呼んでくれた人、感想くれた人、ありがとうございました。
何処までも広がる廃墟の世界。
「行こうぜ、相棒」
「ああ、そうだね」
小さく会話する二人。
そんな中、光一がベルトにキュピルスをはめ込む。
「qzwぇcvrbtにゅみ、お。p・」
「pぉいkじゅhygtfrでdすぁq」
「あzsxdcfvfbgんhmhjk」
ノイズたちが、二人を殺そうと襲い掛かる!!
『コネクション・シールブレイク!!パンドラシステム・スタート!!』
風が吹き、数体のノイズたちが吹き飛んだ!!
「おみぬbybtvcれxwzq!!」
「ぁksjjdhfggfhdjsぁあk!!」
ノイズ達が、悲鳴を上げる。
そうだ、舞い上がる風が教えている!!
悪を切り裂き、弱者を守る。
悲しみを打ち砕き、人々の願いを守る。
世界の果てからでも、風の様に何度でも現れるライダー!!
仮面ライダーが帰って来た!!
「うおぉっぉおおお!!ライダーパァンチ!!」
「mんhgb!」
拳の一撃でノイズが吹き飛んだ!!
「ライダーキィック!!」
回し蹴りで、再びノイズが飛ぶ!!
「……あれが……パンドラの……力か……」
バランがパンドラの戦う姿を呆然と見る。
傷ついた体を押して、立ち上がりその雄姿を目に焼き付けようとする。
「ずっと、戦ってくれてたんだよ。
私の為に、みんなの為に……」
バランのとなりに理折が立つ。
その顔はどこか嬉しそうでもあり、悲しそうでも有った。
「本当はもう、悲しい顔させたくなかったのに……
私が代わりにって、思ったのに……」
グズグズと悲しそうに顔を歪めだした。
「おぬしのその考えは優しい。間違っていない。
だが、違う。
あ奴は、戦う事を選んだ。ならお主はその帰りを待つことが仕事」
「それって……つらいよ……」
「鳥とて、無限には飛べぬ。帰る巣があり、止まり木が有る。
お主がそれに成ってやれ……」
「うん、わかった。私笑うよ、何時でも戻ってこれる様に」
顔を拭いて、理折が無理して笑顔を作って見せる。
そこへパンドラが戻ってくる。
「ふう、一通りここは大丈夫かな?」
ベルトを外し、元の姿に戻る光一。
「やれやれ、僕をまた呼び出すなんて……一人じゃ何もできないんだね?」
パズルの画面がにやにやと嫌な笑いを浮かべて見せる。
「手も足も出ないのはむしろお前だろ?」
キューブを指先でつついて見せる。
「もう!二人ともやめなって!」
「そうじゃよ……霊山寺が何やらやらかしたみたいじゃしの?」
昼重がバイクを引っ張りながら、店の奥から現れる。
「おお、パンドラのバイク!持っててくれたんですか?」
「まぁ、元を正せば儂のじゃしな!」
「なら、さっさと行くかな……
悪いけど、あんたとの対決はまた後だ」
バランに視線を送る光一。
「かまわん、もとより戦える体ではないのでな……」
自嘲気味に笑い、近くの瓦礫に腰かける。
「じゃ、行ってくるわ」
手を振り光一がバイクにまたがった。
「ふぅ、ここは落ち着くな……霊山寺の記憶がそうさせるのか?」
フォーヴィドゥーンが社長室を模した部屋で、机に座る。
模したというのは、完全の同じという訳でなく、全体的に生物じみた部屋だからだ。
壁や机には青い血管が浮かび、ライトは心臓の様に脈動している。
「さて、諸君。侵入者がこの城に向かっている相手を頼むぞ?」
フォーヴィドゥーンの視線の先、二つの巨大な繭が揺れる。
そして、何かが出てこようと暴れる。
ビィ!ビリ!!
「ふふふ……まったく、かわいい奴らだ」
フォーヴィドゥーンが笑い、その羽化した何かを見て笑う。
「くっそ、ルナイザーと寸断されちまったか……」
生き物の食道を思わせる老化で、シプラスが悪態をつく。
フォーヴィドゥーンを追って飛び込んだはいいが、すべての物理法則さえないような場所で辟易してしまう。
極めつけは――
「くぁwsdrh――」
「あー、はいはいうっさいぞ!!」
無限に湧いてくるであろう、ノイズを打ち倒す!
「はぁ、ここどこだよ……」
「ここはぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ地下クレアシオン貯蔵庫ですぅぅぅぅぅぅぅぅ…………………
生きたクレアシオンがノイズとして保存されていますぅぅぅぅぅぅぅ………………」
突如水がせりあがったと思うと、ゼリキッドに姿を変えた。
「お前は――」
「あなたの処分はぁぁぁぁぁっぁぁぁぁぁぁぁ………………………
私に任されましたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ…………………………」
「へ、いろいろ忙しいな?お互いよ!!」
シプラスボルバーをシプラスが構えた。
「どこだ……ここは……」
ルナイザーが高速道路でバイクを走らせる。
そう、部屋のドアを開けたと思ったら無人の高速道路だったのだ。
建物の中のハズだが……
ウィゥゥゥン!!
「!!」
後方から何かが走ってくる音がして、ルナイザーが振り返る。
ビィィィィィィィン!!
それは異物だった。
だがひどく見覚えのある異物だ。
3メートルほどの巨体に緩やかなライン、そうペットボトルを横に大きくしたような歪んだ円錐の体に腕が生えている。
前に青白い人の手、後ろが丸鋸を回転させて走っている。
赤、灰、緑の絵の具をぶちまけゆっくり混ぜたような体から、鉄骨の首と骨と血管が絡みついた3本の首がダランと垂れ下がっている。
顔はそれぞれ色が変わった、ファクトリーエラー、ライオンエラー、ヒューマンエラーの物だった。
よく知る3体を最悪の形で行ったリメイク。
顔を残し面影を否応にも残すその形は、フォーヴィドゥーンの悪意が透けて見えた。
死者を、エラーを、冒とくするようなその姿にルナイザーの胸に怒りが湧いた。
キリキリキリキリキリ!
火花を飛ばし、今にも壊れそうな体を必死で走らせ異形が迫る。
『エラーだ……異常な……エラー』
ベルトとなったキエラが言葉を話す。
バイクを走らせているが、その偉業はこちらをみてますますスピードを上げる。
「否定する。」
『え?』
「奴はエラーではない。あんな醜悪な玩具が我々エラーと同じは有ってならない!!」
『うん……そうだね……僕たちを……エラーという種を侮辱した存在だ!!』
赤い瞳に怒りをともして、ルナイザーがアクセルを吹かす!!
「ここだ、ここが――」
『ああ、霊山寺の反応がする。大分おかしくなっているがね!!』
異形の塔、または城をみてパンドラが声を上げる。
「おやおや、ずいぶんと懐かしい顔だね」
龍の鱗を彫り込んだダイアの体に、赤い楕円とベルト。
霊山寺だった存在、フォーヴィドゥーンが悠々と、姿を現す。
「あんたまさか――」
「そう、霊山寺さ。『元は』だがね?
ふふふ、私の城だ。そして異世界すらも征服を可能とする私の兵器だ!!
今は、小虫が這いまわっているようだが……なぁに、私の部下がすぐに始末するだろうさ。
今はまだ12%程度だが、威力を見せようか!!」
フォーヴィドゥーンが指を鳴らした瞬間、塔その物が蠢動した!!
「撃て」
一言宣言した瞬間光が走る!!
すさまじい衝撃を感じ、パンドラが頭を反射的に守る。
「どうだい?素晴らしいだろ?」
「そんな……」
パンドラのすぐ横。
無数の瓦礫が有った場所が、道でもできたかのように何もなくなっている。
ずーーっと遠くまで続き、先は見えなくなっている。
「100%チャージすれば、並行世界へ穴をあけることが出来るハズだ。
私の悲願!!全次元の王になる夢も近いぞ!!」
「させない!!」
パンドラがブレードを構え、フォーヴィドゥーンに向き合う。
「いきなりラスボスはないだろ?
せめて、部下と先に戦うのが主流だろ?」
「そんな事――」
「言わせられるんですよ!!」
「ぐあ!?」
パンドラに、虹色のレーザーが当たる!!
視線の先、目に悪いカラフルな手足の長い怪人が立っていた。
「古矢さんの情報に有った、ランドルトか?」
「正解!!しかし100点ではありません。
私は霊山寺ちからを受け、パワーアップしました!!
いわば、ランドルトネオ!!」
「ネオ?うえ、だっせ」
「ネオはないな~」
二人して、バカにした瞬間ランドルトが、周囲にレーザーをぶっ放した!!
「なめるなよ!?私は上級エラーの中でも――」
ランドルトが口を開いた時、聞いたことのない声がした。
「ああー!!なんてことだ……!」
「!?」
「にん、げんか?ハザマの世界に?」
その男は、灰色の服を着ていた。
何処かみすぼらしい恰好に、疑問を持つ。
「ああ……俺の、俺の天丼が……!!」
さっきのランドルトのレーザーを受けたのか、目の前に天丼が落ちていた。
「最後に食べようと思ってた、海老天が……3、3秒ルールだし……」
震えながら、ごはんの上に載って地面に触れていない海老天を口に含んだ。
「ああ……料理のおばちゃんごめん、お残しします……」
悲しそうに、何かに祈る様に手を合わせる。
「なんなんだ貴様!!」
その態度が気に入らなかったのか、ランドルトがその男に言い寄る!!
「ん?俺?俺は
身分証明書は――コレでいい?」
玲久がポケットから、くしゃくしゃの紙を取り出す。
その紙は、ただの紙ではなく――
「し、指名手配~~~!?」
ランドルトの落とした紙には、確かに玲久を指名手配する旨の書かれた手配書だった。
「そういう事。そんで――うをっと!?」
ランドルトの攻撃を間一髪で躱す、玲久。
「犯罪者め!!どうやって入ったか知らんが、お前も此処で処理してやる!!」
そういって、指先にレーザーを集める。
「処理?俺を?ってか、その攻撃……
さっきの、レーザーお前のか!!
天丼の仇だ!!!ゆるさねぇぞ!!」
玲久が、ズボンのポケットから古びた鍵を取り出す。
そして、腰に鉄格子の着いたバックルを装備した。
「な、まさか――」
「そうそう、忘れてたぜ。俺は指名手配犯だーけーど!!」
玲久が、鉄格子の横の鍵穴に、キーを差し込む!!!
「変身!!」
『クライムキー!!コード・チェンジ!!』
キーを押し込んだ瞬間、真っ白いスーツが一瞬だけ形成されその姿を何処からともなく現れた鉄格子が遮る!!
『ブレイク・ア・プリズン!!ゲット・ア・フリーダム!!』
「仮面ライダージェイルだ!!」
鉄格子が開くようにして現れたのは、白と黒と囚人服の様なデザインのライダー!!
手錠をイメージした緑の複眼に鉄格子が掛かっている。
縦の白黒は左右の手先に行くつげ、配色が変わり右手は真っ黒、左手は真っ白に染まっている。
「なにぃ!!?」
「白と黒のライダーか、興味深いねー」
驚く二人を他所に、ジェイルがランドルトを攻撃して大きく後退させる。
「へい!お二人……で良いのかな?とりあえず、コイツの相手は任せてどっか行くなら行けよ!!」
「わ、わかった!!よろしくなー!!」
パンドラが手を振って、フォーヴィドゥーンの消えていった塔を目指す。
「んん~~~~~!犯罪者ごときに!!」
「おいおい、人を勝手に決めんな!
いろいろふか~い事情が有るの!!」
「知るか!!」
ランドルトが両手を尖らせ、光を放ちながら走ってくる。
「おおっと、そっちがその気なら!!」
ジェイルが、腰のホルスターに有った銃を取り出す。
数発、撃ってランドルトをけん制する。
「ふん!!そんな攻撃など――!!」
「まま、黙ってみてな!」
そう言って、腰のカギをぶら下げた鉄円から一本キーを引き抜く。
そして、腕についている鉄環の鍵穴にキーを差し込む。
『クライムセット!!リフレクト!!』
「さぁて、いっちょ。行きますかね!!」
走りながら銃を撃ち続けるジェイル!!
「はん!!戦い方がまるで成ってない――」
「ありゃりゃ?」
ランドルトの攻撃に、誘導されぶつかる様にランドルトに捕まるジェイル。
至近距離で、レーザーを構えられる。
「これで終わりだな」
「あー、終わっちゃったか……もうチョイエネルギー欲しかったのに……」
「???何を言って――」
ランドルトを他所に、ジェイルが腕のキーを再びひねる!!
『ジャッジメントターム!!』
音声と共に、さっきまで撃っていたエネルギーが集まってくる!!
「ば、ばかな!?」
ジェイルの両腕にエネルギーがたまる!!
「せいーはぁ!!」
「ぐぅああああ!!」
両手の一撃で、ランドルトに過剰エネルギーが走る!!
「そんな、バカなぁああああ!!」
内部から破裂すように、ランドルトが消滅した。
「うわぁああああああ…………
なんてことをぉぉぉぉぉ………」
シプラスの目の前、ゼリキッドが凍り付いた体を必死に動かそうとしていた。
「こんな、事が許されるとでも――」
「はぁ?思ってるさ。エラーは俺の敵じゃない。
一生懸命生きてるやつを俺は知ってるからな!!」
古矢の脳裏に、瑠璃が浮かぶ。
人として生きることを決めた、大切な家族だ。
「なら、なぜ私は――」
「お前は霊山寺の操り人形だ!!いま、解放してやるからな!!」
シプラスボルバーをバックルに押し込む!!
『オーダー!!モエルー!!タギルー!!アチチなファイア!!』
「おおぉぉぉっぉおぉぉぉ!!!
もぉおおおおおとだああっぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
何度も何度も、バックルのトリガーを引き続ける!!
熱があふれ、陽炎が発生する!!
「くらぇええええ!!ライダーヒート!!!」
全身の高熱を纏った必殺の一撃!!!
ゼリキッドにふれた瞬間その部分が蒸発していく!!
「わ、わたしのから、からだがぁああ!?」
物理を無効にする無敵ともいえるゼリキッドの弱点。
それが蒸発!!高温にさらされた水の体は液体を保てずたた消滅するのみ!!!
ピちゃ……
古矢の前、小さな小さなクラゲが落ちる。
「それがお前の本体か……」
数度ぴくぴくと動いたあと、水の無くなったクラゲは消滅した。
パァン!!
「撃ち尽くしたか」
ルナイザーが、霊山寺の玩具を見ながら、カノンをしまう。
今の一発で最後の弾を討ち尽くしてしまった様だ。
「―――――――――!!」
声に成らない悲鳴を上げ、『異形』がこちらにタックルをしてくる。
「――――!!」
「――――!!」
「――――!!」
3つの首が代わるがわる噛み付きを繰り出してくる。
「…………鬱陶しいぞ!!」
ランスで近くの、ヒューマンエラーの首を地面にたたきつける!!
「いいだろう、相手をしてやろう。
もう、この力は使う気はなかったが――かまわん!!」
バイクの上、ルナイザーが灰色の球体を握る様に潰す!!
そこから溢れる濃厚なクレアシオン!!
漆黒のボディが灰色にそまり、DNAの2重螺旋を思わせる青と赤の線が体に走る!!
胸に歯車の埋め込まれた心臓が胎動すればその姿の名は――!
「ミッド・ナイト・フルムーン……」
かつて消えた3体のエラーの王たちの力を受け継ぐ姿!!
「邪魔だぁ!!」
ランスを振りかぶり、噛み付こうとしたライオンエラーの頭をたたきつける!!
「無駄だ。貴様らがいくら模造しようと、エラーは、俺たちの意思は此処に有る!!」
胸を親指で指した。
「マシン・機メイラー!!」
「イィィィィ!!」
高音で叫ぶ、マシンの羊の頭が外れた!!
2本の角が伸び、死神の鎌の様に変化する。
「はぁああああ!!!」
ランスをライオンエラーの頭に突き刺し、地面に縫い付ける!!
それを阻もうとしてきたファクトリーエラーも同じく、機メイラーを変化させた鎌で地面に縫い付けた!!
「最後だ……」
ランスから、剣を引き抜き最後に残ったヒューマンエラーの頭を地面に縫い付ける!!
「さらばだ。異形の骸よ」
異形を完全に地面に縫い付けたルナイザーが、胸の心臓を熱くたぎらせる!!
体中からエネルギーがほとばしる。
キィィィィィィィッィ――!
「破壊砲。起動!!」
胸から解き放たれたエネルギーが異形を完全に消滅させた。
「馬鹿な……我配下が……全滅!?」
部屋の中、フォーヴィドゥーンが自らの体内ともいえる城の中で配下が消滅したのを感じ、戦慄する。
弱い奴らではない。むしろ今作れる中では最強の部類だ。
「ふ、ふふふ……仕方ないか。
そうだ、仕方ない事なのだ!!私だけが『完成した』存在!その他有象無象に私の望むレベルを求めたのが間違いなのだ!!」
自らに起きた現象が信じられないとでも言いたげに、むなしく言い訳を並べる。
バァン!!
その時、部屋の扉が蹴り破られて、何者かが姿を現す。
「パンドラ……来たのか……」
「ああ、あんたを倒すためにな……」
光一が変身を解き、キュピルスを見せる。
「よう、霊山寺。印象変わったな、髪型変えた?」
「そうかもしれないね?」
フォーヴィドゥーンも同じく変身を解いて、空中に黄色いキューブが浮かぶ。
「へぇ、そんな姿にね?」
「君のむなしさが伝わるよ、よく平気で居られるものだね?」
お互いをけん制する2つのキューブ。
光一が、キュピルスをつかみむ。
むすうのダイアのかけらが、人型を取る。
「変身!!」
「変新!!」
光一が、キュピルスをベックルに押し込むと同時に――
ダイアの塊のつけたベルトが霊山寺のキューブを砕く!!
光一の姿が再びパンドラへ!!
霊山寺の姿がフォーヴィドゥーンへと変化した!!
「うおぉおおおお!!」
「はぁあああああ!!」
両者の拳が、胸に当たる!!!
お互いが後ろに吹き飛んだ!!
「この力……素晴らしいね!!私の糧にしてあげよう!!!」
フォーヴィドゥーンのベルトの口が開き、すさまじい勢いで周囲の物を吸収する!!
机、書類、ウォーターサーバーまでも、ベルトに吸い込まれる!!
「見たかい?これがゼロドライバーの力!!
すべてをクレアシオンに変換して私の強さに変える!!」
「ふぅ――そうかよ!!」
吸い込む空気の渦の中!!
パンドラが、走ってフォーヴィドゥーンの胸を再び殴る!!
「うぅあ!?なぜだ……!!!なぜ、変化しない!?
なぜ吸収できない!?」
「このパンドラは前までと違うからだ」
光一がそう話した様にフォーヴィドゥーンは聞こえた。
「今の声は……?」
だが確証が持てない。
似ているのだ、両名の声の質に。
「もう、俺たちに線引きは必要ない――」
「
パンドラの目が、一瞬だけキラリと輝いた。
「なに……、そんな愚行を――」
「ちがうさ、コレでいいんだ。
お前みたいに他人を支配するしないじゃない!!
受け入れ共に歩むことが、この力の意味だ!!
エラーも、人間も関係ない!!線引きを捨てた力!!『パンドラ・ボーダーレス』だ!!
そしてお前は、その両方を敵に回した!!
フォーヴィドゥーン……いや、霊山寺!!俺がお前を解く!!」
「なめるなぁ!!!」
フォーヴィドゥーンは、ダイアを剣状にして飛ばす!!
しかし、パンドラ・ボーダレスはそれを召喚した剣ですべて叩き落とす!!
「なぜだ、なぜ怖がらない!?
未知の存在なのだぞ!?心の繋がらない存在なのだぞ!?」
「それは、あんただけだ!!自分だけの世界で、支配することしか知らなかったあんたが捨てた道だ!!
行くぞ!!」
全身のバネを伸ばし、
両足の蹴りは、フォーヴィドゥーンの胸に吸い込まれる様に当たる。
「……ふぅ……終わる……のか……私が……」
ビキッ!
フォーヴィドゥーンの体にひびが入っていく。
歩くたび、小さな破片が零れる。
ビキビキびきっ!
「見事……だ……」
ピシっ!ぱりぃん!!!
フォービドゥーンは、部屋の外へと身を投げた。
空中でひび割れ霧散して、バラバラになって消えた。
「死んだのか……」
「違う、やっと死ねたんだよ。
やっと、欲望から解放されたんだ」
キュピルスの言葉に、光一が答える。
「さ、帰ろうぜ。相棒」
「良いのかい?こんな厄介者?」
「言われりゃそうだ、帰りにコンビニのごみ箱に捨てていくか」
二人は軽口を言いながら帰っていった。
1月後――
「???にじかんすーってなに?」
ファミレスの中、理折が数学のプリントを前に固まる。
「違う!!このバカどもが!!」
光一が、目の前のバカを怒鳴りつけた。
一人は言わずも名が、理折だ。
頭をかかえ、うんうんうなっている。
「決めた!私エラーとして生きる。ハザマの世界で生きる!!」
無駄に決心した顔をして話すが――
「馬鹿野郎!!そんなもん許せるか!!あっちはあっちで頑張ってるんだ!!
情けない所見せるな!!」
光一が怒鳴る。
あの後、ハザマの世界は再び閉じられた。
キュピルスをはじめ、生き残ったエラーの何体かは、向こうで生きることを決めたらしい。
当面の目的は、豊かな生活らしい。
バランをはじめ生きていたロイターやパイ・ロンはこちらで暮らすようだ。
ボーダーの無い世界。まだまだ面白いことが多いらしい。
余談だが、パイ・ロンの中華は人気の店となっている。
ひょっとしたら、エラーの中で一番出世するのでは?と光一は思っている。
「休憩しようよ~、おじちゃんの店でさ!!」
バンバンと机を叩く理折。
コイツはこいつで、野生化ならぬエラー化している。
だが、光一もその意見には賛成だ。
「わかったよ。勉強おわったら行こうぜ?」
笑顔を浮かべてノートに手を伸ばした。
さて、大円団ですね。
パンドラの世界は、これにて終了です。
皆さんの納得のいくラストか、どうかは分かりませんが。
楽しめたのなら、光栄です。