ウルトラマンゼノン ウルトラの奇跡   作:ウルトラゼロNEO
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願望超人

アネーロ

登場


ヒーローの条件 part1

 

 

《フッ…!!ゼェアァアアッッッ!!!!!!》

 

 

時刻は夕方。街頭テレビに映るニュースを見て道行く人々はまたかと言わんばかりの表情。ニュースでは先日のダダの一件が報道され、一際目立っていたのはウルトラマンゼノンの存在だ。今も市民が撮影したと思われるゼノニウムカノンを繰り出すゼノンの姿が映っていた。

 

 

『政府はあの巨人の名称をウルトラマンゼノンだと発表したばかりですが、専門家の秋山さんどうでしょう。彼も宇宙人なのでしょうか?』

 

『今は決して多くはありませんが宇宙人もこの地球に暮らしている者達もいます。彼も宇宙人の一人でしょう』

 

 

ゼノンの写真が貼られたフリップを持ちながら、キャスターが原稿をチラッと確認しつつ専門家に話を伺うと、粛々とした専門家の男性は手を組みながら答えている。

 

 

「ふふっ」

 

 

それを一人の少女が見つめていた。しかし少女と言うにはあまりに知的で妖艶ささえも感じるほどに大人びた雰囲気を醸し出し思わず通行人もテレビではなく少女に視線を送っている。特徴的な青いサングラスを頭に乗せていた少女は口元に笑みを浮かべながら歩き始めるのであった

 

・・・

 

 

『ウルトラマンは味方なのでしょうか?』

 

『どうでしょうね、たまたま矛先がこちらに向かわなかっただけで、味方と言うにはまだ早計かと…。仮に味方だと言うのなら何か意思表示でもして欲しいですね、なにもしないんじゃただの無愛想な宇宙人ですよ』

 

「ウルトラマンかぁっ…!」

 

 

少女が歩き出したのと同時刻、ニュース番組を食い入るように見つめる小学生くらいの年の少年がいた。少年の名前はジュンヤ。この話の中心となる少年だ。ジュンヤはおもむろに立ち上がると勉強机に向かう。

 

 

「カッコいいな…。絶対にヒーローだよ!」

 

 

楽しそうにゼノンの似顔絵を書き始めるジュンヤ。その机には沢山の特撮ヒーローグッズが飾られていた。見ての通り、彼は大のヒーロー好きなのだ。そんな彼の中ではゼノンはヒーローの一人にカウントされていた。

 

そんなヒーローのゼノンことユウマというと…。

 

・・・

 

 

「…女の子が道端で倒れてたってそんな話…」

 

「いやホントなんです!学校から帰ってる最中、見つけて…。なんか艦娘みたいな感じだったから連絡したんですけど…」

 

 

翌日、場所はマツミズ宅。布団が敷かれ、そこには頭に艦娘達の艤装のアンテナのようなものをつけた長い茶髪の清楚な顔立ちの少女が眠っていた。

 

発見したユウマは艦娘か判別がつかず家の近くで見つけたので一人では鎮守府まで運べずこうして家で寝かせ、ソーフィ達を呼んだのだ。ユウマの話を聞いたソーフィはアニメかよ、と言わんばかりに顔を顰めるが、ユウマはもう一度手振りを交えて説明をしながら眠る少女を見る。まるで見惚れてしまうほど人形のような顔立ちだ。

 

 

「ホントにお人形ちゃんみたいねー。胸も大きいし…ユウ君、溜まってるならダッチワ──」

 

「それ以上言わないでください」

 

「冗談だってー。けどこの子、税別9000円くらいの抱き枕として売ってそうなくらい可愛い顔してるわね」

 

 

身体を乗り出して少女を見ているガッツ。布団を被ってる状態でもハッキリ分かる豊満な胸を見て神妙な顔でユウマに何かを言おうとするも、冷たい口調のペガッサに割り込まれ、楽しそうに笑いながら再び少女の顔を見ながらまた感想を言うと隣のペガッサはやたら具体的ですね、とため息を零す。

 

 

「…別にどこか悪いって訳でもないみたいですけど…この人の服装とか…ペダン星のキングジョーに似てませんか?」

 

「まぁあながち間違いではないだろうな」

 

 

少女に持ってきた機器などを取り付け、端末に表示されるデータを見ながら、ペガッサはずっと感じていたことを口にする。キングジョーとはベダン星人と言われる宇宙人達が作ったスーパーロボットだ。凄まじい戦闘力を持つことで恐れられ、その知名度は大きい。少女の頭部のアンテナのような装置を調べていたソーフィが答えると一同視線がソーフィに送られる。

 

 

「コイツの頭の装置…材質が地球には存在しない物だ。近いのはペダニウム合金だろう」

 

「ってことは…キングジョーが私達みたいに人間の女の子になったってこと?」

 

「どちらかと言えば艦娘みたいな存在だろうな」

 

 

ソーフィの話を聞いたガッツがソーフィの背中を見ながら問いかける。手に持つ端末を操作しながらソーフィが答える。兎に角今はここで調べるよりも鎮守府に運んだ方が良いだろう。手配をしようとした瞬間、少女が目を覚ます。

 

 

「…」

 

「あの…」

 

 

目を覚ました少女は目を動かし、周囲を見渡している。一言も喋らない少女にユウマがおずおずと声をかける。

 

 

「…ここは?」

 

「…俺の住んでる家…だけど…。君がウチの近くで倒れてたから運んだんだ」

 

 

ボソッとギリギリ聞こえるかどうかの声量で初めて声を発する少女の質問にゼノンとの一体化で聴力も変化した影響で聞きとったユウマが答える。

 

 

「なにか憶えていることはあるか?」

 

「…炎の中にいた記憶が…。私はこんな姿じゃなかった。喋れる…。思考が出来る…私の創造主達のように…」

 

「ペダン星人…か?」

 

 

そこにソーフィが割り込み、質問を始める。起きたばかりだが知らなくてはいけないことが多々ある。幸いどこか悪いという訳ではない為、答えられるだろう。質問に自分が記憶していることを話し、おぼろげに記憶している自分を作った存在と同じく喋ることなどが出来ていることに驚きを見せているとソーフィは更に質問を重ねたために、その問いにゆっくりと頷く。その事から彼女がキングジョーから転生した存在ではないかと考えられる。

 

 

「とりあえず今は鎮守府へ行こう。君も自分の状況が知りたいだろう?少なくとも私達は君よりも今の君の状況に詳しい。力になれる」

 

「…」

 

 

ソーフィがスマートフォンを取り出しながら少女に対し同行を求めると彼女も自分の状況を少しでも知りたいのか、すんなり頷き同行の意思を示す。それを確認したソーフィはスマートフォンを操作して送迎の手配をする。

 

・・・

 

 

「…」

 

「えっと…」

 

 

鎮守府から迎えの車がやって来た。先に出たガッツ、ペガッサ、そしてソーフィに車まで案内されている少女はふと立ち止まって振り返り、玄関先まで見送りに来ているユウマを見る。

 

 

「…貴方が私を見つけてくれた…。感謝をしている…けど…言葉が見つからない。どう言えばいいの?」

 

「えっーと…ありがとう…かな」

 

 

視線を動かし言葉を探している少女にパッと出た言葉をそのまま教えるユウマ。すると少女の視線はユウマを捉え…。

 

 

「ありが…とう」

 

「どういたしまして」

 

 

肉体を得て初めて発する感謝の言葉。少女は目を覚ましてからずっと無表情で元がそうだったからか機械のような印象さえ受けていた。別に笑ったりなどしない。変わりない無表情で言った少女に対してにっこりと笑いながらユウマは返事をする。

 

 

「そう言えば明日、提督は非番らしいぞ」

 

 

少女はそのままソーフィに導かれ車に乗り込む。最後にソーフィが乗ろうとするのだが、その時何気なく明日マツミズが非番であることを伝えるとそのまま乗り込み鎮守府へ向かうのだった…。

 

・・・

 

 

「はぁっ…」

 

 

同時刻、ジュンヤ少年も学校からの帰り道の公園のブランコに腰掛け、陰鬱な気分なのか重いため息をついていた。

 

 

『お前、まだ特撮なんて見てんのかよーっ!』

 

 

思い出すのは今日の学校での出来事。クラスメイトが自分の筆箱にお守り代わりに隠し入れていた特撮ヒーローのキーホールダーを見つけてそれを持って大きな声で言ってしまったのだ。お陰でクラス中に広まり、特撮ヒーローが好きなことを秘密にしていたことと、もう見なくなり特撮ヒーロー=子供が見るものという認識が出来上がりつつある背伸びがちなクラスメイト達から冷やかされて笑いものにされてしまい、恥をかいてしまった。

 

 

「アイツ、嫌い…。痛い目に遭わせてやりたいな…。はぁっ…ウルトラマンがやっつけてくんないかな」

 

 

元はと言えば、あのクラスメイトが隠していたキーホールダーを見つけたことが切っ掛けでこうなった。そう考えると少し恨んでしまい、自分がヒーローの一人と信じるゼノンにそう願ってしまう。

 

 

「…」

 

 

ふとジュンヤはランドセルに入っている自由帳を取り出し、ペラペラとめくり始める。そこには今まで描いた自分が考えたヒーローの絵があった。やがてまだ何も書かれていない白紙のページにすると筆箱から鉛筆を取り出して自分だけのヒーローの絵を描き始める。ヒーロー番組を見るのは好きだ。そして自分だけのヒーローを描いているこの時間も大好きだ。

 

 

「───ねぇ、それはなに」

 

 

描き始めたページにはゼノンを彷彿とさせる要素を取り入れ、今まで自分が見ていた特撮ヒーローの格好良いと思った部分も取り入れたジュンヤだけのオリジナルヒーローが描かれていた。

 

そんなジュンヤに声をかける女性がいた。描くのに夢中になっていたために近づいていたのに全く気づかなかった。

 

顔を上げ、声をかけた女性を見上げる。思わず声が零れる、それほどまでに見惚れる女性がいた。特徴的な青いサングラスを頭に乗せているその女性は夕日に照らされ、ジュンヤに向かって微笑むのだった…。




今回の敵はオリジナルです。そして擬人化計画の方から二人キャラが登場しました。果たして彼女達が与える影響とは…







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