演習とは…自分の所属してる鎮守府の中で行われる、戦闘訓練である。また、外部の鎮守府との演習を行うこともある。今回は未知との遭遇のお話。
私は演習が嫌いだ。いつもいつも同じ面子でやらされることが嫌いなんだ。呉と演習がしたいが、海域攻略で忙しくて相手が出来ないと言われ。矢矧にはバイトと言われ断られた。海域攻略はともかく、艦娘がバイトをしてもいいのだろうか。私は欠伸を噛み殺し、予定を確認しに行った。
今日は私の着任日。だからと言って特別なことはない。あの子が戻ってくることもなければ、休暇ももらえることはなかった。敵艦隊は進行をやめず、私達は演習をこなし哨戒活動に勤しむ予定となっていた。
今日の演習予定を確認しに行く時、廊下でとんでもないことが起こる。急いでいたせいで目の前の人陰に気づかなかった。目の前にいた人と正面衝突。お互い地面とご対面を果たした。私は体を起こし相手の姿を確認した。「大丈夫…!?」「いててててて…」倒れてた相手は私だったのだ。戸惑う私に島風は苦笑いを浮かべながら話してきた。「今日の演習相手だよね?よろしくね!」走って去って行った。入れ替わりに後ろから夕立が近づいてくる。「島風ちゃん!あれは双子っぽい!?」意味不明なことを言い出したのでとりあえず頭を小突いておいた。「ぽぃぃ…」あれは本当に私なのか…?
やがて時は過ぎ、演習の時間となった。旗艦は私、それぞれ今日の艦隊のメンバーに声をかける。
「ねぇ、ロリコン秘書艦。今日の相手強そうだけど?」
「ふふ…屈することはない。どんな相手でも全力で立ち向かうべきだろう!」いつも通りだ。
「番長、対空戦闘は頼んだよ?」
「あったりめーだ!任せろよ!」勢いはやはり番長にしか見えない。
「ぽいぽい、戦闘は全てぽいぽいにかかってるからね?頼んだよ?」
「パーティーぽい?楽しみね!」毛が逆立ち、目が赤くなる。大丈夫だろうか。」
「加賀、今日の艦隊の目は任せたよ?」
「島風はいつも私に艦隊の目と言ってきますが…強情ですね。」
「あまり気にしないで?」クールだが、今日の声には少し緊張が混ざっている。
「酒匂?初めての実戦、緊張せずにね?」
「わ、分かった!頑張るようっ!ぴゃん!」これが、矢矧の妹とは思えない元気だ。多分大丈夫だろう。
私達は演習待機海域まで、足を進めた。
☆☆☆☆☆☆
「さぁて…北上様、今日の調子は?」
「完璧とは言えないけど魚雷には支障はないね〜」
「ちょっと!あなた旗艦だからと言って北上さんの名前を気安く呼ばないで!」
「じゃーあー大井っちは魚雷の調子どう?」
「だから、呼ぶなって言ってんでしょ!魚雷はいつでも撃てるわよ!」
「大井っち〜戦闘前から怒ると…疲れて集中出来なくなっちゃうよ?落ち着こ?」
「北上さん〜♪」
二人はいつも通りだ。
「伊勢姉〜日向〜艦載機と主砲は?」
「すこぶる快調よ!相手に艦載機自慢しちゃうんだから!」
「まぁ…そうだな、そうなるな。」
重そうな主砲を持つ二人がお互いを見合い頷く。
「赤城さん、いきなり索敵いけますか?」
「えぇ、大丈夫ですよ?彩雲発艦しますね?」
赤城が艦載機を放つ。私達は岩陰に隠れることにした。
○○○○○○
「番長、対空電探は?」
「特に反応は示さないぜ?」
番長が言うならそうなのだろう。「加賀、艦載機放って?番長は粉進砲の準備頼む。」
二人は各自用意を始め、加賀は艦載機を放つ。大空へ消えて行った。(二式で捉えられないものがあったら…)
「戦闘準備」私の艦隊は急加速した。
☆☆☆☆☆☆
「敵艦発見!駆逐二隻、軽巡一隻、戦艦一隻、重巡一隻、空母が一隻です!」
「おっけー!ナイス赤城さん!」
「続いて相手から航空攻撃が来ます!」
「なら、相手をしよう…!第一次航空攻撃を開始!ハイパーズは甲標的を発動!先制魚雷を叩き込むよ!」
それぞれ、艦娘は行動を開始する。それから一分後、攻撃成功の連絡が入った。
○○○○○○
航空攻撃はわかってたけれど…先制雷撃に不意を突かれ麻耶が大破、酒匂が小破した。その後、艦載機からの入電があった。
「敵艦隊発見。航空戦艦二隻、重雷装巡洋艦二隻、駆逐一隻、空母一隻。」相手は水雷戦隊でも、機動部隊でもない。やはり彼女は私なのか。「長門!11時の方向に砲撃!終了次第私達は単縦陣で突っ込む!」
「分かった!主砲一斉射!」
砲弾が飛んで行く。私達が動くと同時に相手も姿を現した。やはり相手の先頭は私が立っていた。
「相手戦艦砲撃!回避運動!中距離に近づき次第、麻耶、酒匂は砲撃して!」相手の砲弾が水に降り注ぐ。「撃て!」中距離砲で水柱の中から砲撃された砲弾はは雷巡の二隻を撃沈判定にした。
次に、航空攻撃を抑える作戦に出た。夜になれば艦載機は発艦出来なくなるので、そこを狙ってもいい。けれど、今回の先制を見た限り、相手は最新の艦載機を使っている確率が高い。昼で抑えにかかることにした。「加賀!相手空母に艦載機を飛ばせ!反跳爆撃を行う!撃った後は出来るだけ回避運動を!」
「分かりました。天山を発艦します。」
お互い別れるがすぐに加賀から速報が届く。「敵空母の前に戦艦が二隻…伊勢型ね。」「多分三式弾は持ってないし、直接狙って撃ち落とすしか方法はない。続行して!」周りを確認する。相手の私はがにやけたような気がした。
☆
「なんて思ってるんじゃないの〜?日向〜」
「十分あり得るな、確かに艦載機は飛ばせない。私達が当てたら驚くだろうな。」
「じゃあ、相手を驚かせますか!」
「それもそうだな、ここで空母を抑えておこう。」
二人の戦艦の主砲が艦載機を捉える。その後、砲撃航空隊の半数は減った。「あっ、反跳爆撃!」
「伊勢!戦艦の砲撃来てるぞ!」日向が伊勢に体当たりをする。庇う形となり、日向は大破判定。そこに撃墜前に投下された魚雷によって撃沈判定を取られた。
「伊勢、後は頼んだぞ。」
「分かったよ日向…もう怒ったわ!」伊勢の弾丸は 旗艦の頭上に迫って行く。
○○○○○○
大きな砲撃音、戦艦からの砲撃に違いない。「全艦回避運動!」指令を出すがその砲弾は私の元に来ていた。考えてもいないこと、動きが遅くなり砲弾がかする。やっと動けるようになり降り注ぐ砲弾の中回避を始めた。「連絡っぽい!今の戦況、自艦隊、酒匂、麻耶が撃沈判定、長門小破、敵艦隊、大井北上日向撃沈っぽい!」「伊勢を狙って!」「分かったっぽい!」夕立の無線で再び考え直す、私は何を考えているんだ、と。
○
加賀は艦載機を放った後動きが不安定になっていた。加賀は見てしまったのだ。相手艦隊に赤城がいることを。そして、自分の中では葛藤が渦巻く。赤城を自分が沈めるのか、あの日、相手がしたように沈めるのか。この戦いは自分にとって悪いことしか起きないのではないか?皆には見せることの出来ない顔。不安に押しつぶされてしまいそうだ。その時、上空に艦載機が迫ることに気づく。私がくらえば…全て終わる…加賀は次の行動に移れなかった。赤城さんはこの時どう思うだろう…それだけ知りたかった。ふと思った時加賀は白い空間に閉じ込められた感覚を覚えた。そこには何もなく出口も見当たらない、ただ、白い空間だった。声が聞こえる。「加賀さん…」
「赤城さん…!?」驚きを隠せない加賀。赤城の姿はどこにもない。「加賀さん…貴方は…私を見捨ててしまったことを後悔していますね?」無言で頷く加賀。その目からは涙が溢れていた。「でも、もし私が貴方なら…倒します。」加賀は驚く、これは赤城ではないのではないかと。だが、言葉が出ない。「なぜ沈めるか…それは成長を見てもらいたいからです。貴方がいなくなって一度は沈みかけた…でも、そこから私は再び動いた。貴方との思い出を守るため。一航戦の誇りを守るため!」その時、加賀はハンマーで殴られたような感覚がした。
意識が戻る。「半分墜落したけれど…!」考えた情報が艦載機に入る。ついに赤城を捉え艦載機は一斉に魚雷を投下する。魚雷は水の上を跳ね赤城に向かう。加賀は背後から迫る艦載機に気づくことが出来なかった。
まだまだですね。
何処かから声が聞こえた気がした。そして、クスッと笑う声が聞こえた、ような気がした。
☆☆☆☆☆☆
『加賀、赤城撃沈判定!どうするよ、旗艦!』
「伊勢姉、とりあえず夜に備えて!」
今、長門を撃沈しにかかってもいいが減らしたところで戦艦はあまり夜戦での火力は期待出来ない。だからといい、残り時間で戦艦を潰せと伊勢に命令しても、相手にはパーティー狂と私がいるそこに戦艦の遠距離射撃が入ると少し厄介。私は見方を捨て駒に使わない!
私は急加速した。目標は戦艦長門。魚雷発射管を開く、それに気づいた長門は砲塔をこちらに向ける。魚雷発射より砲撃の方が早かった。砲撃をしてくるが、40ノットの船を捉えることは出来なかった。装填完了のブザーがなる。夜戦直前……それまで砲撃を避け、様子を伺う。砲弾が足元に放たれる。今!魚雷を発射した。魚雷は水上で跳ね長門の腰部を直撃する。艦娘は艤装を来てる間は見えない装甲のようなバリアが張ってある。一定のダメージを負うと耐えきれなくなり崩壊する。だが、そんな強力な装甲でも、一部の箇所を撃ち抜けば一撃で崩壊させることも可能だ。よって撃ち抜き長門を撃沈した。時間はいよいよ夜戦の時間だ。
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いよいよ夜戦の時間。だが、戦艦が一隻いる。「私がやるっぽい!」
「待て!引け!私が沈める!」私は魚雷を二本放つ。撃った方向から煙が上がる。撃沈判定だ。相手に残ったのは…私だけ。
「夕立暇っぽい〜!パーティーしたいっぽいー!」「分かった、見つけたらパーティーでいいよ。」「やった〜っぽい!」飛び跳ね、夕立がスピードを上げて主砲を構える。が、その刹那夕立のその後ろに何かが見えた。そして、爆発。夕立は撃沈判定となった。「ぽ、ぽい…?」夕立も状況が把握しきれておらず、主砲をその場に落とす。
夕立を撃沈した相手は私、残っているのは私と私。考えてることは一緒、だが、動きは少し違い行動にも少しズレがある。あっちの私は別動体。私は魚雷発射管を開く。普通なら見つけたら撃つが、あえて撃たない。暗くなった海を走っていく。あっちもおそらく見つけているであろう、ギリギリまで近づく、相手は全く近づく気配を見せない。今!魚雷を放つ。それは相手も同じだった。魚雷が二発発射された。一つは私のはなった魚雷に直撃、もう一つは私の元に向かってくる。(恐らく…ホーミング魚雷…!)酸素魚雷ほどではないが恐らく彼女は装甲を破りにかかっている。迫る魚雷に砲撃を撃ち込む。が、これで弾薬を使い切ってしまった。推測、私も彼女も魚雷は三本ずつ。いつ撃つかが、今回の勝敗の鍵を握る。
いよいよ、大詰めになった私とアナザー私(仮)の演習。ここまで楽しませてもらったのは神通とのマンツーマン演習以来。だけど、そろそろ終わりにさせてもらおう。相手の姿はすでに確認済み、エンジン音を頼りに彼女の方向へ向かう。が、途中で気づく。これは彼女の音じゃない。迫る偽装音声、これは魚雷にスピーカーをつけ、エンジン音を流していたのである。追いかけてくる魚雷に逃げ回るしかない。なら、本物の彼女はどこか?しかも、ここで魚雷を落としてもいいのだが、落とせば後ろの様子が全くわからなくなる。彼女は間違いなく奇襲をかける。夕立のように。私を試している。
私は魚雷から逃げた、ただ逃げた、私達にも燃料があるように魚雷にも燃料がある。その通り、魚雷の燃料がきれ水中に落ちて行く。やはり後ろに気配を感じた。魚雷を放つ!魚雷はすぐ爆発し周りが明るくなる。すぐさま魚雷を引き抜き、相手に突きつける。それは相手も同じだった。腹に何か突きつけられる。魚雷だった。煙が晴れる、突きつけて来た相手は私に頬を魚雷で突かれた私だった。そこで演習終了のブザーがなる。「そこまでです。」大淀のアナウンス。お互い声をあげて笑い海面に倒れこんだ。
演習が終わり、お互い健闘をたたえ握手を交わす。「赤城さん…」「なんでしょう、加賀さん?」「今日は演習ありがとうございました。一航戦の誇りを持って精進して行きます。」「改まってどうしたのですか…まぁ、いいんですけどね♪」赤城はにこりと笑う。加賀は頬を赤らめていた。
私は目の前の私をじっと見ていた。「ん~どうしたの?」目の前の私が話し出す。「いや…本当にあなた島風?」
「うん!なんなら艦の説明でもしようか?」相手が話し始める。「「艦隊型駆逐艦の最高峰を目指して開発された、高速で重雷装の駆逐艦、島風型よ。40ノット以上の快速なんだから。でも、量産には向かなくって、私一隻しか建造されなかったの。」」セリフが被る。「やっぱり同じだ…」「でしょ?」息を切らす私にくすくす笑うもう一人の私。不思議な光景だった。「あ、私立ち帰る時間だ。帰るね?」「最後に一つ!どこの鎮守府!」「~~~基地!」「はっ!?」ここで私の意識は途絶えた。
〇〇〇〇〇〇
「ん…?」起き上がるとベットの上に寝転んでいた。あぁ、ここは風見の…
「あ、島風ちゃん起きたんですか?」いや、悪魔の部屋だった。「あのさ、明石。私ここに来るまでにで何かしてた?」「…まさか、何にも覚えていない?」「…おい、何があった?」「なら、自分で思い出すんだな、若き少女よ!」「教えろぉぉぉ!!」
その後、何があったか聞いたが、いつも通りの演習があったとしか聞けなかった。あの島風たちの居所はつかめていないし、正体もわかっていない。
この小説は予約小説です。
と、改めまして、ぬけつきです。今回は自分がtwitterでやっているなりきりアカウントが一周年を迎えたので、書いてみました。今回出てきた艦隊は自分が普段実際に使っている艦隊を出してみました!あと、自分が昔初期に書いていた作品のクロスオーバーでもありました!本編を描く前に初期作品を確認して、普通の島風と何か違う島風にしたいなぁ、と思いここから、感情がほぼゼロに近い島風が生まれました。もともとはボッチじゃないんだよ?島風さん。
この子たちは~~~基地所属なのでもし見つけたら演習挑んでください。基本島風一人で待っています。
本題に戻るとして、なりきりでは、この一年間たくさんの人に迷惑をかけ助けてもらいふれあってもらいました。本当に感謝です。言葉やここで伝えるのはとてもいけない気がしますが、ホントにごめんなさい。これからもよろしくお願いします。
というわけで、9月30日は記念日に…ならないか。ではではお疲れ様でした~