2×××年…
AM8:00「12月24日、人々はこの日をクリスマスイブと呼ぶ。クリスマスイブとはクリスマス前夜のことを表す言語である。そして、十二月二十五日はクリスマスと言い…ねえ、島風聞いてる?」「んっ!?」
横須賀のとある一軒家。私と矢矧は二人でクリスマスイブを過ごしていた。この二人は深海棲艦偵察任務の時から、互いに共通するものを見つけ、自分たちの休みの時ここに休むようになった。
「矢矧、今日のご飯は?」「えぇ、今日は私手作りのハンバーガーよ?」「うぇぇ…」この二人はこの人間の世界に住み始め、生活のかなりに影響されている。その一つが食事習慣である。このように矢矧は横須賀にいるときは三食そろった食事だが、ここにいるときはファストフード系のものばかりを提供してくる。正直、飽きたので私は麻婆春雨でも作ることにした。
『きゅーそくせんこーゴゴゴゴゴゴゴゴ…』「ちょっ、しおいうるさいよ!なんで今日もそれ見てんの?」「だってーどうせ何にもないし、冬の海潜りたくないから、これで我慢してるんです―!」隣の部屋からどなり声が聞こえる。彼女は伊401。またの名をしおい。彼女は晴れの日は晴嵐を飛ばし、雨なら、ずっと某アニメを見ている。鎮守府ではテレビを見ることができなかったのでこの家に呉を飛び出し留守番をしている。
今、部屋の中では矢矧はパソコンをいじりクリスマスを検索、しおいはテレビ、私は机の上にそれぞれの朝ごはんを並べ今日に備えるのであった。
AM10:00 「出かけてくるねー買い出ししてくるー」「人間とあまり接触しないでね。」「がってんーしおいもついてきて!」「やだやだやだー!」しおいを引きずり冷たい街の中に紛れていった。
今の私の格好はジーパンに下着はTシャツ、上着に青いパーカーを着ている。と、しおいは上半袖、下はハーフパンツのはたから見れば驚きの格好だった。「しおいさ、他に服なかったわけ?」「動ける服はこれしかないし、メンタルモデルは…」はいはい。とあるスーパーにより大量にものを買い込んだ。私は買い出しの時スーパーの商品が変化していることに気づいた。ほとんどの物にクリスマスがついている。(人間はクリスマスがそんなに大切なのか…)
そういえば、矢矧も言っていた。明日はクリスマス。特にクリスマスのことは知らないけれど…
「そういえばねークリスマスだよね!クリスマスって…何するんだろうね?」
確かに。全く興味なかったがクリスマスに気になってきた。クリスマス…
「ぜかましーそろそろ帰りたいー」荷物と共にしおいが飛びかかってくる。はぁ…帰ろう。しおいを背負い、時計を確認した。時計は11時を指していた。
AM11:00 私たちはスーパーをでて、自宅に向かっていた。クリスマスのせいか人ごみがすごかった。人の群れにもみくちゃにされ、やっと、町を抜けそうなところとあるケーキ屋の前で少女とその親だろうか、女性が立っていた。「お父さん…」「お父さんは仕事で…あいにく出張だから…我慢して?」「うっ…ううっ…」少女は泣きだした。どうにか彼女を助けてできないのか。「ぜかましーおーいー!」伊号型潜水艦が背中で叫ぶ。「しおい、晴嵐飛ばせそう?」「なんでー?」あの子の家のルートを…盗撮する。」「盗撮する!?追うんじゃなくて?」どっちでもいい!とりあえず晴嵐を飛ばさせた。そして、その様子を家に帰り見守った。後に、盗撮という言葉を外で言えば憲兵が来る時があるらしいので気をつけることにした。
PM1:00 家につくと矢矧が昼ご飯を用意してしてくれていた。珍しく、ファストフード風ではなくチャーハンを作っていくれていた。「あ、お帰りなさい。意外に遅かったわね。」よそ見しながら夕ご飯だろうか、ハンバーグを焼いている。「んで何しようとしたのよ、盗撮って…」この事実を知らせた本人に向かって、囮魚雷を投げつけてやった。その相手はソファーに向かって急速潜航していった。
「で、ほんとにどうするの?彼女にクリスマスプレゼントなんて。」この二時間の間にあった一連の流れを聞き矢矧は首を傾げた。私は…彼女に笑顔になってほしい。なぜかわからないけれど、いきなり思った。みんなが笑う日に悲しむなんていけない。私は泣いているところを見てしまった。決めたからには何としても助ける。あの人ができなかったことをするために。「私はさ、彼女にクリスマスをプレゼントしたい。」
「…え?」「んん?」机にいた二人が戸惑う。「い、いやーだってーあの子にクリスマスをプレゼントするって…具体的に何をプレゼントするのさ…?」「それは×××…」
一軒家の中の二人の動きが止まった。
PM4:00 日が沈みはじめ触れる風が冷たくなってくる。「ねぇーぜかましープレゼントは浸食魚雷じゃだめなのかなー?」「そんなのプレゼントされて喜ぶのしおいだけでしょ!?しかも、そんな物騒なもの渡すな!」
浸食魚雷とは以前に未知との遭遇でしおいがもらった秘密兵器である。「いや、言ったじゃん!あれをプレゼントするって。」「えぇーーめんどくさい…」しおいと私は二人でサンタクロース諸島に航行していた。「多分ここは名前がサンタクロースだから何かヒントがあると思うんだけど…」「なんで、こんな絶望的なことを考えたん…?」しおいがじっとり私を見てくる。「しかもさ、私たち二人とか、襲われたときどうするのさーばかましー!」「どうせ、浸食魚雷持ってきてるでしょ?いざとなればそれ撃って。」しおいは黙り込んだ。「きゅーそくせんこー」潜っていった。
PM1:30矢矧は艦載機を長崎に発艦していた。「とは言え…あいつはめちゃくちゃするわね…」横須賀の岸壁から艤装をつけた矢矧は呟く。艦載機の情報はすべて、矢矧の頭に入ってくる。(船だと確実に今夜には間に合わないから、艦載機で飛ばして長崎まで…)島風の言葉が頭に流れてくる。これが本当に成功するか、いやさせる。矢矧は不安と共に闘志がたぎってきた。
PM7:00 「「ただいま…」」二人が声を合わせて家に入る。先に帰っていた矢矧が出迎える。「お帰りって…交戦しないんじゃ?」「だってさ!このばかましが相手にケンカ売るんだもん!おかげでボロボロだよ!」
「だって…物足りないって…」「目的違うでしょー!?もう、きゅうそくせんこーしてくる!」しおいは部屋に走っていった。
「今日はしおいが好きな、親子丼だけど?」「食う!」走って戻ってきた。そして、三人で机を囲み、季節に合わない食事をするのだった。
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PM5:00 島風としおいはサンタクロース諸島最深部に来ていた。それまでの戦闘はなく、どちらかと言えば海域は歓迎ムードを醸し出していた。二人はそれでも警戒しながら周辺を見渡した。
島風が感じる。「敵艦の気配…このエンジンは姫級か…」「魚雷撃つ?」「いや、待とう…投錨。」島風が錨を海に投げ込む。それと同時に水面から黒い塊が現れた。その姿は身長約2m50cm、白い髪形はポニーテールにまとめられいつもは裸だが、今日はサンタクロースみたいな(ボロボロ)服装をしている、おばさんが出てきた。
「装甲棲姫…」私たちは姫を見上げた。「アナタタチ…ナンノ御用デ?」姫が話す。「今日は戦いに来たんじゃなくて、クリスマスを勉強しに。」「オマエタチ…ソウカ!プレゼントヲモライニキタンダナ?」「えっとー…どこでそんなに日本語を…」「秘密事項ダ…」
こんな話し合いが続きやっと本題に入った。「ところで、サンタクロースについて知らない?」島風が問う。
「オマエラ、ドンナコトカトオモッタラ…オマエラ、艦娘ハソンナコトモシラナイノカ?」姫はにやける。あの顔に砲弾をぶつけたくなる。が、そうなるとどうしようもないので我慢した。「人間ノオトシテイッタコレニヨレバ…赤イ服ヲ着タ老人ガ世界ノ子供ノモトニプレゼントヲ渡シニイクラシイワ…?」「へぇ…そのプレゼントっていうのは何渡せばいいの?」「コドモガネガウモノヨ…」
なんとなくプレゼントはあのままでいいことは分かった。用がなくなったのでそろそろ帰投することにした。
「じゃあ、私らはここで…」「マテ、私ハ丁度暇シテイタ。私トヒトショウブシロ。ボッチ駆逐艦!」
「あのさ…言っていいことといけないことがあるって知ってた?しおい、戦闘態勢とって。」「えぇ~!?」
このあとめちゃくちゃ交戦した。
〇〇〇〇〇〇
そして、なんとか姫を撃退し私たちは海域を離脱していた。恐らく奴の性格上ここでの奇襲はしてこない。黙って帰った。帰る途中、何か空に光るものを見た。そして頭の中に何か男の声が聞こえた。「メリークリスマス。」
その声はしおいにと聞こえていた。「ぜかましー何か言った?」「いや…私は何もいっていない…」
AM12:00 家の前。家の中からは少女の嬉しそうな声と母親のすすり泣く声。そして、父親も含め歌を歌っていた。横須賀のいたるところからクリスマスソングが聞こえる。そう、今日はクリスマスだ。
PM3:00 「せんぱーい!これ早く開けた方がいいんじゃないですかー?」小柄な女が男の元へ走って行く。「ん?俺宛の荷物…?中身は…!?」中には三万円が入っていた。そして、手紙も入っていた。
「今から15:20分の特急かもめに乗り、乗り継いで横須賀駅に来い。」
男は思考が停止した。いきなりこんな脅迫文のようなものを送られ、いきなり行動ができるのは数少ないと思う。そこにもう一人男が来た。「どうしたのかね?」「し、社長…これ…」男は社長に手紙を見せた。手紙を読んだ社長は「ほう…なんならいってみてはどうだ?」と言う。
その言葉に驚きを隠せない男。「い、い、いや、私はわかるんだ、これは多分殺害や、誘拐の手紙じゃない。たまにはゆっくり休んで来たらどうだ?上層部にはなんとか言っておくからな…」男は諦め、荷物を整理した。「今何時ですか?」「15:10分だ。急ぎたまえ!」
男は走ってタクシーを拾いにいった。
PM11:40『次は横須賀、横須賀…』気づけばとある電車の中にいた。ドアが開く。改札を通り周囲を確認する。直後、背後から体が持ち上げられる。そして、車に投げ込まれた。
PM11:50 私たちは車の中にいた。車は矢矧が運転し、後部座席に私と男がいた。私は男が抵抗できないよう、手を縛っていた。「おにーさーん?起きてる?」男は反応を返す。「この態勢はキツイんだが…お前たちは何を…?」「ま、つけば分かるわよ…」矢矧が運転しながら話す。因みに矢矧は無免である。「まぁ、もうすぐ着くから言わせてもらうと…明日クリスマスだからね…」車は住宅街に入って行く。車はある家の前で止まる。「お前たちは一体…」「私達?サンタクロースだよ。」私は男と男の荷物を降ろした。
PM11:58 とある家の前。その玄関には男が立っていた。「ここって…まさか…!」そう、あの少女の家だった。少女の父親だったのだ。父の右手にはケーキ、左手には荷物。「行って来な。」私は男の背中を押した。
AM12:30 二人で家に帰ればもう、深夜を越していた。しおいは既に眠気に撃沈されていた。矢矧と私はサンタの衣装を脱ぎ、風呂に入りソファーに座ると同時に意識を放棄した。
AM7:00 「はよぉ〜」しおいの声で目が覚める。クリスマスだろうといつもと変わらない家。クリスマスツリーもなくリースもケーキもない、普通の日常だった。だが、一つだけ違ったのは自分たちの元にプレゼントが届いていたのだ。それも一人ずつ置いてあったのだ。「何これ…?」私たちは恐る恐るプレゼントの中を開けた。「…ボディーペイント?」私の箱の中には魚雷発射管の形を模したフィルムが入っていた。わからないのでとっておいた。説明書が付いていたが読む気にもならなかった。
矢矧の箱にはネジが入っていた。私と矢矧はプレゼントした主がだいたい予想出来た。しかしそれは、しおいのプレゼントで撤回されることになる。
「これは!タナトニウムの匂い!わぁぁ…これデコイだぁ…!!」これは今、というかおそらく一生かかっても出来ない、しおいのプレゼントは侵食魚雷五本とアクティブデコイ二本だった。明石…とは思ったが恐らく作れるはずはないし、もし作れたら恐らく自慢するであろう。なら誰が…私と矢矧は一日中考え込むのであった。その夜、それでもと思いしおいがショートケーキを三つ買ってきた。「そういえば、クリスマスの日には子供達は感謝をしてサンタクロースにクッキーをプレゼントするそうね。」「作っちゃおー!おー!」このノリに私も巻き込まれ、クッキーを作り机の上に置いた。次の日なくなっていたが、矢矧もしおいも食べてないと否定した。誰が食べたのだろう。私はまた一日中考えるのだった。
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「ム…ア!ワンチャンワンチャン!!ワタシノ枕元二ナニカアル!」
「ン…アケテミタラ?」
「オォォォォォ…!」