよ。私の思い通りにならぬ世界など必要ない。

壊してしまっても構わない!!だがね?君のあがく姿が見たくてねぇ!!

さぁ、必死こいて戦ってきてくれ給えよ」

 

「この!屑が!!」

遂に切れた古矢が霊山寺を殴り倒す!!

ベットから落ちた霊山寺がケタケタと笑う。

 

「ははは、若さだねぇ……私もそれは捨てたくないんだ……

さぁ!頑張ってくれた前、仮面ライダーとしてね?」

霊山寺がベットの下から、スーツケースを取りだす。

そこに収められていたのは――

 

「パラドクスドライバー……シプラスボルバー……」

仮面ライダーシプラスへの変身を可能にするためのツール。

 

「戦いたまえ、私を楽しませるために」

 

「あんたの為じゃない、俺は、俺は人の幸せのために戦う」

そう言って古矢はベルトを手にした。

 

「ふん、好きにしたまえ。私の会社の地下跡地に何かヒントがあるかもしれない。

行ってみるといい」

そういって、霊山寺が自身の身分証明を差し出した。

 

 

 

 

 

再び現代。

 

「オオりゃぁ!!」

シプラスの炎を纏った蹴りが、ノイズどもを吹き飛ばした!!

 

「あらかた片付いたか?」

辺りを見ると、小さく火の粉が飛んでいるくらいだ。

 

「あ、やっべ!パソコンに火気厳禁なんじゃ――」

 

「全くそのトーリ!君は全く持って、マナーの成っていない野蛮人だという事になるね?」

甲高い男の声が響いてくる。

何処から聞こえてくるのか、わからず周囲を見回すシプラス。

 

「どこを見てるのかね?私はそこら中にいるよ」

突如として、何かが床に落ちているプリンのの下から這い出した。

それだけではない。パソコンの影、椅子の下、さらには足の下からまでありとあらゆる場所から、何かが這い出る!!

 

「なぁ――」

それは一言で言うなら『色』だった。

人の影が黒なら、それは様々な色の着いた影。

走る様に、床を、壁を、天井を伝って、色の着いた影は一か所に集まってくる。

影は丸いリストバンドの様な形になると、それを使って人の形になる様に順番に並んでいく。

凹凸で体の形と、表情をその『色』たちが作り出した。

 

「初めまして。私はランドルト。偉大なドクターだ」

異様に細く長い手足、そして赤青黄など派手な色でのみ構成された横縞の怪人。

それが、知的な眼鏡をかけた偏屈そうな研究者風のいでたちに変わる。

 

「へぇ、人に化けれるのか……」

 

「今の社会では必須技能だよ?もっとも私が目立ちすぎるというのもあるがね」

言われてみればあの姿は非常に目立つ。

なるほど必須技能という訳か。と古矢が一人納得する。

 

「じゃ、質問だ。あんたは俺らの敵なのか?」

 

「ふん、白か黒か右か左かの2極でしか判断できない無能め……!!

もっと、柔軟な姿が必要だというのに――」

 

「お前、うっとおしいな……」

 

「ふふん、われらエラーと対等のつもりか?この劣等種め!!

本来なら、話しかけたくはないのだがねぇ!!」

古矢のバカにするような口調で一気にランドルトの機嫌が悪くなる!!

そのまま、さっきの怪人態へと変化した。

 

「すこし教育が必要だ!!ハぁ!!」

ランドルトの怪人態が腕を振るうと、虹を玉の形にしたような球体がけたたましい音を伴って投げつけられる!!

 

「うお!?」

古矢の目の前で、それが地面に当たり破裂し、周囲に大きな音とともにフラッシュが点滅する!!

 

「ふん……たわいも――」

 

「たわいも無いって?そりゃないさ!!」

煙を突き破り、シプラスが現れる!!

シプラスボルバーを引き抜き、クレアシオンを変換したエネルギーでけん制する。

 

「ふッはぁ!」

エネルギーをはじいたランドルトに、シプラスが肉薄する!!!

お互いの両腕を打ち付け合い、顔を近づける。

 

「言え!!お前たちの仲間は何人いる!!目的は!!!」

 

「ふぅん?知れた事!貴様ら人間という劣等種から、この世界を奪う事だ。

珍しくないだろ?お前たち人の歴史は、略奪の歴史。

今度は我らが、奪う番だ!!さらばだ!!」

一瞬距離を取ったと思った瞬間、まふしい光が走りランドルトは姿を消した。

 

『我ら、バッククロージャー同盟が諸君らの相手だ!!』

そう書かれた紙が足元に落ちた。

古矢はそれを拾い上げて――

 

「戦いはまだ終わってなかったんだ……最後の、最後の敵がまだここに!!」

 




ランドルト変身態――ショックエラー

ランドルトの変身した姿で、非常に目に悪いカラーリングをしている。
青黄赤等、さらに体から自在に出せる騒音等が武器。
所謂ポケモンショックにより相手にダメージを与える能力。
殴り合うばかりが戦闘ではないという事。

余談だが、バッククロージャー同盟は全メンバーが、名前を知らない『アレ』からきている。
ランドルトの元は、視力検査で見るCみたいな形をした『アレ』こと正式名称『ランドルト環』から
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