ヤバイです、555風の音声とかかなりストライクのデザイン……
謎の場所にて……
三人の男たちが、絵の具をぶちまけた様な、異様な色合いの高速道路の一角に座っていた。
リーダー格のギジョアが、フェンスにもたれ掛り。
ワイルドな風貌のビスゴーラが動かない自動車の屋根に座る。
小柄な少年風のジョーカーは電灯の上で片足立ちでバランスを取っている。
そんな三人の中に……
「……すまな…い…失敗した……」
青年風の男、ディヴィノックが現れそう口に出した。
「まさかお前のエラーがやられるとはな……」
ギジョアが重々しく口を開く。
その顔は厳しい物になっていた。
「……俺が直接手を出すべきだった……」
ディヴィノックが反省点を自分で上げていく。
「やっぱりやっぱりやっぱりやっぱり!!キュピルスの使い手が居るのが厄介だね!!」
ジョーカーが何時もと同じようにふざけた口を開く。
「フン!!やはりここは俺が行くべきだ!!俺が直接キュピルスを破壊する!!」
ビスゴーラがそう言い放ち、両肩をいきり立たせるが……
「おっとおっとおっとおっとおっと!!今度は僕に行かせてほしいな!!」
ジョーカーが自身の手を上げる。
「けどけどけどけどけど、僕一人のエラーじゃきついんだよね。ビスゴーラ、僕に一匹エラーを貸してほしいんだけど?」
そう言うと、ビスゴーラの目の前に降りてくる。
その様子に不機嫌そうな表情を作るも、懐からライオンが溶けて変形した様な銀色の塊を取り出すし、投げ渡す。
「ありありありありありありがとう!!」
そう言うとジョーカーは、空間に溶けるように姿を消した。
「不満そうだな?」
ギジョアが、ビスゴーラにそう問いかける。
実際ビスゴーラの表情は苦虫をかみつぶしたように重々しげだ。
「正直に言うと、俺はアイツの戦い方が気に食わん!!生み出すエラーの性質上しょうがないとはいえ!!実に気に食わん!!」
それだけ言うと忌々しげに、同じく姿を消した。
「……俺を処罰しないのか?」
ディヴィノックが、ギジョアに問いかけるが……
「そうだな、今回はエラーを一体失ったんだ、イザという時の為にアレを用意しておいてくれ」
「……了解した……」
そして二人も空間に姿を消した。
「うんうんうんうんうん!!ここ等辺が良いかな?」
夜の街にジョーカーが降り立つ。
目の前の高層ビルを、両手で四角いフレームを作り覗き込む。
「それじゃそれじゃそれじゃそれじゃ!!行ってみようか!!イッツ!!ショータイム!!」
地面にビスゴーラから渡された銀色の塊と、自分の仮面を模した同じく銀色の塊を投げる。
「キューイ!!キュキューイ!!」
「うーむ、良いパレットじゃ、創作意欲がどんどん出るぞイ!!」
コウモリの様な翼を持った怪人と、巨大な筆を持った老人口調で話す2体のエラーが誕生した。
くすくすとジョーカーは2体の作業を見ていた。
翌朝。
テレビのの朝のニュースが最近の事件を伝えている。
「本日未明、大手企業本社『マジェスティック・シャドウ』の分社の一つが、ビル全体に落書きされるという事件が有りました。
関係者のはなしによると、最後のビルの表面が確認されたのは午後11でそれ以降、朝の5時までの犯行と思われますが、明らかに大きすぎるスケールに関係者たちは困惑の――」
ブチンとテレビの電源が切られる。
尚も母親がせわしなく食事の準備を続ける。
「はぁ~い。光ちゃん朝ごはんよ?最近しっかり食べてくれるから、ママうれしいわ~」
食事をする光一を見て、にっこりと笑いかける。
「……かぁさん、そろそろ自分の事『ママ』って言わせようとするの辞めたら?いろんな意味でキツイんだけど……」
「あらあら……反抗期なのね……さみしいものね、昔はあんなに『ママ、ママ』って言ってくれたのに……私の育て方が悪かったのかしら?」
そう言うと同時に真剣に悩み始める。
「おい、光一」
母親が台所に消えた所で、キュピルスが話し始める。
「なんだよ……あんまりしゃべるなよ、怪しまれるだろ?」
「今日は、時間開けとけ、午後から行くとこ有るから」
「え~と……次の角右」
「右、な」
入り組んだ路地の裏をキュピルスに導かれ、光一は歩いていた。
ドンドン、出口から遠くなっている気がする。
そして一軒の古道具屋に突き当たる。
「付いたぞ、さっさと開けろ」
「わかったよ」
キュピルスに、言われ扉に手を掛ける。
チリリーン……
古びたベルがなり、古道具屋の埃クサい空気が鼻につく。
「いらっしゃい」
奥から白い髪に眼鏡の老人が出てきた、光一はこの老人を見た事が有った。
「理折に箱を売り付けた爺さんジャン」
「ほう……キュピルスの封印を解いたか『素質』は有った用じゃな」
何処かうれしそうに、老人はそう笑う。
「自己紹介がまだじゃったな?儂は 小出 昼重(こで ひるしげ)じゃ……パンドラシステムの設計者と言えば分るかの?」
小さなテーブルの上にキュピルスが置かれる。
「爺さん、今更なんだがパンドラってなんなんだ?」
光一がキュピルスを手に取り聴く。
「人体を強化するスーツじゃよ……儂が今から50年以上前に発見した技術を使っておる」
「ハッ!!儂の技術って……僕がいなければ完璧ゴミでしかないんだけど?」
ニヤニヤとキュピルスが昼重に野次を飛ばす。
「お前は、だまっとれい!!……おっと、パンドラシステムの概要じゃったな?キュピルスはの?体内に大量の『クレアシオン』を溜めとる」
「『クレアシオン』?」
新しい単語に光一が聞き返す。
「ああ、簡単に言えばエラーや、ノイズどもが消えたときばらまくヤツだよ。
あれこそがアイツらの構成物質にして、エネルギーそのもの。
アレの量が多ければ多いほどアイツらは強力に成るんだよ、もちろん僕の中にもあるよ?」
キュピルスがそう話す。
「クレアアシオンは、矛盾点を手にする事で増加する。エラー共が破壊活動を起こし自身の中にクレアシオンを溜めるのが目的じゃな……キュピルスはそれをあえてセーブして居るんじゃよ……そう言えばお前さん封印は何処まで解いた?」
昼重が、キュピルスを手に取りさまざまな方向から見始める。
「コネクトの白、ブレードの青、一応青はダブルクリア済み。意外と使えないんだよねー」
呆れたという様に、キュピルスが話す。
昼重はそれに対して愛想笑いをする。
「なるほどの……コネクト、ブレードそしてキュピルスの許可するストライクの黄色だけか……あと3…いや2面か、坊主早めに赤と緑は揃えておけよ?」
その時つけっぱなしだったテレビから速報が流れ始める。
「緊急速報です!!今朝方巨大な落書きが話題になった、大手企業本社『マジェスティック・シャドウ』の分社の一つですがなぜかその会社で集団自殺が行われている様です!!現在、ビルの屋上で老若男女問わず複数の人間が自殺の為集合しています!!なぜこのような事になっているのか全く予想できません!!」
そのニュースに昼重が反応する。
「この会社確か……いや、そんな事よりコレはエラーの仕業の様じゃな……ほれ、壁の落書きの所、エラーが隠れ取るぞ!!キュピルス!!光一君!!ただちに現場に向かってくれ!!」
「了解!!」
光一は、キュピルスを手に取ると自身のベルトに押し込んだ!!
「コネクション!!シール・ブレイク!!パンドラシステム・スターティング!!」
テンションの高い電子音声の後で光一は、パンドラに変身した。
「パンドラ、コイツを呼んでおいたよ。感謝しなよ?」
パンドラの目の前に有るのは、自転車が変化したバイク。
名付けて、『イグニッションラビリンス』だった。
「ああ、助かる」
パンドラはバイクに乗ると同時に、自動で現場に向かい始める!!
「なぁキュピルス?コレってお前が自動で動かしてるんだよな?」
「んあ?そうだけど?」
「なら、今のうちにパズルを解いていいか?爺さんの言ってたこと気になるんだよな」
そう言ってベルトから、キュピルスを取り出す。
「ああ、かまわないけど。すぐ近くだよ?間に合うのかな?」
「やってみせるさ」
何時のも様に、試すような言葉を話すが……
「さぁ!!現場だ!!準備はいいかい?」
「コネクション!!シール・ブレイク!!シューター・ローディング!!」
甲高い音と共に、パンドラの左手に真紅の拳銃が現れる。
「シール・ブレイク!!シューティング・ストライク!!」
再び響く電子音声!!
一筋の光が、落書きされた壁の一部を撃つ!!
「ぎゃー!!」
甲高い声をあげ、一体のエラーが地面に落ちる!!
同時に、屋上の人々が、正気を取り戻す。
「……へぇ、やるじゃないか」
「言ったろ?パズルは得意なんだ」
キュピルスに対して、パンドラが自信ありげに答える。
今回で、気付いた人もいるでしょうが怪人は所属する幹部たちによってモチーフが違います。
私風のこだわりなんですよ。