「そして今、全ては達成せしめられた。以上でソードアートオンライン正式サービスのチュートリアルを終了する。プレイヤー諸君、健闘を祈る」
そう告げるとフード姿の男が消えて赤黒い空が元の色に戻った。
誰も、何も言わない。
ただ静かに異国風の音楽が流れる。
流れる。
流れる。
流れ・・・
「いやあああああああ!!!!!!」
ひとりの少女が倒れこんだ。
その瞬間危うい均衡の上に成り立っていた静寂が―――
「ふざけんなよ!!!おい!!ここから出せよ!!!!」
「このあと予定があるのよ!出してよ!!!」
「嘘・・だろ・・・こんな・・・こんなの・・・」
「は!?ちょっと意味が分かんねんだけど!?は!?どういうことだよ!?」
怒る者、焦る者、嘆く者、混乱する者の阿鼻叫喚で上書きされた。
・・・うるせえ。
【別に知らされてなかっただけでサービス開始した瞬間からHPなくなったら現実でも死ぬようになってたんだけどね】
(むしろそれくらいないと修行にならないでしょ)
【もちろん。まさか死なない生ぬるい環境で特訓とか僕が言うはずない】
(ってかあんたこういうことになるの知ってたのね・・・)
【神様の情報網舐めたらいかんばい】
(人間のすることはお見通しってわけね)
大体予想のつく話ではあるが。
とりあえず管理者である茅場とやらにはこの世界の構造を再度説明してくれたことと主街区へ転移させてくれたことを感謝しておこう、ほかの連中はそうもいかないだろうけど。
さて、この話題は終わりだ。
だって鍛冶屋で武器のメンテナンスと道具屋でポーション購入することの方が大事だし。
ご飯は道中にある安い携帯食を買っていこう。
地図のウィンドウを表示するとここから一番近いのは道具屋のようなのでそこへ向かう事にしようと顔を上げた時、人々の隙間から何人かちらっと動く影が見えた。
(あら)
【彼ら彼女らは多分βテスターと呼ばれるプレイヤー達だね】
(べーたてすたー?)
【うんβテスター。簡単に言うとこの世界を先行で体験してる者たちってことだよ】
(へえー、でもなにか急いでるようにも見えたわね)
【おそらくいい狩場とかを知ってるからそこへ早く行って一時的に独占しようという目論見だろう】
(ふーん、使えそうね)
【ああ、こんな情報持ちのうまい存在を見逃すのは損ってもんさ】
できればすぐにでも近づきたいが今の自分に有事の際、準備不足などというしょうもない理由で死ぬことは絶対に許されない。
それに出発するのはそう後でもないので次の街で、あるいはここに戻ってくるとしても数少ない道の途中で出会うことができるだろう。
その時にフレンドにでもなればいい。
そう結論を出すやいなや目的地に向かって、叫ぶ人々の合間を縫っていった。
ぶっちゃけ茅場さんの語りとかそれまでの展開はハーメルンでもテンプレになってる感あるんで省いときました。
本音を言うとめんどくs