ファイナルファンタジーⅥ『鬼畜少女が斬る』 作:ロシアよ永遠に
ティナが炭鉱の奥底でうなされている最中…
「ようやく来たか。ところで…」
「おっと、俺を呼ぶときはトレジャーハンターと呼んでくれ。」
「台詞を遮るでないわ馬鹿者。」
灰色の髪をした青年が、ティナを保護した老人と邂逅していた。
「で?俺を呼び出した理由は?」
「うむ、実はかくかくしかじか。」
「ふむふむ、かくかくうまうまと言うわけだな。」
「中々便利だな、この言い回し。」
「現実じゃ無理だがな。そんじゃ、行ってくるぜ。」
「うむ。気を付けるが良いぞ。」
そうして見送る青年の後ろ姿。普通に見れば彼の出立を見送るだろう。
そう
普 通 な ら。
彼が出て行ったあとで、老人は一人呟いた。
「気を付けるのだぞ…ガードの諸君。」
何処か遠い目をしながら。
「…おぃ、聞いたことあるか?」
「何がだよ?」
炭鉱の下部へと続く道を歩きながらガードリーダーは、ティナの捜索に同行したガードの一人に尋ねた。
「なんか世界を股に掛ける変質者の噂。」
「あ~…噂程度には。」
「しかも意味珍妙な姿と裏腹にとてつもない身体能力を誇り、奴自身が犯罪的な姿をしているにもかかわらず犯罪者をのしていくらしい。」
「…なんだよそれ、世も末だな。」
「ま、どちらにせよ、俺達にとっての悪は帝国の少女だ。それに変わりはない。」
「だな。」
階段を下りきったところで、倒れている例の少女を発見。
「いたぞっ!」
「ここで会ったが百年目…!生け捕りにしてあーんな事やこーんな事を!」
「クポー!!!」
しかしそうは問屋が卸さない。
この炭鉱には以前から住み着いている亜人がいるのだ。
「この鳴き声…モーグリか…!」
「な…なんで奴が出て来る?縄張りじゃねぇだろここ!」
「モーグリなどたかが知れている!力で人間に…!」
しかし
ガードリーダーの予想よりも現実は、遥か右斜め上を行く物だった。
人一人通るのがやっとこさと言うような、そんなモーグリの巣へと続く穴。そこから白い手が壁面を掴んだ。恐らくモーグリの手だろう。しっかりと『五本の指』で壁を『掴んで』いる。
そして巣穴へと続く通路から、そこを通過するために『屈んで』出て来たるは…
「クポー!」
ピンクの鼻、釣り上がった糸目、コウモリのような翼と、猫のような耳、極めつけは頭に着いた丸いぼんぼん。
そう…モーグリだ。
チョコボと並ぶマスコット。
その特徴は相違ない。
そう、
その特徴『は』である。
「クポー…!」
五本指から繰り出される握力でメキメキと壁面が悲鳴を挙げる。
そう、
中から出て来たのは愛らしい顔をしたモーグリ。しかしてその肉体は、上腕二頭筋、胸筋、腹筋、諸々の筋肉が恐ろしいまでに隆々とした美しいマッスルボディ。まるで首を境目に上下の肉体が別の生物であるかのよう。背中の翼は、まるで海苔か何かがくっついているかのように申し訳程度の大きさでしかない。その身体の大きさたるや、離れているはずのガード達に恐怖心を植え付けるには十分過ぎるほどだ。
「な、なんだアレは!?モーグリの面をした魔物か!?」
「い、いや、噂をすればって奴かも知れねぇ!アレが巷を騒がれている変質者かもしれん!ここで帝国の少女と捕縛すれば、一躍大昇進間違いないぞ!」
「おぉっ!?それは…やる気がみなぎってくるぜ…!そうと決まりゃ、フル装備で行くぜ!」
そうガードは壁に立て掛けてあったツルハシに手を掛けた。
フニッ
「ん?このツルハシ…妙に生暖かいぞ?それに柔らかいし…」
『それはツルハシではない』
「え?」
『それは私のおいなりさんだ。』
「なああああ!!??」
突如聞こえる若干くぐもった男の声とガードの悲鳴。掴んでいた手の方を見れば、白く、そして股間とビチクをVの字に覆う細い布地、いや超極細ハイレグを着用した筋骨隆々の青年?がいた。
「なななな!?変態!?」
『変態…!そう。私は変態仮面…!強きを挫き、弱気を救う義賊…!』
「へ、変質者が二人だと!?」
青年?は顔に青と白の縞々、否、ボーダーの布地を被っている。おあつらえむきに開いた二つの穴から目元周りは分かるのだが、鼻と口元は布で覆われ形は分からない。後頭部のみ、グレーの髪が見え隠れしていた。…つまり、彼が着用しているのは、女性用ボーダーパンツ。所謂『縞パン』である。
『か弱き乙女を狙う不埒な輩…!神に代わり成敗してくれる…!フオオオオ!!』
「俺のそばに近寄るなぁー!!!」
「なっ…なんだっ!?何が起こっている!?まるで意味が分からんぞ!?つまり…どういうことだってばよ!?」
「クポー…!!!」
「うぎゃぁぁぁあああ!?!?」
ナルシェは今日も賑やかである。
後ほどガードが心配で見に来た老人により、大の字で壁にめり込んだガードと、亀甲縛りでビクンビクンしているガードリーダー両名が保護されたという。
…
……
………
ごめんなさい、壊しすぎかも…