「あれが悪代官の屋敷か」
ホモ太郎達は闇夜の中で物陰に隠れ、悪代官が住む屋敷の様子を伺う。
厳重な警戒態勢。忍び込むのは難しい。
ならば。
「正面から突破する」
「ちょっとちょっとちょっと。ホモ太郎さん、頭を使いましょうよ。あんな大勢の警備兵をいちいち相手してたらキリがありません」
「……何か考えがあるの?」
弓子の問いに気を良くしたサルが、自慢げに胸をそらして応える。
「騒ぎを起こして注意をひきつければいいんですよ。少しでも敵の警戒網を乱しておけば、忍び込みやすくなるでしょう?」
「ふむ、してどのように騒ぎを起こす?」
「そうですね……」
弓子に続き、犬侍もサルの知恵を期待する。
みごとな脳筋馬鹿ばかりが揃ったこの面子の中で、作戦を立てられるのはサルだけだった。
卑怯で姑息で矮小で卑猥で無職なサルだけだった。
「言いすぎでしょそれ! 卑怯と姑息はまだしも、矮小と卑猥と無職は明らかに関係ないでしょ!」
「すまん書きすぎた、卑怯で姑息だけに修正しておこう」
サルは卑怯で姑息だった。
どこまでも卑怯で姑息だった。
「いやまぁいいですけど。もう諦めましたから……さて、作戦ですけど、アレを使いましょう」
サルは、ホモ太郎の懐に忍ばせているホウ酸団子を指差す。
「それを食った奴は、汚いジェットストリームアタックを発動させます。初見ならまず度肝を抜かれるでしょう。大騒ぎになること間違い無しですよ」
「おお、拙者に地獄を見せたあの団子か。たしかにアレならば期待できるな」
「なるほど、警備兵の巡回ルートにこの団子を置いておけば奴らはこの団子を食ってケツが爆発するというわけだな?」
「いや何言ってるんですか。地面に団子なんて置いておいても食べるはず無いでしょう。常識で考えてください」
「拙者なら食べるが」
「メタルギ○ソリッドの敵兵なら食べるが」
「自分の常識と世間の常識の違いを理解してください。あとゲームと現実を混同しないで下さい」
サルは溜息をついて弓子の方に向き直る
「弓子さん、たしかあなた、石つぶてを飛ばす武器を持っていましたよね? しかも相当命中精度も高かった」
「スリングの事? ええ、たしかに持ってるけど」
「それで団子を飛ばして、警備兵の口の中にぶち込んでやりましょう」
「ええー? 命中させる自信はあるけど、そんな都合よく口を開けてくれるかなぁ?」
弓子が不安を口にする。
止まっている相手なら命中させる事は簡単だが、口の中に放り込むとなると至難の技だ。ほとんど運に近い。
「大丈夫、安心してください。仮に口を開かなくても、口元であの団子が破裂したら悶絶します」
「どんだけ強烈なのよ、その団子……」
突入までの段取りを決めたホモ太郎一行は、作戦を開始する。
門の前に立っている出っ歯の男に団子を食らわせ、注意をひきつけるのが始まり。
敵の注意を惹き付けている間に裏口を強行突破、混乱収まらぬうちに代官を成敗するという流れだ。
ちなみにこの作戦。代官のいる場所も、それどころか代官がどんな姿をしているかも分からないという致命的な欠陥を持っていたが、「悪代官なら、きっと屋敷の一番奥で偉そうにふんぞり返っているだろう」という根拠の無い確信に元付いて進められている。
「三、二、一……行けっ!」
弓子が出っ歯の男に向けてホウ酸団子を飛ばす。
出っ歯の男が選ばれたのは、出っ歯が災いし常に口を開いていたからだ。
哀れ、出っ歯の男はババア特製ホウ酸団子の体内への侵入を許し、地獄の坂道を転がり落ちるハメとなった。
「げんげろげぇぇぇぇぇぇっ!?」
上の口と下の口から汚物を噴出させながら空中に飛び上がり大回転をかます出っ歯。
汚すぎるウルトラC難度の技を突然繰り出した同僚に仰天し、周囲の者達が見る見るうちに集まってきて周囲を取り囲む。無論、ある一定以上の距離より近づいたりはしないが。
ホモ太郎達はそれを確認し、裏口の方に走っていく。
裏口には数名の警備兵が残っていたが、脳筋共の手によりあっという間に駆逐された。
「よし、作戦は成功だ! 行くぞ!」
ホモ太郎が激を飛ばす。
屋敷の外周はあれほど警備兵がうろうろしていたというのに、屋敷の中心部には人の気配すらろくに無かった。
ホモ太郎達は悪の匂いを嗅ぎ取りつつ先に進む。
ちなみに悪の匂いとやらは犬侍が嗅ぎ分けていた。犬侍いわく「金の有る所に悪の影あり」だそうである。
つまり、犬侍は金の臭いを嗅ぎ取っているのだった。
そうして屋敷を進んでいくと、一際厳重な造りとなっている一角にたどり着いた。
入り口には鍵が掛けられ、重厚感のある壁で覆われている。音を外に漏らさないようにするためか、窓すらなかった。
「ここが臭いな。拙者の鼻は確かだ、嫌な匂いがプンプン漂ってくるわ」
「いや、いくら悪代官でもあんたに嫌な匂いとか言われたくないでしょうよ」
「チェストォォォォ!」
サルの言葉を無視した犬侍が扉を蹴破る。
扉の向こうは、大きな一つの部屋となっていた。壁際の棚には書類や金銀財宝が納められ、屋敷の中でこの部屋が重要な意味を占めているのだと理解できる。
そして。
「おうおう威勢がいいのぉ、怒りの気配がここまで漂ってくるわ。儂がお主らに何かしたかの?」
部屋の中央には、悪代官が立っていた。
まるで、ホモ太郎達がここに来ることが分かっていたかのように。
ちなみに代官が侵入者の接近に気づいたのは、漂ってくる強烈なウンコの臭いによってであった。
正門からは新鮮なウンコ臭が撒き散らされ、裏門からは腐敗したウンコ臭が接近してくる。
生体兵器化し強化された嗅覚だ。こんな強烈な臭いを逃したりはしない。
いや仮に嗅覚を強化されていなかったとしても、異様にウンコ臭いぐらいは思うであろう。この状況で異常を感じないものなど居ない。
「代官、お前はお父様の仇っ。覚悟!」
「ああ、あの頑固ジジイが保護していた異国の娘か。なるほどなるほど、お主らにとってこれは弔い合戦というわけか。ならその怒りの感情も理解できる。ク、クク……楽しくなってきたわい」
「楽しい……だと!?」
前に出た弓子が矢を放つ。
一息で放った矢。通常なら狙いもまともに定められないだろうが、弓子には自信があった。この距離ならば外さない。
「ぬるいわっ!」
しかしその矢が代官の体を貫く事はなかった。
飛来する矢を、あろうことか代官は素手で掴み取ったのだ。
「何、馬鹿な……ッッ!?」
弓子が声を最後まで発する事はできなかった。
代官が投げ返した矢を足に受けたのだ。
「な、なんなんですかこいつ。滅茶苦茶強いじゃないですか!」
怯むサルだが、他の二人は恐れを抱かず前に出る。
最初から、手ごわい相手がいるであろうとは予測していたのだ。辺り一体を支配する代官が強力な護衛を雇っていないわけがない。
まぁ、強者が代官自身であるとは予測していなかったが……
「なるほど、強い。喜べ悪代官、お前を強者だと認めよう。俺がそのケツ穴を破壊してやる」
「……ひょ、儂のケツ穴を破壊する? は、ハハハハハっ、これは滑稽よな。儂にそのような大言壮語を吐きよるとは!」
代官を腹を抱え、心底おかしいとばかりに笑い出す。
敵を前にしてその無防備な姿。油断ではない。これは自身の強さからくる自信なのだとホモ太郎と犬侍は理解した。
「……その自信、驕りでなければいいがな」
「はっ、抜かせ。ケツ穴が破壊されるのはお前らの方だ……喰らえ、アナルファッカー!」
代官が三つの張り子をホモ太郎達に投げつける。
しかし、何の工夫もなく投げられた張り子だ。ホモ太郎や犬侍どころか、サルですらその攻撃を余裕を持って回避する事ができた。
「……何のつもりだ? 先程の矢を投げた時の手際を考えると、今は全力ではあるまい。今の攻撃に何の意味がある?」
「クク、意味か。意味ならある。強大な力を授かり生まれ変わったこの儂の力の恐ろしさを、そのケツに教え込むためよ!」
「!? ぐあああああああああああっっ!!」
ケツに悪寒を感じたホモ太郎は身を翻してその場から飛びさるが、感じた脅威から逃れる事はできなかった。
その張り子は回避したホモ太郎に追従して動き、ホモ太郎のケツ穴に突き刺さる。
強烈な圧迫感。攻めが本領のホモ太郎にとって、この圧迫感は耐え難いものであった。
「キサマ……この俺を、受けに回らせるだとぉぉぉっっ!」
ホモ太郎の怒りの絶叫。
しかし、その声を代官は涼しい顔で受け流す。
「はっはは、お主らごときが儂を攻められるわけがあるまい。お主らは籠の中の鳥よ。ただ、自らの手の及ばない所から一方的に嬲られる……この部屋に入った時点でその運命は決まっておった。儂のアナルファッカーは、因果を捻じ曲げ必ず目標のケツ穴を貫く宝具なのだ!」
「な、なんだと……?」
「冥土の土産に、将軍様から授かった新たな儂の二つ名を教えてやろう。儂の名は、ケツ穴の殺戮者――ファック・ザ・アナル。何人たりとも我がケツ穴ファックから逃れる事は叶わぬ」
ホモ太郎に続き、犬侍とサルもアナルファッカーの餌食となりその場に崩れ落ちる。
ホモ太郎ですら身動きがとれない状況なのだ。ホモですらない二人がアナルファッカーを食らって倒れ伏すのは、当然の結末だった。
「くっ……動けん。拙者が一撃で倒されるなど……っ」
「いやちょっと、何これ? なんでケツ穴に棒を突っ込まれなくちゃならないの? てか因果を捻じ曲げるとか意味不明なんですけど? あとその名前、明らかに弄られてるよね。馬鹿にされてるよね。堂々と名乗るなんて恥ずかしくないの?」
「は、恥ずかしくなど無いわ! 将軍様が直々に付けてくださった名だぞ!?」
嘘だった。今でこそ堂々と口にできるが、シリアスなシーンで名乗りを上げようとするとなぜか吹き出してしまう事が多々あった。名前も恥ずかしいし、まるで自分の考えたギャグを口に出そうとして吹き出してしまったかのような謎の羞恥心のダブルパンチ。正直勘弁して欲しいというのがケツ穴の殺戮者ファック・ザ・アナル、略してケツアナルの素直な気持ちだ。
だがその感情を表に出す事はできない。どんな経緯で陰口が将軍様の耳まで届くか分かったものではないのだ。
一方ホモ太郎は、ケツ穴を蹂躙された仲間を見てその怒りを爆発させた。
ホモ太郎は仲間を大切に想っている。どんな邪な感情であれ、その気持ちに偽りなど無い。
「くそっ、キサマよくも俺の仲間に手を付けてくれたな! 俺が初物食い好きと知っての狼藉か!」
「おい待てやコラ。お前仲間のケツ穴狙っとったんかい。僕のケツ穴は渡さないぞ!」
「ふふ、生体兵器となるためにホモパワーを得たお陰で両方いける口にはなったが、儂に男の初物を頂く趣味などないよ……初物喰いは、女に限る」
そう言ってケツアナルはホモ太郎達の横を素通りし、足を負傷した弓子のもとに向かって歩みを進める。
それに気づいたサルが弓子に警告を発した。
「いけない、こいつ陵辱属性まで持っているのか! 弓子さん逃げて、こいつは危険だ!」
「……ああ、儂のいう事を全く聞かぬあの爺の目の前でお前を手篭めにしてやりたかった。あの爺はさぞや悔しがっただろうになぁ……奴の悔しがる顔を見られなくて残念だ」
「……ひっ」
弓子は後ずさり、近づいてくるケツアナルから逃げようとする。
が、足に矢が突き刺さっているのだ。その動きは鈍く、とても代官から逃れられるとは思えなかった。
「ま、待て……」
ドスン、と。
一歩踏み出したホモ太郎の制止を受け、ゆっくりと後ろを振り返るケツアナル。
「ほう? 儂のアナルファッカーを喰らって動けるとはな。だが、立ち上がるのすらやっとではないか。そんな有様のお前に、一体何ができる?」
「舐めるな。ホモとしての力でこの俺を上回れるつもりか。この程度の攻撃、乗り切ってみせる」
「口だけは達者だなぁ~、お主の強がりがどこまで続くか見せてもらおうか」
悔しがるホモ太郎だったが、思いとは裏腹に体がまったく言う事を聞かない。
時間を掛けても、足を一歩ずつ踏み出すのがやっとの有様だった。
そんなホモ太郎を見て、サルと犬侍もなんとか立ち上がろうとする。
だが、体の動きに合わせて巧みにブルブルと振動するアナルファッカー。その刺激のせいで、二人はろくに体を動かすこともできなかった。出来るのは、せいぜいが腕を床につく程度。下半身の自由は完全に奪われている。
「くっ、動けない……! なんて情けないんだ、僕は!!」
「サル、ここは拙者に任せろ。自爆覚悟であれば、このアナル兵器をどうにかする手段はある……」
「え、この身動き一つできない状況で?」
目の前でサルと同じようにぶっ倒れてピクピクしている犬侍が、悲壮な覚悟を決めた表情で呟く。
「ああ、可能だ。だが、それをやってしまえばしばらく動けなくなるだろう。しかし最後の力を振り絞れば、ホモ太郎のケツに突き刺さったアレを引き抜くことぐらいはできる」
「すごい……この状況をどうにかできるなんて、さすがは僕が憧れた本物の侍だ!」
犬侍は、周囲の雑音を全て蹴散らした。ホモ太郎も、サルも、弓子も、ケツアナルも。犬侍は知覚できる世界の全てを己で塗りつぶす。
今感じるべきは己の体内。すべての力は己が体の内から放たれる。ゆえに、周囲の雑音など不要。最高の一撃を放つために必要なものは、己の肉体との対話。
自爆覚悟。犬侍は大事なものを捨てる決意をした。人として捨ててはいけない物。だがそんなものより、この場をどうにかする方が大切だ。
この手はとうに血に汚れている。汚い汚物にまみれている。ならば、何を躊躇う必要がある?
常識など、捨ててしまえ。たとえ全てを失ったとしても構わない。勝利の栄光をその手に掴み取るためならば、己が道をただ貫け。最後の一瞬まで。今の自分ができることなど、たった一つしかない。ならば、ただそれだけに全力を。全てを、賭けろ――!
「見ていろ、これが侍の力だ……はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっ!!」
気合を入れて腹とケツの穴に力を込める犬侍。
己が体内から放出されようとしている物の息吹を犬侍は感じ取った。
「……あれ、ちょっと待ってください。この展開ってひょっとして」
「ジェットストリームアターーーーーック!」
「ぎゃあああああああああああ!!」
ぶりゅりゅりゅと汚い音を立て、犬侍のケツからは汚物が噴水のように飛び出した。
犬侍の真後ろに居たサルは、当然その濁流に飲み込まれていく。
サルの心を絶望が襲った。本能が危機を感じて脳がフル稼働する。
だが結果を覆す事はできない。何しろ、動く事ができないのだ。サルの脳はフル稼働したが、それによって得られたものは迫り来るウンコスプラッシュがスローモーションに見えただけであった。本体より先んじて鼻腔に届く強烈な香り。ゆっくり絶望を味わうぐらいなら、ひと思いにウンコをくらったほうがマシだったかもしれない。
だが、この行為は無駄ではなかった。犬侍のケツに突き刺さったアナルファッカーがウンコに押し出されて外に抜け出たのだ。犬侍の社会的地位と後方にいたサルが犠牲となったが、それを捨てるだけの価値があったと犬侍は確信した。ウンコを大放出した反動を利用しホモ太郎に迫る犬侍を見て、ケツアナルが驚愕の声を上げる。
「ば、ばかな! 下痢便の水圧……いや糞圧で儂のアナルファッカーから逃れるとは!?」
「お前は侍を舐めすぎだ。さぁいけホモ太郎! お前の力を見せてみろ!」
ホモ太郎の元までたどり着いた犬侍は、ホモ太郎のケツに突き刺さっていたアナルファッカーを一気に引き抜く。これで、ホモ太郎が自由の身となった。
そしてウンコを大放出した疲労で床に倒れ込む。
「拙者はここまでか……後は任せたぞ、ホモ太郎」
「ああ、任された」
アナルの抑制から解放されたホモ太郎は、強大なホモオーラをその身に纏った。
全力全開。それだけの力を出さねば、この敵は倒せない。
「くっ、やはりキサマ、儂と同じホモパワーを……!?」
「さぁいくぞ。お前は俺と同じで攻めは強いようだが、守りは薄いと見た。この俺のパワーに耐え切れるかな?」
「舐めるな、幕府より代官に任命された儂はこの地方で一番偉いのだ。いわば、神にも等しい存在! お前ごときにやられるはずがあってたまるか!」
「神? ……お前ごときが神を名乗るか。真性のホモでもない、人造ホモのお前が。まがい物は必ず本物に倒される。これは運命だ」
ホモ太郎はケツの穴を締めて気合を入れる。
もう油断はない。ホモを汚すこの男を許しはしない。
「コォォォォォォ……」
肩をゴキゴキと鳴らしつつ手を天高く掲げ、両の手を組む。
これは、ホモ太郎の必殺技。あまりに強力すぎるために封印した、禁断の秘技。
ホモ太郎は手を組んだまま体を高速回転させつつ飛び上がり、ケツアナルに迫る。
ケツアナルもアナルファッカーで応戦するが、それは無駄だった。放ったアナルファッカーは高速回転するホモ太郎の体と強靭な肛門括約筋に阻まれて蹴散らされる。
「ば、ばかな!? 運命をも捻じ曲げる儂のアナルファッカーが弾かれるだとぉぉぉ!?」
「俺の運命は、俺が決める。お前ごときに左右されてたまるか! 俺のドリルは、ケツを貫くドリルだぁぁぁぁぁぁ!! 秘技、ギガドリル・ブレイクァァァァァァァ!」
「ぐあああああああああああッッ!!」
アナルにギガドリル・ブレイク――超高速回転フィストファックを喰らい、ケツアナルが悲鳴を上げる。
だが、倒れない。ホモ太郎の秘儀を持ってしても、一撃でケツアナルを倒すまでには至らない。
「は、はっはぁ! たしかに中々の一撃だったが、まだまだ甘いわ! 動きを止めたな? さぁ喰らえ、このファック・ザ・アナルの一撃を――」
「――何を勘違いしているんだ? まだ俺のバトルフェイズは終了していないぜ!」
「ひょ?」
アナルに突っ込んだ握りこぶしを開き、一気にアナルから腕を引き抜く。
ホモ太郎は、置き土産を残した。ケツアナルの直腸に、死に至る毒を差し込んだ。
「最後に一つ褒美をやろう――そぅら、日本一のきび団子だ。たんと味わって食うといい」
「な、に? これは……おげぇぇぇぇぇぇぇっっ!」
直腸からダイレクトにババア特製ホウ酸団子を吸収してしまったケツアナルは、体中の穴と言う穴から体液を噴出させる。
同時にその身に宿した生体兵器としての力――ドーピングした男性ホルモンも放出してしまい、ケツアナルの体からは精強さが一気に失われていった。
ホモ太郎の目の前に弱々しく立つのは、醜く膨れ上がった中年男性の姿。
「やはり自らの力ではなかったか……お前はただの脂肪の塊に過ぎん。本物を相手にしてしまった自分の愚かさを噛み締めてから、逝け。アータタタタタタッ、北斗・○破斬ッッ!!」
「ひでぶっ!!」
とどめの一撃――ホモ太郎の連続キックにより割り開かれたケツ穴に浣腸を受け、ケツアナルはその場に崩れ落ちた。
「や、やった……やりましたよホモ太郎さん! 悪代官を倒しました!」
ケツアナルが倒れた事で力を失ったアナルファッカーを引き抜いたサルが、ホモ太郎の元まで駆け寄ってくる。
弓子の方も足に刺さった矢を引き抜いて止血をし、なんとか動ける状態になったようだ。
犬侍はいまだ倒れているが、あの
自分達の、勝利だ。
ホモ太郎は遠い目をし、ポーズを決めてポツリと呟く。
「悪は倒した……戦いとはいつも空しい」
「いや、格好つけてますけど僕ら格好よく無かったですよね。アナルに棒突っ込まて動けなくなった挙句にウンコ漏らしてウンコ浴びて、悪代官のアナルにフィストファックしただけですよね。しかも決め手はホウ酸団子だし」
「戦いとはいつも空しい」
「いや二回言わなくてもいいですから。大事な事じゃないですからそれ」
と、足をかばいながらヒョコヒョコと歩いてきた弓子がホモ太郎に抱きついて喜びの声を上げる。
先程は絶対絶命のピンチだったのだ。恐怖から解放され気が緩んだのだろう。
ホモ太郎はメス豚に抱き疲れても嬉しくなかったが、弓子の父に敬意を表してされるがままとなっていた。
弓子の姿を見てしばらくは喜びに浸らせてやろうと思っていたサルだったが、ある事に気づいて口を挟まざるを得なくなる。
弓子のおっぱいはでかい。抱きつけば、当然おっぱいが押し付けられることになる。
「弓子さん、ウンコ浴びただけで何もしてないですけど僕にも抱きついてくれませんか? おっぱい押し付けてくれませんか?」
サルの欲望に忠実な発言にも嫌悪感を示さなかった弓子だが、サルの姿を見て嫌悪感をあらわにした。
男性が女性の体を求めるのは理解できる。嫌悪感を示す必要は無い。だが、さすがにこれは……
「私も何も出来なかったから言えた義理でもないけど……でも言おう。嫌だ、お前ウンコまみれじゃないか」
「ですよねー」
サルは落胆の声を上げつつ犬侍を蹴り飛ばして抱え上げその服で自らについたウンコを拭い、ついでに壁際の棚に無造作に置かれている金銀財宝をかっぱらいながら出口へと向かう。
「さぁ、脱出しますよ。表に居る警備連中が戻ってくる前にね」
「ああ、そうだな」
ホモ太郎も弓子に肩を貸しながらサルの後に続く。
ついでに金品をかっぱらう事も忘れない。武士は食わねど高楊枝など言うつもりは無い。金が無ければ生きていけないのだ。
そんなホモ太郎に弓子が何か言いたげな目を向けるが、どうせ言ったって聞かないと思ったのか何も口にせずスルーした。
脱出する最中、ホモ太郎は思考する。
あのケツアナルの力、まぎれもなく自分と同種のもの。
まがい物ではあるが、力は本物だ。
(……力を授かった。たしかに奴は、そう言った)
その後の話の流れを考えるに、力を与えたのはまず間違いなく将軍。幕府の最高権力者だろう。
なぜ幕府がホモパワーを操れる? まさかとは思うが――
「調べてみる必要があるな」
ホモ太郎は、次なる目標に向かって進み始めた。
ちなみにアナルファッカーをそのケツに受けた事でホモ太郎達の服には大きな穴が開き、その菊の門をご開帳していた。それを指摘されたホモ太郎は「この菊の紋所が眼に入らぬか」とばかりにポーズを取ろうとしたが、さすがに自重した。将軍を弄るよりも危険なネタだ。デンジャー度は天元突破のマッドマックス。こればかりは自身の存在すら危うい。
ホモ太郎の愚息は縮み上がった。
さて、悪代官を倒したホモ太郎達御一行。
ホモ太郎が歴史に名を残したのは、この事件が最初。
だが、この事件を契機にホモ太郎は数々の事変を起こす事となる。
あらゆる場所で、あらゆる悪をファックするその姿は民衆の心を捉え、ホモ太郎は新世界の神とまで呼ばれ崇められる。
今この時が、ホモ太郎伝説の始まりであった。
◇◇◇
次回予告 愛の探求編!
幕府の任命した代官を倒したホモ太郎一行。
権威の失墜を恐れた幕府は、ホモ太郎達に刺客を差し向ける。
立ちふさがる幕府四天王を相手に、ホモ太郎は一体どんな行動を取るのか!?
また、戦いの中でホモ太郎は目撃する。
貧困に喘ぐ、この国の民の姿を。
生きるのに必死では、真の愛を追求する事などできやしない。そう思ったホモ太郎は決意する。
「――俺は、この国の王になる」
王となり、この国の人たちを救う。
そしていずれは真実の愛を探求する心を植え付け、国民を皆ホモに目覚めさせる。
彼の壮大な野望に火が灯った瞬間であった。その火はやがて業火となり、この国を包みこんで行くのだろう。
そして明かされる、ホモ太郎の過去。
彼には驚異的なパワーの他にも、呪いともいうべき神の加護が与えられていた。
それは、ホモ太郎が好意を示した女性はホモ太郎の事を愛してしまうと言う呪い。
捻じ曲げられた愛の中で育った彼は、愛を信じる事ができずに歪んでいく。
結果、彼は真なるホモと化した。
そしてお爺さんのイチモツにより封印が解かれるまで、ケツの殻の中に閉じこもっていたのだ。
「私はあなたの事が好き。この感情は、偽者なんかじゃない」
弓子は、ホモ太郎を背後からギュッと抱きしめて語りかける。
「私の気持ちは伝えたよ? 今度はあなたの番。怖がらずに、ちゃんと伝えて欲しい」
はたして弓子は、ホモ太郎の心を救う事ができるのか!?
待て、次号!!
注:続きません。
◇◇◇
次回予告 遊○王編!
破竹の快進撃を続けるホモ太郎一行。
その手は一気に将軍の元まで迫った。
しかし、そこにホモ生体兵器化の研究をしていた者達の罠が立ちふさがる!
ホモ太郎は、強化した男性ホルモンと強大なホモパワーにより無敵の力を得た愛の戦士。
しかしそれがホモ太郎の弱点でもある。
研究員達は、なんとホモ太郎に女性ホルモンを打ち込む事で無力化しようと画策したのだ!
やめて! 女性ホルモンの力で女体化してしまったら、ホモ太郎がホモパワーを失ってしまう!
お願い、負けないでホモ太郎! あなたが今ここで女体化してしまったら、サルや犬侍との約束はどうなっちゃうの? 男性ホルモンはまだ残っている。ここを耐え切れば、将軍を倒せるんだから!
次回、「ホモ太郎、女体化す!」 アナルスタンバイ!
注:天地がひっくり返っても続きません。
血迷ってこの作品を最後まで読んでしまった方へ。
私から贈れる言葉はたった一つしかありません。
ごめんなさい。
生きるのに疲れてやった。今は後悔している。
もし次が許されるのならば、次はもっと突き抜けたい。