ファイナルファンタジーⅥ『鬼畜少女が斬る』 作:ロシアよ永遠に
後悔はしていない。
あっ!石を投げないで!
ガストラ帝国
南方の大陸に根城を構える武装帝国。
彼の国を束ねるガストラ皇帝。彼には一つの野望があった。幻獣世界より連れ出した数多の幻獣。そこから抽出される魔導の力。それにより、過去に引き起こされた魔大戦を機に失われた魔法を現世に蘇らせようとしていた。
「我が帝国の科学力は世界一ィィィィッ!!出来んことはないィィィィッ!!」
「でも機械の力はフィガロに負けてるんだじょ。」
「うむ、そして女子力もな。」
「聞けばフィガロ王のエドガーが、そのテクニックで下は幼女、上は老婆まで手を出し尽くし、ありとあらゆる街と国から女性をかしづかせているとか。噂によれば、レオ将軍が攻略中のドマの国、その主力剣士の男の妻にまで手を出しているらしいな。」
「…そうだな。あの時、同盟を結んでいるからと帝国軍駐留基地へ半ば八つ当たりで単身攻め込んできたときは恐ろしいものだった。阻止しようとする帝国兵とドマ兵を、投げては千切り、千切っては投げ…。クリスタルソードと、かいでんのあかし。崩壊前世界では手に入らないこれらがなければやられていた。」
「崩壊前とかwwテラワロスww」
「ちょっと待って。なんでドマ兵がその剣士の阻止に回ってるの?」
わいのわいのと玉座に座るガストラの前で訳の分からない話を繰り広げるのは、人造魔導師ケフカ、常勝将軍セリス、そしてモヒカン将軍レオだ。
「私の二つ名だけあんまりだと思うのだが?」
「いやだってお前、モヒカン以外特徴無いし。本編でも将軍くらいしか言われてないし。他には『筋肉モリモリマッチョマンの変態将軍』と言う物しか無いが?」
「ガ、ガストラ皇帝っ!?」
「ププ…ッ!」
「ケフカっ!貴様っ!」
「事実じゃないの?」
「セリス…お前までそう言うか…!?」
「とにかく、だ。儂の思う世界一に向かうその道中、北の炭鉱都市ナルシェの洞窟で発掘された氷漬けの幻獣。それの入手に精鋭を3人、魔導アーマー付きで向かわせた訳じゃが。」
「ええっと、確か皇帝が保護したって言う、あの不思議ちゃんですか。」
「うむ、氷漬けの幻獣が手に入れば、このクソ熱い夏を乗り切るための氷を作れるやも知れん。以前捕まえたあの色白幻獣の野郎…『アタシ、イケメンの言うことしか聞かないのmg(^O^)gm』即刻吸盤による魔導抽出に回してやったワイ。これでも儂はその昔、帝国にその人ありと言われたほどの美男子じゃったわい。」
「過去捏造乙ww」
「筋肉モリモリマッチョマンの変態将軍レオ。ケフカを斬れぃ。」
「結局そっちですか!?」
帝国は今日も平和だ。
…多分。
「はいはい魔導ミサイル魔導ミサイル。」
北風が吹き荒ぶナルシェに爆音が響き渡る。
「うっわ…容赦ねぇな。あれがガストラ皇帝の切り札、魔導の少女かよ…。」
「犬っころや生身の人間のガードにたいして、最大威力の魔導ミサイルとか…オーバーキルだろ。」
システム上、魔導アーマーに搭載される最強武装の魔導ミサイル。それを操れるのは、アーマーと同調できる彼女の能力の賜物であり、随伴の兵士であるAとBには扱いきれない代物である。
「しかも最近魔導ミサイルがパワーアップするとかしないとか。」
「な、なん…だと…!?」
「何でも幻獣の角を持つ奴が魔導アーマーに乗ると…」
「お二人とも行きますよ?」
「行かせるかぁ!!」
視線を逸らした隙に、少女の魔導アーマーに張り付く一人のガード。
「こう近付けば、ミサイルでの攻撃は無理だな!」
「………。」
「や、やべぇ!このままじゃあのガキをキズモンにしちまう!そんな事になったら皇帝に…!」
「相手が生身なら、攻撃だって通るハズだ!」
手に持った鎌、それを振りかぶり、少女の首を切り落とさんとした瞬間。
「いつから魔導ミサイルだけが戦力だと思っていたの?」
魔導アーマーのアームがガードを引っ掴み、胴体の前に持ってくる。
「……は?」
「うふ、うふふふふふふふふふふ…。」
魔導アーマーの腹部の前部装甲が展開して、内部のコアが露出する
「えっ…!?ちょっ…ま…」
「ファイヤビーム。」
赤い閃光が、少女の押したスイッチ一つで発射された。炎の閃光により、ガードのHPは0になった。
「…なにを勝手にやられてるの…!!」
「へ…?」
「まだ私のアクティブゲージは減少してないわ!!」
再び集束する魔力に、ガードの股間から生暖かい液が出始める。
「さあ行くわよ!2発目発射!!ブリザービーム…追加攻撃!!」
「ヒギャアァァァァァ!!!」
青白い閃光がガードの体を一瞬にして凍て付かせる。
「3発目発射!!!サンダービーム!」
「ヒィヤァァァァァァァア!!!」
「4発目発射!!!ブリザービーム!!…と思わせといてファイヤビーム!!!」
「グゥワアアアアアア!!!」
「5発目発射!!!もう1発ファイヤビーム!!」
「ブァアアアアアアア!!!」
「6発目発射!!!サンダービーム!!!」
「ギャアイェェェエ!!!」
「もうやめろ!!もうやめて!とっくにガードのHPは0だ!!」
そう言うと、帝国兵Aは持っていたスイッチを押し込んだ。すると、少女はガクリと肩を落とし、動かなくなる。
「…全く!これがケフカの奴が言ってた暴走かよ…!あいつも結構暴走してたと思ったが、コイツも大概だな!」
ケフカによって少女に施されていた保険『操りの輪』。それにより、彼女の脳波を一時的に制御して管理下に置ける。その間に帝国兵Bがガードだったナニかを魔導アーマーから引き離し、持っていたハイポーションをどばどばと頭から掛けておく。
「回復アイテムって便利だな。」
少女の魔導アーマーを自動操縦で随伴するように設定して、三機は再び炭鉱都市を奥に進んでいった。