次回か、その次で終わりますかね?
「ハッ!」
「ふん!!」
ファミレスの中、二人の男がお互いの武器を振り合う!!
ルナイザーのランスが、バランのブレードにはじかれ、火花を散らす!!
「見事なツワモノ……!」
「感謝する。褒めても何も出ねぇけどよ!!」
バランのブレードと、ルナイザーのランスが打ち合わされ、つば競り合いになる。
「ふっ!」
「ハッ!」
両名が閉所での戦闘は苦手と判断したのか、つば競り合いのままファミレスの窓を突き破り、外の広場へで別れる!!
「――」
「――」
互いが無言で、武器を構える。
周囲に居た、人間が恐怖し逃げ出すが二人はむしろそれを待っている様でもあった。
「正々堂々こそ、武士の道。
仕切り直しではあるが、イザ尋常に――」
「了解。いいじゃねーの?その考えかた、嫌いじゃねーよ!!」
ルナイザーがランスから、剣を引き抜くき、走り込む!!
2本の刀の煌きが交わる瞬間、二人の間の地面がはぜる!!
「む!?」
「なに?」
「ちぃーっス、先輩方」
振り向いた二人の視界の端、学ランをきたいかにも不良な見た目の男が歩いてくる。
その姿を見て、バランが剣を収めた。
「ロイター……」
「どもっす、バランセンパイ。ファイト中わりーけど、あんたの獲物はパンドラじゃねーんすか?俺の獲物かっさらうのはやめてくださいよ」
ロイターと呼ばれた不良が、櫛を取り出し頭にワックスを塗る。
「パンドラは変身不能だ。弱者に手を出すは我が恥、見逃しても問題はない」
「ハッ!ブシドーって奴っすね。けどランドルトはどうっすかね?
あのおっさん、自分の計画がうまくいかねーとキレるんすよ……」
「無用だ。我らは仲良しではない。お互いの目標が合致したため協力しているに過ぎない。
此処は、お前に任せる」
バランは、そのままノイズと化して姿を消した。
「りょーかいっす」
公園に残ったのは、ルナイザーとロイター。
ファミレスの中から、理折と光一が二人の様子を見ていた。
「どもっす、先輩。俺の名はロイター、ロイター・バーンっす。
自分先輩のことマジ、リスペクトなんすよ。
元を正すと俺の目的は暴れてつえーやつと戦いたいんすわ――
相手、お願いできますかねぇ?」
学ランを脱いで、ポケットに拳を入れるロイター。
「かまわない。かかってこい!!」
「あざーっす!!」
とびかかるルナイザー、ロイターは変身すらせずに頭上に振り下ろされるランスを見る。
未だズボンのポケットの中に拳は入っており見る限り、完全に無防備だ。
だが相手はバランの仲間、つまりは何らかのエラーのハズだ。
ルナイザーは攻撃の手を休めない!!
ブワァッ!
「何!?」
奇妙な手ごたえを感じ、ルナイザーが驚愕の声を上げる。
いや、手ごたえというのは誤りかもしれない。
《《あたっていない》》のだ。
透明な壁でもあるかの様に、ランスがロイターの頭上数センチ前で止まっている。
「こんなもんすか?」
キィン!
「ぐっ!」
衝撃を受けてルナイザーが後ろに飛ばされる。
「もっと来てくださいよ。先輩」
そう言って、ルナイザーの目の前でロイターの姿が崩れる。
それは鉄の人間だった。銀色の体色に両腕両足にバネ――スプリングが付いており、頭も楕円形に伸びたスプリングと鉄の塊でリーゼントの様な形をしている。
「スプリング?エラーか?」
「ちげーっす、この形はただの手段、俺の名は――」
ロイターの足元のスプリングがピストンする!!その瞬間、地面の砂や葉っぱが一斉に吹き飛んだ!!
まるでロイターから引きはがされる様に飛んでいくモノたち。
「インパクト、俺は衝撃を操れます」
腕を振るった瞬間、近くの鉄棒がぐにゃりと歪にゆがんだ。
「らぁあああ!!」
「あめーっス!!」
ルナイザーのランスが待たしても不可視の壁に遮られる!!
恐らく、ランスに対して衝撃派を出し攻撃を受け止めているのだろう。
「ならば――カノン!!」
ルナイザーが、ランスの先端を縦に開く。
持ち手が曲がり、トリガーが出現する。
「ファイァ!」
「だから、それがあめーんすよ!!」
砲弾が発射されるが、同じく少し前で空中で停止する。
「問題無し。追撃するだけよ!!」
手早くカノンをランスに戻し、空中で止まている砲弾を殴りつける!!
ぎぃん!!
音がして、砲弾がさっきよりロイターに近づく!!
「お、押し込む気っすか!?けど、このまま拮抗させれば――」
「意趣返しだ。その考えは甘い!!」
その言葉を話した瞬間、ルナイザーうでの骨の様なラインが赤く染まり蠢動する。
わずかに動き出し、余剰エネルギーを放出する!!
「な――」
「クラッシャーパンチ!!」
右手の拳で、拮抗するランスと砲弾をさらに殴る!!
ミチィ!!
「な、ぐ――」
鈍い音がして、ロイターの顔面に砲弾がめり込む!!
「あばよ、後輩!!」
カッと砲弾が光り、すさまじい音と共に爆発した!!
「ああー!!ライダーが!!」
「相変わらず無茶な戦い方だ……」
戦いを見守っていた理折ると光一が声を上げた。
すこしして、煙が晴れると、そこには二つの影が立っていた。
「すげーっす、先輩。正直やられました」
「同意する。無茶をしなきゃやられてたぜ?」
立ち尽くす、ロイターの顔半分が装甲が剥がれ、顔の三分の一と左腕を失っていた。
「やられはしないんすけど……厳しんで撤退します。
また今度お相手お願いしますっす」
残った右手で手をふると、地面に倒れるようにしてそのまま消えていった。
「倒し切る事は、できなかったか……」
ルナイザーが、青年と少年二つの姿に分かれる。
明らかに余裕のない姿をして、息を吐く。
「……倒せなかった……」
「ああ、手を抜いたつもりはないんだがな……」
少年――キエラの言葉に、青年の月跳がどういする。
自身の手をかばっている様にも見えた。
「らっしゃ――なんじゃお前らか」
古びた骨董品店、カウンターに座て新聞を読んでいた老人が、来客をみて詰まらなそうに再び新聞に視線を戻した。
店に来たのは、全部で4人。
光一、理折、月跳、キエラだ。
「おい、爺さん。なんで理折がドライバーを持ってるんだ?」
光一の言葉が、老人――昼重を責める様にいう。
「使ったのか?アレを?」
驚いたような顔をして、新聞から顔を上げる。
「おかげでヒーローに成れました!!」
理折が得意げに、手にしたパラドクスドライバーを見せる。
怒る光一、お気楽に笑う理折、そして勝手に茶を入れて飲むキエラと月跳。
「はぁ……それは本来護身用なんじゃがな?」
昼重が、理折からドライバーを受け取りコツコツと表面を爪で叩く。
「この嬢ちゃん、昔エラーと融合してたじゃろ?そのせいで少々構築が不安定でな……
まぁ、よっぽどのことがなけりゃ問題は無い。
じゃがドライバーは、崩れる体を保護するためじゃ……
そんでもって、一回エラーに成った奴は、ほかのエラーと呼び合う可能性もあるんでの?そのためも含めて、ベルトじゃな……」
「なるほど……まだ、終わってなかったって訳か……」
思いもしなかった重い事実に光一が絞り出す様につぶやいた。
自分の知らない所で理折が戦っていたかと思うと、胸が痛くなった。
「ねぇ、光一……半分くらい理解出来なかったんだけど、わかりやすく言ってくれない?」
「お前……ほんっとうにバカなんだな!?」
「いやー、初めてにしては、結構戦えたと思うんだけどなー?」
理折がドライバーをいとおしそうになでる。
その姿はどう見ても、子供がおもちゃを買ってもらった様にしか見えず……
「ああ、実は終わってたのか……」
思った以上ではなかった様で、光一が安堵する。
「よぉう!おっと、みんな揃ってるのね」
扉を開けて、古矢が顔を出す。その手にはトランクを持っていた。
予期せず、ライダー全員の仲間がそろった様だった。
「お茶だ。飲め」
月跳がお盆に、入れた緑茶を手に戻ってきた。
「なんじゃい?わしの知らんトコでなんかおきてたのかの?」
手の中で湯呑を転がす昼重。
「昼重さん、あなたが研究してたのって、このドライバーの先が有るんですよね?」
まるで証拠でも見せるかのように、数枚の紙を机の上に広げる。
それは一瞬だがパラドクスドライバーの様にも見えた。
「それか……それは失敗作じゃ、まともな人間には使えん」
「けど、霊山寺がコレを完成させたとしたら?」
古矢の言葉に、昼重がピタリと体を止める。
「ふふふ、あのバカならやりかねんな……
だが、それも闇の中よ……」
今度は昼重が、新聞を持ってくる。
『マジェスティック・シャドウ』社長病院で変死。の見出しが躍っている。
光一も、このニュースは知っていたネットニュースでも大々的に報じられている。
「霊山寺……お前は、エラーに食われたのか……ふん、因果応報じゃわい……」
昼重が悲しそうに目を伏せる。
昔の研究仲間の死にやはり思う所があったのだろう。
「霊山寺の遺産を狙ってる奴らがいる」
古矢の言葉に、その場の全員が固まった。
光一たちが思い浮かべるのは、さっきの敵。
ルナイザーとさえ、引き分けた怪人たち。
「奴らはバッククロージャー同盟って自分たちを読んでた。
霊山寺の研究室の地下からデータを取り出した来たんだけど……」
カバンから、パソコンを取り出し持ち帰ったデータを見せる。
「あ奴め……!懲りん奴じゃ……」
秘密裏に研究されていたエラー達に、昼重が悪態をつく。
「研究所の地下……ハザマの世界との間にまた別の空間が有る。
あ奴の隠し金庫じゃろうな……」
昼重がぽつぽつと語る。
「じゃ、そこに――」
「ああ、あるとしたらそこの霊山寺の遺産は有るじゃろう」
「アイツらは、それを狙っていたのか……」
光一はロイターの語った目的を理解して、パソコンのデータを睨む。
「行こう、早くしないと間に合わなくなる」
「了承した。派手にぶっ壊せばいいんだな?」
古矢、月跳の両名が立ち上がる。
「わ、私も――」
「お前は無理だ……おれもな……」
同じく立ちあがる理折を諫める光一。
戦わなくてはいけない場面なのに、武器が無い。
その事で光一は非常に歯がゆい気分になった。
そんな事を考えてると、いつの間にか二人は出ていったしまった。
のこったのは、理折と昼重の2人。
この二人をみて、光一がいたたまれない気分になる。
(この二人、戦えないってこんな気分なのか……)
小さく光一が爪を噛む。
どぉーん!!グラグラ!!
「わッ!?」
「地震!?」
昼重、さらには理折の二人が、揺れる地面に体勢を崩す。
「一体、何が――」
居てもたってもいられなくなった、光一が外に出ると――
「お前は、ロイター!?」
光一の言った通り、ロイターが地面を揺らしていた。
だが、その顔色は悪くて、さっきのダメージのせいか、体からノイズが絶えず零れている。
「ああ、やっぱりだ……早く、早く壊さないと!!」
何かに怯える様に、ロイターが能力を使い続ける!!
そしてついに――
グラァ!!
何かがずれる感覚と共に、昼重の店が地面に吸い込まれるようにして消える。
「な、なんでこんな――ああァつ!?」
さらに穴が広がり
光一までもが穴の中に落ちていった。
「ぐがぁ……!」
ロイターの壊れた部分から、半透明の液体が零れていく。
「おやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ
もう、こわれてしまいましたかぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ………
使えませんねぇっぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ………
まだ、ご主人の頼みは残っているのにぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ………
しかしぃぃぃぃぃ……
私に落ち度はありませんんんんんんんんん……
もうじきの辛抱ですよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ?
我が、マスタぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ……」
水の抱える四角いキューブ、一瞬だが、そのキューブの表面の男の顔が映った気がした。
そしてその水は排水口に消えていった。
明確な死亡描写が無い彼が復活。
さらに言えば、前回消えたあの人がLASTに口にしていたのはデザートではなく……
ちょっとした伏線です。